結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−301431(T2008−301431/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1974848号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、昭和59年4月27日に登録出願され、第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年8月19日に設定登録されたものである。
その後、2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、その指定商品については、平成20年7月2日に、第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳幼児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、第30類の指定商品中「香辛料」については、その登録を取り消す旨の審決がなされ、平成21年3月27日に当該審決が確定している。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び第2号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人の調査によると、本件商標は、請求の趣旨に記載する指定商品について、商標権者又は使用権者によって継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人は、本件商標は、商標権者によって使用されていると主張しているが、提出資料に現れる「そば割烹安曇野庵」(「野」は異体字、以下同じ。)なるものは商標権者そのものなのか、独立法人なのか、独立法人であるとすると商標権者とはどういう関係のものかが全く判らない。
イ 被請求人は、本件商標の使用の証拠として乙第1号証ないし第20号証を提出しているが、本件商標「マルニナナツボシ」は、乙第5号証ないし第8号証に見られる生そばのビニール包装袋の左下の「安曇野庵」に冠して表示されているだけで、本件商品の外装容器とされる第3号証及び第4号証の容器あるいはラベル等には「マルニナナツボシ」の標章は見当たらない。
乙第10号証ないし第13号証の広告には、乙第5号証ないし第8号証に見られる本件商品の写真といわれるものがそのまま掲載されている。そして、そばつゆなるものには、本件商標のような商標の表示はない。
商品の包装形態等から見ても、乙第5号証ないし第8号証に見られる生そばのビニール包装袋の左下の「安曇野庵」に冠して表示されている商標が、そばつゆの商標として把握されるようなものでないことは、明白であり、これらをもって、本件商標の使用であるとする被請求人の主張は理由がない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし第20号証を提出した。
(1)答弁の概要
本件商標は、商標権者により、取消に係る指定商品「調味料」中「そばつゆ」に、継続して本件審判の予告登録の日である平成20年12月2日前3年以内に、日本国内において使用されており、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものではない。
(2)証拠の説明
乙第1号証は、商標権者のホームページで、同人が営業を展開する飲食店「銀座ライオン」の名称が冠されたサイトの出力である。1頁左欄下部に「ご自宅/ご贈答用に」と冠して「ライオン/味の直送便」の表示がなされている。
乙第2号証は、「ライオン/味の直送便」の抜粋写しである。このサイト2頁下部に「安曇野そば詰合せ」の項目があり、イメージ写真の左上に商品自体の写真が表示されている。
乙第3号証は、「本件商品の外装容器の写真」であるが、商標権者から需要者への送品は、基本的にこの外装容器を用いて行われている。
乙第4号証は、「本件商品の外装容器のラベル貼付部の写真」であるが、各々「品名 安曇野庵そばセット」、「名称;なまそばつゆ付」、「内容量 めん1kg つゆ500ml わさび2.5g×2」並びに「販売者 株式会社サッポロライオン 東京都中央区日本橋本町2丁目6−3」等の表記が為されている。
乙第5号証は、「外装容器を開けた状態の本件商品の写真」。
乙第6号証は、「本件商品の写真」。
乙第7号証は、「本件商品を外装容器から出した状態の写真」であるが、各々「生そば」と大きく表示した商品「そば」の包装用袋及び商品「そばつゆ」の包装容器があり、また、包装用袋の左下には、本件商標と共に「安曇野庵」の文字が表示されている。
乙第8号証は、「本件商品に付された商標の部分を拡大した写真」であるが、蕎麦を彷彿とさせる地の色に対して、本件商標が、白抜きされている。
乙第9号証は、「本件商品『そばつゆ』のラベルの写真」である。
乙第10号証は、商標権者作成の「ライオン味の直送便」のパンフレットであるが、中段左に本件商品が表示されている。また、裏面には「お申し込み方法」及び「専用注文書」が、各々印刷されている。
乙第11号証ないし第13号証は、いずれも商標権者作成の「年越そば」ちらし(平成18年用ないし平成20年用)である。
これらのチラシに掲載された商品の写真では、その包装用袋に本件商標が付された状態となっている。また、これらのチラシは、基本的に同一の構成であるが、各々「受付締切り」の日付が、平成18年か同19年か同20年かで異なる外、平成20年に価格が変更されている。また、「専用伝票にてお申し込み下さい。専用伝票は店頭にてご用意しております。従業員にお申し付け下さい。」等と記載されており、最下段に「銀座ライオン」の名称とそのロゴマークが各々表示されている。
乙第14号証は、株主優待専用注文書(写し)であるが、本件商品「信州 生そば詰合せ」が、5個注文され、その配送希望日に「’08年11月4日午前」と記載されており、更に、商標権者の担当者のメモ書き「A3146、10/30発注、¥12,600−、請11/4」が為されている。
なお、これは、あくまで「株主優待専用注文書」であるが、その体裁は、乙第10号証パンフレットの裏面の「専用注文書」と同じ体裁である。
乙第15号証ないし同第18号証は、年越そばセットお申込書(写し)であるが、「受付締切り 平成19年12月22日」の記載から明らかなとおり、乙第12号証「年越そば」ちらしに対応した、申込用の専用伝票に記入されたものである。
乙第19号証は、商標権者に対して、本件商品の製造者株式会社渡辺製麺から発行された請求書(写し)である。
これによると、2007年12月31日に、請求書No1から請求書No12を合算した請求書が発行されたことが明らかである。
(3)本件商標の使用事実
以上で説明した全証拠によれば、本件商標は、商標権者により、その営業に係る店舗「銀座ライオン」その他で申込み注文を受け販売している商品「なまそばつゆ付き」に、平成10年度以降現在に至るまで使用されていることが明らかである。
また、当該商品「安曇野そば詰合せ(なまそばつゆ付き)」を広告宣伝し、注文を受け付けるためのパンフレット(乙第10号証)が存在し、平成18年から平成20年にかけて、当該商品を「年越そばセット」として販売するためのちらし(乙第11号証ないし同第13号証)が存在し、「銀座ライオン」の各店舗で配布され、その店頭に申込用の専用伝票が備え付けられており、顧客の申し出に応じ、各店舗の従業員が配布していた事実も、社会通念上認めることができる。
更に、これらの申込(乙第15号証ないし同第18号証)に対応するため、商標権者が当該商品の納品を受け、その対価を製造業者に支払った事実も、商標権者の営業に係る各店舗毎に明細を示し、商品の製造者から商標権者に対して商品の金額が請求された事実(乙第19号証)から、社会通念上認めることができる。
(1)被請求人は、本件商標を指定商品「調味料」中の「そばつゆ」について使用している旨主張し、その主張事実を立証すべく乙各号証を提出しているので、それらの証拠について検討する。
ア 被請求人は、「ライオン味の直送便」として、各種食品の注文販売をしており、その中に「安曇野そば詰合せ」ないし「信州生そば詰合せ」が含まれていることが認められる(乙第1号証、第2号証及び乙第10号証)。
イ 外装容器の写真(乙第3号証)によれば、外装容器には「信州/生そば」「要冷蔵 10°C以下で保存」の文字が表示され、品名等を表示した小さなラベルが貼付されているところ、その拡大写真(乙第4号証)によれば、そのラベルには、品名を「安曇野庵そばセット」とし、「名称:なまそばつゆ付き」として、原材料名、内容量等が表示されていることは認められるものの、前記内容量等の文字の他には、本件商標と思われる表示はみいだせない。
ウ 前記イの外装容器の写真(乙第5号証及び第7号証)によれば、外装容器には、そば入りの包装袋とそばつゆ入りの容器が入っていることが認められ、そばの包装袋表面には、「信州」と「生そば」の文字が縦書きで表示され、その下部には本件商標と同一と認められる「丸に7つ星」の図形が、その右側には「安曇野庵」の文字が表示されていることは認められるものの、たとえ、そば入りの包装袋に、前記「丸に7つ星」の図形が表示されているとしても、そばつゆ入りの容器の方には、「丸に7つ星」の図形の表示はない。
エ 乙第19号証によれば、株式会社渡辺製麺から、被請求人に対して7年12月31日付け請求書で、前記「そばセット」の代金に係る請求がなされている。
しかしながら、前記請求書に表れた「株式会社渡辺製麺」と被請求人との関係や、本件商標に関する関係(通常使用権者等)を明らかにする資料はみいだせない。
(2)以上からすると、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が請求に係る指定商品について使用されているものとは認められない。
すなわち、前記そばの包装袋には、本件商標と社会通念上同一と認められる「丸に7つ星」の図形が認められるとしても、当該包装袋は、その形態(内容)や表示に照らせば、生そばのための包装袋であることが明らかであって、けっして、「そばつゆ」のための包装袋ではなく、他方、「そばつゆ」の包装容器自体には、本件商標は表示されていない。
そして、取消請求に係る指定商品は、第30類の「調味料」であって、「そばつゆ」は包含されると解されるが、「生そば」が含まれていないことは明らかである。
そうすると、外装容器には、生そばの包装袋と共に、生そばの附属品として「そばつゆ」が同封され、「信州生そばセット」として取引されていることが認められるとしても、「信州生そばセット」に接する者が、その中に入っている「そばの包装袋」に表示された商標を、「生そば」の出所を表示したものとして理解し、取引にあたるとみることがあるとしても、「そばつゆ」の出所を表示したものと理解することはないというべきである。
したがって、使用に係る商標(「丸に7つ星」の標章)は、「そばつゆ」自体の包装容器には表示されていないのであるから、「そばつゆ」の取引において、自他商品の識別標識として使用されているとは認められない。
他に、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に、調味料について使用されたことを示す証拠はみいだせない。
(3)以上のとおりであるから、被請求人提出の証拠を総合的に判断しても、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを証明したものとは認められない。
また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
(4)まとめ
したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定商品「調味料」について使用されていなかったものといわざるを得ないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中の上記商品についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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