結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2008−890133(T2008−890133/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
第1本件商標
本件登録第4952253号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年1月7日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年5月12日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は以下のとおりである。
(1)登録第2353908号商標(以下「引用商標1」という)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成元年1月24日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同3年11月29日に設定登録されたものである。その後、同16年1月21日に指定商品を第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第4871727号商標(以下「引用商標2」という)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成13年2月2日に登録出願、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,仮装用衣服」を指定商品として、同17年6月17日に設定登録されたものである。
(3)登録第4805259号商標(以下「引用商標3」という)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成12年9月29日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同16年9月24日に設定登録されたものである。
(4)登録第4466520号商標(以下「引用商標4」という)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成12年3月30日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同13年4月13日に設定登録されたものである。その後、商標登録の取消しの審判により、商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、その審判の確定登録が同21年7月7日にされ、本権の登録の抹消がなされすでに当該登録原簿は閉鎖されているものである。
(5)登録第4490313号商標(以下「引用商標5」という)は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成12年3月30日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同13年7月13日に設定登録されたものである。その後、商標登録の取消しの審判により、商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、その審判の確定登録が同21年7月7日にされ、本権の登録の抹消がなされすでに当該登録原簿は閉鎖されているものである。
(6)登録第4528033号商標(以下「引用商標6」という)は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、平成12年3月30日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同13年12月7日に設定登録されたものである。その後、商標登録の取消しの審判により、商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、その審判の確定登録が同21年7月7日にされ、本権の登録の抹消がなされすでに当該登録原簿は閉鎖されているものである。
(7)登録第4871726号商標(以下「引用商標7」という)は、別掲(8)のとおりの構成よりなり、平成13年2月2日に登録出願、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,仮装用衣服」を指定商品として、同17年6月17日に設定登録されたものである。(以下、これらを一括していうときは「引用各商標」という。)
請求人は、「本件商標の指定商品中、第25類に係る登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第50号証を提出した。
本件商標の同一商品分野で上記第2のとおり、他人の登録商標が存在する。
そして、本件商標と引用各商標とは、類似関係にある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、本件商標の指定商品中、第25類の商品についての登録は無効とされるべきものである。
(1)本件商標は、「引用商標」(甲第8号証)と明らかに関連して登録されたものである。
しかし、同「引用商標」は、平成21年5月8日付け等で計20件が別途「取消審判」により商標登録が取消しになっている。
本件商標と「引用商標」とは、同一の構成態様であり「類似関係」にある。もし「引用商標」がなければ本件商標は登録にならなかったと思われる。
「引用商標」に係る審判請求と同時に別途「無効審判」が請求されている(甲第9号証)。
「引用商標」は、取消審判において、商標登録を取消すべき旨の審決となっている以上、そして近日中に審決が確定となることが予想される限りにおいて、同時に本件商標の登録を「無効」にさせることが必要だと思われる。
(2)「スマイリー・フェイス」は、1963年末、米国マサチューセッツ州ウスター市で「故ハーベイ・ボール」によって創作・著作された。本件商標はその「スマイリー・フェイス」を剽窃したものである。
上記「ハーベイ・ボール氏」の死後「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団」が設立され本件商標を含めた「スマイリー・フェイス」商標を使用して「世界平和の礎にする為」世界的ボランティア活動をしている。
その日本での登録商標を管理しているのが、上記商標を所有する「ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド」である。
上記財団の日本での「商品化事業」を行う代理人は「ジャス・インターナショナル株式会社」である。
(3)本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同法第3条第1項第6号に該当するから無効にされるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第2号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)利害関係について
請求人は、審判請求をするについて法律上の利益を有することを要すると解されるが、請求人は、本件商標の無効審判を請求する利益に関して何ら明らかにしていないから、請求人が本件無効審判の請求人適格を有するとは認められないものである。よって、本件無効審判は請求人適格を有しない者による不適法な請求である。
(2)本件商標と引用各商標との類否について
ア 本件商標と引用商標1の比較
(ア)目の部分
両者ともそれぞれ楕円形であるが、本件商標は向かって右側の目がウインクをしている態様になっている。一方、引用商標1の目は全体の構成に照らして小さめに描かれており、その位置についても本件商標に比べ上端部から離れた位置に置かれている。
(イ)口の部分
両者とも顔の輪郭に沿っているものの、両者の口を表す弧線の下端部の位置について微妙な差異がある(本件商標の方が下端からの位置がやや近い)。また、両端部の位置について、明らかな差異がある。このため、本件商標は口の部分が深い弧線であるのに対し、引用商標1については口の弧線が浅く(緩やかに)、短めに描かれている印象を受ける。
イ 本件商標と引用商標2の比較
(ア)目の部分
両者ともそれぞれ楕円形であるが、本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている。また、引用商標2は内部に白目を有している。
(イ)口の部分
本件商標の口は輪郭を表す円の下半分の曲線に添うように描かれた円弧状であり、両端部は全体の高さの2分の1程度のところに位置するが、引用商標2については、口を表す弧線の下端部が本件商標と比べ相当高い位置(弧線は下端から全体の高さの5分の3程度、目の部分の下端の高さ)まで伸びている。当該弧線の長さについても、本件商標に比べ、相当長い印象を受ける。
ウ 本件商標と引用商標3の比較
(ア)目の部分
両者ともそれぞれ楕円形であるが、本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている。一方、引用商標3の目は本件商標の目に比べて太く黒塗りされ、全体の構成に照らして大きめに描かれており、その位置についても本件商標に比べ上端部から離れた位置に置かれている。
(イ)口の部分
両者とも顔の輪郭に沿っているものの、両端部の位置について、本件商標は全体の高さの2分の1程度のところに位置するが、引用商標3は全体の高さの約3分の1程度と明らかな差異がある。このため、本件商標は、口の部分が深い弧線と印象されるのに対し、引用商標3については口の弧線が浅く(緩やかに)、短めに描かれている印象を受ける。
(ウ)線について
引用商標3の輪郭、目、口については、本件商標に比べ、相当太い線で描かれている。
エ 本件商標と引用商標4の比較
(ア)目の部分
本件商標については向かって左目が縦長楕円、右側がウインク状に表されている。一方、引用商標4の目は左右両方とも鳥の足跡状に直線が3分岐された態様であって、本件商標の目のウインク状とは態様が全く異なり、その外観から受ける印象も大きく異なる。
(イ)口の部分
本件商標の口は輪郭を表す円の下半分の曲線に添うように描かれた円弧状であるが、引用商標4については、口の部分が目の位置に極めて近く水平で、しかもジグザグ状の波線で表現されている。
(ウ)線について
引用商標4の目、口については、本件商標に比べ、相当太い線で描かれている。
オ 本件商標と引用商標5の比較
(ア)目の部分
両者ともそれぞれ楕円形であるが、本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている。一方、引用商標5の目は本件商標の目に比べて太く黒塗りされ、全体の構成に照らして大きめに描かれており、その位置についても本件商標に比べ上端部から離れた位置に置かれている。
(イ)口の部分
両者とも顔の輪郭に沿っているものの、両端部の位置について、本件商標は全体の高さの2分の1程度のところに位置するが、引用商標5は全体の高さの約3分の1程度と明らかな差異がある。このため、本件商標は、口の部分が深い弧線と印象されるのに対し、引用商標5については口の弧線が浅く(緩やかに)、短めに描かれている印象を受ける。
(ウ)頬の部分について
羽とおぼしき図形の有無がある。つまり引用商標5については、顔の輪郭の左右の線を一部切り取り、その切り取られた輪郭状に羽状の図形を配している。
(エ)線について
引用商標5の輪郭、目、口については、本件商標に比べ、相当太い線で描かれている。
カ 本件商標と引用商標6の比較
(ア)目の部分
両者ともそれぞれ楕円形であるが、本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている。一方、引用商標6の目は本件商標の目に比べて太く黒塗りされ、全体の構成に照らして大きめに描かれており、その位置についても本件商標に比べ上端部から離れた位置に置かれている。
(イ)口の部分
両者とも顔の輪郭に沿っているものの、両端部の位置について、本件商標は全体の高さの2分の1程度のところに位置するが、引用商標6は全体の高さの約3分の1程度と明らかな差異がある。また、両者の口を表す弧線の下端部の位置について微妙な差異がある(引用商標6の方が下端からの位置がやや近い)。このため、本件商標は、口の部分が深い弧線と印象されるのに対し、引用商標6については口の弧線がかなり浅く(緩やかに)、短めに描かれている印象を受ける。
(ウ)口の下部について
舌とおぼしき図形の有無がある。
(エ)線について
引用商標6の輪郭、目、口については、本件商標に比べ、相当太い線で描かれている。
キ 本件商標と引用商標7の比較
(ア)目の部分
両者ともそれぞれ楕円形であるが、本件商標は、向かって右側の目がウインクをしている態様になっている。また、引用商標7は内部に白目を有している。
(イ)口の部分
本件商標の口は輪郭を表す円の下半分の曲線に添うように描かれた円弧状であり、両端部は全体の高さの2分の1程度のところに位置する一方、引用商標7については、口を表す弧線の下端部が本件商標と比べ相当高い位置(弧線は下端から全体の高さの5分の3程度、目の部分の下端の高さ)まで伸びている。当該弧線の長さについても、本件商標に比べ、相当長い印象を受ける。
(3)比較に基づく類否判断
上記述べたとおり、本件商標と引用各商標とは、目の部分の態様が大きく異なり、商標を構成する構成要素の一または二以上の部分について明確な差異を有するのであるから、本件商標と引用各商標とはその全体から受ける印象が異なる。つまり、これら商標に接する需要者・取引者は本件商標と各引用商標とを異なったものとして記憶し認識するとみるのが自然である。したがって、本件商標と引用各商標は外観において相紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標は、前記のとおり図形のみからなる商標であって、これより特定の称呼、観念を生じるものではない。一方の引用各商標は、引用商標1、2、4ないし6については図形のみからなる商標であるから、これよりは特定の称呼、観念を生じるものではなく、また、引用商標3及び7については、同様に図形部分よりは特定の称呼、観念を生じるものではなく、文字部分よりは「LOVE EARTH」の文字に相応して「ラブアース」の称呼が生じ、「地球を愛する」等の意味合いとして認識されるものである。そうすると、本件商標と引用各商標とは、その称呼及び観念において類似するということはできないものである。
上記述べたことよりして、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 以上述べたことよりして、本件無効審判は、利害関係のない者からの請求であり、また審判請求理由の根拠に乏しく、さらに上記(3)において検討するも、本件商標と引用各商標はその外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、同法第46条第1項第1号に基づく無効理由を有しているものではない。
本件審理に関し当事者間に利害関係についての争いがあるので、まず、この点について判断する。
甲各号証によれば、当事者双方は、「スマイルマーク」に関連する商品化事業を行っていることが認められ、「スマイルマーク」の創作、著作の帰属を巡って、争いがあり、商標権についても、別途の審判請求事件において、請求人の関連会社と被請求人との争いが見られる。
してみれば、請求人は、本件商標の登録についての登録の無効を求めることには理由があり、本件審判の請求について利害関係を有する者というべきである。
(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、円で顔の輪郭を表わし、小さい黒塗り縦長楕円で右目を表し、左端が重なった短い2本の弧線で左目を表し、両端上がりの長い弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表した図形よりなるものである。
そして、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められる。
(1)称呼及び観念について
本件商標は、別掲(1)の構成よりなるものであり、格別の称呼及び観念を生ずるとは認められないから、称呼及び観念については、引用各商標と比較することができない。
(2)外観について
ア 本件商標と引用商標1ないし3、7との類否
本件商標は、上記2で述べたとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標1、引用商標2、引用商標3の図形部分及び引用商標7の図形部分は、別掲(2)ないし(4)、別掲(8)にそれぞれ示すように、円で顔の輪郭を表わし、一対の黒塗り縦長楕円等で両目を表し、両端上がりの弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線等で口及び口元を表してなるものである。
そして、引用商標1、引用商標2,引用商標3の図形部分及び引用商標7の図形部分は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標1、引用商標2、引用商標3の図形部分及び引用商標7の図形部分は、口及び左目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標1、引用商標2、引用商標3の図形部分及び引用商標7の図形部分は、ほほえんでいる人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標1ないし3、7とを時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
イ 本件商標と引用商標4との類否
本件商標は、上記2で述べたとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標4は、別掲(5)に示すように、円で顔の輪郭を表し、一対の内向きの矢印状に両目を表し、横にジグザグ状の線で口を表してなるものである。
そして、引用商標4は、泣きっ面の人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標4とは、目及び口の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標4は、泣きっ面の人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標4を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
ウ 本件商標と引用商標5との類否
本件商標は、上記2で述べたとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標5は、別掲(6)に示すように、円で顔の輪郭を表し、一対の黒塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりのやや短めの弧線及び当該弧線の両端にある短い棒線で口及び口元を表し、当該輪郭の左右に翼を配してなるものである。
そして、引用商標5は、架空の動物の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標5とは、翼の有無及び左目の表し方において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標5は、架空の動物の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標5を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
エ 本件商標と引用商標6との類否
本件商標は、上記2で述べたとおりの構成よりなるものであり、他方、引用商標6は、別掲(7)に示すように、円で顔の輪郭を表し、一対の黒塗り縦長楕円で両目を表し、両端上がりのやや短めの弧線で口を表し、右側の口元付近に舌を配してなるものである。
そして、引用商標6は、美味しそうな食べ物を見た人間の顔を表現したものと認められる。
しかして、本件商標と引用商標6とは、口及び左目の表し方並びに舌の有無において、顕著な差異を有するものである。
また、本件商標は、ウインクしている人間の顔を表現したものと認められるのに対して、引用商標6は、美味しそうな食べ物を見た人間の顔を表現したものと認められるから、モチーフも異なっている。
そうとすれば、本件商標と引用商標6を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において紛れるおそれはないというべきである。
以上によれば、本件商標と引用各商標とは、同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとは認められず、互いに類似する商標であるということはできない。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して、登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その指定商品中、請求に係る第25類の商品についての登録を無効とすべきではない。
なお、請求人は、平成21年7月31日付け弁駁書において、請求の理由を「本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同法第3条第1項第6号に該当するから無効にされるべきである。」旨主張しているが、係る主張は、請求の理由の要旨を変更するものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第131条の2第1項の規定により認められない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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