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Trademark Appeal Case

芸名略称の著名性判断時期

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−33118(T2007−33118/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「こぶ平」の文字を標準文字により書してなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年1月24日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、同年10月4日付け手続補正書をもって、第43類「しゃぶしゃぶ料理を主とする飲食物の提供」と補正されたものである。

2 当審における拒絶の理由

当審において、新たに、平成20年6月19日付け拒絶理由通知書をもって、「本願商標は、『こぶ平』の文字よりなるところ、該文字は、本名『海老名泰孝』、芸名『林家正蔵(九代目)』の以前の芸名である『林家こぶ平』の著名な略称として、現在においても一般に広く親しまれているものであるから、本願商標は、他人の著名な芸名の著名な略称よりなる商標に該当し、かつ、本願商標を登録することについて、前記の者の許諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨の通知をしたものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり、「こぶ平」の文字よりなるものである。

ところで、商標法第4条第1項第8号は、「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」については、商標登録を受けることができないとするものであるが、この趣旨は、人格権を保護する点にあると解される。

そこで、本願商標についてみるに、「こぶ平」の文字は、2005年(平成17年)3月21日に「林家正蔵(九代目)」を襲名した落語家(本名:海老名泰孝)の以前の芸名であった「林家こぶ平」の略称と認められるところ、現在においても、いまだ一定程度知られていることは認め得るものである。

しかしながら、商標法第4条第3項において、「第4条第1項第8号を適用するためには、その商標登録出願が、出願時において同号の規定に該当し、かつ、査定時(審決時)においても該当しなければならない」旨規定していることからすれば、本願商標の出願時点(平成19年1月24日)において、すでに芸名「林家こぶ平」を使用していた者は、新しい芸名である「林家正蔵(九代目)」を襲名していたのであるから、出願時点において、もはや、芸名「林家こぶ平」を名乗る者は存在しなかったことが明らかであり、その結果として、「こぶ平」の略称に該当する者も存在しなかったことになる。

してみれば、本願商標が他人の著名な芸名の著名な略称に該当するということはできないから、これを理由に本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとした当審における拒絶の理由は妥当でなく、その理由をもって拒絶すべきものとすることはできない。

その他、政令に定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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