Trademark Appeal Case
称呼の音質差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900050(T2009−900050/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5175358号商標(以下「本件商標」という。)は、「PHYTHERA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年11月8日に登録出願、 第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む、第35類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年10月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、「フィセル」の片仮名文字と「PHYCEL」の欧文字を二段に書してなり、平成9年10月21日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、平成11年4月9日に設定登録されたものである登録第4259959号商標(以下「引用商標」という。)と類似し、また、本件商標の指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品中「せっけん類,歯磨き,化粧品」と類似するものである。
(2)引用商標の周知性
引用商標「フィセル」は、商標登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、化粧品について、平成10年3月から使用し、本件商標の出願日である平成19年11月8日頃及び登録日である平成20年10月24日頃には、周知であった。
周知商標は、非周知の商標よりも混同される範囲は広く、保護される範囲は広いというべきであり、称呼の類似範囲は広い。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その指定役務中「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「PHYTHERA」の文字を書してなるから、その構成文字より「フィセラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
これに対し、引用商標は、「フィセル」の文字と「PHYCEL」の文字を書してなるから、その構成文字より「フィセル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「フィセラ」の称呼と、引用商標より生ずる「フィセル」の称呼とを比較すると、両者は、共に3音からなり、「フィセ」の音を共通にするものの、末尾において「ラ」と「ル」の音の差異を有するものである。
そして、該差異音「ラ」の音は、調音方法を弾音とする子音「r」と母音「a」との結合した明瞭な音であり、「ル」は、調音方法を弾音とする子音「r」と母音「u」との結合した内にこもるような音であるから、その音質を異にするものであり、この差異が3音という短い音構成に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼したときは全体の語感、語調が異なったものとなり、彼此相紛れるおそれはないものである。
また、両商標は、それぞれの構成文字に照らし外観上、明らかに相違するものであり、観念においては、両商標が格別の観念を生じないものであるから、比較すべきところがない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのないものであり、引用商標が化粧品に使用され、その需要者に相当程度知られているとしてみても、本件商標と引用商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとはいうことができない。
したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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