Trademark Appeal Case
ファブリックパネルの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900078(T2009−900078/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5191482号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成20年5月20日に登録出願、第24類「織物製壁掛け」を指定商品として、同年11月14日に登録査定され、同年12月19日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
本件商標「ファブリックパネル」は一般名称であり、事業者が自己の取り扱う商品として区別することができない名称である。
「ファブリックパネル」とは、木製のパネルに布(ファブリック)を貼り付けたインテリアの総称である。
ファブリックパネルは、北欧やヨーロッパの国々で昔からインテリアアイテムとして利用されており、日本の掛軸と同じように季節毎に掛けかえて楽しむといった物である。
日本でも5〜6年前ぐらいから北欧の文化として取入れられ、テレビドラマやCMなどに多く使用され、今ではインターネットで検索しても約56万件のヒット、ショッピングサイトでも3千件以上で販売されている。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)も、平成19年の7月にオリジナルのファブリックパネルを製造、販売を開始し広く告知してきた。
以上のとおりであるから、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 申立て理由について
申立人は、本件登録異議の申立ての理由について、上記のよう、本件商標に対する具体的該当条文を特定していないが、申立て理由全体の趣旨よりすると、商標法第3条第1項各号中のいずれの号に該当するか否かは別として、「本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。」と主張していると、いえるものであるから、以下、本件商標が自他商品識別力を有するか否か判断する。
2 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、薄墨のような地色の横長長方形内に、濃淡の異なる筆記体の欧文字と思しき文字をずらして重ね合わせた特異なデザインを施されたものといえるものである。
3 「ファブリックパネル」に関する申立人の提出に係る証拠及び職権による調査によれば、以下の事実が認められる。
(1)2007年(平成19年)7月31日付け「大分合同新聞社」には、「ワールドオフィスが/古典柄ファブリックパネル」の見出しの下、「商品企画などのワールドオフィスが、北欧発祥のインテリア『ファブリックパネル』の古典文様シリーズ『聖(ひじり)』を商品化した。ファブリックパネルは布製の壁掛けパネルで、デザイン性の高いモダンな図柄が特徴。・・・」の記事が掲載されている。
(2)2007年(平成19年)10月16日付け「日本繊維新聞」には、「テキスタイル出展増」の見出しの下、「10−12日、東京ビックサイトで開かれたホームファッションの国際見本市・・・家具や雑貨のクラフトマンビルダーズショップ、スウェーデン製壁紙の村上工務店、ファブリックパネルのワールドオフィス3社・・・」の記事が掲載されている。
(3)2007年(平成19年)9月1日付け「HOMEFASHION NEWS」には、「注目企業紹介」の見出しの下、「〜日本の古典柄を用いたファブリックパネルを展開〜 株式会社ワールドオフィス Fire01」、「ファブリックパネルとは木製のパネルに布を貼り付けたインテリアの総称。元々は北欧やヨーロッパの文化で、昔から親しまれてきたが、最近は日本でもテレビやCMなどで使用されるなど、目にする機会が増えている注目のインテリアである。・・・」と紹介されている。
(4)2008年(平成20年)1月28日に「大分放送」にて、申立人の代表者が出演し、「ファブリックパネル」について紹介した。
(5)職権によるインターネット調査によれば、本件商標の商標権者のホームページ(http://www.lune-deau.com/)において、「・・・癒しの北欧インテリア雑貨、ファブリックパネル専門店Lune d’eauです。・・・ファブリックパネルとは北欧が発祥のインテリアです。別名ファブリックボード、ウッドパネル、ウォールパネル、テキスタイルパネルと呼ばれておりますが、当社の商品名として『ファブリックパネル』と名づけました。」と記載されている。
(6)「新コンサイス英和辞典」(昭和50年9月15日 株式会社三省堂発行)によれば、「fabric」の語は「織物、生地」の意味、「panel」の語は「羽目板、窓枠」の意味をそれぞれ有するものであり、また、広辞苑(第5版1998年11月11日 発行)によれば、「ファブリック」(【fabric】)の文字は「織物、布地」の意味、「パネル」(【panel】)の文字は「鏡板、羽目板」の意味をそれぞれ有するものである。
(7)以上を総合すると、「ファブリックパネル」(片仮名文字)は、本件商標の指定商品「織物製壁掛け」との関係よりすると、「木製のパネルに布を貼り付けた壁掛け」を表す用語として、本件商標の登録査定(平成20年11月14日)以前より、普通に用いられていたと認められるものであるから、「ファブリックパネル」の片仮名文字自体を「織物製壁掛け」に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
4 本件商標の自他商品識別力について
本件商標は、別掲のとおり、如何なる欧文字を表したものか直ちには認識、理解し難い外観上極めて特異なデザインを施されたものというのが相当であるから、これよりは「Fabric Panel」(ファブリックパネル)を想起しない特異なデザインを施された商標として登録されたというべきであって、その特異なデザインを施された商標としての範囲内において自他商品識別力を有すると解すべきである。
5 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項各号に違反して登録されたものではなく、自他商品識別力を有する商標というべきであるから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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