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Trademark Appeal Case

結合商標の分断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900082(T2009−900082/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5183271号商標の登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5183271号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成20年6月18日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけづめ,つけまつ毛」の他、第21類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月7日に登録査定され、同年11月21日に設定登録されたものである。

第2 申立ての理由の概要

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2694097号商標(以下「引用商標」という。)は、「フェリーチェ」の片仮名文字と「Felice」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成4年2月20日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年9月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに指定商品については、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」とする指定商品の書換登録が同17年1月5日になされ、現に有効に存続しているものである。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)引用商標を構成する語について

引用商標を構成する欧文字「Felice」は、「幸福な」を意味するイタリア語であり(甲第3号証)、「フェリーチェ」はその表音を片仮名で表記したものである。

したがって、引用商標から生ずる称呼は「フェリーチェ」であり、観念は「幸福な」である。また、イタリア語が、我が国においては慣れ親しまれている言語とはいえないこと、本件異議申立てに係わる指定商品を取り扱う業界においても、英語やフランス語に比べ一般的に用いられる言語ではないことを考えると、引用商標の識別力は、造語にも劣らない強いものであることは間違いない。

しかして、申立人は、引用商標を付した商品を、引用商標の登録日直後である平成7年(1995年)から今日現在に至るまで長きにわたって販売している(甲第4ないし第7号証)。

(2)本件商標を構成する語について

本件商標は、その一部である欧文字「Felice」が引用商標を構成する欧文字部分と同じ綴りであるから、ここから生ずる称呼及び観念は、引用商標同様、それぞれ「フェリーチェ」と「幸福な」である。

次に、欧文字「Towako」は、一般的な日本人が慣れ親しんだローマ字読みで無理なく「トワコ」の称呼が生じる。

さらに、「Towako」の語から生ずる観念についてみる。本件商標の商標権者である「株式会社FELICE TOWAKO」の代表者は君島誉幸であるが(甲第12号証)、同人の夫人で本件商標の商標権者が販売する化粧品のプロデュースをしている君島十和子(きみじまとわこ)(以下「君島」という)の著名性(甲第13ないし第16号証)から君島以外の不特定の女性を認識するとなく、自然と「君島十和子」の名前を認識することは明白であるから、本件商標の構成中の「Towako」からは著名人である「君島」の観念が生じることは明らかである。

(3)本件商標の分断について

以上述べたことから、君島氏の本件商標の商標権者との関係及びその著名性を考えると、本件商標の構成においては、「Towako」の語が業務主体(いわゆるハウスマーク)的な役割を果たす一方、「Felice」の部分が個々の商品の標識(いわゆるペットネーム)的な役割を果たしている、すなわち、「Towako」の語と「Felice」の語がそれぞれ独立して認識されていると捉えるのが相当である。

また、イタリア語の成語である「Felice」と日本人の名前の欧文字表記である「Towako」とでは、意味の繋がりも全くなく、一連一体に捉えるべき特別な理由もないので、「Felice」と「Towako」の間にスペースがあることや「Felice」の語頭の「F」と「Towako」の語頭の「T」が大文字でその他「elice」と「owako」が小文字であることとも相侯って、本件商標が「Felice」と「Towako」に分断して認識されることは明白である。

なお、著名商標を含む結合商標、及び構成中に人名を含む結合商標の審判例(甲第22ないし第38号証)からしても、本件商標中「Towako」の語が業務主体(いわゆるハウスマーク)的な役割を果たし、「Felice」の部分が個々の商品の標識(いわゆるペットネーム)的な役割を果たしているのであり、また、人名を表す語とこれを除いた語を結合することによって親しまれた熟語を形成するものとはいえず、一連一帯に認識することはないと判断された事例からしても、本件商標を一連一体に認識するのは相当ではなく、本件商標は「Felice」と「Towako」に分断して認識されるのがごく自然である。

(4)本件商標と引用商標との対比

以上述べたとおり、本件商標と引用商標は、「フェリーチェ」の称呼と「幸福な」の観念が共通する類似の商標である。

また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似するものである。

(5)以上のとおり、本件商標と引用商標は、称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、またその指定商品も類似するものであって、時と所を違えて離隔的観察をした場合、つまり時と所を異にして本件商標を付した商品が店頭に並んでいるとき、市場に現に流通している引用商標を付した商品と相紛らわしいものであり、商品の出所の誤認混同を招くものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標法43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

本件商標は、別掲のとおり、筆記体で「FeliceTowako」と書してなるところ、語頭の「F」と中間部分「T」が大文字で表されているとしても、他の文字は全て同じ大きさ、同じ書体で、全体として外観上極めてまとまりよく一体に表されており、これより生ずるものと認められる「フェリーチェトワコ」の称呼も、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。

そして、かかる構成よりなる本件商標は、たとえ、その構成中の「Felice」がイタリア語で「幸福な」の意味を有するとしても、構成全体をもって一体不可分の一種の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、その構成各文字に相応して「フェリーチェトワコ」の称呼のみを生ずるものというべきである。

また、本件商標と引用商標とは、上記の構成よりして外観上明らかに区別し得るものであり、観念においては比較することができない。

してみれば、本件商標から単に「フェリーチェ」の称呼及び「幸福な」の観念をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼、観念上において類似するものとする申立人の主張は、採用できない。

その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき特段の理由は、見出せない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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