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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300131(T2009−300131/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4805259号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年9月29日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同16年9月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。

1 請求の理由

請求人が調査した結果、本件商標は、商標権者により、少なくとも3年以内に日本国内でその指定商品には使用されていないことが判明した。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、第三者である「A社」ないし「R社」の計18社に対して、本件商標に対し通常使用権を許諾していると主張している。

乙第1号証の1及び2の契約書らしきものを提出しているが、契約先相手も伏せられて証拠の信憑性がない。

(2)被請求人の証拠を以下検討する。

乙第2号証ないし同第7号証等は、全て製造業者の名前も証明もなく証拠にならない。

(3)そもそも、本件商標は、1963年末米国人故ハーベー・ボール氏により、創作・著作されたもので、その米国での大流行を真似て日本では昭和45年頃(ニコニコ・マーク)等の名称で大ブームがあった。

その時から日本人にとっては小学生からお年寄りまで知らない人がいない程有名になっていた。

被請求人は、その流行に便乗して、「社員が創作した」と強弁して原型商標(登録第23539085商標)を登録しただけで、本件商標は本来登録されるべきでなかった(ホームページ:http://www.smileyface-JP.com/参照)(甲第1号証)。

なお、請求人は別紙の著作権登録を所有している。(甲第2号証)

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証(枝番を含む。)を提出した。

1 理由

(1)本件商標は、被請求人から本件商標の使用許諾を受けた通常使用権者が、本件商標をプリントしたTシャツ等の被服を、小売商等に対して販売している。

以下、詳論する。

(2)被請求人は、第三者(以下、「ライセンシー」という。)に対して、外衣及び帽子の製造及び販売について、本件商標の通常使用権を許諾している。

これは、被請求人とライセンシーの間で締結された「“ラブアース”ブランドライセンス契約書」(乙第1号証)第3条及び第4条等から明らかである。

(3)ライセンシーは、平成18年3月以降、本件商標を用いた商品を、下記のとおり、小売商等に販売してきた。

下記の各商品に本件商標が使用されていることは、「『ラブアース』最終承認書」等に添付されている「製品指示書」(乙第2号証ないし同第7号証の各枝番1)に記載された各商品の図面を見れば明らかである。この承諾書及び指示書は、乙第1号証のライセンス契約書第7条に基づいて、各商品に関する承認を得るためにライセンシーから被請求人に提出されたものである。各製品指示書の上部、中央よりやや左に「品番」が記載されており、製品指示書の中央に記載されたデザインが当該品番に対応する製品のものであることがわかる。

また、ライセンシーが各商品を小売商等に販売した事実は、ライセンシーが作成した「商品別売上明細表」(乙第2号証ないし同第7号証の各枝番2以下)によって明らかである。すなわち、これはライセンシーから小売商等に販売された製品について、その品番、販売相手方、販売年月日、数量、単価、売上金額等を一覧表にまとめたものである。品番は、表の左上部、「名称」という記載の下に書かれており、これによってこの書面に記載されている販売行為が行われた商品を特定することが可能である。

そして、ライセンシーは本件商標がプリントされた下記アないしカの商品を、それぞれ下記のとおり販売した。

ア 前面左上部に本件商標がプリントされたジャージのズボン(商品番号:LEK−0080)(乙第2号証の1)を、

(ア)A社に対して、平成18年3月2日及び同月25日に合計199枚(乙第2号証の2)、

(イ)B社に対して、平成18年2月9日に60枚(乙第2号証の3)。

イ 前面中央部に本件商標がプリントされた長袖Tシャツ(商品番号LEK−0069)(乙第3号証の1)を、

(ア)C社に対して、平成18年4月10日及び同月17日に合計999枚(乙第3号証の2)、

(イ)D社に対して、平成19年4月1日及び同月30日に合計47枚(乙第3号証の2)、

(ウ)E社に対して、平成18年2月23日及び同年3月31日に合計1674枚(乙第3号証の3)、

(エ)F社に対して、平成18年1月31日から平成19年2月1日までに合計2238枚(乙第3号証の4)。

ウ 前面中央部に本件商標がプリントされた長袖Tシャツ(商品番号CA−0300)(乙第4号証の1)を、G社に対して、平成19年8月1日から平成20年1月31日までに、合計3679枚(同第4号証の2)。

エ 前面中央部に本件商標がプリントされた長袖Tシャツ(商品番号27251)(乙第5号証の1)を、

(ア)H社に対して、平成18年9月21日から同年10月25日までに、合計129枚(乙第5号証の2)、

(イ)I社に対して、平成18年7月31日から同年11月7日までに、合計717枚(乙第5号証の3)、

(ウ)J社に対して、平成18年9月15日から同年10月2日までに、合計360枚(乙第5号証の4)、

(エ)K社に対して、平成18年8月9日から同年10月21日までに、合計384枚(乙第5号証の5)。

オ 前面左上部及び後面中央部に本件商標がプリントされた長袖パーカー(商品番号LEK−0115)(乙第6号証の1)を、

(ア)L社に対して、平成19年1月12日から同年5月31日までに、合計509枚(乙第6号証の2)、

(イ)M社に対して、平成20年7月30日に60枚(乙第6号証の3)、

(ウ)N社に対して、平成19年10月8日及び同月13日に合計150枚(乙第6号証の4)。

カ 前面中央部に本件商標が印刷されたトレーナー(商品番号LEK−0111)(乙第7号証の1)を、

(ア)O社に対し、平成17年9月6日から平成18年12月6日まで、合計1139枚(乙第7号証の2)、

(イ)P社に対し、平成17年11月1日及び同月22日に、合計64枚(乙第7号証の3)、

(ウ)Q社に対し、平成18年11月1日に420枚(乙第7号証の4)、

(エ)R社に対し、平成18年9月30日から同年12月7日まで、合計897枚(乙第7号証の5)。

(4)なお、本件商標と上記アないしカの商品に用いられている標章は、いずれも完全に同一とはいえない。しかし、それぞれが標章として有している特徴は、本件商標のそれと合致しているのであり、各商品に用いられている標章は、本件商標と社会通念上同一と認められる。

すなわち、本件商標の特徴を見るに、本件商標は図形部分と文字部分からなる。そのうち図形部分は、円が顔の輪郭を、その円内上部にある一対の黒色楕円が目を、円内下部の浅い円弧状の曲線が口を表している。また、口を表す曲線は、端部で短い直線と交わっており、これが人が笑ったときに唇の端部に生じるくぼみを表現している。そして、これらは全体として人の笑顔を表しており、左右対称である。

また、文字部分は、図形部分の上方に配置され、愛及び地球を表す英単語「LOVE EARTH」が、アルファベットで記載されている。文字部分の左右幅は、図形部分のそれよりも若干長い。

そして、こうした特徴をもつ本件商標とライセンシーによって販売された上記アないしカの各商品に印刷された各標章を比較すると、それら各標章は、いずれも本件商標と同様の特徴を有する図形部分及び文字部分からなっている。このことは各製品の「製品指示書」(乙第2号証ないし同第7号証の各枝番1)に記載された図面を見れば、明らかである。

よって、上記各商品に用いられている標章は、本件商標と社会通念上同一と認められる。

2 以上述べてきたとおり、本件商標には使用の事実が存在する。

よって、本件審判の請求は成り立たたない。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る乙第1号証ないし同第7号証(枝番を含む。)によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証の1及び2は、共に「“ラブアース”ブランドライセンス契約書」の表題のあるグンゼ株式会社(甲:被請求人)とマスキングされている乙社との間でのライセンス契約書の写しで、その各最終ページに乙第1号証の1には「2004年11月1日」、同第1号証の2には「2008年1月1日」の日付けと被請求人会社(グンゼ株式会社)の社長印の押印(相手先会社の代表者名及び社印はマスキングされている。)がなされている。

そして、乙第1号証の1は、その「第1条1.」に「本商標とは、甲の所有する下記商標を意味する。」として2件の登録商標が表記され、同「第1条5.」に「契約年度は、下記に定める期間をいう。」として「第1契約年度 契約締結日から2005年12月31日まで/第2契約年度 2006年1月1日から2006年12月31日まで/第3契約年度 2007年1月1日から2007年12月31日まで」と記載されている。

また、乙第1号証の2は、その「第1条1.」に「本商標とは、甲の所有する別紙『商標目録』記載の商標を意味する。」として別紙の商標目録の3番目に本件商標がその商標登録番号とともに表示され、同「第1条5.」に「契約年度は、下記に定める期間をいう。」として「第1契約年度 2008年1月1日から2008年12月31日まで/第2契約年度 2009年1月1日から2009年12月31日まで/第3契約年度 2010年1月1日から2010年12月31日まで」と記載されている。

さらに、乙第1号証の1及び2は、その「第3条(通常使用権の許諾)」に「甲は本商標の通常使用権を乙に許諾し、乙は甲によって許諾された本商標通常使用権に基づいて本商品を製造、販売する。」と記載され、同「第4条(通常使用権の範囲)1.」に「本商標に基づいて製造、販売される商品は外衣・帽子のみとする。」とそれぞれ記載されている。

(2)乙第2号証の1ないし同第7号証の1の各枝番1は、「『ラブアース』最終承認書」の表題のある製品承認書(承認日が乙第2号証の1は2005年12月19日、同第3号証の1は2005年10月13日、同第4号証の1は2007年6月15日、同第5号証の1は06年7月31日、同第6号証の1は06年8月2日、同第7号証の1は06年5月22日)で、それぞれに「製品指示書」又は「デザイン指示書」が添付され、各製品指示書等の上部に「品番」(同第2号証の1は「LEK−0080−51」、同第3号証の1は「LEK−0069−50」、同第4号証の1は「CA−0300−58」、同第5号証の1は「27251−58」、同第6号証の1は「LEK−0115−50」、同第7号証の1は「LEK−0111−50」)が記載され、該各製品指示書等の中央に本件商標とほぼ同様の標章が表示された各製品(色彩が施されたTシャツ等)のデザインが表示されている。

(3)乙第2号証の2ないし同第7号証の2の各枝番2以下は、「商品別売上明細表」で右上部に「対象伝票日付、商品コード範囲、得意先コード範囲、処理日」、その左下に「商品コード/名称、得意先コード/名称、年月日、数量・単位、単価、売上金額」等の項目(特定の部分はマスキングがなされている。)が設けられ、乙第2号証の2以下、次の記載がなされている。

ア 乙第2号証の2及び同3について

乙第2号証の2には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 LEK−0080〜LEK−0080」、「得意先コード範囲 000026〜000026」及び「処理日 2009/03/19」と記載され、同じく「商品コード/名称」には、「LEK−0080」、「年月日」には「2006/03/02」「2006/03/25」、「数量」の総合計には「199.00」の各記載がなされている。

また、乙第2号証の3には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 LEK−0080〜LEK−0080」、「得意先コード範囲 000544〜000544」及び「処理日 2009/03/19」と記載され、同じく「商品コード/名称」には、「LEK−0080」、「年月日」には「2006/02/09」、「数量」の総合計には「60.00」の各記載がなされている。

イ 乙第3号証の2ないし4について

乙第3号証の2には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 LEK−0069〜LEK−0069」、「得意先コード範囲 000301〜000301」及び「処理日 2009/03/19」が記載され、同じく「商品コード/名称」には、「LEK−0069」、「年月日」には「2006/04/10」から「2007/04/30」の各年月日、「数量」の総合計には「1,046.00」の各記載がなされ、以下、同第3号証の3及び4の右上部には、「得意先コード範囲」を異にする以外同様の記載がなされている。

ウ 乙第4号証の2について

乙第4号証の2には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 CA−0300〜CA−0300」、「得意先コード範囲 000301〜000301」及び「処理日 2009/03/19」が記載され、同じく「商品コード/名称」には、「CA−0300」、「年月日」には「2007/08/01」から「2008/01/31」の各年月日、「数量」の総合計には「3,679.00」の各記載がなされている。

エ 乙第5号証の2ないし5について

乙第5号証の2には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 27251〜27251」、「得意先コード範囲 000711〜000711」及び「処理日 2009/03/19」が記載され、同じく「商品コード/名称」には、「27251」、「年月日」には「2006/09/21」から「2006/10/25」の各年月日、「数量」の総合計には「129.00」の各記載がなされ、以下、乙第5号証の3ないし5の右上部には、「得意先コード範囲」を異にする以外同様の記載がなされている。

オ 乙第6号証の2ないし4について

乙第6号証の2には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 LEK−0115〜LEK−0115」、「得意先コード範囲 000638〜000638」及び「処理日 2009/03/19」が記載され、同じく「商品コード/名称」には、「LEK−0115」、「年月日」には「2007/01/12」から「2007/05/31」の各年月日、「数量」の総合計には「509.00」の各記載がなされ、以下、乙第6号証の3及び4の右上部には、「得意先コード範囲」を異にする以外同様の記載がなされている。

カ 乙第7号証の2ないし5について

乙第7号証の2には、「対象伝票日付 2006年01月01日〜2009年03月19日」、「商品コード範囲 LEK−0111〜LEK−0111」、「得意先コード範囲 000001〜000001」及び「処理日 2009/03/19」が記載され、同じく「商品コード/名称」には、「LEK−0111」、「年月日」には「2006/09/05」から「2006/12/06」の各年月日、「数量」の総合計には「1,139.00」の各記載がなされ、以下、乙第7号証の3ないし5の右上部には、「得意先コード範囲」を異にする以外同様の記載がなされている。

2 以上の乙各号証及び被請求人の答弁を総合すると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の範囲内と認められる商標(この点に関しては請求人は争っていない。)を本件商標の指定商品「被服」の範疇に属する「パンツ、Tシャツ」について、通常使用権者が使用していたことを証明したと認め得るところである。

3 請求人の主張について

(1)請求人は、乙第1号証の1及び2の契約書には契約先相手名が伏せられており、証拠の信憑性がない旨主張する。

しかしながら、上記のとおり、乙第1号証の1及び2は、最終ページに「2004年11月1日」、「2008年1月1日」の各日付けが明記され、被請求人会社(グンゼ株式会社)の社長印の押印がなされ、本件商標が特定(乙第1号証の2の別紙「商標目録の3番目」に表示されている。)され、また、「第3条(通常使用権の許諾)」で通常使用権について明記され、さらに、「第4条(通常使用権の範囲)1.」で製造、販売される商品が「外衣・帽子」であることも明記され、その全体の記載形式・内容を総合すると、通常の「契約書」と認められるものであるから、契約先相手の会社の代表者名及び社印が伏せられて(マスキングされて)いるとしても、この点に関する被請求人の主張は採用の限りでない。

(2)また、請求人は、乙第2号証の1ないし同第7号証の5についても、製造業者の名前も証明なく証拠にならない旨主張する。

しかしながら、この点についても上記と同様にその全体の記載形式・内容(具体的商品の品番が整合していること)等を総合すると、被請求人は、本件商標と社会通念上同一の範囲内と認められる商標を商品「パンツ、Tシャツ」について通常使用権者に実際に使用させていたと認め得るものであるから、この点に関する被請求人の主張も採用の限りでない。

(3)さらに、請求人は、「本件商標は、1963年末米国人故ハーベー・ボール氏により、創作・著作されたもので、被請求人は、その流行に便乗して、『社員が創作した』と強弁して原型商標を登録しただけで、本件商標は本来登録されるべきでなかった。」旨の主張をし、さらに、請求人は著作権登録を所有しているとして甲第2号証を提出している。

しかし、かかる請求人の主張は、商標法第50条第1項の本件商標登録不使用の審判とは直接的には関係のないことであるから、この点に関する請求人の主張も採用の限りでない。

4 むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の指定商品「被服」の範疇に属する「パンツ、Tシャツ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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