Trademark Appeal Case
「瞬間リフレッシュ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−524(T2009−524/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「瞬間リフレッシュ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年4月23日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同19年9月19日付け提出の手続補正書により、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『瞬間リフレッシュ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中『リフレッシュ』の文字は『気分をさわやかにすること。元気を回復すること。』の意味を有する語であるから、全体として、『瞬間に気分をさわやかにすること』程の意味合いを極めて容易に認識させるものである。そして、本願の指定商品中には、前記意味合いに相応する商品があり、また、指定商品以外の商品にも、『ミントの刺激的な清涼感が一気に広がる「瞬間リフレッシュ」する驚きと、口の中がすっきりする』と宣伝される『フィルム状の清涼菓子』が販売されている実状にある。そうとすると、本願商標をその指定商品中、例えば『口中清涼剤,ハーブ等の香りで清涼感が得られる薬剤,清涼感のある涙液型目薬,清涼感のあるコンタクトレンズ専用目薬』に使用するときは、『瞬間にリフレッシュ感が得られる商品』であることを認識させるにとどまり、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年5月29日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標は、その構成中「リフレッシュ」の文字が多義語であり、具体的に商品の品質等を表示するものとはいえないから、最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決で判示する「取引に際して必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するもの」ともいえず、特定人による独占使用が公益に反する商標には当らない。証拠調べ通知は、単に「リフレッシュ」や「瞬間リフレッシュ」の文字が、商品の使用感を表す文字として使用されている事実を示すに止まり、「瞬間リフレッシュ」の文字が、本願指定商品の市場において使用されている証明はなされていない。よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「瞬間リフレッシュ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「瞬間」の文字は、「またたく間。瞬時。」等の意味を有し、また、「リフレッシュ」の文字は、「気分をさわやかに一新すること。元気を取り戻すこと。」(いずれも「広辞苑第六版」)等の意味を有する文字であることから、全体として、「瞬時に気分をさわやかにする」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、前記3証拠調べ通知によれば、「リフレッシュ」の文字は、本願指定商品中「目薬、口中清涼剤」において、前記意味合いをもって使用されているものであり、また、「瞬間リフレッシュ」の文字は、本願指定商品中「口中清涼剤」のほか、皮膚や肌に使用して清涼感を感じる「化粧品」において、前記意味合いをもって使用されているものであり、さらに、請求人も自認するとおり、両各文字は、商品の使用感を表す文字として一般に使用されているものである。
また、前記通知によれば、本願指定商品中、目薬及び口中清涼剤等薬剤を取り扱う業界においては、瞳や口内に清涼感や爽快感を与え、リフレッシュできる商品が流通している実情にあるといい得るものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、清涼感や爽快感を与える商品、例えば「目薬、口中清涼剤等薬剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「瞬時に気分をさわやかにする商品」と認識し、商品の使用感、すなわち商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識、把握するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たす商標とは認識し得ないというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、その構成中『リフレッシュ』の文字が多義語であり、具体的に商品の品質等を表示するものといえないから、最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決で判示する『取引に際して必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するもの』とはいえず、特定人による独占使用が公益に反する商標には当らない。証拠調べ通知は、単に『リフレッシュ』や『瞬間リフレッシュ』の文字が、商品の使用感を表す文字として使用されている事実を示すに止まり、『瞬間リフレッシュ』の文字が、本願指定商品の市場において使用されている証明はなされていない。」旨、主張する。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日判決言渡)旨判示されており、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、その指定商品の取引者、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられているかによって判断されなければならないところ、本願商標は、「瞬時」の意味を有する「瞬間」の文字と、本願指定商品の分野で、商品の使用感を表す文字として、一般に使用されている「リフレッシュ」の文字との結合からなるものと容易に認識されることから、「瞬時に気分をさわやかにする商品」と理解され、商品の品質等を表示したものと認識されることは、前記認定のとおりであり、たとえ「リフレッシュ」の文字が多義語であるとしても、このように理解することを妨げる特段の事情とまでは認められないものである。
そして、同号の適用において、現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないと判示されていることからすれば、本願指定商品を取り扱う業界において「瞬間リフレッシュ」の文字の使用が極めてわずかであるとしても、それを理由に同号の適用を免れるということにはならないというべきである。
そうとすれば、本願商標は、指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示の商標といわざるを得ず、このような商標を特定人に独占させることは適切ではないといわなければならない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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