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Trademark Appeal Case

地名・普通名称の識別力と使用による識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−11501(T2008−11501/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「東京牛乳」の文字を縦書きで表してなり、第29類「牛乳」を指定商品として、平成19年4月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『東京牛乳』の文字を縦書きで表してなるところ、これに接する取引者・需要者をして、『東京で製造・販売されている牛乳』程の意味を認識させるにとどまり、これをその指定商品に使用するときは、単にその商品の産地・販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、前記1のとおり、「東京牛乳」の文字を縦書きで表してなるところ、その構成中の「東京」の文字部分は、日本の首都名であり、また、「牛乳」の文字部分は、商品の普通名称を表すものであるから、全体として「東京において生産ないし販売されている牛乳」の意味合いを極めて容易に理解、認識させるものである。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、前記の商品の産地、販売地を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第3条第2項について

請求人は、本願商標は商標法第3条第2項の適用により登録されるべきである旨主張し、証拠方法として、原審において提出した甲第1号証ないし甲第7号証を(枝番を含む。)援用している。

そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備しているか否かについて検討する。

甲第5号証によると、請求人は、2006年9月12日に本願商標と同一の商標を付した商品「牛乳」(以下、「使用商品」という。)を発売したことが認められる。

甲第6号証は、使用商品の2006年9月〜2007年11月における「1.東京牛乳導入先リスト」及び「2.東京牛乳販売実績」である。

そして、「1.東京牛乳導入先リスト」には、チェーン名として38店の名称が記載されているが、その大半を占める35店の供給エリアの欄には、東京、関東、神奈川、千葉、群馬、栃木等と記載されており、これらはいずれも東京及びその近県と認められる。

また、「2.東京牛乳販売実績」には、使用商品の年間(2006年12月〜2007年11月)の販売実績は、「10,039t」と記載されているが、これについて、請求人は、東京牛乳は東京都の年間生産量「14,442t」の約70%を占めており、この占有率は評価に値する数字である旨述べている。しかしながら、平成18年度における東京都の年間生産量は、全国の生産量のわずかに0.2%(第45位)にすぎない(甲第3号証)ことからすると、使用商品の販売実績は、全国規模に換算すると、極めて希少なものといわざるを得ない。

さらに、甲第3号証(平成18年度都道府県別生乳生産量と消費量の関係について)によると、東京都の生乳の消費量は、全国で第1位と極めて多く、かつ、使用商品が供給されている神奈川、千葉等の消費量も上位を占めていることが認められることより、東京都及びその近県における消費量に対する使用商品の販売実績も、極めて希少なものといわざるを得ない。

請求人は、甲第7号証(「東京牛乳メディア取材露出リスト」及び「広告、イベント等のリスト」)に記載されたとおり、使用商品の広告宣伝の回数は少ないが、新聞、テレビ、雑誌等の取材は、たった1年余りの間であるにもかかわらず極めて頻繁に行われ、その結果がインターネットの検索結果(甲第1号証)に繋がっている旨述べているが、前記の広告、取材等のリストのみによっては、本願商標の使用の事実(本願商標、商品「牛乳」、請求人等の事項の具体的な内容)を確認することはできないから、その広告宣伝の結果がインターネットの検索結果(甲第1号証)とどのように関っているかは判断することはできないものである。ましてや、前記の「東京牛乳」の文字に関するインターネットにおける記事には、使用商品が請求人(出願人)の業務に係る商品であることを明確に示す記載は多いとはいえない。そうすると、甲第7号証及び甲第1号証をもって、本願商標が、特定の者の出所表示としてその需要者の間で広く認識されているものということはできない。

してみれば、本願商標が商品「牛乳」について使用された地域の大半は、東京都及びその近県という全国のわずか一部の地域にすきず、しかも、その販売実績は前記のとおりであり、その使用期間も決して長いとはいい難いものであることから、本願商標は、全国はもとより、使用されている一部の地域においてさえも、その指定商品「牛乳」について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められないものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものであるとする請求人の主張は採用することができない。

(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する 。

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