Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第13397号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおり「Hi−WAFER」の欧文字を横書きしてなり、第9類「半導体ウエハ」を指定商品として、平成6年5月19日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、『本願商標は、「高級な」の意で普通に使用されている「Hi」の文字と「半導体の薄い細片であるウエハ」を表す「WAFER」の文字とをハイフンで結合してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。』旨認定し、また、商標法第3条第2項の適用も採用できないとして、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別掲に示すとおり「Hi−WAFER」の欧文字を表してなるものであるところ、前半の「Hi」の文字は、「高級の」、「高性能の」の意味を表す英語の「High」の略語として、親しまれているばかりでなく、商取引界においては、商品の品質が優秀であることを表示するためのものとして一般に使用されているものであり、また、後半の「WAFER」の文字は、本願指定商品「半導体ウエハ」を表す語として、この種商品を取り扱う業界において一般に使用されているものである。
ところで、半導体を取り扱う業界の実情について、例えば、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1985年10月16日付日本経済新聞朝刊」の9頁には、「昭電、シリコン基板に進出−来秋からサンプル出荷。」の見出しのもと「・・・・半導体不振の中での進出だが、『長期的には年率一〇%以上の成長が見込める』(村田一副社長)と判断したため。新プラントは十二月に着工し来年夏に完成する。シリコンウエハー生産の前工程となるシリコン単結晶製造ではソニーから磁場引き上げ技術(MCZ法)を導入、超LSI(大規模集積回路)用の高品位ウエハーにも対応する。」との記載、「1985年11月19日付日経産業新聞」の1頁には、「三菱モンサント、無欠陥に近い基板−ガリひ素3インチ来年販売。」の見出しのもと「三菱モンサント化成は日本電信電話(NTT)の技術を使ってほぼ完全結晶に近い大口径のガリウムひ素ウエハー(基板)を開発した。三インチ(一インチは二・五四センチメートル)径タイプで結晶欠陥個所が一平方センチメートル当たり十個程度という高品位。ガリウムひ素ウエハーの実用品としては世界最高級という。」との記載、「1994年5月11日付日経産業新聞」の8頁には、「住友シチックス、高品位ウエハー試験生産、年内には量産体制−表面を水素処理。」の見出しのもと「住友シチックスは、表面を水素処理した高品位シリコンウエハーの試験生産に乗り出した。」との記載、「1998年11月11日付日刊工業新聞」の10頁には、「三菱マテリアル、高品位ウエハーの開発を急ぐ」の見出しのもと「三菱マテリアルはシリコン事業で、高品位ウエハーの開発を急ぐ。」との記載が認められる。
以上のことよりすれば、半導体ウエハーを取り扱う会社においては、高品位のウエハーの開発・生産及びその商品の販売がされている事実を認めることができる。
そうとすれば、本願商標を構成する「Hi−WAFER」の文字は、「高品位の半導体ウエハー」を表現したものと容易に認識させるといえるから、かかる本願商標をその指定商品について使用した場合、上記実情からして、高品位の商品であることを理解させるに止まるというのが相当であるから、結局、本願商標は、商品の品質を表示したものであって、自他商品の識別機能を有しないものと認められるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標は使用により自他商品の識別力を有するに至ったものである旨主張し、甲第1号証乃至同第43号証を提出している。
しかしながら、請求人(出願人)提出の甲各号証についてみるに、本願商標の構成態様をもって使用しているのは、わずかに甲第1号証の商品カタログのみであって、それ以外の甲各号証は、その構成文字とは異なる「Hiウエーハ」、「ハイウエハー」、「ハイウエーハ」等の文字の使用である新聞記事或いは広告であるから、本願商標についての使用事実を示す書証としては適切ではなく、これら甲各号証をもっては、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者間において商品の出所の識別機能を有するに至ったものということはできない。
してみれば、請求人の提出した証拠によっては、前記主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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