Trademark Appeal Case
結合商標の類否と審査基準
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第1888号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後記のとおりの構成よりなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具、電池、電線及びケーブル、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、眼鏡、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、遊園地用機械器具、事故防護用手袋、防火被服、防じんマスク、防毒マスク、ウエットスーツ、潜水用機械器具」を指定商品として、平成7年5月15日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして、その出願の拒絶に引用した登録第880797号商標(以下「引用商標A」という。)は、後記のとおりの構成よりなり、昭和43年8月20日登録出願、第17類「被服(帽子、及びその類似商品を除く)」を指定商品として、昭和45年11月25日に登録、その後昭和56年2月27日及び平成3年1月30日商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく、登録第2201962号商標(以下「引用商標B」という。)は、後記のとおりの構成よりなり、昭和62年12月11日登録出願、第9類「農畜産用暖房器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年1月30日に登録、その後商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「化学機械器具」についてはその登録を取り消す旨の審決(平成8年審判第4076号)が確定(平成8年10月21日)、及び「コンベア及び荷役機械」についてはその登録を取り消す旨の審決(平成10年審判第31208号)が確定(平成11年9月17日)し、取り消されているものである。
同じく、登録第2204904号商標(以下「引用商標C」という。)は、後記のとおりの構成よりなり、昭和59年7月31日登録出願、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具、医療機械器具、これらの部品及び附属品、写真材料」を指定商品として、平成2年1月30日に登録、その後平成12年2月1日商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく、登録第2721524号商標(以下「引用商標D」という。)は、後記のとおりの構成よりなり、平成2年10月25日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)電気材料」を指定商品として、平成9年5月16日に登録がなされているものである。(以下、「引用各商標」という。)
なお、登録第2019868号商標及び登録第2126702号商標は、それぞれ平成10年1月26日及び平成11年3月27日に商標権の存続期間が満了し、その登録が抹消されているものである。
3 請求人の主張
(1)請求の趣旨
「原査定を取り消す。この出願の商標は、登録すべきものである」との審決を求める。
(2)請求の理由
ア 本願商標の説明
本願商標は黒色三角図形を上方に2個並設し、下方に逆向きに並設した極めて特殊性のある図形にSPACEと言う文字を合体させて不可分とした商標からなり、黒色三角図形そのものは比較的周知の図形と言えるが、この組み合わせ図形としては各種のものがあり、本願商標は前記したように、特別の形態から成立している。
なお、この形態には機能的理由を背後に有しているもので、単に思いつきで並べたものではなく、独創性を有する図形である。
イ 引用商標の説明
これ等の拒絶理由における引例の商標は、本願のものと同一又は類似の商標を有するものである。
ウ 本願商標と引用商標との対比
商公平4−110846号公報(甲第5号証)と商公平1−44118号公報(甲第6号証)に「XSPACE」と「SPACE」という商標があるが、両者とも指定商品は10類のため、両者が公告されたことは両者が類似商標ではないためである。
エ また、登録第4029030号公報(甲第7号証)のHELPなる商標と商公平6−38002号公報(甲第8号証)の□H.E.L.Pなる商標も後者は□状の標識にH・L・E・Pなる文字を付したものに過ぎない。
オ また、商公平6−72114号公報(甲第9号証)のエースと登録第446780号公報(甲第10号証)及び登録第515402号公報(甲第11号証)のエースは共に称呼類似になると思うが、双方共登録されている。
以上のように、本願の商標については原審の理由も納得できないものではないが、どうしても判断基準の上で一貫性を欠くように思われる。
特に、出願人の商標は、既に市場において使用しており、現在まで、他の権利者との間のトラブルもなく、商標の混同のような識別に関するトラブルも全くない。
4 当審の判断
本願商標は、後記のとおり、上段に黒塗りの逆三角形を二個並列に配し、下段に黒塗りの三角形を二個並列に配し、上段の黒塗り三角形と下段の黒塗りの三角形の頂点を接するように配し、その右横に「SPACE」の欧文字を横書きし上下対象になるように直線で囲んだものであるところ、その構成中の図形部分と文字部分とは常に一体として認識しなければならない事由は見出せないから、各部分がそれぞれ別個に認識される。そして、その構成態様上、上下対象の直線は中央に配された文字を強調するための装飾的図形とみられるところから、該商標に接する取引者、需要者は当該文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資する場合が多いものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、「SPACE」の文字部分に相応して、「スペース」の称呼を生じ、「空間、余地、場所」の観念を生ずるものと認められる。
引用商標Aは、その構成後記のとおり、「SPACE」の欧文字と「スペイス」の片仮名文字を書してなるものであり、我が国においては、該欧文字「SPACE」に由来する外来語を「スペース」と表記しているのが実情であり、これが片仮名文字「スペイス」の読みよりも日常化するほど一般に親しまれていることから、該商標に接する取引者、需要者は「スペース」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものといえる。
そうとすれば、該欧文字部分に相応して、「スペース」の称呼を生じ、「空間、余地、場所」の観念を生ずるものと認められる。
引用商標Bは、「スペース6」の文字を横書きしてなるものであるところ、語尾の「6」の文字部分は、商品の記号・符号として一般に採択、使用されている数字一文字であるから、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は「スペース」の片仮名文字部分にあり、該文字部分をもって取引に資する場合が多いものとみるのが相当である。そうとすれば、引用商標Bは、「スペース」の文字部分に相応して「スペース」の称呼をも生じ、「空間、余地、場所」の観念を生ずるものと認められる。
引用商標C及び引用商標Dは、「SPACE」の欧文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「スペース」の称呼を生じ、「空間、余地、場所」の観念を生ずるものと認められる。
また、外観についてみるに、本願商標は、「SPACE」の欧文字部分をもって取引に資する場合が多いと認められること上述したとおりであり、また、引用商標C及び引用商標Dは、「SPACE」の文字よりなるものであるから、取引者、需要者が本願商標と引用商標C及び引用商標Dについて、時と所を異にして接する場合には、両者は、「SPACE」の綴りを共通にする点において、外観上も近似した印象、記憶、連想等を生ずることを否定し難い。
してみれば、本願商標と引用各商標とは前記認定のとおり、称呼、観念及び外観(引用商標C及び引用商標Dとの関係)において、互いに紛れ易い全体として類似する商標であるといわなければならない。そして、本願商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて種々述べているが、これらは本件とは事案をことにするものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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