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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−10617(T2009−10617/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「調理済み牛すじ肉の味噌煮込み」を指定商品として、平成20年6月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4976017号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ダルマ」の文字を標準文字で書してなり、平成17年11月7日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,茶,コーヒー及びココア,氷,調味料,香辛料,コーヒー豆,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,酒かす,食用グルテン」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同18年8月4日に設定登録されたものである。

(2)登録第5104977号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ダルマ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成19年3月17日に登録出願、第29類「食肉,肉製品,加工水産物」を指定商品として、同20年1月18日に設定登録されたものである。

(3)登録第5104978号商標(以下「引用商標3」という。)は、「だるま」の平仮名文字を横書きしてなり、平成19年3月17日に登録出願、第29類「食肉,肉製品,加工水産物」を指定商品として、同20年1月18日に設定登録されたものである。

(以下、引用商標1、引用商標2及び引用商標3をまとめていうときは「引用商標」という。)

3 当審の判断

(1)本願商標は、別掲のとおり、四隅が丸みを帯びた赤色と橙色の縦縞模様を背景とする縦長四角形内に、黄色でダルマの輪郭と思われる図形を配してなるところ、前記黄色の図形の上部から順に四段書きで、「新世界元祖」、「串かつ」、そして、その構成中のほぼ中央部分には、大きく筆文字風に赤色で書された「だるまの」の文字及び同じく黒色で書された「どて焼き」の文字を、それぞれ白く縁取りをするように表されてなるものである。そして、各文字の背景として、左上部には大阪の新世界にある「通天閣」の写真、右上部には、顔面を大きく描かれた男性の図形が配され、黄色のダルマの輪郭図形の下部には、「串かつ」の文字の縦看板と「だるま」の文字の店名の看板が表された飲食店の写真が見て取れるものである。

そして、その構成中の右下部には丼料理の写真があり、また、その写真下部に「調理例(ネギは入っておりません)」の文字及び左下部に「180g」の文字が配されているものである。

そこで、構成中の各文字について検討すると、「新世界元祖」の文字における「新世界」の文字は、構成中の「通天閣」とおぼしき鉄塔の写真が見て取れることを考慮すると、「大阪市中部,浪速区。天王寺公園の西に接する街区。」(コンサイス日本地名事典より)を把握させ、単に商品の販売地を認識させるにすぎず、「元祖」の文字は、「ある物事を初めてしだした人。創始者。」(広辞苑第六版より)を意味し、飲食料品を取り扱う業界においては、一般的に「元祖○○」といったように、「○○」の部分に特定の商品名が付加されて誇称表示的に使用されているところである。

そして、「串かつ」の文字は、「揚げ物料理の一種。豚肉と葱ねぎまたは玉葱を交互に串に刺し、衣をつけて揚げたもの。」(広辞苑第六版より)であり、背景にある縦看板の「串かつ」の文字と相まって、料理の一名称と認識される。

また、「どて焼き」の文字は、「大阪で生まれた料理で牛のスジ肉を味噌やみりんで時間をかけて煮込んだもの。」(ウィキペディアフリー百科事典より)を意味する料理の名称であり、その指定商品との関係では、商品の品質を表示したものと認められる。

さらに、構成中の「だるま」の文字は、「達磨大師。達磨大師の坐禅した姿に模した張子の玩具。開運の縁起物とし、願いごとがかなった時に目玉を描き入れるならわしがある。不倒翁。」等(広辞苑第六版より)に通じる文字であるが、背景にある店の写真の看板の「だるま」の文字と相まって、飲食店の店名を認識させ、構成中の左下部「180g」及び右下部「調理例(ネギは入っておりません)」の文字は、その上部の丼料理の写真と相まって、その丼料理の内容量及び注意書き程度の付記的な部分であると認められる。

そうとすれば、本願商標は、全体からその指定商品の包装(パッケージ)として使用するものと認識されるものであるが、上記「新世界元祖」、「串かつ」、「どて焼き」、「180g」、「調理例(ネギは入っておりません)」の各文字及び背景図形は、商標の識別標識としては機能を有しない部分といえるものである。

ところで、本願の指定商品のように直接人体の健康等に影響を与える商品(食品)を取り扱う業界においては、当該商品(食品)の生産者、材料等を理解しやすくするため、商品の包装(パッケージ)に生産者表示、写真等を使用する販売方法は普通に行われている実情がある。

そして、生産者自身が実際にその商品を取り扱っている例もあることから、その者が販売あるいは取扱の主体となっているものと取引者、需要者に認識されることも少なくないものである。

(2)上記実情からすると、本願商標をその指定商品である「調理済み牛すじ肉の味噌煮込み」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、第一に、消費者の購入決定を左右する重要な要素の一つといえる構成全体の商品の包装(パッケージ)に注意が惹かれ、次に、それが、如何なる商品(内容物)であるかを各文字から確認することも一般的であると考えられる。

そこで、本願商標構成中の「だるまのどて焼き」の文字部分について以下に判断する。

「だるまのどて焼き」の文字部分は、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、色は違えど同様の態様で、特に大きく顕著に表されてなるところ、「だるま」の文字部分については、「開運の縁起物」又は「倒してもすぐに起きなおる(不倒翁)」に因み、飲食店名、居酒屋等の店名としても普通に使用されているところであり、これに続く「所有者を示す。所属を示す。」(広辞苑第六版より)を意味する「の」の文字で、「大阪で生まれた料理で牛のスジ肉を味噌やみりんで時間をかけて煮込んだもの。」を意味する「どて焼き」の文字をつなげることにより、「どて焼き」という商品の内容(提供者)を限定してなることから、「だるま」の文字部分が「だるま店の取扱に係るもの」ないし業務主体としての「だるま」店であることを表したものと把握されるため、全体として「だるま店の取り扱うどて焼き」ほどの意味合いをもって一つの商標として認識されるというべきであって、格助詞「の」及び「どて焼き」の文字部分を省略して、「だるま」の文字部分のみを抽出し取引に当たるとはいい難く、むしろ、構成文字全体をもって、一体不可分の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然である。また、「だるまのどて焼き」の文字から生ずる「ダルマノドテヤキ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。

してみると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、一連の「シンセカイガンソクシカツダルマノドテヤキ」の称呼のほかに、「クシカツダルマノドテヤキ」及び「ダルマノドテヤキ」の称呼をも生ずるものであって、「ダルマ」の称呼をもって取引に資されるものではないと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標から「ダルマ」の称呼をも生ずるとしたうえで、本願商標が引用商標と称呼を共通にすることのある類似の商標であり、かつ、指定商品も同一又は類似の商品であると判断した原査定は、妥当とはいい難いものである。

(3)したがって、引用商標をもって本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり、審決する。

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