Trademark Appeal Case
原材料表示と商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−339(T2009−339/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Ocean Placenta」の文字を横書きしてなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成19年3月19日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、その指定商品中『化粧品』との関係において、その原材料として既に用いられている鮭の卵巣外皮から抽出した成分の意味を表わす『Ocean Placenta』の文字を書してなるものであるから、これをその商品に使用するときは、取引者、需要者は、原材料として鮭の卵巣外皮から抽出した成分の『オーシャンプラセンタを用いた商品』と理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質を表示するものであり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年6月10日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは、何らの意見がない。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「Ocean Placenta」の文字を横書きしてなるところ、その構成中「ocean」の文字は、「海洋、海洋の」等の意味を有する英語として親しまれており、また、「placenta」の文字は、「胎盤」の意味を有する英語である。
そして、前記3証拠調べ通知によれば、本願指定商品中「化粧品」をはじめいわゆる健康食品等を取り扱う業界においては、豚や馬等の哺乳動物の胎盤から抽出した栄養素を「プラセンタ」と称して、商品の原料として使用しており、また、近時に哺乳動物以外の動物や植物に由来するもの(例えば、鮭の卵巣膜や海草等)も「プラセンタ」と称して商品の原料として使用している実状にある。
さらに、前記通知中(6)ないし(17)のように、化粧品、せっけん類等の原材料として、鮭の卵巣膜や海草等のような海洋に由来するプラセンタを「海洋性プラセンタ」、「オーシャンプラセンタ」又は「Ocean Plasenta」と称している事実が認められる。
そうとすれば、本願商標全体から「海洋に由来するプラセンタ」の意味を極めて容易に理解させるというのが相当であるから、これをその指定商品中、例えば「鮭の卵巣膜や海草から抽出したプラセンタを原材料とする化粧品・せっけん類」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識、把握するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たす商標とは認識し得ないというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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