結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2009−890018(T2009−890018/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5169764号商標(以下「本件商標」という。)は,「飛梅小町」の文字を標準文字で表してなり,平成20年2月8日に登録出願,第30類「菓子,パン」を指定商品として,同年10月3日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4692107号商標(以下「引用商標」という。)は,「飛梅」の文字を縦書きしてなり,平成14年6月14日に登録出願,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,イーストパウダー,こうじ,ベーキングパウダー,氷,酒かす」を指定商品として,同15年7月18日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項第1号により,その登録を無効とすべきである。
(1)本件商標は,「飛梅小町」と構成されているが,これは,第30類「菓子,パン」を含む指定商品に登録されている他人の登録商標を結合させて作った商標であることは明らかである。結合させた商標とは,引用商標と,「コマチ」と「小町」の文字からなる登録商標又は「小町」の文字からなる登録商標である。
本件商標のごとく,他人の登録商標を二つ結合させてなる商標は,いずれの登録商標にも類似するものであるといわなければならない。いずれの登録商標の称呼,観念,外観をも含むからである。本件商標の場合,「トビウメ」の呼称,「飛梅」の観念,「飛梅」の外観,かつ,「コマチ」の称呼,「小町」の観念,「小町」の外観の全てを含んでいるものであり,特定の観念を生じさせない限り,いずれか一方又は両方の登録商標に類似するものであるといわなければならない。
しかし,本件商標の様な結合商標において,例えば,いずれか一方が登録商標であり,他方が登録商標でない場合には,一方に登録商標を含んでいるとしても,同一又は類似の先願・既登録商標のない限り,登録が許されるのは明らかである。
この様な例として,例えば,「小町」「こまち」を,商標構成の語尾に含む登録商標を挙げると,「福岡小町」外,計49件ある。これらの登録商標は,全て指定商品に「菓子及びパン」を含むものである。
これらの商標は,その「小町」「こまち」の文字の前に付された文字が,地名,地域,原材料,方法等を表すものであったり,また,識別力を有する文字であっても先に登録された商標がなかったり,似た商標が有っても,それが非類似の商標であると判断されて登録されたものである。
したがって,これらの文字は,「小町」「こまち」の文字と結合することによって,別の観念を有する商標として,「小町」「こまち」とは,非類似の商標と認定され登録されているものである。
これらの例から本件商標をみると,本件商標は特定の観念は生じない。
また,「飛梅」の文字は,地名,地域,原材料,方法等々を表示する文字ではなく,それ自体として識別力を有する文字である。
したがって,前記の例によれば,本件商標は,「飛梅」の文字において非類似でなければならないのだが,「飛梅」については,すでに登録されているものである。このことは,本件商標が引用商標と類似するものであることを表示しているものである。
(2)本件商標と引用商標とが類似することは,別の面からも明らかある。
それは,「飛梅」の文字及びその意味が,古くから広く多くの人々に知られていることである。今日では,「飛梅」が学問の神様と言われる菅原道真を祇る太宰府天満宮にある「梅の木」ということ,そして,何故,その梅の木を「飛梅」と言うのかの理由を小学生でも知っていることである。
今日,受験の合格祈願あるいは観光で年間数百万人もの人々が,太宰府天満宮へ参拝することは,隠れもない事実である。それらの人々は,必ずや拝殿の前にある「梅の木」即ち「飛梅」を目にすることになる。その梅の木には,「飛梅」と表示されているので,何人もこれが「飛梅」かと,知ることになる。このことは,毎年繰り返されていることであり,数多の人々に知れ渡っていることである。また,「飛梅」は,数多の書籍,雑誌に,文章や写真入りで紹介されている。
本件商標は,この様に周知著名な「飛梅」の名称を含んでいるのであるから,これと何らかの関係を有するものであろうと,取引者,需要者に誤認,誤解を与えるおそれのあることは,十分考えられるところである。
この様な本件商標を,その指定商品に使用すれば,引用商標と誤認されることは,明らかである。
(3)「飛梅」は,特定の意味観念を有する場合のみ,結合商標として登録されている。
例えば,「飛梅便り」は,「飛梅に関する知らせ」の様な特定の意味観念を有するものとして認識されるものであるから,登録が認められたのであろうと考えられ,「飛梅」が前にあり登録が認められているのは,「飛梅便り」ただ一件である。
本件商標は,何ら特定の意味観念を有しないものであり,そこからは,結合された二つの登録商標の称呼,観念がそれぞれ生じるとみるのが正しい判断と思われるのである。取引者,需要者においては,「飛梅」も「小町」も馴染み深くかつ語が短く親しみ易いので,いずれかの文字で,本件商標を知覚認識すると考えるのが妥当である。
これ故,本件商標からは,「トビウメ」の称呼,「飛梅」の観念も生じること明らかである。
(4)前記の「小町」「こまち」の文字を商標構成の語尾に含む商標からも明らかなごとく,これらの商標は,「小町」「こまち」の文字によって,識別されているのでは無く,「小町」「こまち」に付されている文字によって識別されていることは,明らかである。
けだし,これらの商標の「小町」「こまち」には,識別力がないと見るのが妥当だからである。そうであれば,本件商標の識別力は,「飛梅」の文字にあることが明白である。
(5)以上のとおり,本件商標は,引用商標と明白に類似する商標であるから,その登録は無効にされるべきものである。
被請求人は,何ら答弁していない。
本件商標は,前記第1のとおり,「飛梅小町」の漢字を標準文字で表してなるものである。
そして,本件商標の構成中の「飛梅」は,「菅原道真が太宰府へ左遷された時詠んだ梅の木にちなんだ故事」中の「梅の木」として一般によく知られているものということができる。
また,本件商標中の「小町」は,請求人の提出に係る甲第3号証の1ないし49の登録例(いずれも指定商品を「菓子及びパン」又は「菓子」とするか,これらを包含しているものである。)からすると,本件の指定商品である「菓子,パン」を取り扱う分野において,地名,地域,原材料等の語と結合し,「○○小町」,「△△小町」のような態様で多用されていることが認められ,請求人の主張するとおり,このような結合状態における「小町」の自他商品識別機能は,必ずしも高いものとは言い難い。
そうすると,本件商標に接する取引者,需要者は,その構成中の「飛梅」の部分に着目し,その部分をもって取引に資する場合も少なくないといえるから,本件商標からは,「トビウメコマチ」の称呼のほかに「トビウメ」の称呼をも生じ,また,「飛梅」の観念を生ずるものというのが相当である。
引用商標は,前記第2のとおり,「飛梅」の文字を縦書きしてなるものであるから,「トビウメ」の称呼及び「飛梅」の観念を生ずるものである。
以上からすると,本件商標と引用商標とは,全体の外観の相違を考慮するとしても,「トビウメ」の称呼及び「飛梅」の観念を同じくする類似する商標といわざるを得ず,かつ,本件の指定商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似するものである。
なお,被請求人は,前記第3の請求人の主張に対し,何ら答弁するところがない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効にすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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