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Trademark Appeal Case

普通名称と品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−3300(T2008−3300/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「液体の塩」の文字を標準文字により表してなり,第32類「濃縮海洋深層水,その他飲料用水」を指定商品として,平成19年4月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は,以下の(1)及び(2)の理由により本願を拒絶した。

(1)本願商標は,「塩になる前の濃縮された液体状の塩」を認識,理解させるものであるから,これをその指定商品中「液体状の塩を加味した商品」に使用するときは,単に商品の原材料,品質を表示するに止まり,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり,また,前記商品以外の商品に使用するときには商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願の指定商品は,その商品の内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。また,その指定商品が不明確であって内容及び範囲を把握できないから政令で定める商品及び役務の区分に従って第32類の商品を指定したものとも認められないから,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。

3 当審の審尋(要旨)

当審において調査したところ,本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するものであると認められる新たな証拠を発見したので,以下のとおり通知する。

本願商標は,第32類「濃縮海洋深層水,その他飲料用水」を指定商品とするものであるが,近年,海水や海洋深層水を濃縮したり,岩塩を飽和状態にまで溶かすなどして液状にした塩が調味料として取引され,それらの商品の名称や内容の説明として,「液体の塩」,「液体塩」,「液状塩」及び「液状タイプの塩」などの文字が用いられていることが,以下のウェブサイトにおける記載により認められる。

そうすると,「液体の塩」からなる本願商標を,その指定商品(濃縮海洋深層水,その他飲用水)に使用するときには,あたかもそれが調味料として用いられる上記液状の「塩」であるかのように,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと言わざるを得ない。

(1)http:www.kuminomizu.com/product/ekisionigari.htm

商品名「液塩にがり」(液状タイプの塩)

にがり成分をすべて残した新しいタイプの液体の塩です。ミネラル補給に,入浴剤代わりに,料理に使えば素材の味がいっそう引き立ちます。100ml/300円 200ml/400円...商品の特徴 100%海洋深層水を使い,ミネラルを豊富に含んだ液体の塩です。一般的に海水から塩を作る場合,海水を濃縮し,塩の結晶とにがりを分離させて,にがりを取り除きます。本品はにがり成分をすべて残しているので,豊富なマグネシウムとカリウムを含んでいます。液状なので,おにぎりを作る時や料理に使う時もムラがなく均一に味付けができ,まろやかな塩味に仕上がります。また,生野菜に直接ふりかけてもお使いいただけます。

(2)http://trajet.jp/nostalgic/nostalgic_06_04.php

天然母液 越前鹹水(えちぜんかんすい・1050円)なんと液体の塩。肉,魚の下ごしらえに最適。つけだれにするとさっぱりとおいしく,わさびとも相性もよい。

(3)http://www.ntv.co.jp/omoii-tv/teacher/090304.html

料理の仕上げをおしゃれに演出 スペインの液体調味料

≪リキッドソルト≫

スペインの老舗レストランが開発した,塩が液体になった調味料。液体の塩が霧状に出てくるので,軽く炙ったお肉や白身魚,蒸し野菜などに一吹きすると,料理の仕上げがおしゃれに演出できる。ハーブ風味や,燻製の香りが付いたものがある。[価格]1680円(1本)...

(4)http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20080529103.htm

輪島市内の菓子業者らが,同市七ツ島周辺の海水を濃縮した液体の塩「水塩(みずしお)」を使った「汐(しお)まんじゅう」を二十八日までに完成させた。不純物の少ない七ツ島周辺の海水を生かした地元の特産品と位置付け,河井町・朝市通りなどで販売していく。

(5)http://www.wajima.ne.jp/ippin/kuraguchiya_1.html

藏口屋(1/3)能登輪島の海から生まれた水塩。

輪島の海水からつくった水塩「はジめ」は,苦味や渋みなどのもとになる成分を取り除いた液体の塩。カリウムとマグネシウムが多く,にがりのミネラル成分が豊富な塩というわけです。

(6)http://www.myfavorite.bz/genten/pc/contents25.html

天然鹹味(かんみ)調味料

「感味」新しい鹹味(塩分)の世界 液体塩:500ml 海水100% /塩分濃度25%/無添加 結晶塩:100g/200g/ 無添加

感味は,奥能登日本海の滋味あふれる清涼な海水100%を原料にした天然鹹味(塩分)調味料です。天然塩や加工塩を水に溶かした液体塩とは異なり,天然のミネラルがそのままのバランスで含まれています。...

(7)http:www.e-aromalife.com/himuka/salt.htm

「回氣」調理用・携帯用岩塩(飽和岩塩水)

使いやすい液状塩。調理にも食卓にも適量が手軽に使えます。

容量:200ml 原材料:湖塩岩塩 原産国:内蒙古吉蘭泰 定価1,365円(税込)

入浴用岩塩「さくら」...塩湖周辺の地下からは化石のような岩塩結晶が採掘され,これをヒムカが調整して「さくら」の原料としました。...「さくら」を日常的に使いやすくするために,飽和状態にまで溶かし高濃度の液状にしたものが「回氣」です。

(8)http://www.wajima-mannaka-asaichi.com/SHOP/kura-so-ms-0500.html

「水塩はジめ500ml」

能登半島輪島沖25キロの海水を屋内低温製法で,25.5%まで濃縮した液体塩です。海水から不純物を取り除くだけの,添加物は,全然なしの製法です。液体なので,野菜,鶏肉,豚肉などに相性が,良いです。スプレーでサラダにどうぞ!!

なお,請求人の開設するウェブサイトにおいても,請求人が本願商標を使用するとする商品(甲第1号証及び甲第2号証)は,「商品カテゴリ単品商品食塩」の項目に掲載されている(http://www.muen-soy.jp/6.html:)。

(上記の証拠中(3)及び(6)ないし(8)は平成21年6月2日に検索,その他は同年5月28日に検索)

4 前記3の審尋に対する請求人の意見(要旨)

請求人の所有する「液体の塩」と「図形」からなる登録第5119778号商標(以下「使用商標」という。)が「濃縮して塩類濃度を高めた海洋深層水」を指定商品として登録され,これを請求人は,その指定商品について使用している。これは,「液体の塩」の文字を含む使用商標が現に商品「海洋深層水」に使用され,商品の品質誤認を生じることもなく,その商品の自他商品識別標識として機能していること,つまり「液体の塩」がその商品のブランドとして取引者や需要者に認識されていることを示すものであるから,本願商標を指定商品に使用しても,取引者や需要者が「塩」の文字に惑わされてその商品を「調味料の塩」であると誤認するとは到底解されない。よって,本願商標は商標法第4条第1項第16号に該当しない。

なお,請求人は審尋に対する補正を行っていないが,本願の指定商品を「濃縮して塩類濃度を高めた海洋深層水」に補正する必要がある場合には,指示を願いたい。

5 当審の判断

本願商標は,上記のとおり,「液体の塩」の文字からなるところ,これは,「物質の状態の一つ。水や油のように,一定の体積をもつが一定の形状をもたないもの。(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)」の意を有する「液体」の語と,調味料の一である「塩」の語を,格助詞「の」によって結合したものであり,全体として「液体状の塩」の意味合いを看取させるものといえる。

そして,近年,海水や海洋深層水を濃縮したり,岩塩を飽和状態にまで溶かすなどして,液状にした塩が,調味料として取引され,それらの商品の名称や内容の説明として,「液体の塩」,「液体塩」,「液状塩」及び「液状タイプの塩」などの文字が用いられていること,また,請求人自身も,液体状の塩を,商品名「液体の塩」と表示し,「塩分が溶けているので,料理に使えば塩加減も簡単です。」などの説明を記載し,商品カテゴリとして「食塩」の下で販売していることが,前記3の審尋により請求人に開示したウェブサイトの記載により認められる。

ところで,これらのウェブサイトに掲載された商品をみると,そこに掲載された商品「液体状の塩」の形状は,いずれもプラスチック容器等に収納された無色・透明の液体である。

一方,本願の指定商品は,「濃縮海洋深層水,その他飲料用水」であるところ,その指定商品中の「飲料用水」は,無色・透明の液体であって,プラスチック容器等に収納して取引されるであろうことが容易に推認できることから,「液体状の塩」とその指定商品の容器の形状は極めて近似したものと言える。また,双方とも食品であるから販売場所も相違するとは言い難い。

そうすると,「液体の塩」の文字からなる本願商標を,その指定商品中の「飲料用水」に使用するときには,あたかもそれが調味料として用いられる「液体状の塩」であるかのように,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと言わざるを得ない。

なお,請求人は,意見書,審判請求書及び前記3の審尋に対する回答書において,本願の指定商品の表示を「濃縮して塩類濃度を高めた海洋深層水」に補正する用意がある旨主張しているが,主張するのみで審決時に至るまでその対応を行っていない。そして,仮にその表示への補正が認められるとしても,本願は,区分を「アルコールを含有しない飲料及びビール」の帰属を定めた第32類とし,指定商品を「その他飲料用水」として出願されていることから,補正後の指定商品は,「飲料用水」としてのものといえる。そうである以上,やはり商品の品質について誤認を生ずるおそれを否定し得ないものと言わざるを得ない。

また,請求人は,「液体の塩」の文字を含む使用商標が,現に商品「海洋深層水」に使用され,商品の品質誤認を生じることもなく,その商品の自他商品識別標識として機能している旨主張するが,単に,当該文字を含む使用商標を商品「海洋深層水」に使用しているというだけでは,本願商標をその指定商品に使用しても商品の品質誤認を生ずることがないとまで認めることはできない。

そして,請求人自身が,前記3の審尋で示したとおり,請求人が開設する平成21年5月28日時点のウェブサイトにおいては,使用商標を付した「濃縮海洋深層水」を,商品カテゴリ「食塩」の下で販売し,また,原審における意見書に添付の甲第1号証(商品パンフレットのカラーコピー)においても,使用商標を付した「濃縮海洋深層水」について,「『液体の塩』を利用したヘルシー料理●飲料水、お茶に一滴。ミネラルバランスが良くなります。●ジュースに2〜4%、特にリンゴジュースは褐変を防ぎます。●ご飯を炊く時には、米5合につき13ml使います。かすかな塩味とミネラルの味がして、炊きたての香りが良く、もちもちとした食感になります。●肉の煮込みをすると『液体の塩』は硬度が高いので、アクが出て柔らかくなります。」などの記載があるほか,「蒲焼きのたれ」,「タタキのたれ」「数の子のたれ」「ぽん酢しょうゆ」「さしみ醤油」などの調味料と同じページで紹介しているのであるから,これらの事実に照らしても,本願商標は,調味料として誤認されるおそれが高いものと言わざるを得ない。

したがって,請求人の上記主張はいずれも採用することができない。

以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから,その理由をもって拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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