Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−26739(T2008−26739/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第24類、第25類及び第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年8月10日に登録出願され、その後、指定商品については平成20年5月30日付け提出の手続補正書により、第18類「かばん類」及び第25類「被服,履物」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
また、これらを総称するときは「引用商標」という。
(1)登録第2153587号商標(以下「引用商標1」という。)は、「QUARTA」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年4月13日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成元年7月31日に設定登録され、その後2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第2336838号商標(以下「引用商標2」という。)は、「QUARTER」の欧文字を横書きしてなり、平成元年6月2日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録され、その後、平成13年5月8日に商標権の存続期間の更新登録、さらに、平成13年5月23日に指定商品を第24類「布製身の回り品」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,エプロン,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,ナイトキャップ,帽子」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第4764473号商標(以下「引用商標3」という。)は、「クオータ」の片仮名文字と「QUOTA」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成15年6月6日に登録出願され、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,愛玩動物用被服類」及び第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,ふきん,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,シャワーカーテン,紅白幕,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として、平成16年4月16日に設定登録されたものである。
(4)登録第5201644号商標[商願2007−047171号](以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年5月11日登録出願され、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,布製身の回り品・うちわ・せんす・ガーター・靴下止め・ズボンつり・バンド・ベルト・腕止め・身飾品(「カフスボタン」を除く。)・衣服用き章(貴金属製のものを除く。)・衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。)・衣服用バックル・衣服用ブローチ・帯留・ボンネットピン(貴金属製のものを除く。)・ワッペン・腕章・頭飾品・カフスボタン・ボタン類・つけづめ・つけまつ毛・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧道具入れ・化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)・つけあごひげ・つけ口ひげ・ヘアカーラー(電気式のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成21年1月30日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「4分の1。四半期。」等の意味を有する「Quarter」の欧文字を筆記体風の書体で、かつ「Q」と「u」の文字がやや重なるように書してなり、その上に、「近所。近所の人々。」等の意味を有する「NEIGHBORHOOD」の欧文字をゴシック体で弧状に書した構成よりなるところ、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情もみあたらず、また「Quarter」と「NEIGHBORHOOD」の両語が上下に分かれて配されているばかりでなく、書体も異なり、さらに「Quarter」の文字部分が一際大きく表されていることから、これに接する取引者、需要者は、「Quarter」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資する場合も少なくないと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標からは「Quarter」の文字に相応して、「クオーター」の称呼、及び「4分の1。四半期。」の観念をも生ずるというべきである。
他方、引用商標1は、「QUARTA」の欧文字を書してなるところ、その構成文字に相応して「クオータ」の称呼を生ずるものであり、特定の語義を有さない造語と看取されるものである。
そこで、本願商標から生ずる「クオーター」の称呼と引用商標1から生ずる「クオータ」の称呼を比較するに、両称呼は末尾における長音の有無に差異を有するが、その差異による違いは、前者の称呼が「ア」の長母音で終わるのに対し、後者の称呼は「ア」の母音で終わるにすぎないものであり、両者をそれぞれ称呼するときは、その聴感が著しく近似し、相紛れるおそれのあるものというべきものである
してみれば、本願商標と引用商標1は、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、称呼において相紛れるおそれのある類似の商標であり、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似する商品を含むものと認められる。
(2)本願商標と引用商標2及び引用商標4との類否について
本願商標は、前記(1)のとおりであるのに対し、引用商標2は、「4分の1。四半期。」等の意味を有する「QUARTER」の欧文字を書してなるところ、その構成文字に相応して「クオーター」の称呼を生ずるものである。
また、引用商標4は、別掲2のとおり、「4分の1。四半期。」等の意味を有する「QUARTER」の欧文字を若干デザイン化した書体で書してなるものであり、その構成文字に相応して「クオーター」の称呼を生ずるものである。
そうすると、本願商標と引用商標2及び引用商標4は、「クオーター」の称呼及び「4分の1。四半期。」の観念を共通にするものといえる。
してみれば、本願商標と引用商標2及び引用商標4は、外観において相違するとしても、称呼及び観念を共通にする相紛れるおそれのある類似の商標であり、本願商標の指定商品は、引用商標2の指定商品及び引用商標4の指定役務と、同一又は類似する商品を含むものと認められる。
(3)本願商標と引用商標3の類否について
本願商標は、前記(1)のとおりであるのに対し、引用商標3は、「わけ前」等の意味を有する「QUOTA」の欧文字を下段、その表音を表したものと理解される「クオータ」の片仮名文字を上段とする二段構成よりなるなるところ、その構成文字に相応して「クオータ」の称呼及び「わけ前」等の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標から生ずる「クオーター」の称呼と引用商標3から生ずる「クオータ」の称呼を比較するに、両称呼は末尾における長音の有無に差異を有するが、その差異による違いは、前者の称呼が「ア」の長母音で終わるのに対し、後者の称呼は「ア」の母音で終わるにすぎないものであり、両者をそれぞれ称呼するときは、その聴感が著しく近似し、相紛れるおそれのあるものというべきものである。
してみれば、本願商標と引用商標3は、外観及び観念が異なるとしても、称呼において相紛れるおそれのある類似の商標であり、本願商標の指定商品は、引用商標3の指定商品と同一又は類似する商品を含むものと認められる。
(4)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、常に一体不可分なものとして把握しなければならない特段の事情がある」旨主張し、その事情として「ネイバーフッドの需要者は、大人であって、その大人が結婚して子供が生まれたときに着させる服という意味があります。顧客層は、独身時代にネイバーフッドを着ていて、結婚して子供が生まれた後、家族でネイバーフッドクオーターを子供向けに着させるというコンセプトである。」旨を述べているが、本願商標に接する取引者、需要者は、請求人の商標採択の意図を理解し、認識するとはいえないから、この点における請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人は、「引用商標1『QUARTA』と引用商標2『QUARTER』が、指定商品(例えば被服)を同一にして、併存していることからすれば、引用商標1は、本願商標を拒絶する理由にはならないし、本願商標と引例商標3は非類似の商標である。」旨主張しているが、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用できない。
さらに、請求人は「引用商標2は、本願商標が、やや図案化した筆記体風の書体からなるので、外観上異なる印象を与え、非類似である。」旨主張しているが、本願指定商品の分野においては、この程度の書体の違いが、欧文字の綴りが同じであることによって受ける外観の印象と、自然に生ずる称呼と観念が共通することによって生じる混同の可能性を否定するほどのものとは言い難いため、この点における請求人の主張も採用できない。
(5)まとめ
以上からすれば、本願商標と引用商標は類似の商標であり、本願の指定商品は、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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