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Trademark Appeal Case

著名な略称の該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−27026(T2007−27026/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「鶴太郎」の文字及びその文字の読みを小さく表したと認められる「つるたろう」の文字を二行にして縦書きに書してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成18年10月25日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、太田プロダクションに所属し、画家、俳優として活躍している片岡鶴太郎の著名な略称と認められる『鶴太郎』の文字よりなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年3月19日付けで証拠調べの結果を通知した。

第4 職権証拠調べに対する請求人の対応

前記「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。

第5 当審の判断

本願商標は、前記第1のとおり、「鶴太郎」の文字及びその文字の読みを小さく表したと認められる「つるたろう」の文字を二行にして縦書きに書してなるものである。

そこで、本願商標の構成中にある「鶴太郎」の文字(語)が、他人の名称等の著名な略称に該当するかを考察するに、例えば「8号が、他人の肖像又は他人の氏名、名称、著名な略称等を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないと規定した趣旨は、人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。すなわち、人は、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない利益を保護されているのである。略称についても、一般に氏名、名称と同様に本人を指し示すものとして受け入れられている場合には、本人の氏名、名称と同様に保護に値すると考えられる。そうとすると、人の名称等の略称が8号にいう『著名な略称』に該当するか否かを判断するについても、常に、問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは相当でなく、その略称が本人を指し示すものとして一般に受け入れられているか否かを基準として判断されるべきものということができる。」(平成16年(行ヒ)第343号 最高裁第二小法廷 平成17年7月22日判決)との判示がなされており、これと同旨の判示をした判例はこの他にも多数存するところである。

そうとすれば、当審における前記第3の通知した事実より、太田プロダクションに所属し、画家、俳優として活躍している片岡鶴太郎(本名 荻野繁雄)は、1980年代よりテレビのバラエティー番組、ドラマ及び映画等に数多く出演し、例えば、片岡鶴太郎が出演又は司会をする番組である場合には、その番組名に「鶴太郎のテレもんじゃ」及び「鶴太郎のトークアトリエ」等のように「鶴太郎の○○○」として「鶴太郎」の語を冠するテレビ及びラジオ番組が数多く存したことが認められる。

また、1980年代より現在に至るまで片岡鶴太郎のことを指し示す語として「鶴太郎」の略称が数多く使用されている事実が認められ、さらに、近年においては画家としての評価が高まることにより、「鶴太郎作」、「鶴太郎流」、「鶴太郎ワールド」、「鶴太郎芸術」、「鶴太郎のぬり絵」、「鶴太郎工房」、「鶴太郎美術館」、「鶴太郎アートハウス」、「鶴太郎絵日記」及び「鶴太郎ラベル」等、「鶴太郎」の語が、画家である片岡鶴太郎を指し示す略称として新聞、テレビ等において広く使用されている事実が認められる。

そして、商品の包装並びに日本酒及び焼酎のラベル等に片岡鶴太郎による絵画又は書をあしらった商品が存することが認められ、それらの商品を説明する記載の中においても片岡鶴太郎を指し示す語として「鶴太郎」の略称が使用されている事実が認められる。

以上の事実を総合勘案すると、「鶴太郎」の文字(語)は、演芸及び書画等の業界を超えて、片岡鶴太郎を指し示す略称として一般に受け入れられているものと判断される。

したがって、本願商標の構成中にある「鶴太郎」の文字(語)は、上記の片岡鶴太郎の著名な略称と認めるのが相当である。

また、請求人が、本願商標につき商標登録を受けることについての承諾書等の提出がないことから、その承諾を得たことを確認することもできない。

してみれば、本願商標は、他人の著名な略称からなる商標であり、かつ、当該他人の承諾を得ているとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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