Trademark Appeal Case
レモンハーブの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900464(T2008−900464/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5160537号商標(以下「本件商標」という。)は、「レモンハーブ」及び「LemonHerb」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年10月5日に登録出願、第1類「レモンバーベナの抽出物(香料及び精油のものを除く。)を主原料とする化学品」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品」、第29類「乳製品,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,レモンバーベナの抽出物(香料及び精油のものを除く。)を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・ペースト状・液体状の加工食品」、第30類「茶,菓子及びパン,穀物の加工品,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,ドレッシング,マヨネーズソース,焼肉のたれ,うま味調味料,食用粉類」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成20年7月10日に登録査定、同年8月22日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。
第3 本件商標に対する取消理由(要旨)
1 登録異議申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第13号証(枝番を含む。ただし、以下、枝番のすべてを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)のインターネット記事情報によれば、以下の事実が認められる。
(1)「レモン(Lemon)」の文字は、「ミカン科の常緑低木。果実は長楕円形で両端はとがり、淡黄色に熟す。果肉は酸味が強く、香気があり、料理の添え物・菓子・清涼飲料などに用いる。果皮からはレモン油を搾り、香料とする。」を、「ハーブ(Herb)」の文字は、「薬草。香草。」を、それぞれ意味する語である(甲第1号証及び甲第2号証)。
(2)レモンの香りのするハーブとして、「レモンバーベナ」「レモングラス」「レモンバーム」があり(甲第3号証)、これらの葉や花等は、いくつかの利用法がある。
「レモンバーベナ」は、「ティー、料理、美容健康、アロマ」に、「レモングラス」は、「ティー、美容健康、染料、アロマ」に、「レモンバーム」は、「ティー、料理、美容健康、アロマ、混植」に、それぞれ利用されている。
(3)「レモンハーブ」「レモンハーブティー」の文字が、「紅茶」について使用されたり(甲第4号証及び甲第5号証)、また、「レモンハーブの・・飲料」について「・・7種類のハーブエキスを配合した・・・レモンとハーブのフレーバーを生かしつつ・・」と飲料について説明した記載(甲第6号証及び甲第7号証)、さらに、「レモングラス等をベースにしたレモンソーダ」を「レモンハーブソーダ」と称している(甲第11号証)。
(4)商品名を「レモンとバジルの白身魚香り揚げ」とする冷凍食品が、その製品特長として、「良質の白身魚のフィレにレモンハーブ風味の衣をつけてカラリと揚げたフライ」と紹介していること(甲第8号証)、また、「レモンハーブで味付けしたチキンスライス等を合わせたサンドイッチ」(甲第9号証)、「レバーのレモンハーブ焼きルッコラ添え」と称する料理名が紹介されている(甲第10号証)。
(5)「レモンハーブの香り」を謳ったリップケア製品(甲第12号証)、「レモンハーブの恵みで・・」と紹介されたリップクリームがある(甲第13号証)。
2 商標法第43条の8において、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第1項の規定に基づく職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1)2005年10月3日 日本食糧新聞
「カネボウフーズ、新基材AIG活用し生の乳酸菌配合したガムを開発」の見出しの下、「同品は〈レモンハーブ〉〈チャイナハーブ〉〈シソミント〉の3アイテムで展開。小粒のタブレット状のガム2粒に約1億個の生の乳酸菌が入っており、ガムを咀嚼(そしゃく)することで口に乳酸菌が広がり、口内をケアすることができる。」の記載がある。
(2)2005年5月2日 外食レストラン新聞
「ファストカジュアル・キュイジーヌ:ヨーロッパ・カフェ」の見出しの下、「人気の一つが、このレモンハーブ・ヴィネグレット。コンウエイ・インポート社の既成品で、無脂肪、無コレステロール、ローカロリーのドレッシングだ。」の記載がある。
(3)2001年3月2日 日本食糧新聞
「イカリソース、蒟蒻でつくったドレッシング発売」の見出しの下、「レモン・オニオンに香辛料を加えた爽やかな味わいの「フレンチ白」、トマト・オニオン・パプリカに香辛料を加えたまろやかな味わいの「フレンチ赤」、完熟トマト・レモンハーブと野菜のみじん切りをたっぷり加えた「イタリアン」の洋風タイプ三品をラインアップし、今まで和風タイプが主流のノンオイルドレッシングに味のバリエーションを加えている。」の記載がある。
(4)2000年2月5日 読売新聞西部夕刊 11頁
「[サタデーわいど]だるーい子供たち ストレスや夜更かし=見開き」の見出しの下、「『子供たちの食生活は、手軽でおいしいものを好む今の社会風潮を見事に反映していると思う』と言う。・・・『起きた時にレモンハーブ茶を飲み、朝は果物を食べる。そして食事全般にはい芽米や野菜を取り入れてほしい』と呼び掛ける。」の記載がある。
(5)1999年10月1日 日本食糧新聞
「昭和産業、業務用冷食新製品発表、惣菜・居酒屋を強化へ」の見出しの下、「 ▽パーティーチキンレモンハーブ味=約五五g×二〇本×四袋×二合・・・」の記載がある。
(6)1998年10月28日 日本食糧新聞
「米国QAI認定品「有機栽培100ごま黒糖味」など発売(カンロ)」の見出しの下、「カンロ(株)(東京都中野区、03・5380・8811)は、・・・「有機栽培100レモンハーブ味」(各七〇g、二〇〇円)を9月下旬から今月上旬にかけて全国で発売した。」の記載がある。
(7)1998年9月30日 日本食糧新聞
「菓子特集:キャンデー=カンロ、ポケットタイプ育成へ」の見出しの下、「・・・砂糖・水飴をはじめとする原料を有機栽培の素材を使用した自然素材そのままのオーガニックキャンデー『k20有機栽培一〇〇ごま黒飴・レモンハーブ』」の記載がある。
(8)1988年8月14日 読売新聞東京朝刊 14頁
「『フローズンヨーグルト』低カロリーで人気」の見出しの下、「◆グラスヨーグルト=写真(中)=〈1〉ヨーグルト二百グラムに砂糖七十グラムを加え混ぜる〈2〉レモンハーブ(またはシソ)適宜を細かく刻んで加える。」の記載がある。
3 前記1及び2で認定した事実からは、本件商標の登録査定前より、食品や化粧品を取り扱う業界において、「レモンハーブ」の文字が、「レモンの香りのするハーブ」、あるいは、「レモンとハーブとを使用したもの」を意味する語として、飲料、ガム,キャンディー等の食品やリップクリームについて、普通に使用されている事実が認められる。
しかして、本件商標は、「レモン/Lemon」と、「ハーブ/Herb」からなるものと容易に認識されるというのが相当である。
そして、上記事実よりすれば、本件商標は、「レモンの香りのするハーブ」あるいは「レモンとハーブとを使用したもの」程の意味合いを看取させる「レモンハーブ」とその欧文字表記である「LemonHerb」の文字よりなるものであるから、これを、その指定商品中「レモンの香りのするハーブを用いた商品」または「レモンとハーブとを使用した商品」について使用しても、当該商品の品質・原材料を普通に用いられる方法で表示するものというべきであり、なんら自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
また、本件商標を、その指定商品中、上記に照応する商品以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
4 むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである
第4 商標権者の意見
商標権者は、上記第3の取消理由の通知に対して、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本件商標についてした上記第3の取消理由は、妥当であって、本件登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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