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Trademark Appeal Case

称呼類似と文字の追加

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900304(T2008−900304/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5131170号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5131170号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年8月23日に登録出願、第9類、第11類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年3月14日に登録査定、同年4月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第785960号商標(以下「引用商標」という。)は、「MOVISTAR」の欧文字を横書きしてなり、2002年(平成14年)4月25日に国際商標登録出願、第9類、第16類、第35類、第38類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年8月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)理由の要点

本件商標は、以下の理由により、第9類の全指定商品について、その登録を取り消されるべきものである。

ア 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標とは、称呼及び外観において相紛れるおそれがある類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

イ 商標法第4条第1項第15号の該当性について

申立人は、1924年に設立されて以来、今日ではスペインを拠点にヨーロッパ、南アメリカにその商業範囲を拡大し、2008年の第1四半期には、2億3千3百万人もの利用者を持つ大手通信会社であるところ、商標「MOVISTAR」を文字・画像等のデータ通信サービスに使用しており、日本においては「MOVISTAR」の名で、モータースポーツへのスポンサー活動などを行って知名度を確立している。

本件商標の指定商品中、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電子応用機械器具及びその部品」は、申立人が扱う「通信機器」とも密接に関連性を有しているため、引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用した場合、需要者が申立人の業務に係る商品と混同するおそれがあると考える。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

ウ 商標法第4条第1項第19号該当性について

上述のとおり、申立人はスペイン国内でも有数の通信事業者である上、商標「MOVISTAR」を用いた通信サービス事業を平成14年から展開しているため、引用商標は、本件商標の出願日前から申立人に係る商標としてスペインを中心に世界的にも周知・著名性を獲得しているといえる。そのような状況下、引用商標の中央部に「NG」を挿入し、外観及び称呼上も紛らわしい商標を採択した本件商標の商標権者には引用商標の有する周知・著名性へのフリーライドの意図、出所表示機能の稀釈化の意図という不正の意図があったと考えざるを得ない。そして、近年のインターネット等の通信網の普及及び申立人のスポンサー活動などを通じて、本件商標の商標権者も引用商標の周知性は十分認識し得る立場にあったことは容易に推測できる。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、別掲のとおり、やや図案化した「MOVINGSTAR」の欧文字を外観上まとまりよく一体的に表してなるものであるから、その構成文字に相応して「ムービングスター」との称呼のみが生じるものである。そして、本件商標は、構成全体として特定の語義を有する成語とは認められないものの、本件商標を構成する「MOVING」及び「STAR」が、それぞれ、「動く、移動する」及び「星、(芸能界の傑出した)スター」の意味を有する平易な英単語であることからすると、両語が有するそれぞれの意味ないし「動く星」程の意味合いを観念させるものといえる。

イ 引用商標について

引用商標は、前記2(1)のとおり、「MOVISTAR」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「モビスター」又は「ムービスター」の称呼が生じるものと認められ、また、これは特定の観念を生じさせることのない一連の造語として看取されるというのが相当である。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

(ア)外観

前記のとおり、本件商標は、やや図案化した「MOVINGSTAR」の欧文字からなるのに対し、引用商標は、「MOVISTAR」の欧文字からなるものであるから、中間における「NG」の欧文字及び図案化の有無により、両者は外観上区別し得るものであって互いに紛れるおそれはない。

(イ)称呼

まず、本件商標から生ずる「ムービングスター」の称呼と引用商標から生ずる「モビスター」の称呼とを比較すると、両者は、前者が8音であるのに対し、後者が5音であるから、構成音数を異にするばかりでなく、称呼の前半部において「ムービング」と「モビ」との音構成に顕著な差異を有することから、それぞれを一連に称呼する場合には、明確に聴別し得るものである。

次に、本件商標から生ずる「ムービングスター」と引用商標から生ずる「ムービスター」の称呼とを比較すると、これも、前者が8音であるのに対し、後者が6音であるから、構成音数が異なること、前者は、共に平易な英単語である「MOVING」と「STAR」とを結合したものと理解されることから、全体の称呼も「ムービング・スター」と2音節風に発音されるものであるのに対し、後者は、特定の観念を生じさせることのない造語であることから、一気かつ平たんに称呼されるものというべきである。そうすると、両者の称呼を一連に称呼する場合には、その語調、語感が明らかに相違するものであり、十分聴別し得るというのが相当である。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼上類似しない。

(ウ)観念

本件商標からは、「動く、移動する」及び「星、(芸能界の傑出した)スター」の意味ないし「動く星」程の意味合いを観念させるのに対し、引用商標からは、特定の観念を生じさせないものであるから、両者は、観念においても類似しない。

エ 小括

以上を総合して全体的に考察すると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない別異の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人の提出に係る各甲号証及び各資料によっては、申立人が「MOVISTAR」の文字からなる商標を文字・画像等のデータ通信サービスに使用した結果、あるいは我が国において「MOVISTAR」の名で、モータースポーツへのスポンサー活動などを行った結果、本件商標の登録出願前から、引用商標が我が国においてその著名性を獲得していたものとは認めることができず、また、前記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは別異の商標というべきものであるから、本件商標をその指定商品である第9類中のいずれの商品に使用しても、当該商品に接する需要者が引用商標を連想、想起し、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認するとは認め難く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第19号該当性について

前記(1)のとおり、本件商標は、引用商標とは同一又は類似の商標とはいえないから、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。

(4)結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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