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Trademark Appeal Case

「JUICY」の要部類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900068(T2009−900068/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5180308号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5180308号商標(以下「本件商標」という。)は、「JUICY PRINCESS」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月29日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年10月6日に登録査定、同年11月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要点)

本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が所有し、我が国はもとより世界中で広く知られている引用商標等と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨主張し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第84号証を提出した。

(1)引用商標等の著名性及び出所の混同のおそれについて

申立人の「JUICY COUTURE」、「ジューシー クチュール」(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)は、1994年に米国ロサンゼルスで誕生したアパレルブランドであり、当初は女性用ウェアのみを扱っていたが、その後、取扱商品は、男性用服、子供用服、かばん、靴、宝飾品、香水等にまでおよび、日本をはじめ世界中で販売されている。日本においては、2007年までの総店舗数は29店舗であり、2008年11月の時点で15店舗である。また、日本における売上高は、2006年が約35億円、2007年が約33億円、2008年が約19億円であった。さらに、申立人の取り扱う前記商品は、引用商標の表示と共に、2000年には既に、日本で発行された多くのファッション雑誌等に掲載された。その結果、引用商標は、申立人の業務に係る商品「女性用服、男性用服、子供用服、かばん、靴、宝飾品、香水」等を表示するものとして、本件商標の登録出願日前の2000年には、若い女性を中心とした需要者層に広く認識されていたものであり、また、引用商標は、単に「JUICY」、「ジューシー」と呼ばれて、需要者の間に広く認識されていた。

本件商標と著名な引用商標等とは、「JUICY」の文字部分を共通にするものであるから、外観及び称呼において類似するものである。また、本件商標の指定役務中には、商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供が含まれ、申立人の取り扱う商品等も扱われるものがあり、それらは取引者、需要者等を共通にする。

したがって、本件商標は、これをその指定役務について使用するときは、該役務が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)引用商標等の著名性について

申立人の提出した甲第2号証ないし甲第36号証、甲第38号証ないし甲第55号証、甲第69号証、甲第70号証及び甲第72号証によれば、申立人は、「女性用服、男性用服、子供用服、かばん、靴、宝飾品、香水」等の製造、販売を業とする米国の企業であること(甲第2号証等)、我が国においては、2006年3月に、東京の青山に1号店を開店し(甲第5号証)、その後、現在に至るまでの間に、伊勢丹新宿店、西武池袋本店、西武渋谷店、そごう横浜店、軽井沢プリンスショッピングプラザ、松坂屋名古屋店、松山三越及び福岡三越等の我が国において有名なデパートやアウトレット店などに出店したこと(甲第3号証及び甲第4号証)、また、申立人の取扱いに係る商品、特に「女性用被服」は、2000年(平成12年)の初めころから10月ころにかけて我が国で発行された、例えば、「ViVi」、「JJ」、「CanCam」、「Ray」、「CLASSY」、「Oggi」、「MORE」など、若い女性層に購読されるファッション雑誌に相当程度掲載されたこと(甲第6号証ないし甲第72号証)、これらの雑誌に掲載された申立人の取扱いに係る商品には、「JUICY COUTURE」、「ジューシー クチュール」の文字よりなる商標(引用商標)が主として使用され、女性用被服の中でも、デニム製の商品については、「JUICY JEANS」、「ジューシー ジーンズ」なる商標が使用されていたこと、さらに、引用商標を表示した下に、「JUICY」、「ジューシー」と表示される場合があること、などを認めることができる。

そうとすると、引用商標は、2000年(平成12年)ころには、申立人の業務に係る商品「女性用被服」等を表示するものとして、我が国の若い女性を中心とした需要者層の間に広く認識されていたものと認めることができ、また、引用商標を表示した女性用被服等が、現在においても、我が国有数のデパート等で販売されている事実を考慮すれば、本件商標の登録出願日である平成19年6月29日及び登録査定日である同20年10月6日に至るまで、その著名性は継続していたと推認して差し支えないと判断するのが相当である。

しかしながら、2000年(平成12年)の初めころから10月ころにかけて我が国で発行された前記雑誌において、「JUICY」、「ジューシー」の表示は、ほとんどの場合が引用商標の表示の下に使用されていること、「JUICY JEANS」、「ジューシー ジーンズ」の表示は、常に一体で表示されていること、さらに、前記雑誌が発行された平成12年以降、本件商標の登録出願日ないし登録査定日に至るまで、「JUICY」、「ジューシー」が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたことを窺わせる証拠の提出がないことなどを併せ考慮すれば、「JUICY」、「ジューシー」の表示が、本件商標の登録出願の時及び査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている商標であったと認めることはできない。

(2)出所の混同について

本件商標は、前記1のとおり、「JUICY PRINCESS」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「JUICY」と「PRINCESS」の各文字の間に1字程度の間隔があるとしても、同一の書体をもって、外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ジューシープリンセス」の称呼もさほど冗長というものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものといえる。

そして、本件商標の構成中「JUICY」の文字部分のみが独立して印象づけられる特別の事情は見出し得ないものである。

そうとすれば、本件商標は、外観及び称呼の点からみて、構成する文字全体が、一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ジューシープリンセス」の一連の称呼のみを生ずる造語よりなる商標というべきである。

一方、引用商標は、その構成全体をもって、我が国の若い女性を中心とした需要者層の間で著名性を獲得したというべきであるから、これより「ジューシークチュール」の称呼を生ずるものであって、本件商標と同様に、需要者は、特定の観念を有するものとは認識しないというのが相当である。

してみると、本件商標と引用商標は、外観において大きく異なるばかりでなく、本件商標から生ずる「ジューシープリンセス」の称呼と引用商標から生ずる「ジューシークチュール」の称呼とは、後半部において「プリンセス」の音と「クチュール」の音の顕著な差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、互いに紛れるおそれはない。

また、両商標は、前記のとおり、いずれも造語よりなるものであるから、観念において、比較することができない。

したがって、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても、非類似の商標というべきである。

してみれば、引用商標が、申立人の業務に係る商品「女性用被服」等を表示するものとして、その需要者の間に広く認識されているものであるとしても、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であること前述のとおりであるから、本件商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立人の業務に係る商品を連想又は想起するものとは認められず、さらに、該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれもないというべきである。

なお、付言すれば、本件商標はその構成中の「JUICY」の文字部分のみが独立して印象づけられるものではないこと、「JUICY」及び「ジューシー」の表示が、本件商標の登録出願の時及び査定時において、需要者の間に広く認識されている商標とは認められないことは前記認定のとおりであるから、本件商標は、「JUICY」及び「ジューシー」との関係において、出所の混同を生ずるおそれがないことはいうまでもない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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