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Trademark Appeal Case

称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900095(T2009−900095/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5186173号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5186173号商標(以下「本件商標」という。)は、「CRAZE」の欧文字を横書きしてなり、平成20年4月11日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月28日に登録査定、同年12月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人が商標法第4条第1項第11号の取消理由に引用している登録商標は、以下の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

ア 登録第694363号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CRAZY」の欧文字と「クレージー」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和39年3月12日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年1月8日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成18年4月19日の書換登録により、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。

イ 登録第3292779号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CRAZY SHIRTS」の欧文字を横書きしてなり、平成6年11月25日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年4月25日に設定登録されたものである。

ウ 登録第3308853号商標(以下「引用商標3」という。)は、「CRAZY SHIRTS」の欧文字を横書きしてなり、平成6年11月25日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年5月23日に設定登録されたものである。

(以下、上記登録商標を一括していうときは、「引用各商標」という。)

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標からは「クレイズ」あるいは「クレイジ」の称呼が生じ、「熱狂」等の観念が生ずる。

他方、引用商標1からは「クレージー」の称呼が生ずる外、欧文字部分から「クレイジ」の称呼をも生じ、「熱狂している」等の観念が生ずる。

本件商標から生ずる「クレイズ」の称呼と引用商標1から生ずる「クレイジ」の称呼とは、最終音において、「ズ」と「ジ」の音が相違しているに過ぎず、これとても、曖昧に発音され易い濁音で、かつ、同行音に属しており、極めて聴別の困難な音である。加えて、両称呼とも2番目の「レ」の音がイントネーションを付けられて強く発音されることから、最終音は無声音に近い状態で発音されることとなる。

してみれば、両商標は、称呼上、彼此混同して聴取されるおそれが多分にあるものと言わざるを得ず、観念上も類似している。

また、引用商標2及び3は、かなりの間隔を隔てて横一列に配された「CRAZY」と「SHIRTS」とからなるもので、この構成から、単に「クレイジ」と称呼され、「熱狂している」との観念をも生ずるものである。

したがって、本件商標は、引用商標2及び3との関係においても、上述したところと同様の理由により、称呼及び観念の点において類似する。

そして、本件商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、前記のとおり、「CRAZE」の文字よりなるところ、該構成文字に相応して、「クレイズ」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標1は、前記のとおり、「CRAZY」及び「クレージー」の文字よりなるところ、一般に欧文字と片仮名文字とを併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるから、その構成中の片仮名文字に相応して「クレージー」の称呼のみを生ずるものと認められる。

また、引用商標2及び3は、いずれも、「CRAZY SHIRTS」の欧文字からなるところ、これを構成する「CRAZY」と「SHIRTS」の文字とは、半文字程度の間隔をもって、外観上まとまりよく一体的に表されており、しかも、その指定商品との関係からみて、「SHIRTS」の語(文字)が指定商品の品質等を表すものとも認められないから、該構成文字全体に相応して、「クレイジーシャツ」の称呼のみを生ずるものと認められる。

そこでまず、本件商標から生ずる「クレイズ」の称呼と引用商標1から生ずる「クレイジー」の称呼とを比較するに、両称呼は、語尾部分において、「ズ」と「ジー」の音の差異を有するものであるところ、「ズ」及び「ジ」の音は、重々しく響く濁音であって、それ自体、充分に聴別し得る音であるばかりでなく、本件商標から生ずる称呼における「ズ」の音は、詰まったように短く発音されるのに対して、引用商標1から生ずる称呼における「ジ」の音は長音を伴うため、長く伸ばして発音され、しかも、その長く伸ばされる母音の(i)は、澄んだ音として明瞭に発音され、聴取されるものであることから、聴者が受ける印象には大きな差異があるものというべきである。

してみれば、この両音の差異は、語尾部分における差異とはいえ、4音対5音という比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するも、全体の語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。

加えて、本件商標と引用商標1とは、語義的には、同様の意味合いのあることを否定するものではないが、本件商標は、日常一般に広く知られ親しまれている語ともいい難く、直ちに、特定の観念を想起し得るものとはいえないのに対して、引用商標1は、「熱狂的な、狂気の」等の意味合いを表す外来語として広く知られ親しまれている語であるから、観念の点においても紛れるおそれはないものとみるのが相当である。

次に、本件商標から生ずる「クレイズ」の称呼と引用商標2及び3から生ずる「クレイジーシャツ」の称呼とを比較するに、両者は、その音構成、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、これらをそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきであり、引用商標2及び3は、一種の造語と認められるものであるから、両者の観念については比較すべくもない。

そして、外観についても、本件商標と引用各商標とは、片仮名文字の有無あるいは「SHIRTS」の文字の有無という明らかな差異を有するものである。

その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき理由は見出せない。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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