sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出の可否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900143(T2009−900143/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5197338号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5197338号商標(以下「本件商標」という。)は、「リバティボヤージュ」及び「LIBERTY VOYAGE」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成20年6月5日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年12月24日に登録査定、同21年1月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2713246号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LIBERTY」の文字を書してなり、昭和63年9月2日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成8年4月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成18年9月27日、第3類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。

同じく登録第5234162号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成17年8月22日に登録出願、第3類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成21年5月29日に設定登録されたものである。

同じく登録第2454408号商標(以下「引用商標3」という。)は、「LIBERTY ART」の文字を書してなり、平成2年6月15日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年9月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成15年11月5日、第3類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。

(2)理由の要点

本件商標は、下記アないしエにより、その登録を取り消されるべきものである。

ア 商標法第4条第1項第11号該当

本件商標中の「ボヤージュ」「VOYAGE」部分は、「旅行(トラベル)用」の商品であることを示す言葉として実際に使用されているから、「リバティ」「LIBERTY」の部分が独立した要部と考えられ、本件商標からは「リバティ」の称呼が生じ、引用商標1からも「リバティ」の称呼が生じるから、両商標は「リバティ」の称呼を共通にする類似の商標である。また、その指定商品も同一のものである。

イ 商標法第8条第1項該当

引用商標2に係る商標中の「OF LONDON」部分は、「ロンドンの」といった程度の意味に過ぎないから、当該部分が商品の識別標識として認識されることはなく、「LIBERTY」より、「リバティ」の称呼が生じる。よって、本件商標と引用商標2は「リバティ」の称呼を共通にする類似商標である。また、その指定商品も同一のものである。

ウ 商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当

商標「LIBERTY」は、申立人の商標として、化粧品、食器、家具、布地、壁紙、雑貨、文房具など生活全般にかかるすべての分野の商品に関して世界的に著名である。したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であり、その商品又はこれらに類似する商品について使用するものである。

また、本件商標がその指定商品に使用された場合は、申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関連を有する企業によって製造・販売された商品であるかのようにその出所につき誤認・混同を生ずるおそれがあることは明らかである。

エ 商標法第4条第1項第8号該当

本件商標は、申立人ないし「リバティー百貨店」の著名な略称を含む商標であり、その出願・登録に関して申立人の承諾を得ていない。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当について

本件商標は、「リバティボヤージュ」及び「LIBERTY VOYAGE」の文字からなるところ、「LIBERTY」は「自由」を意味し、「VOYAGE」は「船旅、空の旅」を意味する英語であるが、両語を結合した「LIBERTY VOYAGE」は特定の観念を表さない一連一体の造語というのが相当であり、また、上段の片仮名文字は欧文字の表音とみて自然なものである。

そして、「ボヤージュ」「VOYAGE」の語が、「旅行」に通ずる語意を有するものであるとしても、直ちに商品の品質や用途を認識させるものとはいえず、また、申立人提出の証拠を併せみても、本件商標の指定商品の化粧品等について、商品の品質や用途を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実はみいだせないから、本件商標の構成中「リバティ」「LIBERTY」部分のみが、殊更に強く印象され記憶されて取引に資されるとみるべき特段の理由はないというべきである。そして、構成文字全体に相応する称呼も格別冗長ではない。

したがって、本件商標は、「リバティボヤージュ」の称呼をもって取引に資されるものであり、単に「リバティ」の称呼は生じないというべきである。

してみると、本件商標から「リバティ」の称呼をも生じることを前提として、本件商標が称呼上で引用商標1に類似するとの異議申立ての理由は認めることができない。また、外観、及び観念上で、本件商標が「LIBERTY」の文字からなる引用商標1に相紛れるおそれがあるとみるべき理由はみいだせない。

したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第8条第1項該当について

前記(1)のとおり、本件商標は、「リバティボヤージュ」の称呼のみを生ずるものと認められる。そして、別掲に示した引用商標2は、本件商標の先願に該当するものであり、その構成中に顕著に表された「LIBERTY」の文字から、「リバティ」の称呼を生ずるものである。

しかして、「リバティボヤージュ」と「リバティ」の両称呼は、「ボヤージュ」の音の有無の明らかな差異により相紛れることなく、また、本件商標と引用商標2とは、外観及び観念上で、相紛れるおそれはないものである。

したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標2に類似する商標と判断し得ないから、商標法第8条第1項に違反して登録されたものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当について

本件商標と「LIBERTY」の文字からなる引用商標が類似するものと認められないこと前記(1)及び(2)のとおりである。また、申立人提出の証拠をもって、本件商標の出願時に、「LIBERTY」あるいは「リバティ」が、本件商標の指定商品である化粧品等について需要者間において広く認識されるに至っていた商標と認めることはできないし、「LIBERTY」あるいは「リバティ」が申立人の業務に係る上記以外の商品や同人の略称を表すものとしての広く知られ、著名なものとなっていたと認めるに充分ではないから、一連一体に表された本件商標の構成中に「LIBERTY」あるいは「リバティ」の文字が含まれているとしても、また、申立人が「LIBERTY」を構成要素として含む引用商標1ないし3を有しているとしても、それをもって、本件商標が申立人と関連付けてみられるとすることはできないといわざるを得ない。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断される。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第8号該当について

申立人提出の全証拠によっても、「LIBERTY」が、「自由」を意味する親しまれた英語であるにもかかわらず、本件商標の出願時において、申立人あるいは「リバティー百貨店」を指称する略称として著名性を具備し、一般に受け入れられていたとは認定し得ないから、本件商標がその構成中に「LIBERTY」の文字を有するとしても、他人の著名な略称を含む商標に該当するということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたとみることはできない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。