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Trademark Appeal Case

商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900181(T2009−900181/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5205768号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5205768号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成20年6月27日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜き剤,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用のり剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成21年2月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、以下のとおりである。

(1)引用使用商標

申立人が2001年(平成13年)ころから「化粧品、せっけん類」に使用しているとする商標(以下「引用使用商標」という。)は、別掲2のとおりである。

(2)登録第4469078号商標(以下「引用登録商標1」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成12年2月21日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」及び第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,防虫紙」を指定商品として、平成13年4月20日に設定登録されたものである。

(3)登録第4865806号商標(以下「引用登録商標2」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成16年8月19日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成17年5月20日に設定登録されたものである。(4)登録第4865807号商標(以下「引用登録商標3」という。)は、別掲5のとおりの構成よりなり、平成16年8月19日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯 ,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成17年5月20日に設定登録されたものである。

(5)登録第4873487号商標(以下「引用登録商標4」という。)は、別掲6のとおりの構成よりなり、平成16年8月19日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成17年6月24日に設定登録されたものである。

なお、引用登録商標1ないし引用登録商標4をまとめて、以下「引用登録商標」という。

3 申立ての理由(要旨)

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、その出願時には既に周知であった引用使用商標と明らかに類似する商標であり、その指定商品中「化粧品,せっけん類」は引用使用商標が使用されている商品と共通するものである。

したがって、本件商標は、これらの指定商品について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、商標法43条の3第1号の規定により、上記指定商品「化粧品,せっけん類」については、その登録を取り消されるべきものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、先願に係る引用登録商標と類似する商標であり、また、全ての指定商品が引用登録商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、その全ての指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法43条の3第1号の規定により、全ての指定商品について、その登録を取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第10号について

ア 引用使用商標の周知性について

甲第7号証ないし甲第13号証によれば、引用使用商標は、「化粧品」について、「アルージェ」と「Arouge」の文字及び多くは右斜め上方約45度の角度に配置された横長楕円図形とともに使用されている。

そして、提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。

2001年(平成13年)9月ころより「オレンジページ」「saita」「Muffin」ほか各種の雑誌(甲第8号証の1ないし27)、テレビ・ラジオ(甲第9号証の1ないし11)などにおいて継続的に広告宣伝していることのほか、2003年(平成15年)ないし2008年(平成20年)に開催されたJAPANドラッグストアショーへの毎年の出展(甲第10号証の1ないし6)、平成13年11月から平成20年5月までの間、ほぼ隔月で申立人の製品を扱う全国の小売店に対して他の小売店が工夫した店内ディスプレー等を掲載した情報誌「アルージェ速報」を配布してきたこと(甲第11号証の1ないし36)、2002年(平成14年)2月ころから随時カタログ又はリーフレットを作成し、前記ドラッグストアショーへの来場者や小売店などに配布してきたこと(甲第12号証)などによっても広告宣伝していることが認められ、敏感肌用の機能性化粧品分野における「アルージェ」のブランドシェアーは、2002年が販売実績27億円でシェア18.2%、2003年が販売実績30億円でシェア19.4%であったこと(甲第13号証の1)が認められる。

以上によれば、引用使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「敏感肌用の機能性化粧品」についてある程度の周知性を獲得していたものと認められる。

なお、申立人は、「せっけん類」についても引用使用商標の周知性を主張するが、その周知性を認定するのに足りる証拠の提出がなく、「せっけん類」について、引用使用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時、取引者・需要者の間に広く知られていたとは認められない。

イ 本件商標と引用使用商標の類否について

本件商標は、別掲1のとおり「アレージュ」の片仮名文字と「ALLEGE」の欧文字を二段に横書きした構成よりなるものである。

引用使用商標は、別掲2のとおり「アルージェ」の片仮名文字と「Arouge」の欧文字を二段に横書きした構成よりなるものである。

(ア)外観上の類否について

本件商標と引用使用商標とは、片仮名文字における第2文字及び第4文字において「レ」と「ジュ」の文字及び「ル」と「ジェ」の文字とが相違し、欧文字における第2文字ないし第4文字において「L」「L」「E」と「r」「o」「u」とのつづり字が相違し、第5文字及び第6文字においては「G」「E」が大文字であるのに対し、「g」「e」が小文字である点が相違しており、本件商標は片仮名文字と欧文字との大きさが同じであるのに対し、引用使用商標は欧文字が大きく表され強い印象力を与えるものであるから、両者は外観上において別異の商標の印象を受ける相紛れるおそれのない非類似の商標である。

申立人は本件商標と引用使用商標の片仮名文字部分を比較すると類似する旨主張する。

引用使用商標は、別掲2のとおり、「Arouge」の欧文字を横書きで大きく表し、その中央上部に「アルージェ」の片仮名文字を横書きで小さく表してなるもので、その面積比は10対1以上の差があり、欧文字部分が圧倒的顕著に表されていることから、欧文字部分が看者に強い印象力を与えると認められるものである。

商標の外観上の類否については、構成全体を比較するか又は強い印象を受ける部分を抽出して比較すべきであり、引用使用商標の片仮名文字部分のように印象力の弱い部分を抽出して比較すべきであるとの主張は取引の実際を考慮しないものであるから採用することができない。

(イ)称呼及び観念上の類否について

本件商標は、その構成中の「アレージュ」の文字が、欧文字の「allege」の読みを特定したものと看取されるところ、これは「はしけ、窓の下の壁」を意味し「アレージュ」と発音されるフランス語の「allege」を表したものと認められる。

したがって、本件商標は、構成全体として「アレージュ」の自然な称呼を生じるというのが相当である。

また、フランス語の「allege」は、我が国においては前記意味合いをもって知られてはいないことから、本件商標は、特定の観念を生じないものである。

他方、引用使用商標は、特定の意味を認識させない造語と認められる「Arouge」の欧文字を大きく横書きし、上段にその欧文字の読み表したものと認識される「アルージェ」の片仮名文字を小さく横書きしてなるものでるから、構成全体として、「アルージェ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そこで、本件商標から生ずる称呼「アレージュ」と引用使用商標から生ずる称呼「アルージェ」とを比較すると、両称呼は、第1音の「ア」の音を共通にするとしても、第2音の「レー」と「ルー」、第3音の「ジュ」と「ジェ」において差異を有するものである。これらの差異音は、母音の「e」と「u」が相違するものであって、この2つの母音は、原則として近似しない母音とされているものである。

そして、第2音の長音が、「レ(re)」と「ル(ru)」の母音を長く引きのばして発する音であることから、その違いがより一層強調されるものであり、3音と短い構成音数において2音の相違音を有するため、これらを一連に称呼しても相紛れるおそれはなく十分聴別し得るものである。

さらに、本件商標と引用使用商標とは、観念において比較することができないものである。

したがって、本件商標は、引用使用商標との間で、引用使用商標の周知性の程度を踏まえたとしても、外観、称呼及び観念のいずれの点からしても、相紛れるおそれのない非類似のものであるから、商標法第4条第1項第10号の規定に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用登録商標の類否について検討する。

本件商標は、上述したとおり、別掲1のとおり「アレージュ」の片仮名文字と「ALLEGE」の欧文字を二段に横書きした構成よりなるものであり、「アレージュ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

引用登録商標1は、別掲3のとおり、「アルージェ」の片仮名文字と「Arouge」の欧文字を二段に横書きしてなり、その欧文字部分は意味を認識させない造語と認められ、その片仮名文字部分は欧文字部分の称呼を表すと理解されるものであるから、これより「アルージェ」の称呼を生じるが、特定の観念を生じないものである。

引用登録商標2ないし引用登録商標4は、別掲4ないし別掲6のとおり色彩を有する横長長方形上部に「Arouge」の欧文字を書しその下に水平より約45度右側を上方に傾斜させた横長楕円図形を配した構成よりなり、その欧文字部分は意味を認識させない造語と認められるものであるから、構成全体として、「アルージェ」の称呼を生じるが、特定の観念を生じないものである。

ア 外観上の類否について

本件商標と引用登録商標1とは、片仮名文字における第2文字及び第4文字において「レ」と「ジュ」の文字及び「ル」と「ジェ」の文字とが相違し、欧文字における第2文字ないし第4文字において「L」「L」「E」と「R」「O」「U」とのつづり字が相違しているものであるから、全体の外観を比較しても構成文字の相違により相紛れるおそれのない非類似の商標である。

また、本件商標と引用登録商標1の欧文字部分を比較しても、明瞭に区別できるものである。

さらに、本件商標と引用登録商標1の片仮名文字部分を比較しても、「レ」と「ル」の文字及び「ジュ」と「ジェ」の文字の2文字の相違により相紛れるおそれのない非類似の商標である。

本件商標と引用登録商標2ないし引用登録商標4とは、欧文字第2文字ないし第4文字において「L」「L」「E」と「r」「o」「u」とのつづり字が相違し、第5文字及び第6文字においては「G」「E」と「g」「e」との大文字と小文字のつづり字が相違しているばかりでなく、本件商標には図形が表されていないのに対して、引用登録商標2ないし引用登録商標4には上述した構成の図形が配されているから、本件商標と引用登録商標2ないし引用登録商標4とは、外観上において構成文字の相違及び図形の有無により明確に区別でき、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

イ 称呼及び観念上の類否について

本件商標から生ずる称呼「アレージュ」と引用登録商標から生ずる称呼「アルージェ」とは、商標法第4条第1項第10号で述べたとおり、一連に称呼しても相紛れるおそれはなく十分聴別し得るものである。

本件商標と引用登録商標とは、観念において比較することができないものである。

したがって、本件商標は、引用登録商標との間で、外観、称呼及び観念のいずれの点からしても、相紛れるおそれのない非類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものではない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び第11号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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