結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300004(T2009−300004/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1339017号の2商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、昭和49年10月2日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和53年8月17日に設定登録された登録第1339017号商標の商標権の分割に係るものであって、第23類「眼鏡、眼鏡の部品及び附属品」を指定商品として、昭和54年10月22日に分割移転の登録がされたものであるが、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、その指定商品については、平成21年1月21日、第9類「眼鏡、眼鏡の部品及び附属品」に書換登録がなされたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成21年1月20日である。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用事実の要点
本件商標の商標権者である「アイジャパン株式会社」は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「眼鏡の部品」である「メガネレンズ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用している。
(2)本件商標の使用の事実
ア 商標の使用者
乙第1号証「証明書」に添付の「Eye Life guide」、「納品書」には、本件商標の商標権者である「アイジャパン株式会社」が表示されている。
乙第2号証の1「店舗外観写真」は、本件商標の商標権者の営業所の一つである「アイメガネ戸田市役所前店」である。
イ 使用に係る商品
乙第1号証「証明書」に添付の「Eye Life guide」には請求に係る指定商品のうちの「眼鏡の部品」である「メガネレンズ」の製品名が記載されている。
乙第2号証の6「レンズ包装袋写真」、乙第3号証「レンズ販売価格表」及び乙第4号証は「レンズ包装袋」には請求に係る指定商品のうちの「眼鏡の部品」である「メガネレンズ」の製品名及びその品番が記載されている。
ウ 使用に係る商標
乙第1号証「証明書」に添付の「Eye Life guide」には、メガネレンズのブランドとして本件商標と社会通念上同一と認められる商標「LOVE」が記載されている。
乙第2号証の6「レンズ包装袋写真」、乙第3号証「レンズ価格表」、および乙第4号証「レンズ包装袋」には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「LOVE」が記載されている。
エ 使用時期
乙第1号証「証明書」に添付の「納品書/受領書」には、「納品日」の欄に、「2006/10/01」と記載されたもの、「2007/02/01」と記載されたもの、「2007/03/07」と記載されたもの、「2007/06/15」と記載されたもの、「2007/10/11」と記載されたもの、「2008/02/16]と記載されたもの、「2008/05/01」と記載されたものがある。
乙第2号証の1ないし6は、平成21年3月16日に撮影されたものである。
オ その他
乙第1号証に添付の[Eye Life guide]は商標権者の営業所でメガネなどを購入した顧客に配布されるパンフレットである。この「Eye Life guide」に記載されている本件商標と社会通念上同一と認められる商標「LOVE」は、商標権者のプライベートブランドであり、乙第4号証のレンズ包装袋に納められたものではセイコーエプソン株式会社がOEMメーカーとなっている。乙第2号証ないし同第5号証に示されるように、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「LOVE」の使用されているメガネレンズは商標権者の営業所において販売されており、乙第1号証の内容から、少なくとも2006年10月以降その販売が継続されていることは明らかである。
審判便覧の第5章第5節(1)のa.の(イ)には、登録商標と社会通念上同一と認められる商標の例として、ラブ(らぶ)と、love[愛]とが掲げられている。
また、乙第6号証の2には、本件商標が登録第937381号の連合商標である旨の記載がある。登録第937381号の2に係る登録商標は、本件商標の商標権者の所有に係り、「LOVE」の英文字を横書してなる商標である。
周知のように、連合商標制度の廃止に伴い、商標法第50条ではいわゆる連合商標の特例が廃止される一方で、登録商標と社会通念上同一と認められる商標が明記された。
本件商標は、ラブの片仮名文字の他に、ハートの図形を併記してなるが、上記の審判便覧の扱い、連合商標であった経緯、さらに連合商標制度廃止に伴う商標法第50条改正の経緯からして、登録第937381号の2に係る登録商標「LOVE」の使用をもってその使用が当然に認められるものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「眼鏡の部品」について使用していることが明らかである。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 証明書(乙第1号証)によれば、2006年10月1日から2008年5月1日までの間、被請求人に係るパンフレット「Eye Life guide」が、株式会社ニシカワにより納品されたことが認められる。そして、そのパンフレットの中には、「メガネレンズ」についての包装袋に「LOVE」の文字が表示されているのが認められる。なお、前記の日付は、本件審判の請求の登録前3年以内のものである。
イ 乙第2号証の1ないし6は、被請求人の店舗の内外を写した写真であるところ、同号証の1は、店舗の外景観を写し、同号証の2及び3は、店舗内を写したものであるが、そこに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は見出せない。同号証の4及び5には、後記ウの価格表が写されており、また、同号証の6には、UVカットレンズの包装袋が写されており、その包装袋には「LOVE」の表示がある。
ウ 被請求人に係る「レンズ販売価格表」(乙第3号証)には、単焦点レンズ・非球面として、「SPHX2CK」及び「174PIR」の記号を付した商品欄のいずれにも、「LOVE」の表示がある。
エ 乙第4号証は、UVカットレンズの包装袋と認められ、前記イの写真に写されたものと同様に、「LOVE」の表示がある。
オ アイグループ店舗網(乙第5号証)には、被請求人に係る店舗が表示されている。しかし、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は見出せない。
カ 本件商標に係る出願及び審査書類一式の写(乙第6号証の1ないし6)によれば、本件商標は、登録第937381号商標の連合商標として登録査定されたことが認められる。
(2)本件商標は、別掲のとおり、ハート形の図形と「ラブ」の文字をもって構成された商標であるのに対して、前記(1)に示された商品「メガネレンズ」ついての使用に係る商標は、その商品の包装袋及び「レンズ販売価格表」に表示された「LOVE」の文字のみからなるものと認められる。
しかして、本件商標は、図形と片仮名文字の結合商標であるのに対して、使用に係る商標は、欧文字のみの商標である。そして、本件商標においては、図形と文字のいずれかで主従の関係や軽重の差異を認めるべき理由は見出せないから、いずれかを主要部分とし、いずれかを補助的(付記的)部分とするかを決し難く、図形と文字とが結合することによって固有の識別標識を形成しているものであり、いずれもが欠くべからざる構成要素というべきである。
してみると、使用に係る商標は、本件商標との比較において、「ラブ」の称呼及び「愛」の観念を共通にすることがあるとはいえ、使用されている文字が欧文字「LOVE」であるうえ、商標の識別性を構成する上で重要な要素を占めている図形部分を欠くものである。したがって、前記使用に係る商標は、本件商標の識別性に影響を与えない範囲での変更使用ということはできず、本件商標と社会通念上同一の商標であると認めることはできないものである。
したがって、被請求人提出の証拠によっては、本件商標が使用されたと認めることはできない。
他に本件商標の使用の事実を示す証拠は見出せず、また、不使用の正当理由に係る主張及び立証はない。
(3)被請求人は、審判便覧の取扱い、連合商標であった経緯、さらに連合商標制度廃止に伴う商標法第50条改正の経緯からして、商標「LOVE」の使用をもって、本件商標の使用と認められるべきである旨主張している。
商標登録原簿に徴すれば、確かに、本件商標と商標「LOVE」に係る登録第937381号の2とが連合商標の関係にあった旨登録されていたことが認められる(なお、連合商標制度は、平成8年の商標法改正(平成8年法律第68号)により廃止された。)。
そして、平成9年4月1日以降平成12年3月31日までの間に、平成8年改正商標法第50条第1項の規定に基づき請求された審判には、平成8年改正前の旧商標法第50条第2項の規定(連合商標の使用に関する特例)の適用があるとされている(平成8年法律第68号附則第10条第2項)。
しかしながら、本件の審判請求日は、平成20年12月26日であることが請求書の記載に照らし明らかであるから、本件審判請求は、前記附則に定める経過措置の期間を徒過しており、連合商標の使用に関する特例の適用はないものである。
また、連合商標制度は、同一人が保有する類似商標を「連合商標」として予め関連づけておき、混同防止の観点から分離移転等で制限を加えるものであるから、両商標が以前に連合商標の関係にあったとしても、そのことのみをもって直ちに、社会通念上同一の商標と認めるべきであるとの合理的理由は見出し難いところであり、不使用商標の累積による弊害除去、迅速かつ的確な権利付与及び国際的な制度の調和等の観点から同制度を廃止した、平成8年商標法改正の経緯(発明協会発行「平成8年改正 工業所有権法の解説」参照)を参酌しても、同様というべきである。
さらに、被請求人が挙げる審判便覧の例は、取扱いの例示であるうえ、当該例示は文字のみからなる商標間の変更使用に係るものというべきであるから、図形と文字とからなる本件商標には、当てはまらないものである。
したがって、被請求人の主張は採用し得ない。
(4)以上によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることを被請求人が証明したものと認めることはできないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取消しを免れないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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