Trademark Appeal Case
地名・品質表示の結合識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−10103(T2007−10103/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「GEORGIA GRANDE」及び「ジョージア グランデ」の文字を上下2段に普通に用いられる方法で書してなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン」を指定商品として、平成17年5月31日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における平成18年12月25日付けの手続補正書により、第30類「茶,コーヒー及びココア」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『GEORGIA GRANDE』及び『ジョージア グランデ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、『GEORGIA』及び『ジョージア』と『GRANDE』及び『グランデ』の文字を併記したものと把握、認識されることも少なくないといえる。そして、その構成中の『GEORGIA』及び『ジョージア』の文字部分は、アメリカ南部の大西洋に面した州で、食品工業なども盛んな『Georgia』(ジョージア)州の州名を表したものであり、その商品の産地又は販売地を表示するにすぎないものといえるものであり、昭和61年1月23日判決言渡しの昭和60年(行ツ)第68号の最高裁判決においても、『GEORGIA』の文字よりなる商標について、商標法第3条第1項第3号に該当するとしているところである。また、その構成中の『GRANDE』及び『グランデ』の文字部分についても、『大きい、たっぷりの、上等の』を意味する語として親しまれたものであり、例えば、『現代用語の基礎知識2005別冊付録B』(発行 自由国民社)には、『「カフェ」用語の解説 永田浩子』として『ショート/トール/グランデ(short/tall/grande)』の項に『スタンド式コーヒーショップのカップのサイズ。ショート(short)は8オンス(oz)で約240ml、トール(tall)は12オンス(oz)で約360ml、グランデ(grande)は16オンス(oz)で約480ml、ヴェンティ(venti)は20オンス(oz)で約590mlとなっている。』と記載されていることからも窺うことができるとおり、その商品の品質又は数量を表示するにすぎないものといえる。そうすると、本願商標は、その指定商品に使用したときは、取引者、需要者をして、その商品の産地又は販売地を表示と品質又は数量表示を併記したにすぎないものとして認識されるにとどまるといえ、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとはいえないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲1に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年11月4日付けで証拠調べの結果を通知した。
第4 当審における審尋
当審において、請求人の主張する本願商標の構成中の「GEORGIA」及び「ジョージア」の文字が周知である旨並びに本願商標が全体として周知である旨等について、その主張を裏付ける証拠等の書面を提出されたいとして、請求人に対し、平成20年11月4日付けで別掲2に示すとおり審尋を行った。
第5 職権証拠調べ及び審尋に対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」及び「審尋」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会及び回答書面を提出する機会を与えたところ、請求人から平成21年2月10日付けでそれぞれ期間延長請求書が提出されたが、その後、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。
第6 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、「GEORGIA GRANDE」及び「ジョージア グランデ」の文字を上下2段に普通に用いられる方法により書してなるところ、本願商標の構成中にある「GEORGIA」及び「ジョージア」の語は、アメリカ南部の大西洋に面した州で、農業や食品加工業なども盛んな「Georgia」(ジョージア)州の州名を表したものであり、さらに「GEORGIA」の文字よりなる商標について原審で引用する判決において「必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもって足りるというべきである。・・・『GEORGIA』なる商標に接する需要者又は取引者は、その指定商品であるコーヒー、コーヒー飲料等がアメリカ合衆国のジョージアなる地において生産されているものであろうと一般に認識するものと認められ、したがって、右商標は商標法3条1項3号所定の商標に該当するというべきである。」(最高裁 昭和61年1月23日言渡 昭和60年(行ツ)第68号)との判示がなされており、これよりは、本願の指定商品との関係においても、本願商標に接する取引者、需要者をして当該文字部分が商品の産地又は販売地を表示する語であると認識されるものといえるものである。
また、前記第3の通知した事実よりすれば、本願商標の構成中にある「GRANDE」及び「グランデ」の語は、「(容積が)大きい、(数量的に)大きい、広い」等の意味を有し、一般的な商取引においても「グランデサイズ」のように「大きめのサイズ」の意味を表す語として使用されていることが認められる。
次に、スタンド式コーヒーショップで使用される包装容器に付された商標が、商標法上の商品における使用か否かについて検討する。
ところで、商標法上の商品とは「商取引の目的たりうべき物、特に動産をいう。」(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(第17版) 1160頁」参照)ものであるところ、そのことは、例えば「本件商品を紙製の包装箱に入れイ一号標章を印刷したレツテルを貼付して販売する行為及びイ二号標章を附した本件商品に関する広告用チラシを印刷し顧客に頒布する行為・・・がイ一号標章、イ二号標章を商標として使用するものであることは明らか」(名古屋地裁 昭和60年7月26日言渡 昭和59年(ワ)第2088号)との判示がなされており、これと同旨の判示をした判例はこの他にも多数存するところである。
そこで、「スタンド式コーヒーショップ」において製造・販売される「茶、コーヒー及びココア」を考察するに、その購入時に店内で飲食するか、あるいは持ち帰りにするかを確認し、さらにそのサイズ等を確認するものであり、持ち帰りを選択した場合は、その注文に該当する当該店舗に係る標章の付されたカップを用い、さらに当該店舗に係る標章の付された紙袋等に入れて取引を行っているのが常であるといえる。
よって、前記「茶、コーヒー及びココア」は、持ち帰りを念頭にし、一般市場において流通に供されることを目的として製造・販売するものといえるために商標法上の商品であるというべきである。
そうとすると、前記第3の通知した事実より、本願の指定商品の属する分野においては、「GRANDE」及び「グランデ」の語は「スタンド式コーヒーショップのカップのサイズ。」を表す語として使用されており、このことは多数のコーヒーチェーン及びその他の飲食店舗においても、本願の指定商品である「茶、コーヒー及びココア」の容器のサイズを表す語として「Lに相当する『Grande/グランデ』(473ml)」、「グランデGrande約470cc」、「Grande¥420」及び「G(グランデ)¥460」等のように使用されている事実が認められる。
したがって、当該商品の取引の際にサイズの大小を問題にする余地はないとする請求人が請求の理由として引用する原審における平成18年12月25日付け提出に係る上申書の主張を採用することはできず、並びに「GRANDE」及び「グランデ」の語は、前記意味を表す語として取引者、需要者間において一般的に使用されているから、請求人が原審の査定について他の1社における使用例を挙げて結論を導き出したものとする旨の主張を認めることはできない。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、その商品の産地又は販売地を表示する語と品質又は数量を表示する語とを併記したにすぎないものとして認識されるに止まるために、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認められる。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるといわなければならない。
また、請求人は前記上申書において、「本願商標は、コーヒー、ココアについて周知である『GOERGIA』『ジョージア』と『GRANDE』『グランデ』を結合したもので、当該商品は既に販売実績も相当程度あり、その結合態様において広く需要者に馴染まれているため、それはサイズを示すものではないことは需要者において明らかである」旨を主張しているが、そのことを裏付ける証拠等の書面は何ら提出されておらず、当審における審尋において当該書面の提出を求めたところ、前記第5のとおり何らの応答もなかったものである。
よって、当審では請求人は本願商標が使用により自他商品の識別力を有するに至った商標である旨の主張、立証はなかったものとした。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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