sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「記号付き商標の要部判断」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2008−25523(T2008−25523/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2008−25523(T2008−25523/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「電子計算機プログラムの設計・作成又は保守」
争点(論点)
記号付き商標の要部判断
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2008−25523(T2008−25523/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「電子計算機プログラムの設計・作成又は保守」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「記号付き商標の要部判断」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第42類「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・電子計算機端末の用途に応じて的確な操作をするための操作方法等に関する紹介及び説明,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体の貸与」を指定役務として、平成19年7月2日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4464900号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成12年2月16日に登録出願され、第42類「電子計算機プログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として、平成13年4月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、「@」の記号と「販売促進の、宣伝広告の」(株式会社大修館書店発行 ジーニアス英和大辞典)を意味する英語の「Promo」の文字とを結合し、これに緑色の右端部を矢形にした楕円形状の図形を前記文字後半部に重ねるように配してなるところ、かかる構成にあっては、該図形部分と文字部分とは視覚上、分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情を見出せないものであるから、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。

そして、構成中「@Promo」の文字部分は、その全体をもって特定の意味合いを有する語として親しまれているものともいい難く、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならないとする格別の事情も見出せないものであるから、これに接する取引者、需要者をして、容易に「@」の記号と「Promo」の文字とを結合したものと看取されるものと認められる。

ところで、「@」の記号は、従来より商品の単価を表す記号・符号として親しまれているものであり、また、近時は電子メールやインターネットの普及により、メールアドレス中にあって「@」の記号は、「個別のアドレス@その所属先を示すドメイン名」の如く用いられているところである。

これら「@」の用例からみるに、当該記号に続く部分に「単価」や「所属先ドメイン名」といった重要な情報を示す文字が続けられていることよりすれば、「@○○」のような表示に接した場合、当該記号に続く「○○」の部分を、重要な部分として印象される場合も決して少なくないというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商標使用者の意図とは関係なく、その構成中の親しまれた英単語であり、それ自体で自他役務の識別標識として機能し得る「Promo」の文字部分が主たる要部と認識し、当該部分に着目して取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

そうとすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して「アットマークプロモ」の一連の称呼を生ずるほか、「Promo」の文字部分に相応して、単に「プロモ」の称呼をも生じ、かつ、「販売促進の、宣伝広告の」の観念を生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、別掲2に示すとおり、多少デザイン化された書体で「プロモ」の片仮名文字を横書きしてなるところ、該文字は、本願商標との関係において「Promo」の文字の表音であることを容易に認識、理解させるものであり、さらに、フリー百科辞典「ウィキペディア」によれば、「『プロモ』について、『プロモーションの略』、また、『プロモーション』について、『マーケティングミックスの4P理論の一つで、販売促進活動。』」との記載があることからすれば、引用商標についても、その構成文字に相応して「プロモ」の称呼及び「販売促進活動」程の観念を生ずるものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違する点があることを考慮してもなお、商標中の要部と認識される「Promo」又は「プロモ」の文字より生ずる「プロモ」の称呼及び「販売促進」の観念を共通にする称呼及び観念上類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を包含するものである。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人は、「実際の取引において、既に『@Promo』(アットプロモ)と称呼して使用されているものである」旨主張しているが、本件については、上記のとおり判断するのが相当であり、また、請求人の提出に係る資料によっても、該主張を裏付ける十分な証拠は認められない。

また、請求人は、「本願商標の提供するサービスと、引用商標の提供するサービスとは、食品スーパーマーケットを中心とする流通業界を対象とするものと、自動車部品を扱う業界を対象とするものとで、全く異なる業界であり需要者が異なるものである」旨主張しているが、本願商標及び引用商標の指定役務である「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」には広範囲な指定役務が含まれており、役務の具体的な取引の実情とは、指定役務全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであって、単に当該商標が現在使用されている役務についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではないことは明らかであり、請求人の主張する事情は、本願商標の指定役務の一部の役務についての特殊的・限定的な取引の実情にとどまるものであって、本願商標の広範な指定役務全般についての一般的・恒常的な取引の実情ではないから、請求人の主張を採用することはできない。

さらに、請求人は、本願商標と同じ第42類において「@」の有無の差が有り、称呼を同一にする他の登録例を挙げ、「取引一般において、『@』の有無の差は全く異なるものであると認識されていることから、本願商標は登録されるべきである」旨主張するが、請求人の挙げた登録例は、対比する商標の具体的構成態様において本願とは事案を異にするものであり、また、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、本件の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるから、上記登録例等をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当ではなく、上記登録例等の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではない。したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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