結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301189(T2007−301189/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4488202号商標(以下「本件商標」という。)は、「CYAN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年2月28日に登録出願、第9類「業務用ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同13年7月6日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中、『業務用ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,電子応用機械器具及びその部品』について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第6号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、「電子応用機械器具及びその部品並びにこれらの類似商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が認められない。また、商標登録原簿からは専用使用権者又は通常使用権者の登録が認められず、不使用についての正当理由も認められないのである。
(1)通常使用権
被請求人「CYAN INCORPORATED」(以下「サイアン社」という。)が本件商標を使用していると主張する、ゲームソフトウェア「MYST」は、関連会社と述べる「CYAN WORLDS,INC.」(以下「サイアンワールズ社」という。)が著作権を有しているものである。
このため、サイアンワールズ社が、日本国内で有している商標権(登録第3331444号及び登録第4158293号)「MYST」(甲第3号証)に関し、代理店「HOPLITE RESERCH LLC」(以下「ホップライト・リサーチ・エルエルシー」という。)及び「サン電子株式会社」(以下「サン電子」という。)を通じ、「株式会社セガ」(以下「セガ」という。)・「株式会社ライブドア」(以下「ライブドア」という。)・「株式会社キッズステーション」(以下「キッズステーション」という。)・「株式会社イーフロンティア」(以下「イーフロンティア」という。)等に対し、ゲームソフトウェア「MYST」を販売するため、そのタイトル名である「MYST」商標権につき、暗黙的な通常使用権を許諾している(乙第1号証の2、第3号証の2及び第4号証)との主張は、何ら証拠に基づいてはいないが、まだ理解することができる。
しかし、本件商標「CYAN」の所有者であるサイアン社自体は、本件の使用商品とされるゲームソフトウェア「MYST」と、直接関連はなく、単なる、関連会社として存在するに過ぎない。
つまり、著作権者であるサイアンワールズ社の社標が出所表示として使用商品に表示される必要性はあるとしても、サイアン社の商号の要部のみである本件商標が使用商品に表示される必然性は見当たらず、上記、流通業者や国内製造・販売業者に対し、暗黙の通常使用権が許諾されているとの主張は、表示の必要性からも全く理解し得ないところであり、又、これに関する立証及び使用の事実も、被請求人提出の乙第1ないし第36号証には見当たらないところで、認め難い事実である。
(2)商標の同一性
乙第7号証「サイアンワールズ社」のホームページ上部・左上には「PRODUCTS」「NEWS」「COMPANY」「LEGAL」の4項目が記載されており、この「COMPANY」項目を開いたのが乙第7号証の1及び2ページである。
同列にある「PRODUCT」項目を開いたのが甲第4号証で、この冒頭に「『MYST』及び『Riven』の製作者であるサイアンワールズから『UruLive』が発売される。」と記載されているように、サイアンワールズ社が「MYST」の製作者であり、著作権者であることが記載されている。
また、甲第4号証の上段には、茶色の円盤形に円周に合わせ「C」の文字を金色に表し、その開口部に水色の「球」を表した図形の右に「CYAN」と「WORLDS」の欧文字が横線を挟み、左右の間隔を同じくしてバランス良く二段に表されており、乙第7、第21及び第36号証にも全く同一のサイアンワールズ社の社標と考えられる図形が掲げられている。
このように「図形」と一体に「社名」をデザインした商標は、その表示位置により、「横用」と「縦用」が準備されているのが通常で、甲第4号証の「社標」を「Bマーク」とすると、乙第1ないし第36号証を一覧表に整理し、使用していると主張する商標を表すと、甲第5号証の右欄のごとくなり、この「マーク」(「Aマーク」)はすべて相似形の同一であることが判明した。
このうち、コピーで提示された乙第11号証の1ページ及び第25号証の1ページが最も鮮明にサイアンワールズ社の社標と思われる二段の表示が読み取れる状況であるが、甲第6号証に乙号証の番号を記載して表した拡大コピーにより、他の使用商標もこれと同一であることが理解できるものである。
つまり、使用商標は、確かに「CYAN」が上段に目立つ存在で記載されているとしても、これに続く「WORLDS」の文字と二段に表したサイアンワールズ社の社標を出所表示として表示し、上部の図形ともバランス的に結合した一連一体の商標であって、本件商標と社会通念上同一の商標の使用とは言い得ないものであり、他人の社標の一部を自社の登録商標の使用と称しているにすぎない。
被請求人が乙号証に付き「『CYAN』の文字が付されている」なる各所の表現は、下段を故意に無視し、「付されている」なる表現自体は虚偽ではないとしても「商標の使用」とは懸け離れた詭弁に過ぎない。
また、乙第10号証の2、第14号証、第24号証の2及び第31号証の2における記載にあっても、それぞれの会社がそのような商標を単に持っている事実の記載であり、商標の使用とは関係ない。
なお、本件使用商品は、全体の形状も想定し易い箱型又は薄板で、各面は平面であって提出されたA4版に十分収まり、乙第5号証等のように実物大が収まらない場合やコピーしにくい場合はともかく、コピーにも馴染む大きさの商品であるにも関わらず、提出された使用商品の証拠写真は縮小して印刷され、不鮮明なもののみ拡大して提出されている。
そして、使用と主張する商標について、他人の社標の一部にある登録商標と同一の構成文字の部分にのみ〇印を付して、下段の文字との関連を殊更無視している感があるから、登録商標の正当な使用証拠とは認められない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第47号証(枝番を含む。)、検乙第1ないし第4号証を提出した。
(1)本件商標は、被請求人たる本件商標の商標権者の許諾を受けて通常使用権者となっているセガ(東京都大田区羽田在)により、当該審判請求登録日(平成19年10月3日)前3年以内に、請求にかかる指定商品中、「家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク」について使用されているものである。
また、同様に、本件商標は、商標権者の許諾を受けて通常使用権者となっているライブドア(東京都新宿区歌舞伎町在)、キッズステーション(東京都千代田区神田錦町在)及びイーフロンティア(東京都新宿区西新宿在)により、当該審判請求の登録日前3年以内に、請求にかかる指定商品中、「電子応用機械器具及びその部品」について使用されているものである。
(2)商品「家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク」の使用について
乙第1号証の1は、「家庭用ゲーム機」である「プレイステーション・ポータブル(略称『PSP』)」用のゲームプログラム(タイトル「MYST」)を記憶させたディスクが収納されているケース、すなわち当該商品の包装の写真であり、乙第1号証の2は、その背面の拡大写真である。
乙第2号証は、当該商品ケースを開いた状態の写真であり、当該ケースの見開き写真の右側に当該商品のディスクが、左側にそのユーザー・マニュアルが収納されている。
乙第3号証の1は、同第2号証で示すケースの見開き写真の左側に収納されているユーザー・マニュアルの裏表紙の写真であり、乙第3号証の2は、その拡大写真である。
当該商品のケースの裏面の下方(乙第1号証の1及び2)及び当該ケースに同封されているユーザー・マニュアルの裏面の下方(乙第3号証の1及び2)には、本件商標が付されている。
そして、当該商品のケース及びユーザー・マニュアルには「SEGA」と記載されており(乙第1ないし第3号証)、また、セガのホームページにおいても、当該商品についての販売情報が掲載されている(乙第4号証)。
乙第5号証は、家庭用ゲーム機用ゲームソフトウェアを特集する雑誌であるが、当該商品が、セガによって2006年(平成18年)6月15日発売予定のプレイステーション・ポータブル(以下「PSP」という。)用ゲームソフトウェアとして紹介されている。
乙第6号証は、当該商品を販売しているウェブサイトの写しであるが、セガによって、当該商品が2006年(平成18年)6月15日よりわが国において販売されており、実際、2007年(平成19年)6月7日の時点で当該商品がわが国において販売されていたことを示すものである。
被請求人及びサイアンワールズ社は、当該商品に係るゲームプログラムを開発し(乙第7及び第8号証)、被請求人は、セガがわが国において当該ゲームプログラムからなるゲームソフトウェアを生産・販売することについて、HOPLITE RESEARCH LLC(アメリカ法人)及びサン電子(愛知県江南市在)を通じて、許諾を与えたものである。
乙第1号証の2、第3号証の2及び第4号証にも、サイアンワールズ社が当該ゲームプログラムについての著作権を有していることが記載されており、当該商品のわが国における生産・販売の許諾の中に、本件商標の使用についての許諾も暗黙的に含まれているものである。
以上より、本件商標は、被請求人の許諾を受けて通常使用権者となったセガによって、2006年(平成18年)6月15日から現在に至るまで(少なくとも、2007年(平成19年)6月7日時点において)、わが国において、請求にかかる商品「家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク」について使用されてきたことが認められる。
(3)商品「電子応用機械器具及びその部品」の使用について
ア 「MYST URU Complete Chronicles」について
乙第9号証は、「MYST URU Complete Chronicles」というタイトルの「DVD−ROMに記憶した電子計算機用ゲームプログラムのソフトウェア」の写真であるが、商品の下方に本件商標が付されている。
乙第10号証の1は、当該ソフトウェアの外箱、すなわち包装の写真であり、乙第10号証の2は、当該ソフトウェアの外箱の背面の拡大写真である。
乙第10号証の1を見ると、当該外箱の全ての面に、本件商標が付されていることが把握でき、また、乙第11号証は、同第9号証で示す当該ソフトウェアと共に前記外箱の中に収納されているユーザー・マニュアルであるが、この表紙及び裏表紙の下方にも、本件商標が付されている。
そして、当該外箱の背面の下方には、「Cyan and Myst are trademarks of Cyan,Inc.and Cyan Worlds,Inc.under license to Ubisoft Entertainment.」と記載されており(乙第10号証の2)、ここでも商標「Cyan」が付されているが、ここで表わされた商標「Cyan」は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるため、本件商標についての使用に該当することは明らかである(商標法第50条第1項括弧書き)。
また、当該DVD−ROM、その外箱及びユーザー・マニュアル1ページ目には、「Windows Me/2000/XP」と記載されていることから、当該DVD−ROMに記憶されているソフトウェアが、「電子計算機用」に用いられるものであることは明らかである(乙第9ないし第11号証)。
特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説」によると、「電子計算機用プログラム」には、「記録媒体に記憶した電子計算機用プログラムのソフトウェア」が含まれているため(乙第12号証)、本件商標が付された当該ソフトウェアが、「電子計算機用プログラム」に該当することは明らかであって、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準」によると、「電子計算機用プログラム」は、「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品である(乙第13号証)。
当該ソフトウェアの外箱の背面には、発売元として「株式会社キッズステーション」、販売元として「株式会社ライブドア」が記載されており(乙第10号証の1及び2)、当該ソフトウェアのユーザー・マニュアルの裏表紙にもユーザーサポート先として「株式会社キッズステーション」と記載されている(乙第11号証)。
また、ライブドアのホームページのプレスリリースの「2005年1月18日」の項には、「株式会社ライブドアは、(途中省略)『ミスト ウル:コンプリート クロニクル 日本語版』(途中省略)を、2月から3月にかけて販売いたします。」(1ページ目)、「『ミスト ウル:コンプリート クロニクル 日本語版』(途中省略)販売元:株式会社キッズステーション 発売元:株式会社ライブドア 発売日:2005年2月25日(金)(途中省略)Uru,Cyan,and Myst are trademarks of Cyan,Inc.and Cyan Worlds,Inc.under license to Ubi Soft Entertainment.」(2ページ目)と記載されている(乙第14号証)。
その他の電子計算機用ゲームソフトウェアを紹介するいくつかのウェブサイトにおいても、ライブドアが、2005年(平成17年)2月25日より、わが国において、当該ソフトウェアを販売したことが紹介されている(乙第15ないし第19号証)。
また、乙第20号証は、当該ソフトウェアを販売するウェブサイトの写しであるが、当該ソフトウェアが、2005年2月25日よりわが国において販売されてきたことを裏付けるものである。
上記乙第14ないし第20号証の中には、キッズステーションとライブドアの役割が混同されて記載されているものも散見されるが、これらは単なる誤記であり、両者が、被請求人から許諾を受けて当該商品の生産及び販売に携わっていた事実には間違いがない。
被請求人及びサイアンワールズ社は、上述のとおり、当該ゲームプログラムを開発し(乙第8、第11号証「目次」の「クリエーターからのメッセージ」及び11ページ目、及び第21号証)、被請求人は、「UBI Soft Entertainment」(以下「UBIソフト社」という。)を通じて、キッズステーションに、「DVD−ROMに記憶した当該ゲームプログラムのソフトウェア」を生産することについて許諾を与え、ライブドアに、当該ソフトウェアをわが国において販売することについて許諾を与えたものである。
実際、2005年(平成17年)2月25日よりわが国において販売を開始するため、ライブドアは、その少し前にキッズステーションから当該ソフトウェアを購入している。
乙第22号証は、当該ソフトウェアの購入に際して、平成17年(2005年)2月17日に、キッズステーションからライブドアに宛てて発行された請求書であり、上記の事実を裏付けるものである。
そして、当該ソフトウェアのわが国における生産・販売の許諾の中には、本件商標を当該ソフトウェアに使用することについての許諾も黙示的に含まれているものである。
以上より、本件商標は、被請求人の許諾を受けて通常使用権者となったキッズステーション及びライブドアによって、2005年(平成17年)2月25日より、わが国において、請求にかかる商品「電子計算機用プログラム」について使用されてきたことが認められる。
一方、当該ソフトウェアの廉価版も、わが国において上記とは別のルートを通じても生産・販売されてきた。
乙第23号証の1及び2は、当該ソフトウェアの写真であるが、当該商品の下方に本件商標が付されている。
乙第24号証の1及び2は、当該ソフトウェアが収納されているケース、すなわち商品の包装の写真と当該ケースの背面の拡大写真である。
乙第24号証の1を見ると、当該ソフトウェアのケースの背面の右下方に、本件商標が付されていることが把握でき、また、同第25号証は、同第23号証の1で示すとおり、当該ソフトウェアと共に同第24号証の1で示すケースの中に収納されているユーザー・マニュアルであるが、この表紙及び裏表紙の下方にも、本件商標が付されている。
そして、当該ソフトウェアのケースの背面の下方には、「Cyan and Myst are trademarks of Cyan,Inc.and Cyan Worlds,Inc.under license to Ubisoft Entertainment.」と記載されており(乙第24号証の2)、ここでも商標「Cyan」が付されているが、ここで表わされた商標「Cyan」は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるため、本件商標についての使用に該当することは明らかである。
また、当該DVD−ROM及びそのケース及びユーザー・マニュアル1ページ目に、「Windows 2000/XP」と記載されていることから、当該ソフトウェアが、「電子計算機用」に用いられるものであることは明らかであり、本件商標が付された当該ソフトウェアは「電子計算機用プログラム」に該当し、「電子計算機用プログラム」は「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品である点、上述のとおりである(乙第12、第13及び第23号証の1ないし第25号証)。
当該ソフトウェアのケースの背面には、販売元として「フロンティアグルーヴ株式会社」(以下「フロンティアグルーヴ」という。)が記載されており(乙第24号証の1及び2)、当該ソフトウェアのユーザー・マニュアルの裏表紙にもユーザーサポート先として「フロンティアグルーヴ株式会社」と記載されている(乙第25号証)。また、イーフロンティアのホームページにおいて、当該ソフトウェアが、2006年(平成18年)11月10日からフロンティアグルーヴによって販売が開始された商品として紹介されている(乙第26号証)。
乙第27号証は、当該ソフトウェアを販売しているウェブサイトの写しであるが、2006年(平成18年)11月10日より、フロンティアグルーヴによって当該ソフトウェアの販売が開始されたことを示すと同時に、フロンティアグルーヴによって生産され同ウェブサイトを運営する「セブン&アイ・ホールディングス」に販売された当該ソフトウェアが、2007年(平成19年)6月25日時点で、同ウェブサイトを通じて一般消費者に向けて販売されていたことを示すものである。
さらに、別の販売ウェブサイトにおいても、イーフロンティアの商品として、当該ソフトウェアが販売されている(乙第28号証)。
なお、上記のイーフロンティアとは、2007年4月1日より、合併に伴ってフロンティアグルーヴの事業を引き継いだ会社であり(乙第29号証)、上記の当該ソフトウェアの販売ウェブサイトに、合併前の社名である「フロンティアグルーヴ」と表示されていることから、少なくとも、当該ソフトウェアが、2007年4月1日以前から同ウェブサイトを通じて販売されていたことも推測される(乙第27号証)。
被請求人及びサイアンワールズ社は、上述のとおり、当該電子計算機用ゲームプログラムの開発を行い(乙第8、第21、第25号証「目次」の「クリエーターからのメッセージ」及び11ページ目)、被請求人は、UBIソフト社を通じて、フロンティアグルーヴ(合併後は、イーフロンティア)に、「DVD−ROMに記憶した当該ゲームプログラムのソフトウェア」をわが国おいて生産し、販売することについて許諾を与えたものであって、当該ソフトウェアのわが国における生産・販売の許諾の中には、本件商標を当該ソフトウェアに使用することについての許諾も黙示的に含まれているものである。
以上より、本件商標は、被請求人の許諾を受けて本件商標の通常使用権者となったフロンティアグルーヴによって、2006年(平成18年)11月10日より現在に至るまで(少なくとも、2007年(平成19年)6月25日の時点で)、商品「電子計算機用プログラム」について使用されてきたことが認められる。
イ 「MYST V END OF AGES」について
フロンティアグルーヴは、乙第30号証の1に示す「MYST V END OF AGES」というタイトルの「DVD−ROMに記憶した電子計算機用ゲームプログラムのソフトウェア」についても生産・販売を行ってきた。
乙第30号証の1及び2は、当該ソフトウェアの写真であるが、当該商品の右側に本件商標が付されている。
乙第31号証の1及び2は、当該ソフトウェアが収納されているケース、すなわち商品の包装の写真と、当該ケースの背面の拡大写真である。
乙第31号証の1及び2を見ると、当該ソフトウェアのケースの背面の下方に、本件商標が付されていることが把握でき、また、当該ケースの背面の下方には、「Cyan and Myst are trademarks of Cyan,Inc.and Cyan Worlds,Inc.under license to Ubisoft Entertainment.」と記載されており(乙第31号証の2)、ここでも商標「Cyan」が付されているが、ここで表わされた商標「Cyan」は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるため、本件商標についての使用に該当することは明らかである。
そして、当該DVD−ROM及びそのケース及びユーザー・マニュアル8ページ目には、「Windows 2000/XP」と記載されていることから、当該DVD−ROMに記録されたソフトウェアが、「電子計算機用」に用いられるものであることは明らかであり、本件商標が付された当該ソフトウェアは「電子計算機用プログラム」に該当し、「電子計算機用プログラム」は「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品である(乙第11、第12及び第30ないし第31号証の2)。
当該ケースの背面には、販売元として「フロンティアグルーヴ株式会社」が記載されており(乙第31号証の1及び2)、当該ソフトウェアのユーザー・マニュアルの10ページ目にもユーザーサポート先として「フロンティアグルーヴユーザーサポートセンター」と記載されている(乙第32号証)。また、イーフロンテイアのホームページにおいて、当該ソフトウェアが、2006年(平成18年)11月10日からフロンティアグルーヴによって販売が開始された商品として紹介されている(乙第33号証)。
乙第34号証は、イーフロンティアの商品販売ウェブサイトの写しであるが、当該ウェブサイトにおいても、当該ソフトウェアの販売開始日は2006年(平成18年)11月10日とされており、別の販売ウェブサイトにおいても、フロンティアグルーヴの商品として当該ソフトウェアが販売されているが、その販売開始日は2006年(平成18年)11月10日とされている(乙第35号証)。
上記の当該ソフトウェアの販売ウェブサイトに、合併前の社名である「フロンティアグルーヴ」と表示されていることから、少なくとも、当該ソフトウェアが、2007年4月1日以前から同ウェブサイトを通じて販売されていたことが推測されるものである(乙第35号証)。
被請求人及びサイアンワールズ社は、上述のとおり、当該ゲームプログラムの開発を行い(乙第8、第31号証の2及び第32号証の2ページ目の「息を深く吸って...」)、被請求人は、UBIソフト社を通じて、フロンティアグルーヴに「DVD−ROMに記憶した当該ゲームプログラムのソフトウェア」をわが国において生産し、販売することについて許諾を与えたものであって、当該ソフトウェアのわが国における生産・販売の許諾の中には、本件商標を当該ソフトウェアに使用することについての許諾も黙示的に含まれているものである。
以上より、本件商標は、被請求人の許諾を受けて本件商標の通常使用権者となったフロンティアグルーヴによって、2006年(平成18年)11月10日より現在に至るまで、わが国において、商品「電子計算機用プログラム」について使用されてきたことが認められる。
したがって、本件商標は、当該審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が「家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク」及び「電子応用機械器具及びその部品」に使用しているものである。
(1)請求人は、被請求人が「商品『電子応用機械器具及びその部品』に属する『家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク』について」本件商標を使用してきた旨主張していると理解し、反論をしている。
しかしながら、被請求人が主張しているのは、「家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク」及び「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」についての使用である。
また、「家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク」は「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品ではない。
(2)通常使用権
乙第37号証の宣誓書において、被請求人及びサイアンワールズ社の社長であるトニー・ジェイ・フライマン氏は、被請求人が2004年6月25日から現在に至るまで、サイアンワールズ社にわが国における商品「PSP用ゲームプログラム」及び「電子計算機用ゲームプログラム」についての本件商標の使用を許諾してきたことを認めている。
また、乙第38号証の宣誓書において、トニー・ジェイ・フライマン氏は、サイアンワールズ社が2004年6月25日から現在に至るまで、被請求人からわが国における商品「PSP用ゲームプログラム」及び「電子計算機用ゲームプログラム」についての本件商標の使用を許諾されてきたことを認めている。
被請求人とサイアンワールズ社(以下、これらの会社をあわせて「被請求人ら」という。)の社長は、ともにトニー・ジェイ・フライマン氏であり、被請求人らの所在地も同じ場所であって、別会社の形式はとっているものの一体となって活動しており、被請求人らは、実質的に同一の会社として扱われているものであり、本件商標は、被請求人らグループを表す出所表示なのである。
なお、通常使用権者であるイーフロンティアとUBIソフト社との関係を示すものとして、乙第44号証の宣誓書において、イーフロンティアは、UBIソフト社を通じて、被請求人から本件商標を「コンピュータゲームプログラム」に使用することについて許諾を受けていることを認めている。
さらに、乙第45号証の宣誓書において、通常使用権者であるセガは、ホップライト・リサーチ・エルエルシー及びサン電子を通じて、被請求人から本件商標を「PSP用のゲームプログラム」に使用することについて許諾を受けていることを認めている。
これらのことからも、これらの会社が被請求人から通常使用権の許諾を受けて、本件商標を使用してきたことは明らかである。
(3)商標の同一性
被請求人は、本件商標の上部に「C」を形どった図形(以下「C図形」という。)が表されていることは認めるが、C図形は、文字部分とは外観上分離しているため、「CYAN」の文字部分と一体的に捉えられるべきではない。
また、C図形と本件商標の下部に「WORLDS」の文字(以下「WORLDS部分」という。)が表されていることも認めるが、WORLDS部分は、「CYAN」の文字に比して5分の1程度の大きさで、しかも、「CYAN」の文字に比べかなり細い書体で描かれている。
したがって、WORLDS部分は、乙第1号証の2をはじめとする拡大写真ですら見えづらいものであり、たとえ実物大の写真(乙第9号証、他)がクリアであっても、かなり小さく書されており見えづらいことが把握できる。
さらに、各商品及びそのパッケージには「Cyan and Myst are trademarks of Cyan,Inc.and Cyan Worlds,Inc.under license to Ubisoft Entertainment.」と記載されているところ、「Cyan」の文字は、小さな字で表されているものの、WORLDS部分よりは若干太い書体で大きく書されており、かつ、「Cyan」の右横に付されているR記号は、登録商標を表す表示として広く一般に知られているため、当該表示を目にした需要者は、仮に英文の意味がわからないとしても、「CYAN」部分が独立して自他商品等識別機能を発揮する部分であると認識するであろう。
以上より、本件商標が、C図形及びWORLDS部分とともに表されているとしても、当該使用は、本件商標と社会通念上同一の使用に該当する。
(1)乙第9号証は、ソフトウェア「MYST URU Complete Chronicles(ミスト ウル:コンプリート クロニクル 日本語版)」を記憶したDVD−ROM(以下「使用商品」という。)の写真と認められるところ、該使用商品には、「Windows Me/2000/XP」と表示されていることから、これが「電子計算機用」であることが認められ、該使用商品は、請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具」の範疇に属する商品というのが相当である。また、乙第9号証には、図形と二段に表示された「CYAN」及び「WORLDS」の文字との組合せからなる標章(以下「使用標章」という。)が表示されている。
(2)乙第10号証の1は、使用商品の包装用の外箱の写真、また、同第10号証の2は、当該外箱の背面の拡大写真と認められるものである。
乙第10号証の1を見ると、当該外箱の全ての面に、使用標章が付されていることが認められ、また、同第10号証の2には、発売元として「株式会社キッズステーション」、販売元として「株式会社ライブドア」と記載されていることが認められる。
(3)乙第11号証は、使用商品と共に前記外箱の中に収納されているユーザー・マニュアルと認められるところ、この表紙及び裏表紙の下方にも、使用標章が付されている。また、ユーザー・マニュアル中の「クリエーターからのメッセージ」の欄には「Cyan Worlds−URU開発チーム」、11ページ目の「Cyan Worldsについて」の欄には「1991年、Cyanは『Myst』の製作に着手しました。」及び12ページ目の「『ミスト ウル コンプリート クロニクル 日本語版』制作スタッフクレジット」の項目には「Cyan,Inc」とそれぞれ記載されていることから、被請求人らが当該ソフトウェアを製作、開発に携わっていたことが推認し得る。
(4)乙第14号証は、ライブドアのプレスリリースと認められるところ、「製品名:ミスト ウル:コンプリート クロニクル 日本語版」、「販売元:株式会社キッズステーション」、「発売元:株式会社ライブドア及び発売日:2005年2月25日(金)」等と記載されている。
(5)そして、乙第22号証の請求書には、その「コード・商品名」欄に「KUD−0081」及び「ミスト ウル:コンプリート クロニクル 日本語版」の文字が記載されており、乙第9号証の使用商品に表示されている「KUD−0081」及び「MYST URU Complete Chronicles(ミスト ウル:コンプリート クロニクル 日本語版)」の文字とがそれぞれ一致することから、それらは同一の使用商品であると認められる。
また、当該請求書は、その請求日が17年2月17日付となっており、ライブドアがキッズステーションから使用商品を購入していることから、使用商品は、本件審判の請求の登録前3年以内に取引されたことが認められる。
使用標章は、前記1のとおり、図形と二段に表示された「CYAN」及び「WORLDS」の文字との組合せからなるところ、当該文字部分は、上段の「CYAN」の文字が下段の「WORLDS」の文字に比して極端に大きく表されており、かつ、前記各文字を上下に分離するかの如く細線を配してなる構成から、視覚上、分離して観察されるものとみるのが相当である。また、全体として特定の観念を有するものとはいえず、常に不可分一体のものとして捉えるべき格別の理由は見いだせないものであるから、使用標章は、これに接する需要者が顕著に表された「CYAN」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないといわざるを得ない。
そうすると、「CYAN」の文字からなる本件商標とは、その綴り字を同じくするものであるから、使用標章は、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
請求人は、「被請求人がライブドア及びキッズステーション等の流通業者や国内製造・販売業者に対し、暗黙の通常使用権が許諾されているとの主張は、表示の必要性からも全く理解し得ないところであり、又、これに関する立証及び使用の事実も、被請求人提出の乙第1ないし第36号証には見当たらないところで、認め難い事実である。」旨主張している。
しかしながら、通常使用権は、商標権者が他人にその商標権について使用の許諾をすることにより発生するものであり、例えば、商標登録原簿に登録されることが効力を生ずる要件とはなっていない。
そして、被請求人が主張する如く「被請求人たる本件商標の商標権者の許諾を受けて通常使用権者となっているライブドア、キッズステーション及びイーフロンティアにより、当該審判請求の登録日(平成19年10月3日)前3年以内に、請求にかかる指定商品中、『電子応用機械器具及びその部品』について使用されているものである。」旨主張していることからも、ライブドア及びキッズステーション等は本件商標に関する通常使用権者でないとまではいい得ないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
以上のとおりであるから、本件通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具」の範疇に属する「電子計算機用ゲームプログラム」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めざるを得ない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「業務用ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,家庭用ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,電子応用機械器具及びその部品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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