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Trademark Appeal Case

地名と催事名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−23231(T2008−23231/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「東日本縦断駅弁大会」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成18年12月22日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、当審における平成20年9月10日付け手続補正書により、最終的に、第35類「駅売り弁当の広告,駅売り弁当の販売に関する情報の提供,駅売り弁当の展示会の運営」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『東日本縦断駅弁大会』の文字を普通に書してなるところ、該文字は、『東日本を縦断して駅弁を集めて展示即売すること』程の意味合いを認識させるにすぎないから、その指定役務に使用するときは、単に役務の内容、質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「東日本縦断駅弁大会」の文字よりなるところ、その構成中「東日本」の文字部分は「日本の東半分」を意味するものであり、また「縦断」の文字部分は「たて、または南北の方向に通り抜けること」を、そして「駅弁」の文字部分は「『駅売り弁当』の略。鉄道駅で乗客に売る弁当」を、そして「大会」の文字部分は「多くの人の集会。組織全体の会合。盛んな会合や行事。」(いずれも広辞苑 第6版)の意味をそれぞれ有するものである。

そして、その構成中「駅弁大会」の文字が、百貨店やスーパー等で行われる「駅売り弁当を取り揃えて展示販売する催し物」の名称として普通に使用されている実情や、例えば「全国駅弁大会」「北海道・東北版駅弁大会」のように、地域を表す語と結合して「ある地域の駅売り弁当を取り揃えて展示販売する催し物」の名称として採択、使用されている実情がある。

さらに、「東日本縦断」の文字についても「東日本縦断駅伝大会」「東日本縦断ラリー」のように、「東日本を(北から南まで)縦断して行われる催し物」の名称として採択、使用されている実情がある。そして、これらの実情は、例えば、以下の新聞記事やインターネットにおけるウェブサイトの情報からも十分に裏付けられるところである。

(1)「『千産千消』弁当、駅弁大会に出品、万葉軒、千葉県外に売り込み。」の見出しのもと、「京王百貨店の駅弁大会は一九六六年に始まり、期間中の売上高が六億円を超す全国最大級の駅弁販売イベント。」の記載。(2009.1.7 日本経済新聞 地方経済面 千葉 39ページ)

(2)「かきめし(北海道・厚岸駅)−カキのうまみが濃厚(この駅この味)」の見出しのもと、「デパートなどで催される駅弁大会にも出品予定が数々ありますよ」の記載。(2008.12.6 日本経済新聞 夕刊 6ページ)

(3)「1月の百貨店売上高、大阪地区は11カ月連続減、セールなど催事は好調。」の見出しのもと、「二カ月ぶりに前年実績を上回った食料品は駅弁大会や歳暮ギフト用のセット商品の解体セールなどの催事が好評だった。」の記載。(2007.2.19 日経MJ(流通新聞)4ページ)

(4)「リニューアル1周年イベント、JR水戸駅で。」の見出しのもと、「・・・水戸駅改札口前を会場に東日本各地の有名駅弁を販売する駅弁大会やアンコウのつるし切りなどを行い、駅の利用を促進する。」の記載。(2006.2.22 日本経済新聞 地方経済面 茨城 41ページ)

(5)「峠の釜めし本舗 おぎのや」のウェブサイトにおいて、「駅弁大会情報」の見出しのもと、「本年度(20年度)の駅弁大会は終了しました。次回の駅弁大会は21年10月頃からになります。」の記載。(http://www.oginoya.co.jp/kamameshi/ekiben.html)

(6)「株式会社浜吉」のウェブサイトにおいて、「今年も、9月24日から各地で駅弁大会始まる!」の見出しのもと、「毎年、9月下旬から4月上旬まで全国の百貨店、量販店で駅弁大会が開催され当社も参加いたします。」の記載。(http://hamakichi.ekiben.or.jp/news/2009/08/000719.html)

(7)品川経済新聞のウェブサイトにおいて、「中延商店街で『駅弁大会』−全国の有名駅弁26種類が出そろう」の見出しのもと、「中延商店街振興組合(品川区東中延2)は2月10日、日本全国の有名駅弁を集めて『駅弁大会』開催する。」の記載。(http://shinagawa.keizai.biz/headline/187/)

(8)YAHOO!辞書のウェブサイトにおいて、「デパ弁(デパベン)の見出しのもと、「デパートやスーパーなどの『全国駅弁大会』などで売られている駅弁。本来、駅で売られているものであるが、最近では日本全国のデパートなどで催される『駅弁大会』で調理実演して販売する方が多くなっている。」の記載。(http://dic.yahoo.co.jp/newword?category=&pagenum=1001&ref=1&index=2008000233)

(9)「Walkerplus」のウェブサイトにおいて、「大調査!京王駅弁大会の売れ筋ランキング」の見出しのもと、「1/20(火)まで開催されている京王百貨店の駅弁大会。・・・1/15からは・・・実演販売を開始するなど、ラストスパートに向けた新しい動きも見せる。」の記載。(http://news.walkerplus.com/2009/0116/2/)

(10)「イトーヨーカドー甲子園店」のウェブサイトにおいて、「お買い物情報」の見出しのもと、「駅弁大会のお知らせ 開催期間 9/22(火)〜9/27(日)」の記載。(http://www.e-itoyokado.jp/225/200909/20090924153167.html)

(11)「株式会社ジャパンフーズシステム」のウェブサイトにおいて、「食イベント・企画」の見出しのもと、「業界No.1を誇る (株)ジャパンフーズシステムの『駅弁大会企画』とは? 全国の選りすぐりの駅弁を数多く品揃えし、売り場の集客力と売上UPを図れる企画です。」の記載。(http://www.japanfoodssystem.co.jp/event_plan/ekiben.html)

(12)「出羽桜酒蔵株式会社」のウェブサイトにおいて、「2/11〜16 藤崎(仙台)『第2回 全国駅弁大会とうまいもの市』開催」の見出しのもと、「2月11(金)〜16日(水)の5日間、仙台市の藤崎において『第2回 全国駅弁大会とうまいもの市』が開催されます。日本中の美味しい駅弁や食品がこの物産展に集まって、大変活気にあふれる催し物です。」の記載。(http://dewazakura.co.jp/news/2005/event2005-1.tml)

(13)「駅弁の小窓」のウェブサイトにおいて、「駅弁大会情報2009年」の見出しのもと、「10/8(木)★京王・聖蹟桜ヶ丘・要確認(北海道・東北地区駅弁大会)/東京〜14日」の記載。(http://ekibento.jp/are-ekiben-taikai.htm)

(14)フリー百科辞典ウィキペディアのウェブサイトにおいて、「東日本縦断駅伝大会」の見出しのもと、「東日本縦断駅伝(ひがしにっぽんじゅうだんえきでん)は、読売新聞社主催によるロードレース大会である。スタートの青森県とゴールの東京都の頭文字をとって『青東(あおとう)駅伝』とも呼ばれた。」の記載。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B8%A6%E6%96%AD%E9%A7%85%E4%BC%9D)

(15)フリー百科辞典ウィキペディアのウェブサイトにおいて、「水曜どうでしょう企画」の見出しのもと、「敢行企画 1999年7月21日〜8月19日−原付東日本縦断ラリー」の記載。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9B%9C%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%AE%E4%BC%81%E7%94%BB)

以上よりすれば、「東日本縦断駅弁大会」の文字に接する取引者、需要者は、「東日本を縦断して駅売り弁当を取り揃えて展示・販売する催し物」のごとき意味合いを理解、認識することは容易というべきである。

してみれば、本願商標をその補正後の指定役務「東日本を縦断して駅売り弁当を取り揃えて展示・販売する催し物に関する広告、東日本を縦断して駅売り弁当を取り揃えて展示・販売する催し物に関する情報の提供、東日本を縦断して駅売り弁当を取り揃えて展示・販売する催し物の運営」に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、単に役務の質を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、「本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。」旨、主張しているが、それらの既登録例は指定役務において本願商標とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの既登録例に拘束される理由はない。

さらに、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号列挙のものは通常、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当でなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解される。(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法逐条解説(第17版)」参照)

そして、本願商標「東日本縦断駅弁大会」については、上記のとおり、取引者・需要者をして、役務の質を表示したものとして理解するにとどまるものであり、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものであるから、請求人の該主張は、採用することができない。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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