Trademark Appeal Case
複合商標の要部と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−32974(T2008−32974/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類「自動車用の動力機械の部品・自動車用の機械要素・自動車の部品及び付属品・自動車用の電子制御装置及びその部品・自動車用の測定機械器具並びに自動車用の潤滑油の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成19年4月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第4864797号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成14年2月6日に登録出願、第9類「測定機械器具、火災報知機、ガス漏れ警報器、盗難警報器、消火器、消火栓、消火ホース用ノズル、スプリンクラー消火装置」、第37類「火災報知機・ガス漏れ警報器・盗難警報器の修理又は保守、測定機械器具の修理又は保守、電気通信機械器具(電話機・ラジオ受信機およびテレビジョン受信機を除く。)の修理又は保守、錠前の取付け又は修理」、第38類「移動体電話による通信、テレックスによる通信、電子計算機端末による通信、電報による通信、ファクシミリによる通信、無線呼出し、電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」、第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計」及び第45類「施設の警備、身辺の警備、火災報知機・ガス漏れ警報器・盗難警報器の貸与、消火器の貸与、保安システムを用いた火災警備・ガス漏れ警備・防犯警備、防犯・防火・防災・救急及び安全に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同17年5月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1のとおり、右側に傾斜し、かつ、デザイン化されてはいるものの、普通に用いられる態様の域を脱しない方法で「TRUST」の欧文字を横書きにしてなるところ、その構成文字は、「信頼」等を意味するよく知られた英語であるから、該構成文字に相応して、「トラスト」の称呼を生じ、かつ、「信頼」等の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、別掲2のとおり、右側に傾斜した「SOS」の欧文字を太字で書し、その構成中の「OS」の下に、「SOS」の文字より小さく、右側に傾斜した「TRUST」の文字を配し、さらに、「SOS」の文字中の「O」を囲むかの如く、楕円状の線を描き、その線を「TRUST」の文字の下線のように連続して描き、また、「SOS」の文字中の「O」の上に、楕円状の線と重なるように星形の図形を配してなるものである。
しかして、引用商標の構成態様中の文字部分と楕円状の線及び星形の図形が、全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。
また、引用商標構成中の「SOS」の文字部分と「TRUST」の文字部分とが、一連でなんらかの特定の意味合いを看取させる等、これらを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとするべき特段の事情も認められない。
そして、「SOS」と「TRUST」の文字とは、文字の大きさが異なることから、視覚上、分離して認識し、把握され易く、さらに、「TRUST」の文字部分は、「SOS」の文字より小さく書されているものの、楕円状の線が下線の如く配された構成から、特に、看者の目を惹きやすい部分であると認められるものである。
さらに、「SOS」及び「TRUST」の文字全体から生ずる「エスオーエストラスト」の称呼は、やや冗長であるところから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標に接する取引者、需要者は、「TRUST」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
そうとすれば、引用商標は、構成文字全体に相応した「エスオーエストラスト」の一連の称呼の他、「TRUST」の文字部分に相応した「トラスト」の称呼をも生じ、かつ、「信頼」等の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標「TRUST」及び引用商標中の「TRUST」の文字より生ずる「トラスト」の称呼及び「信頼」等の観念は同一であり、両商標は、称呼及び観念を共通にするものである。
また、本願商標「TRUST」は、引用商標中の「TRUST」と、構成文字を同じくし、かつ、共に右に傾斜した態様よりなるものであるから、外観上も類似するとみるのが相当である。
そして、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品中「測定機械器具」は、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものである。
そうしてみると、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品中「測定機械器具」は類似のものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「トラスト」の称呼及び「信頼」等の観念を共通にし、外観上も近似することから、本願商標を上記指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものである。
(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
請求人は、平成20年12月26日付け審判請求書(平成21年2月27日付け手続補正書により請求の理由を補完)において、「請求人は、引用商標と本願商標が類似していると認定されたと思料される引用商標の指定商品『測定機械器具』において、本願商標と同一の商標登録を引用商標の出願前に行っている。このことから、本願商標と引用商標は類似しないものと認められた事実がある。」旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の審査例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
そして、本願商標と引用商標が類似するものであることは、前記(1)で認定したとおりである。
したがって、請求人のかかる主張は採用できない。
また、請求人は、「請求人は本登録商標を自動車用の各種メーター等測定機械器具において継続して使用しており、当業界においては広く認識されている商標である。」旨主張する。
しかしながら、請求人は、その事実を立証する証拠を何ら提出しておらず、該主張について客観的に判断することができないものであるから、請求人のかかる主張も採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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