Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−269(T2008−269/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成19年1月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第4706045号商標(以下「引用商標」という。)と称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の役務に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、引用商標は、「安穏」の文字を書してなり、平成14年8月5日に登録出願、第43類「日本料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同15年9月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲に示すとおり、筆書体風に書された「an」及び「non」の欧文字を記号「−」で結合した「an−non」(以下同じ。)の文字と、該文字部分中の「an−」の上部に、前記文字より小さく「和琉ダイニング」の文字を配してなるものである。
しかして、本願商標は、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、「和琉ダイニング」及び「an−non」の文字を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められない。
また、本願商標構成中の「和琉ダイニング」と「an−non」の文字は上下に配されていることに加え、「an−non」の文字は、「和琉ダイニング」の文字に比して、かなり大きく書されているものであるから、特に、看者の目を惹きやすい部分であると認められ、視覚上、分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然である。
さらに、本願商標全体から生ずると認められる「ワリュウダイニングアンノン」の称呼もやや冗長である。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、「an−non」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
よって、本願商標は、構成文字全体に相応した「ワリュウダイニングアンノン」の一連の称呼のほか、「an−non」の文字部分に相応した「アンノン」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、「安穏」の文字より、「アンノン」の称呼及び「安らかにおだやかなこと。」(広辞苑第五版)の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観において相違し、本願商標が特定の観念を生じないため、観念において比較できないものであるとしても、「アンノン」の称呼を同一にする類似の商標と認められる。
そして、本願商標の指定役務「飲食物の提供」は、引用商標の指定役務「日本料理を主とする飲食物の提供」と同一または類似するものと認められる。
そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められることから、本願商標と引用商標とは類似の商標といわざるを得ない。
(2)出願人(請求人)(以下「請求人」という。)の主張について
請求人は、平成20年1月4日付け審判請求書において、「本願商標の構成中『an−non』は、特殊書体で、『n』の文字は、『n』と判読することは不可能であり、前後に『a』や『o』が存在し、かつ、『アンノン』という称呼を知っていることを前提にして、『an−non』の文字が識別できるものである。そして、『an−non』と判読できたとしても、『an』は単数を意味し、『non』は、否定を意味しているので、『an−non』全体としては、『単一ではない』の意味で、転じて『多種多様な料理を用意している』という意味合いを理解させるものである。そして、本願商標は、『ワリュウダイニングアンノン』のみ称呼を生ずる。したがって、本願商標と引用商標とは、類似しない。」旨主張する。
しかしながら、近時のレタリング技術の普及に伴い、商標や広告等において看者の注意を惹くための視覚的効果として、構成文字の全部あるいは一部にレタリングを施すことは、ごく普通に行われているのが実情であることからすれば、本願商標の構成中の「n」の文字は、特異な態様等で書されたものとは認められず、欧文字「n」の文字を無理なく認識し得るものである。
また、本願商標の構成文字中「an」が「1つの」等を意味する語で、「non」が、「否定」を意味する語で、これらを結合してなるとしても、「an−non」の文字部分から、直ちに、「単一ではない」あるいは、「多種多様な料理を用意している」の意味合いを需要者等に認識させるものとはいい難い。
そして、前記(1)で認定したとおり、本願商標と引用商標とは、「アンノン」の称呼を同一にする類似の商標である。
したがって、請求人の前記主張は、採用できない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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