Trademark Appeal Case
結合商標の記述的語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−2801(T2009−2801/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服」を指定商品として、平静20年3月31日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
また、これらを総称するときは「引用商標」という。
(1)登録第2247311号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Peters」の欧文字と「ペーターズ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、昭和63年5月6日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回類(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録、その後、平成12年3月21日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4487053号商標(以下「引用商標2」という。)は、「PETER」の欧文字と「ピーター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年5月31日に登録出願、第25類「被服,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成13年6月29日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、別掲のとおり、「PETER’S TAILOR MADE」の欧文字を大きく横書きし、その下部中央に小さく二段で「3182 MISSION ST.」及び「PHONE VAL.9354」の文字を横書きしてなるところ、これらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情はみあたらないものであり、そして、かかる構成にあっては、「3182 MISSION ST.」及び「PHONE VAL.9354」の文字部分を付記的なものと看取することが決して少なくないと判断するのが相当である。
また、構成中の「TAILOR MADE」の文字は、「特別あつらえの[で作った]。注文服。一人一人に合わせて仕立てられるものであること。」等の意味を有する語(研究社新英和大辞典第6版,広辞苑第六版)であるところ、本願指定商品である「被服」を取り扱う分野においては、一人一人の体型に合わせてスーツ等を仕立てることが普通に行われていることなどからすれば、本願指定商品との関係において、該文字は、商品の品質を表すものとして、取引者、需要者に理解され得るものであって、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、その機能が弱い部分であると判断するのが相当である。
かかる事情は、例えば、「TAILOR MADE」の表音である「テーラーメード」、「テーラーメイド」の文字などが、以下のように使用されていることからも十分裏付けられるところである。
(ア)「朝日新聞」(2009.01.30東京夕刊8頁)において、「伝統に洗練、上質の高みへ ミラノ、ピッティの09年秋冬メンズ」の見出しの下、「極上の
テーラーメード
スーツから若者向けのデニムまで、いつも通り出展内容は多彩だが、新しい大きなうねりは見て取れない。」との記事が掲載されている。
(イ)「繊研新聞」(2007.05.09 1面)において、「コズミックレイ 南青山にコンプレックス 主力2ブランドを輸入販売」の見出しの下、「コンプレックスは、ステファニー・レノマとアントナー・ルベルディア夫妻が『常に新しくユニークな商品やコンセプトを提案、
テーラーメード
並みのサービスを提供するコンセプトショップ』を02年パリにオープンした。」との記事が掲載されている。
(ウ)「日刊工業新聞」(2004.02.19 26頁)において、「三菱地所、丸の内エリアに『エルメス』など新規9店オープン」の見出しの下、「国際ビル1階には伊を代表するメンズ
テーラーメード
ブランド『コルネリアーニ』が3月6日にオープン」との記事が掲載されている。
(エ)株式会社オンリーのウェブサイトにおいて、「INHALEEXHALE」をタイトルとするページには、左部に「ITEM LIST」の項が設けられ、その下には「【
Tailor Made
】」の項が設けられ、メンズスーツ、レディススーツ等の各情報に切り換える項目が設けられている。また、右部には「『あなただけの1着をお届けしたい』それが
テーラーメイド
です。」との記載がある。(http://www.inhale.jp/shohin/tailormade/mens/suit/)
(オ)サンシャインシティのウェブサイトにおいて、「The@SUPER SUITS STORE ザ スーパースーツストア」の店舗紹介にて、「既製品のスーツやシャツ、ネクタイなどを豊富に取り扱い、
テーラーメイド
スーツや
テーラーメイド
シャツもラインナップしております。更には男性以外にも、女性の方向けのスーツやブラウスなども取り扱っておりますし、男性同様
テーラーメイド
にも対応しておりますので、男性にも女性にも嬉しいスーツのトータルショップとなっております。」との記載がある。(http://www.sunshinecity.co.jp/sunshine/tn/detail/detail_t0238.html)
(カ)エヌ・ティ・ティ番号情報株式会社提供の「iタウンページ」において、掲載名(店名)「ドガ・ジャパン」に関する記載として、「男の魅力を
テーラーメイド
でフォーマルからカジュアルまで!! 素材・デザインのバリエーションが豊富に揃っています。」との記載のほか、「イチオシ情報」の項目の下、「紳士服
テーラーメイド
!!専門スタッフがお伺い致します」との記載がある。(http://nttbj.itp.ne.jp/0358565757/index.html?Media_cate=populer&svc=1303)
そうすると、本願商標は、その構成中の「PETER’S」の文字部分のみも独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというのが相当であり、当該文字に相応して「ピーターズ」の称呼をも生ずるというべきである。
また、「PETER’S」の文字部分は、「PETER」が「ピーター《男性名》」の意味を、「’S」が名詞などの所有格語尾として理解されるものであることから、当該文字部より「ピーター《男性名》の」及び、単に「ピーター《男性名》」の観念をも生ずるものといえる。
他方、引用商標1は、前記のとおり「Peters」の欧文字と「ペーターズ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、引用商標1から生じる称呼は、片仮名文字に相応した「ペーターズ」の称呼に加え、欧文字部分を我が国で良く親しまれている英語風に読んだ「ピーターズ」の称呼をも生ずるとするのが相当であるから、本願商標と引用商標1とは、「ピーターズ」の称呼を共通にするものである。
また、引用商標1を構成する「Peters」及び「ペーターズ」の文字は、我が国において特定の意味合いを有する語として一般に親しまれているとはいい難いものであるから、本願商標と引用商標1は、観念を比較することができない。
してみれば、本願商標と引用商標1とは、観念について比較することができず、外観において相違するとしても、「ピーターズ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標であり、また、本願の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似する商品を含むものと認められる。
(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標は、前記(1)のとおり、「PETER’S」の文字部分も要部となるものであるのに対し、引用商標2は、「ピーター《男性名》」等の意味を有する「PETER」の欧文字と、その表音を理解させる「ピーター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「ピーター」の称呼を生じ、「ピーター《男性名》」の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標の該文字部分から生ずる「ピーターズ」の称呼と、引用商標2から生ずる「ピーター」の称呼とを比較するに、異なるところは語尾における「ズ」の音の有無のみであるところ、この「ズ」の音は、それ自体響きの弱い有声摩擦子音「z」と母音「u」の結合した音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置することに加えて、本願商標の構成からすると、該音は名詞などの所有格語尾「’S」に相応する音であって印象が強いとはいえないことから、語尾における「ズ」の音の有無が両称呼に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときには、両称呼は相紛らわしく、互いに聴き誤るおそれがあるものといえる。
また、本願商標と引用商標2は、「ピーター《男性名》」の観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観において相違するとしても、称呼上相紛らわしく、かつ、「ピーター《男性名》」の観念を共通にする類似する商標であり、また、本願の指定商品は、引用商標2の指定商品と同一又は類似する商品を含むものと認められる。
(3)請求人の主張
請求人は、「本構成部分に係る『TAILOR MADE』の称呼『テーラーメイド』を、辞書『広辞苑』にて引いてみた場合、該当する掲載はない」旨述べているが、「広辞苑 第六版(株式会社岩波書店発行)」の第1911頁には、「テーラー【tailor】洋服、特に男子服の仕立屋。」の記載に続き、「−・メード【〜・made】一人一人に合わせて仕立てられること。」との記載があり、この記載が「TAILOR MADE」及び「テーラーメイド」の語にあたる記載と認められるものである。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標が登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上からすれば、本願商標と引用商標は類似の商標であり、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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