Trademark Appeal Case
ライフリスクマネジメントの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第21091号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ライフリスクマネジメント」の文字を横書きしてなり、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,生命保険情報の提供」を指定役務として、平成7年4月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、経営組織や団体の活動に伴って起こり得る各種の危険を最小限の費用で最小限に抑えるための法人の経営管理のための生命保険の意味合いを認識させる『ライフリスクマネジメント』の文字を書してなるにすぎないものであるから、これを本願の指定役務中『団体生命保険契約の媒介,団体生命保険の引受け,団体生命保険情報の提供』について使用するときは、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は上記のとおりの構成からなるところ、その構成中の「ライフ」の文字は、例えば、三省堂発行「コンサイス外来語辞典」の「ライフ」の項の記載によれば、「生命、生涯、生活」等の意味を有する外来語であって、複合語として使われることが多いものであることが認められる。そして、財団法人生命保険文化研究所発行「新版生命保険用語英和辞典」によれば、該語は、本願商標の指定役務の分野においては「生命保険」を意味するものとしても知られているといえる。
また、その構成中の「リスクマネジメント」の文字は、請求人の提出に係る甲第1ないし第3号証の辞典を始め、岩波書店発行「広辞苑」(第5版)、前出「新版生命保険用語英和辞典」、自由国民社発行「現代用語の基礎知識1999」、集英社発行「imidas’98」等の「リスクマネジメント」の項によれば、「危険管理、危機管理」とも呼ばれ、「企業活動に伴うさまざまな危険を最小限に抑える管理運営方法」を意味する語として知られ、最近では「ホームリスク・マネジメント」の用語にみられるように家庭経営の面でも使用されている。そして、「保険」はこの危機管理の中でも極めて重要であり、企業のみならず個人や公共団体にとっても検討すべき手段であることが認められる。
以上の事実を総合すると、本願商標は、上記2語を結合してなるものであると容易に理解されるものであり、本願商標の指定役務との関係からすれば、全体として請求人の主張するように「生活全般に亘るさまざまな危険を最小の費用で最小限に抑えようとする方法」の如き意味合いを看取せしめると共に、更に進んで、そのような方法の手段として生命保険に係る役務を提供することを端的に表したものと認識されるに止まり、結局、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないといわざるを得ない。
原査定は、本願指定役務中の「団体生命保険契約の媒介,団体生命保険の引受け,団体生命保険情報の提供」について言及し、それ以外の役務について本願商標を使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがある旨述べているが、当審における上記認定、判断は団体生命保険に係る役務に限定されるものではないから、これ以外の役務について質の誤認を生じさせるおそれがあるということはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、その限りにおいて妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、すでに本願商標を用いてその指定役務について永年役務を提供しており、請求人自身の著名性と相まって本願商標も需要者にとって著名となり識別力を有するに至っていると主張し、証拠を提出している。しかしながら、提出された証拠によっては本願商標が自他役務の識別力を有するに至っていると認めるに足りないから、請求人のこの主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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