Trademark Appeal Case
称呼の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900137(T2009−900137/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5196017号商標(以下「本件商標」という。)は、「Rolling Star」の欧文字を標準文字により表してなり、平成20年5月23日に登録出願、第9類「コンピューターゲームソフトウェア,家庭用又は業務用テレビゲーム機用ゲームソフトウェア,インターネットを通じてダウンロード可能な携帯電話機用ゲームソフトウェア,インターネットを通じてダウンロード可能なゲームキャラクター画像,ゲームに関する電子出版物」を指定商品として、同21年1月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)ないし(4)に掲げるとおりである。以下、これらを総称するときは単に「引用商標」という。
(1)登録第4548780号商標(以下「引用A商標」という。)
「ROLLING STONES」の欧文字を標準文字で表してなり、平成10年11月13日に登録出願、第9類「音声又は画像の記録・再生又は転送用の機械器具,音声周波機械器具,映像周波機械器具,その他の電気通信機械器具,磁気テープ,ビデオテープ,カセットテープ,レーザー読取り・磁気読取り又は光読取りの音声記録・再生又は転送用のディスク,レーザー読取り・磁気読取り又は光読取りの画像記録・再生又は転送用のディスク,録音用・録画用・データ記録用ミニディスク,録音用ディジタルオーディオテープ,録音用ディジタルカセットテープ,録音用磁気ディスク,録音用光磁気又は光ディスク,録音用コンピュータチップ,録画用ディジタルビデオテープ,録画用ディジタルカセットテープ,録画用磁気ディスク,録画用光磁気又は光ディスク,録画用コンピュータチップ,その他の電気通信機械器具の部品及び付属品,コンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムを記憶させた磁気又は光カード・磁気テープ・磁気カセットテープ・磁気ディスク・光磁気または光ディスク・コンピュータチップ又は電子回路」を指定商品として、同14年3月8日に設定登録されたものである。
(2)登録第4376038号商標(以下「引用B商標」という。)
別掲に示す構成よりなり、平成11年3月4日に登録出願、第16「雑誌,新聞,カレンダー,書籍及びその他の印刷物」を指定商品として、同12年4月14日に設定登録されたものである。
(3)登録第4368739号商標(以下「引用C商標」という。)
「ローリングテレホン」の仮名文字を標準文字で表してなり、平成10年12月25日に登録出願、第28類「電話機の特徴を有するおもちゃ」を指定商品として、同12年3月17日に設定登録されたものである。
(4)登録第818380号商標(以下「引用D商標」という。)
「RAWLINGS」の欧文字と「ローリングス」の仮名文字とを二段書きしてなり、昭和39年10月31日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年5月26日に設定登録され、その後、平成21年7月15日に指定商品を第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「運動用具」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは、称呼若しくは観念において類似する商標であり、両者の指定商品も類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録を取り消すべきものである。
(2)引用A商標は、世界的著名ロックバンド「ローリングストーンズ」に係る商標であり、本件商標の指定商品が属する分野の取引者・需要者間にも広く知られ、強い指標力を有するから、ロックバンド「ローリングストーンズ」と密接に関わり合う単語のみで構成されている本件商標は、取引者・需要者が引用A商標と関連する商標であると誤認し、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録を取り消すべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、同一の書体による文字で外観上まとまりよく一体に構成されているものであり、また、これより生ずる「ローリングスター」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、他に「Rolling」の文字部分と「Star」の文字部分とを分離して観察すべき格別の理由を見出し難いから、「ローリングスター」の一連の称呼のみを生ずるとみるのが自然である。
他方、引用商標は、それぞれの構成に照らし、引用A商標は「ローリングストーンズ」、引用B商標は「ローリングストーン」、引用C商標は「ローリングテレホン」、引用D商標は「ローリングス」の各称呼を生ずるものといえる。
なお、引用C商標は、その指定商品「電話機の特徴を有するおもちゃ」との関係において、「ローリング」の文字部分が自他商品識別の要部として認識し把握され、単に「ローリング」の称呼をも生ずるものといえる。
そこで、本件商標から生ずる称呼と引用商標から生ずる上記各称呼について順次対比して検討する。
先ず、「ローリングスター」と「ローリングストーンズ」とは、末尾部分において「ター」の音と「トーンズ」の音、「ローリングスター」と「ローリングストーン」とは、末尾部分において「ター」の音と「トーン」の音、「ローリングスター」と「ローリングテレホン」とは、後半部分において「スター」の音と「テレホン」の音、「ローリングスター」と「ローリングス」とは、末尾部分における「ター」の音の有無、「ローリングスター」と「ローリング」とは、末尾部分における「スター」の音の有無というそれぞれが顕著な差異を有しており、かつ、いずれの場合も構成音数を異にし、相違する各音が異質の音であることから、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感・音調が明らかに異なり、相紛れることなく明瞭に区別することができるものである。
申立人は、本件商標につき、その構成中の「Star」の文字は自他商品の識別力が弱く、「Rolling」の文字部分が分離して看取され強く印象に残る要部である旨主張すると共に、引用A商標につき、世界的に著名なロックバンド「ローリングストーンズ」に係る商標であるとし、構成態様から「ローリングストーンズ」の称呼のほか、「ローリング」及び「ストーンズ」の称呼をも生ずる旨主張し、証拠を提出している。
しかしながら、提出に係る証拠を徴しても、本件商標の構成中の「Star」の文字部分が自他商品の識別力が弱いとされる事実は見出し難いし、本件商標については上記のように判断するのが相当である。
また、引用A商標は、その構成に照らし、全体をもって一体のものとして認識し把握されると見るのが自然であり、「ROLLING」の文字部分と「STONES」の文字部分を分離して観察すべき格別の理由は見当たらないし、著名なロックバンドの名称であるとすればなおさら、「ローリングストーンズ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
よって、申立人の主張はいずれも採用することができない。
次に、本件商標と引用商標とを外観及び観念の観点から対比するに、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものといえるし、かつ本件商標は、全体をもって一体のものとして看取されるものであり、全体として親しまれた既成の観念を有する熟語を表したものともいえないから、観念上引用商標と比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用A商標は、世界的に著名なロックバンド「ローリングストーンズ」に係る商標であり、本件商標の指定商品が属する分野の取引者・需要者間にも広く知られ、強い指標力を有する旨主張し証拠を提出している。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠を徴するに、「ローリングストーンズ」がロックバンドの名称として広く知られているとしても、引用A商標自体がその指定商品に使用する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
加えるに、本件商標と引用A商標とは、前示のとおり、類似するところのない別異の商標である。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用A商標ないしはロックバンドの「ローリングストーンズ」及び申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人若しくはローリングストーンズ又はこれらと経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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