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Trademark Appeal Case

称呼非類似と観念類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900160(T2009−900160/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5203560号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5203560号商標(以下「本件商標」という。)は、「シャワーウォッシュ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成20年7月7日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成21年1月14日に登録査定、同年2月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)引用商標

申立人が引用する登録第5153272号商標(以下「引用商標」という。)は、「SHOWER CLEAN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年9月6日に登録出願、第25類「被服,礼服,スーツ,コート,ジャケット,パンツ」を指定商品として、平成20年7月25日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「シャワーウォッシュ」の片仮名文字を書してなるものであるから、これにより、「シャワーウォッシュ」の称呼を生ずることは、明らかである。他方、引用商標は、「SHOWER CLEAN」の英文字を標準文字で表してなり、商標を構成する「SHOWER」・「CLEAN」の語は、いずれも一般に広く親しまれた比較的平易な英単語であって、容易に「シャワー」・「クリーン」と称呼され、引用商標全体として「シャワークリーン」の称呼が生ずるものである。

してみると、本件商標と引用商標とは、片仮名文字と英文字の違いがあり、その称呼も、「シャワーウォッシュ」と「シャワークリーン」であって、相違するものである。

しかしながら、両商標は、商標の前半部を共通にしており、本件商標の後半部である「ウォッシュ」の語は、「洗う、洗濯する、汚れを洗い落す」といった意味を有する英語の「WASH」を容易に想起させる語であり、一方、引用商標は、「清潔な、きれいな、汚れのない」といった意味合いの「CLEAN」の語である(甲第3号証)。

「WASH」と「CLEAN」の語の意味合いは、完全に一致するものではないが、いずれの語も「汚れを落としてきれいにする」といった似通った意味合いを容易に想起させるものであり、さらに、両商標の前半部は、汚れを落とす手段を表す「シャワー」「SHOWER」の語であって、前半部と後半部を結合させて、商標全体と観念した場合には、「シャワーによって汚れを洗い落してきれいにする」といった共通の意味合いが生じ、両商標の観念は、相紛らわしく、類似するものである。

そして、本件商標と引用商標の指定商品とは、「履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を除き、抵触するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

ア 引用商標の周知・著名性について

(ア)引用商標の使用の経緯

申立人は、引用商標の商標権者であるキンググロリー紳士服株式会社と引用商標の独占的な使用に関する使用許諾契約を締結し、平成21年1月30日付けで専用使用権の設定登録を行っている(甲第4号証)。

一方で、申立人は、ウールにおける技術開発・品質管理・市場調査等を手掛けるオーストラリアのオーストラリアン・ウール・イノベーション及びザ・ウールマーク・カンパニーとの共同開発によって、ウール本来の質感、スーツ本来のグレート感を保ちながら、洗剤なしで自宅の温水シヤワーのみによって汚れや匂いを洗い流せ、ハンガーにかけて陰干しすれば、アイロンをかけることなく着用することができるウールスーツを開発し、その新開発されたウールスーツの商品名として「SHOWER CLEAN」を使用し、平成19年12月21日にプレスリリースを行い(甲第5号証)、その後、

平成20年2月初旬から各店舗において販売を開始し、現在では、統一ブランドして多種類のスーツに展開している。販売開始以降、この画期的な商品は、話題を呼び、添付した甲第6号証から明らかなように、発売から約1年という短期間に、「シャワークリーンスーツ」の生産出荷数は、15万着を突破している。

(イ)引用商標の宣伝広告活動

申立人は、「シャワークリーンスーツ」を大々的に宣伝するため、テレビコマーシャルは、平成20年4月1日から、申立人が提供する2つの番組枠で放送を開示し(甲第7号証)、新聞での全面広告は、平成20年4月11日に読売新聞、10月11日に地域の新聞に掲載し、それぞれ、3,057,000部、3,064,000部、計6,121,000部が発行されている(甲第8号証)。折込チラシは、2008年2月23号から2009年1月10号までで累計163,044,420部発行し折込広告を行い、ダイレクトメールは、2008年2月22日から2008年11月17日までに計8,888,693部発送している(甲第9号証、甲第10号証)。さらに、各店舗においても、イーゼルボード、ポスター、POP、スクリーン、のぼり等を使って、大々的に広告を行っている(甲第11号証)。

(ウ)引用商標の周知・著名性

申立人が使用する引用商標は、その商品の画期的な機能性と前記した積極的な宣伝広告活動により、「スーツ」において周知となっていることは、以下のとおり明らかである。

すなわち、平成20年6月18日に発行された「日経MJ」(甲第12号証の17)に掲載された「2008年上期商品番付」では、「シャワーグリーンスーツ」は、西の小結にランキングされ、2008年の年間ヒット商品番付でも東の前頭にランキングされている(甲第12号証の25)。「日経トレンディ2008年12月号」(甲第13号証の24)の特集記事「2008 ヒット商品ベスト30」においては、第15位を獲得し、2008年12月16日発行の『DIME 24号』では、「2008 小学館DIMEトレンド大賞」にノミネートされている(甲第13号証の26)。「日経MJ」に掲載された「2008年上期商品番付」は、2008年1月から6月に発売された商品を対象としたものであり、また、「日経トレンディ 2008年12月号」の特集記事「2008 ヒット商品ベスト30」は、2007年10月から2008年9月の間に発売された商品を対象としている。これらのことから明らかなように、2008年の上期(1月から6月)を過ぎた頃には、引用商標を付した商品は、大ヒット商品と認識され、取引市場において商い評価を獲得していたことがうかがえる。

また、添付した甲第12号証ないし甲第15号証からも分かるように、平成19年12月21日のプレスリリース以降、相当数の新聞、雑誌、インターネット上のウェブサイト、テレビ番組等において紹介又は特集が組まれ、現在に至るまでその状況は継続している。

本件商標が出願された2008年7月7日以前であっても、少なくとも新聞掲載記事が19件、雑誌の紹介・特集記事が12件、インターネットウェブサイト上の掲載記事は、掲載日時が分かるだけでも10件、テレビ番組の紹介は、12件にのぼっている。

これらを総合的に勘案すれば、少なくとも本件商標の出願日時点において、引用商標は、既に需要者に広く知られていたと理解できる。

イ 商品および需要者の関連性

引用商標は、その指定商品の中で、主に「スーツ」について需要者に広く知られており、その商品と本件商標の指定商品とは、身にまとうもので共通し、その需要者において共通性が認められる。

ウ 出所混同のおそれ

商標法第4条第1項第15号に規定する「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、いわゆる狭義の混同のみならず、その商品等が、他人との間に親子会社や系列会社等の何らかの関係があると誤信するおそれがあるという広義の混同が含まれ(最高裁平成10年(行ヒ)第85号 甲第16号証)、さらに、同号の規定には、その趣旨からすれば、周知表示又は著名表示へのフリーライド及び当該表示のダイリューションを防止することも含まれると解される。

してみると、本件商標と引用商標は前記のとおり類似しており、さらに、引用商標の「スーツ」等の商品分野に及ぶ周知・著名性、本件商標の指定商品と申立人が引用商標を使用する商品との需要者の関連性等を総合的に考察すれば、本件商標がその指定商品に使用された場合には、それがあたかも申立人が販売する商品であるかのごとく誤認され、そうでなくとも、何らかの密接な営業上の関連性を想起させ、商品又は営業上の出所の混同を生じるおそれが高いものと判断される。

さらに、本件商標のように引用商標と類似する商標が使用された場合には、引用商標に化体した業務上の信用へのフリーライドが助長され、ブランドイメージが希釈化されることになりかねない。実際に、被申立人は、少なくとも2008年10月16日から「スーツ」に「SHOWER WASH」又は「シヤワーウォッシュスーツ」を使用している事実がうかがえ、引用商標に係る商品と需要者が誤認し、出所の混同が生じることが懸念されるところである(甲第17号証、甲第18号証)。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「シャワーウォッシュ」の文字よりなるところ、その構成中、「シャワー」の文字部分が「如雨露(じょうろ)のような噴水口から水または湯の出る装置。また、その出る水や湯。」(広辞苑第六版:株式会社岩波書店)の意味を有し、また、「ウォッシュ」の文字部分が、例えば「洗うこと。洗濯すること。(ウオッシュ〔wash〕)」(大辞泉:株式会社小学館)の意味を有するものであるから、その構成文字全体からは、「シャワーで洗う」という程の意味合いを想起するものである。そして、本件商標からは、その構成文字に相応する「シャワーウォッシュ」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「SHOWER CLEAN」の文字よりなるところ、その構成中、「SHOWER」の文字部分が「シャワー(shower bath)、短時間で止む雨,にわか雨,夕立」の意味を有し、また、「C

LEAN」の文字部分が、たとえば「清潔な,きれいな,汚れのない;未使用の,ま新しい,新たな」の意味を有する(ともに、プログレッシブ英和中辞典:株式会社小学館)ものであるから、その構成文字全体からは、直ちに特定の意味合いを想起させるものではないというべきであって、観念の生じない造語よりなるものというのが相当である。そして、引用商標からは、その構成文字に相応する「シャワークリーン」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観においては、明らかに相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「シャワーウォッシュ」であるのに対し、引用商標の称呼は、「シャワークリーン」であるから、両称呼は、前半部の「シャワー」の音を同じくするものの、後半部の「ウォッシュ」と「クリーン」とにおいて明らかに相違し、その差異が称呼全体に及ぼす影響は大きく、これらを一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。また、観念においては、引用商標からは、特に観念が生じないから、これを比較すべきところがない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

なお、申立人は、「シャワーによって汚れを洗い落してきれいにする」との観念が生ずると述べているが、上記のとおり本件商標からはその観念は生じないものというべきである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出した証拠によれば、引用商標は、我が国において、平成20年(2008年)2月から販売された商品「スーツ」について、その多くが「シャワークリーンスーツ」の文字によって使用されており、相当程度の宣伝広告がなされたことにより申立人の業務に係る商品「スーツ」を表示する商標として、一定の知名度を有しているといい得るものであるが、その使用期間はそれほど長いものとはいえず、我が国の需要者の間に広く認識されるに至ったものとは認めることができない。

そして、本件商標「シャワーウォッシュ」と引用使用商標「SHOWER CLEAN」とは、前記(1)で認定したとおり、両商標は、何ら相紛れるおそれのない別異の商標であるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)結び

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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