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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「S字図形商標の外観類似」の商標審決・判断理由(審判番号:異議2009−900203(T2009−900203/J7)|登録維持)

審判番号
異議2009−900203(T2009−900203/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
S字図形商標の外観類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第9類・第25類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2009−900203(T2009−900203/J7)・異議)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「S字図形商標の外観類似」です。指定商品・役務は第9類・第25類に属します。特許庁は「登録第5208291号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第5208291号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5208291号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成20年7月17日に登録出願、第9類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年2月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4990961号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成17年4月14日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年9月29日に設定登録されたものである。

(2)登録第4998513号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成17年6月7日に登録出願、第3類、第9類、第12類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年10月27日に設定登録されたものである。

(3)登録第4998514号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成17年6月7日に登録出願、第3類、第9類、第12類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年10月27日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

本件商標と、引用商標1及び引用商標2の図形部分並びに引用商標3(以下、まとめて「引用図形」という。)を比較すると、本件商標は、顕著に表された欧文字「S」字状の図形を囲むように黒色の太線で表した円弧を全体で楕円形状に描いてなるものであり、また、引用図形は、二つの半円弧を向い合せに配し全体を楕円形状にし、その中心に欧文字「S」字状の図形を配したものであるから、両者は、この点において極めてその構成を共通にするものである。

そして、本件商標と引用図形を時と所を異にして離隔的に観察するときは、需要者は、両者に共通する欧文字「S」字状とそれを囲む楕円状の構図からなる図形が記憶にとどまるから、両者は、構成において極めて近似するものとして相紛れるおそれがある。

したがって、本件商標は、各引用商標と外観上類似する商標であり、その指定商品も各引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用図形との対比

本件商標は、別掲(1)のとおり、中央に配されたローマ字の「S」字状図形を囲むように、右下の欠けた楕円状輪郭を描いてなるものであるところ、該楕円状輪郭は、上記右下の欠けた両端部から左方向に行くに従い、線が太くなり、左斜め上で最も太く、かつ、その箇所において、枝分かれするように、内側に突出した部分が「S」字状図形の左下の先端部に近づくように描かれた構成よりなるものであって、中央に配された「S」字状図形も、両先端部が細く、中心部の曲線が太く、うねるように表されており、「S」字状図形と右下の欠けた楕円状輪郭とが一体となって、これらの線の太さと細さの軽妙なバランスにより、構成全体が流れるような動的な抽象図形として、構成全体の特異性をもって看者に強く印象づけられ、記憶されるものといえる。

これに対して、引用商標1及び引用商標2は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の図形部分は、独立して自他商品の識別機能を有するものといえる。そして、引用商標1及び引用商標2の図形部分並びに引用商標3(引用図形)は、真ん中が太く表された弓形状の曲線2つを、楕円状輪郭を形成するように向かい合わせに組み合わせ、これらの内側の中心にローマ字の「S」字状図形を配してなる構成よりなるものであって、その構成中の「S」字状図形は、全体がやや縦長に、また、両先端部が切り詰めたように角張って表されており、引用図形の構成全体からみれば、「S」字状図形と楕円状輪郭とが軽重の差がなく表され、動きの少ない抽象図形として、看者に印象づけられるといえる。

そうすると、本件商標と引用図形とは、それぞれの有する構成全体の外観上の印象において大きく相違するのみならず、これらの構成における細部においても、両者の「S」字状図形は、先端部が細く表されているか、あるいは、切り詰めたように角張って表されているかの差異、中心部が太線でうねるように表されているか、あるいは、縦長に表されているかの差異などを有するものであり、また、楕円状輪郭においても、欠けた部分及び突出した部分の有無の差異、線の強弱の差異等を有するものであるから、本件商標と引用図形をそれぞれ時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに紛れるおそれはないというべきである。

してみれば、本件商標と各引用商標とが外観上類似する商標であるとする申立人の主張は理由がなく、採用することができない。

その他、本件商標と各引用商標とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。

したがって、本件商標は、各引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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