結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2008−900332(T2008−900332/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5136706号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピングー」の片仮名文字と「pingoo」の欧文字を二段に書してなり、平成19年6月15日に登録出願、第35類「広告,インターネット・携帯電話を利用した広告の代理,インターネット上での広告スペースの提供,トレーディングスタンプ又はポイントカードの発行及び清算,販売又は営業促進のための商品等交換用ポイントの管理及び清算,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,インターネットを利用した映像・音楽の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用した映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用した映画の上映・制作又は配給に関する情報の提供」を指定役務として、同20年4月18日に登録査定、同年6月6日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきである主張し、その理由として要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
アニメーション「pingu」は、日本で放送された平成4年から爆発的な人気を博し、「pingu」及び「ピングー」の表示は、遅くとも本件商標の登録出願された平成19年には、すでにペンギンをモチーフとするアニメーションの題名又はその主人公を表すものとして需要者間に広く認識され、「ピングー」といえば直ちに上記アニメーションないしはその主人公を連想、想起するほどになっており、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたというべきである。
本件商標は、「ピングー」及び「pingoo」の各文字を二段に書してなるところ、その構成文字に相応して、「ピングー」の称呼を生ずるものである。その構成中、「ピングー」の文字は、申立人の著名なアニメーション又はその主人公名の日本語表記である「ピングー」と同一であり、「pingoo」は、原語表記の「pingu」とその称呼を同じくするものである。
また、本件商標の指定役務との関連性については、「ピングー」は、商品の販売活動のキャラクターとして用いられていたり、絵本として出版されたり、テレビ放送されるアニメーションが映画として上映されたりしているので、本件商標の指定役務と取引者・需要者を共通とするものである。
したがって、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該役務が申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4項第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第19号
上述のとおり、本件商標は、その登録出願時には、すでにアニメーションの題名及び主人公の名称を表すものとして需要者の間に広く認識されていた「pingu」及び「ピングー」の表示と同一又は類似である。したがって、本件商標は、著名なアニメーション又はその主人公を知りながら、その出所表示機能を希釈化させたり、名声を毀損させたりする目的をもって出願されたものであり、「不正の目的」をもって使用をするものである。
よって、本件商標は、商標法第4項第1項第19号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第7号
本件商標は、「pingu」及び「ピングー」の表示に化体した名声・信用・評判にただ乗りし、不正な利益を得るために使用する目的で、出願されたものであり、本件商標を指定役務に使用した場合、商取引の秩序を乱し、ひいては国際信義に反することとなる。
よって、本件商標は、商標法第4項第1項第7号に違反して登録されたものである。
(4)結論
以上述べた通り、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。
(1)申立人の使用に係る標章の著名性について
申立人の提出に係る甲各号証及び申立人の主張を併せみれば、以下の事実が認められる。
「pingu(ピングー)」(以下「引用標章」という。)は、1980年にスイスで誕生したペンギンをモチーフとするアニメーションの題名であり、また、その主人公の名称を表すものである。1990年にスイスでテレビ放送が開始され、1993年には153か国で放送されるようになり爆発的に世界中に広まった。そして、我が国では、1992年にWOWOWで放送が始まり、翌年にはテレビ東京系列、2004年からNHK教育テレビ、2007年4月からスカイパーフェクトTVで放送されている(甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証)。
そして、申立人は、引用標章に関する権利を譲り受けており、我が国では、株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツにその商品化許諾が与えられている。同社は、引用標章を題材とする絵本を出版するほか、平成4年からビデオ・DVDを発売し、また、「pingu」の標章を付した各種の雑貨・バッグ等のキャラクターグッズも販売しており、これらのカタログにはグッズの価格、品番等と共に「ピングー」の文字も掲載されている(甲第4号証)。さらに、同社は、住友生命、デニーズジャパン、ミスタードーナツ等にサブライセンスを与え、これらの会社は、引用標章を付した販促物を配布し宣伝広告に使用している(甲第5号証)。また、引用標章は、環境省が平成18年度より実施している「我が家の環境大臣」や林野庁の「木づかい運動」応援団のメンバーとして、環境問題の啓蒙にも使用されている(甲第6号証、甲第7号証)。
そして、「キャラクターイメージ調査レポート」によると、ミッキーマウス、スヌーピーを知っている者が各々95.3%、82.3%であるのに対し、ピングーを知っている者は77.6%であることからすると、ピングーの認知度は、これらの著名なキャラクターと比較しても遜色のないものといえる(甲第8号証)。
以上の事実によれば、引用標章は、スイスでテレビ放送されているペンギンをモチーフとしたアニメーションの題名であり、また、その主人公の名称を表すものであって、我が国においても、テレビ放映されており、絵本やビデオ・DVDも販売されると共に、雑貨・バッグ等のキャラクターグッズや各種役務についての宣伝広告にも使用され、さらには、環境省や林野庁における環境問題の啓蒙にも使用されている等、広汎な分野に亘って使用されてきた結果、本件商標の登録出願の時には既に、我が国においても広く知られていたものと認められ、その著名性は登録査定の時においても継続していたものということができる。
(2)本件商標と引用標章との類否について
本件商標は、「ピングー」の片仮名文字と「pingoo」の欧文字を2段に書してなるのに対して、引用標章は、「pingu(ピングー)」文字からなるものであるから、両者は、「ピングー」の称呼を共通にするものであり、また、互いの欧文字も、語尾部分における差異があるものの、その称呼が同一であることとも相俟って、外観における紛らわしさも否定できないものである。
そして、引用標章は、本件商標の指定役務についての商標として使用されてはいないが、例えば、商品の販促活動のキャラクターとして用いられていることから、本件商標の指定役務中の第35類「商品の販売に関する情報の提供」と関連性を有しているといえる。また、引用標章は、絵本として出版されていることから、本件商標の指定役務中の第41類「電子出版物の提供」とも関連性を有しており、キャラクター入りの待ち受け画面やゲームがブロードバンド配信され、携帯電話からダウンロード可能であることから(甲第9号証)、第41類「インターネットを利用した映像・音楽の提供」とも関連性を有しており、テレビで放送されるアニメーションが映画館で上映されたり、インターネットを通じて配信される場合も多いことから、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用した映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用した映画の上映・制作又は配給に関する情報の提供」とも関連性を有しているといえる。
(3)出所の混同のおそれについて
職権により、インターネット情報を調査したところによれば、本件商標は、商標権者により、「インターネットCM専用デスクトップアプリケーションの名称」として使用され、その需要者間において一定程度知られるに至っているものと推認し得るところである。
以上のとおり、本件商標と引用標章との類否及び両者の取引の実情を総合勘案すれば、商標権者が本件商標をその指定役務中、「広告,インターネット・携帯電話を利用した広告の代理,インターネット上での広告スペースの提供」以外の役務について使用するときは、これに接する取引者・需要者が、申立人の業務に係る著名な引用標章を連想・想起し、該役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同するおそれがあるものといわなければならない。
(4)まとめ
本件商標の指定役務中、第35類「トレーディングスタンプ又はポイントカードの発行及び清算,販売又は営業促進のための商品等交換用ポイントの管理及び清算,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,インターネットを利用した映像・音楽の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用した映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用した映画の上映・制作又は配給に関する情報の提供」についての登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
平成21年6月10日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、その指定役務中、第35類「トレーディングスタンプ又はポイントカードの発行及び清算,販売又は営業促進のための商品等交換用ポイントの管理及び清算,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供」及び第41類の全指定役務について商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
また、その余の指定役務については、取り消すべき理由がないものと認められるから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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