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Trademark Appeal Case

周知商標の認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900495(T2008−900495/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5171616号商標の指定商品中、第28類「スノーボード」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5171616号商標(以下「本件商標」という。)は、「STEPCHILD」の欧文字を横書きしてなり、平成19年9月25日に登録出願、第9類「眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,運動用保護ヘルメット,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第28類「スキーワックス,運動用具」を指定商品として、同20年8月28日に登録査定、同年10月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を使用するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由の要点

(1)申立人の使用に係る商標の周知性について

ア 申立人(ステップチャイルド スノーボーズ インコーポレイテッド)の主張及び提出に係る甲各号証によれば、申立人は、カナダの法人であり、2001年2月より、カナダ及びアメリカを拠点として、申立人の商号の一部でありハウスマークでもある「STEPCHILD」、「StepChild」及びこれらの文字をデザイン化した態様の商標(以下、これらの商標をまとめて「申立人商標」という。)を付したスノーボード及びその関連商品の製造・販売を継続して行っており(甲第2号証、同第6号証)、また、申立人商標をカナダ特許庁に登録するとともに、アメリカ、欧州共同体や我が国においても出願していることが認められる(甲第6号証ないし同第9号証)。

イ スポーツの分野においては、製造・販売メーカーは、知名度の高い選手とスポンサー契約を行い、当該契約選手による自社商品の使用を通じて、商品の広告・宣伝活動を行っているところ、申立人においても、シモン・チェンバレン、J.Pウォーカー、マルクコスキ、ステインソルバーグ、マイクランケットなどの著名なプロスノーボーダーとスポンサー契約を行っている(甲第5号証)。申立人は、世界中のスノーボード大会に申立人商品を使用してこれらの選手を参加させるとともに、我が国においても、各種大会・イベント開催等に参加させて宣伝活動に力を入れており、DVDやトランスワールドジャパン株式会社が発行する雑誌「SNOWBOARDING」への掲載等においても、これらの選手に申立人商品を使用させることにより、商標「STEPCHILD」の広告・宣伝活動に努めていることが認められる(甲第14号証、同第15号証)。

ウ そして、申立人商品は、カナダ及び北米エリアを始め、フランス、日本、韓国、イタリア、ギリシヤ、ノルウェー、フィンランド、オランダ、ベルギー、スイス、イギリス、ポーランド、スペイン、オーストラリア等の国々において、同社の正規販売代理店並びにインターネットにおけるオンラインショップを通じて販売されている(甲第3号証、同第4号証)。我が国においては、販売代理店として、「MANEUVERLINE」(甲第18号証)が挙げられており、また、我が国におけるインターネットにおけるオンラインショップとしては、「Yahoo!/JAPANショッピング」(甲第4号証の1)及び「楽天市場」(甲第4号証の2)が掲載されており、これらのオンラインショップには、「STEPCHILD/ステップチャイルド(SIMON CHAMBERLAIN)スノーボード」、「08−09 STEPCHILD/ステップチャイルド(JP WALKER)スノーボード」等々、有名なプロスノーボーダー名の「STEPCHILD/ステップチャイルド」スノーボードが数多く販売されている。

エ ところで、スノーボードに関心を持つ者は、比較的若年層に多く、スノーボードの価格も数万円から10万円程度と比較的高価なものである。そして、スノーボードの中には、フリーラン、ジャンプ、トリック、バックカントリーなど様々な滑走方法・楽しみ方があり、需要者は、自らが好むスタイルの滑り方に適したスノーボード(板)を求め、また、ファッションに対する関心も高く、様々なデザインを凝らした商品の中から自己の好みにあった商品を探し、その具体的なデザインにも注目して購入しており、ブランド(商標)への関心も極めて高いものということができる。

オ このような実情から、スノーボードの分野においては、必ずしも大量生産により多数の商品群を展開する大手メーカーが使用する商標のみが周知となるばかりでなく、少量生産であっても特徴的なデザインや職人的技術でスノーボーダーの好みに合わせた個性的なスノーボードに使用される商標についても、その商品が持つ技術的・意匠的・品質的特性や個性及び独自性が評価され周知となることも多く、また、スポンサー契約を行っているプロ選手の数や知名度により周知となることも少なくないといえる(甲第13号証)。

カ 以上を総合してみれば、申立人商品の売上高は、必ずしもそれ程多いものとはいえないとしても、申立人が契約する著名プロ選手を通じた申立人商品についての販売活動や我が国における広告・宣伝活動を併せみれば、申立人商標は、申立人の業務に係る商品「スノーボード」を表示する商標として、カナダ、アメリカばかりでなく我が国においても、本件商標の出願時である平成19年(2007年)9月25日には既に、我が国におけるこの種商品の需要者の間において広く認識されていたものと認められ、その周知性は、本件商標の登録査定時においても継続していたものということができる。

(2)本件商標と申立人商標との類否について

本件商標は、前記のとおり、「STEPCHILD」の欧文字を横書きした構成からなるところ、「step・child」の語は、英語の成語で「まま子」の意味を有する語ではあるが、我が国において親しまれて用いられている語とはいい難いものである。

一方、申立人商標は、「STEPCHILD」あるいは「StepChild」の欧文字からなる商標あるいは当該文字をデザイン化した構成からなるものである。

そうとすれば、本件商標と申立人商標とは、少なくとも、外観及び称呼において同一又は類似の商標であることは明らかである。

(3)不正の目的について

申立人の提出に係る甲第18号証の1ないし13によれば、会社内の役職は明らかではないが、宮本吉彦は、株式会社ロータスインターナショナル(商標権者)の名のもとに(甲第18号証の1)、少なくとも本件商標の出願前から、申立人との間において、電子メール等により、申立人商品の取引についての交渉に携わっていたものと認められ、平成19年(2007年)7月23日には、申立人より、日本における販売代理店の変更及び新しい代理店の情報を受けていたものと認められる(甲第18号証の10)。

このことからみれば、商標権者は、本件商標の出願前から、申立人より申立人商標の付された申立人商品を購入し(甲第18号証の7)、日本国内において当該商品を販売していたものと推認され、しかも、本件商標の出願前に、日本における申立人の販売代理店の変更及び新しい代理店の情報を知り得たものといわなければならない。

そうとすれば、商標権者による本件商標の採択が偶然に申立人商標と一致したものとは認め難く、商標権者は、本件商標が申立人の業務に係る商品「スノーボード」を表示するものとして、カナダ、アメリカや我が国における需要者の間に広く認識されている申立人商標と同一又は類似の商標であることを承知のうえ、申立人商標が未だ我が国において登録されていないことを奇貨として、申立人商標に化体されている信用、名声を利用し、あるいは商標の買取り、代理店契約の維持継続等の意図をもって、先取り的に出願し、登録を受けたものといわざるを得ない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の第28類「スノーボード」について、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものといわなければならない。

4 商標権者の意見

商標権者は、前記3の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

5 当審の判断

本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成21年7月27日付けで、前記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

そして、前記3の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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