sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標の識別機能

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300181(T2009−300181/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4245987号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件審判請求に係る登録第4245987号商標(以下「本件商標」という。)は、「JULIANA’S」の欧文字を横書きした構成よりなり、平成9年1月31日に登録出願され、第16類「印刷物」を指定商品として、平成11年3月5日に設定登録されたものである。

そして、当該商標権は、平成21年5月18日に存続期間更新登録申請書が申請されており、また、本件審判請求の予告登録は、平成21年2月20日にされている。

2 請求人の主張

請求人は、「結論同旨の審決を求める」と申立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

〈請求の理由〉

商標権者は、本件商標を日本国内において、継続して3年以上その指定商品について使用していない。また、その商標登録原簿には、専用使用権或いは通常使用権が設定・許諾されている事実も見当たらない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び第2号証を提出した。

〈答弁の理由〉

商標権者である被請求人は、「起業の条件 若者文化からビジネスを生み出す方法」と題する書籍(以下「本件書籍」という。)を著作し、本件書籍は、その装丁に本件商標に係る商標が記載された上で、株式会社経済界から出版されている。

本件書籍の装丁に記載された本件商標に係る商標は、単に書籍の内容の示す題号として使用されたものではなく、「ジュリアナ東京」という一時期一世を風靡したコンテンツのプロデューサーが著者であることを示しており、本件書籍にとって、a.出所表示、b.品質表示、c.宣伝広告といったまさしく商標の本質的機能を果たす態様で使用されているものである。

本件書籍は、今日に至るまで継続的に、一般書店で販売され、かつ電気通信回線を通じて提供されている。

よって、被請求人は、本件商標の使用を継続しているものであるから、答弁の趣旨記載のとおりの審決を求める。

4 当審の判断

(1)乙各号証について

被請求人は、本件商標をその指定商品「印刷物」中の「書籍」について使用しているとして、乙第1号証及び第2号証を提出した。

ア 乙第1号証は、プロローグの見出しを「ジュリアナ東京の悲劇」とし、「起業の条件」を題号とする書籍と認められるところ、その奥付けに「起業の条件」、「1997年2月20日 第1刷発行、2003年12月1日 第7刷発行」、「著者 折口雅博」及び「発行所 株式会社 経済界」などの記載、表紙及びカバー(表裏)に顕著に横書き表示された「起業の条件」、その上段に「JULIANA’S」、及び下段に「若者文化からビジネスを生み出す方法」の表示、そして背表紙にも縦書きに「起業の条件」、その下段に「JULIANA’S」及びその下に「若者文化からビジネスを生み出す方法」の表示などが認められる。

また、これらのほか、裏表紙、背表紙及びカバー(表裏)等に「経済界」の出版社表示や「RYU/SELECTION」の文字と「シルクハットをかぶった男性の横顔図形」の表示が認められる。

イ 乙第2号証は、2009年4月17日付けのプリントアウトされた「7&Y」「セブンアンドワイ」なる通販サイトのウェブページであり、これに「起業の条件 Juliana’s 若者文化からビジネスを生み出す方法/折口雅博/著[本]」及びその下段に「商品説明」「本の内容」「ジュリアナ東京、ヴェルファーレと、...ための条件を語る。」など、上記書籍の内容について紹介されていることが認められる。

(2)上記(1)で認定した事実によれば、「著者 折口雅博」や題号「起業の条件」とともに、書籍の表紙及びカバーなどに「JULIANA’S」の文字が表示されていることが認められる。

しかしながら、かかる表示自体は、著作物の内容、すなわち「ジュリアナ東京」に関連するものであることの意図を看取させる一種の当該書籍の副題(サブタイトル)として理解されるものであって、商品としての書籍に係る自他商品の識別標識として使用されるものであるということはできない。

すなわち、当該書籍は「株式会社経済界」が頒布し販売している商品(書籍)であり、その取引指標は、「経済界」の出版社表示や、「RYU SELECTION」の文字と「シルクハットをかぶった男性の横顔図形」であるというべきである。(参考:平成13年10月23日 東京高裁 平成13年(行ケ)190号)

そうすると、乙第1号証及び第2号証によっては、当該書籍がその取消請求に係る商品「印刷物」の範疇に含まれる商品であるとしても、「JULIANA’S」の表示自体が、書籍の副題(サブタイトル)としての使用であって、それ以上に登録商標としての使用とは認めることができないから、たとえ、乙各号証に示す書籍が本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国で頒布・販売されていたものであるとしても、被請求人は、本件商標が取消請求に係る商品(書籍を含む印刷物)について使用されていることを証明し得たものとはいえない。

その他、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標をその取消請求に係る指定商品について使用していることを認めるに足る証拠は見出せない。

(3)結語

したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、使用されていなかったものといわざるを得ず、また、その使用がされていなかったことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。