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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「商標の品質表示性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成9年審判第21426号|請求不成立)

審判番号
平成9年審判第21426号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
商標の品質表示性
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成9年審判第21426号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「商標の品質表示性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成7年12月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『氷らせる、冷やす』等の意を有する『ICEING』の欧文字と『アイシング』の片仮名文字を2段に書してなるが、指定商品との関係では患部を冷やすことを目的とした商品(例えば冷湿布薬、消炎剤等)が多々存することに鑑みれば、これを本願指定商品中、上記商品に使用しても単に商品の品質、効能を表示したにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。なお、出願人は意見書により『ICE』のING形は『ICING』であり、本願商標は造語である旨述べている。しかしながら、本願商標中、欧文字部分は『アイシング』の片仮名文字との関係では正確な英語の表記『ICING』と判然と区別が付かない程度に紛らわしく、本願商標に接する取引者、需要者は『冷却』を意味する語であると直ちに認識すると判断するのが相当と認められる。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成別紙に示すとおり、「ICEING」の欧文字と「アイシング」の片仮名文字を2段に横書きしてなるものである。

ところで、近時、「アイシング」(icing)の文字(語)は、「疲れた筋肉を氷で冷やすこと。」、或いは「冷却療法。患部や筋肉などを冷やすこと。」の意味合いを表示するものとしてよく知られているところである(「知恵蔵1992」朝日新聞社:発行、「情報・知識imidas1996」株式会社集英社:発行)。

また、本願指定商品を取り扱う薬品業界においては、商品「(スプレー式)消炎鎮痛剤」、或いは「(シート状)湿布薬」等に、「瞬間冷却」の文字と併用し或いは単独で「アイシング」の文字(語)を「瞬間冷却」又は「冷却」の意味合いで、その品質、効能を表示するものとして採択・使用している事実が認められる。

一方、我が国の英語教育の普及事情よりすれば、「ice」の文字は、「氷、凍らせる」等の意味を有する語として親しまれているものであり、また、「ing」の文字は、一般に「動詞の原形」と結び付き、「...すること」等の意味合いで動名詞又は現在分詞を形成する語として容易に理解されるといえるものである。

しかして、本願商標にあって、「ICEING」の欧文字部分は、「ICE」の語に「ING」を付したものであって、これより容易に「氷で冷やす、冷たくする」の意味合いを看取させるというのが相当であり、かつ、これと併記する如く下段に表された「アイシング」の片仮名文字と相俟って、全体として該意味合いを表現するに止まるとみるのが相当である。

請求人は、英語で「ICEING」と表示する用法は存しない旨主張するがこの種商品に接する取引者、需要者の一般的な注意の程度と平均的な英語力等よりして、かかる場合の英語的用法の適、不適を容易に判別し、これより直ちに造語と認識するというよりは、むしろ、前記英語の動名詞又は現在分詞形に関する一般的な用法の一と理解し、前記認定の如く把握される場合も決して少なくないとみるのが相当であるから、その主張は採用の限りでない。

してみると、本願商標は、これをその指定商品中「患部や筋肉などを冷やすための薬剤」、例えば「消炎鎮痛剤、湿布薬」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、該商品が、「患部をアイシング(冷却)する薬剤」であること、即ち、商品の品質、効能を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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