Trademark Appeal Case
商標の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第21426号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成7年12月21日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『氷らせる、冷やす』等の意を有する『ICEING』の欧文字と『アイシング』の片仮名文字を2段に書してなるが、指定商品との関係では患部を冷やすことを目的とした商品(例えば冷湿布薬、消炎剤等)が多々存することに鑑みれば、これを本願指定商品中、上記商品に使用しても単に商品の品質、効能を表示したにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。なお、出願人は意見書により『ICE』のING形は『ICING』であり、本願商標は造語である旨述べている。しかしながら、本願商標中、欧文字部分は『アイシング』の片仮名文字との関係では正確な英語の表記『ICING』と判然と区別が付かない程度に紛らわしく、本願商標に接する取引者、需要者は『冷却』を意味する語であると直ちに認識すると判断するのが相当と認められる。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、「ICEING」の欧文字と「アイシング」の片仮名文字を2段に横書きしてなるものである。
ところで、近時、「アイシング」(icing)の文字(語)は、「疲れた筋肉を氷で冷やすこと。」、或いは「冷却療法。患部や筋肉などを冷やすこと。」の意味合いを表示するものとしてよく知られているところである(「知恵蔵1992」朝日新聞社:発行、「情報・知識imidas1996」株式会社集英社:発行)。
また、本願指定商品を取り扱う薬品業界においては、商品「(スプレー式)消炎鎮痛剤」、或いは「(シート状)湿布薬」等に、「瞬間冷却」の文字と併用し或いは単独で「アイシング」の文字(語)を「瞬間冷却」又は「冷却」の意味合いで、その品質、効能を表示するものとして採択・使用している事実が認められる。
一方、我が国の英語教育の普及事情よりすれば、「ice」の文字は、「氷、凍らせる」等の意味を有する語として親しまれているものであり、また、「ing」の文字は、一般に「動詞の原形」と結び付き、「...すること」等の意味合いで動名詞又は現在分詞を形成する語として容易に理解されるといえるものである。
しかして、本願商標にあって、「ICEING」の欧文字部分は、「ICE」の語に「ING」を付したものであって、これより容易に「氷で冷やす、冷たくする」の意味合いを看取させるというのが相当であり、かつ、これと併記する如く下段に表された「アイシング」の片仮名文字と相俟って、全体として該意味合いを表現するに止まるとみるのが相当である。
請求人は、英語で「ICEING」と表示する用法は存しない旨主張するがこの種商品に接する取引者、需要者の一般的な注意の程度と平均的な英語力等よりして、かかる場合の英語的用法の適、不適を容易に判別し、これより直ちに造語と認識するというよりは、むしろ、前記英語の動名詞又は現在分詞形に関する一般的な用法の一と理解し、前記認定の如く把握される場合も決して少なくないとみるのが相当であるから、その主張は採用の限りでない。
してみると、本願商標は、これをその指定商品中「患部や筋肉などを冷やすための薬剤」、例えば「消炎鎮痛剤、湿布薬」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、該商品が、「患部をアイシング(冷却)する薬剤」であること、即ち、商品の品質、効能を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
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