Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−25436(T2008−25436/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ひんやりジェルマット」の文字を横書きしてなり、第24類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年1月11日に登録出願され、その後、指定商品については当審における平成20年12月11日付け提出の手続補正書により、第24類「布団用・ベッド用又はマットレス用敷きパッド,布団」に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『冷たい感触・雰囲気であるさま』を意味する『ひんやり』の平仮名文字、『ゼリー状に固化したもの』等を意味する『ジェル』の片仮名文字及び『敷物』を意味する『マット』の片仮名文字を普通に用いられる方法で表示してなり、全体として『冷たい感触のゼリー状の敷物』の意味合いを認識されるものであるから、これを本願指定商品に使用するときは、『冷たい感触のゼリー状の布団用・ベッド用又はマットレス用敷きパッド,冷たい感触のゼリー状のまくらカバー』と理解されるにとどまり、単にその商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示するものと認める。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ひんやりジェルマット」の文字を書してなるところ、その構成中、「ひんやり」は「冷たい感触・雰囲気であるさま。」等を、「ジェル」は「ゼリー状のもの。」等を、「マット」は「床などに敷く敷物。また、布団の下に敷く、弾力性のあるもの。」等を意味する語(いずれも広辞苑第六版)として一般に知られており、全体として「ひんやりとするジェルのマット」であること、つまりは「冷たい感触のゼリー状のものを用いた敷物」程の意味合いを容易に理解させるものである。
ところで、本願指定商品である「布団用・ベッド用又はマットレス用敷きパッド,布団」を含む、寝具に関連する商品分野においては、夏の暑さ等をしのぐための機能を付加した商品が数多く存在し、その機能実現のために、ジェル(ゼリー状の物質)を使用している商品も複数、販売等されているところであるが、そのような商品の品質を表示する語として、「ひんやり」、「ジェル」、「マット」の各語が用いられている実情は、原審における拒絶査定で示したインターネット情報の他に、例えば、以下の新聞記事、インターネット情報における記載からも十分裏付けられるところである。
(1)新聞
(ア)「読売新聞」(2009.06.15東京夕刊3頁)において、「[お役立ちグッズ]熱帯夜 頭涼しく」の見出しの下、「『クール
ジェル
パッド まくら』は、枕の上に敷いて使うと、
ひんやり
して、熱帯夜を過ごしやすくしてくれる。防かび素材に包まれた
ジェル
状の吸水ポリマーが、体温を吸収し、体が接していない部分から熱を発散する。」との記事が掲載されている。
(イ)「朝日新聞」(2009.06.13東京朝刊2頁)において、「(売れ筋拝見)涼感グッズ クールビズ、まだまだ進化」の見出しの下、「卓上用の小型扇風機や、
ひんやり
とした肌触りの素材の
マット
など、『周りを巻き込まず、自分だけ涼しくなれるグッズ』(営業推進部)を並べる。」との記事が掲載されている。
(ウ)「読売新聞」(2009.06.10東京朝刊15頁)において、「[プロがナビするベスト3]夏の寝具 涼しい夜になります」の見出しの下、「
ひんやり
感を求める人には、ロフテーの頭冷
ジェル
大(同5250円)がお勧め。冷蔵庫で冷やして枕の上に乗せて使う保冷シートです。蜂の巣状に
ジェル
が詰められ、クッション性に優れています。」との記事が掲載されている。
(エ)「繊研新聞」(2009.04.17 7面)において、「【リビング】 寝装寝具のエコ商品企画 市場の起爆剤に 夏は涼感寝具がヒット 不況下でも拡大を想定」の見出しの下、「寝装業界では、07年夏から冷感・涼感寝具が登場し、昨年夏には売り場のヒット商品となった。京都西川の
ジェル
パッドは、昨夏の売上高で約3億円(卸ベース)に達し、涼感ニット素材の肌布団なども『順調に売り上げを伸ばしている』。西川リビングでは、『
ひんやり
シート素材が昨年より認知された。
ジェル
商品は節電効果もあり支持されている』とする。」との記事が掲載されている。
(オ)「繊研新聞」(2008.12.09 3面)において、「09年春夏寝具 冷感、涼感商品熱く 省エネ対策として人気 クール企画の開発進む 完売見込むメーカーも」の見出しの下、「西川リビングは、盛夏向けにメッシュやガーゼで通気性を高め、内部に蒸れない機能素材を使った『エアースルー
マット
』を投入。気温に応じて液体・固体の形状が変わるPCMシート素材を使った『
ひんやり
クール』は枕カバーを加えた。前季の冷感寝具は枕を中心に不足気味だったため、来夏は2倍以上の数量を見込む。」との記事が掲載されている。
(カ)「毎日新聞」(2007.08.12東京朝刊22頁)において、「うちの売れ筋:東急ハンズ新宿店 暑さ対策、場面に合わせ」の見出しの下、「『アニマルクールピロー』は、クマやヒツジなどぬいぐるみのような外見で、快眠の友になりそう。ピローとは枕のこと。お昼寝枕や抱き枕、目の疲れを取るためのアイピロー、足裏を冷やす『足裏
ひんやり
枕』の4種類ある。冷凍庫で冷やした
ジェル
の保冷剤を内部に入れるので、じんわり冷たくなるのが特徴だ。」との記事が掲載されている。
(キ)「毎日新聞」(2008.07.13東京朝刊13頁)において、「通販No.1:冷却
ジェル
パッド」の見出しの下、「一晩
ひんやり
、冷房代節約 寝苦しい季節がやってきた。通販の老舗『セシール』が昨夏に発売しヒットした商品だ。熱冷ましのためおでこに張り付ける『冷却シート』に使われている
ジェル
を寝具に応用し、上に寝ると体が冷える。シートにカバーやシーツをかける。寝転ぶと、
ジェル
が体の熱を吸収し、
ひんやり
感じられる。」との記事が掲載されている。
(ク)「毎日新聞」(2008.07.05地方版/大阪25頁)において、「はやってます:クールピロー カバー付きシリーズも 心地良さに癒やされる/大阪」の見出しの下、「そんなわけで最近売れているのが、
ひんやり
冷たい枕『クールピロー』だ。近鉄百貨店阿倍野本店(大阪市阿倍野区)の6階寝具売り場の一角には、6月25日から新発売のクールピローを集めたコーナーが登場。昔ながらの水枕タイプと
ジェル
状の保冷剤が入ったタイプがあり、どちらも幅広い年齢層に好評だという。」との記事が掲載されている。
(2)インターネット情報
(ア)株式会社セシールの「カタログ通販セシール(cecile)のオンラインショップ」において、「
ジェル
入り
ひんやりマット
」の項の下、「セシールおすすめの
ジェル
入り
ひんやりマット
です。
ひんやりジェル
でお昼寝も涼しく、気持ちよく。」、「ヒヤッと涼しい冷却
ジェル
の入ったマットです。お昼寝する時や、イスやソファーて過ごす時など、用途はいろいろ。暑さ対策に頼もしい一枚です。」との記載がある。(http://www.cecile.co.jp/detail/1/BDCL1E000004/)
(イ)前記(ア)のオンラインショップにおいて、「冷感
ジェル
パッド」の項の下、「セシールおすすめの冷感
ジェル
パッドです。【ネット限定】夏の寝苦しさを吹っ飛ばせ!冷感
ジェル
パッド」、「夏の寝苦しい夜には、冷たい
マット
が欲しいですよね!そんな時には、この商品!すぐに使いたい方は、冷蔵庫で冷やしてご使用下さい。
ジェル
をパックに包んでパッドにしている、丈夫な作りで、長い期間ご使用できます。」との記載がある。(http://www.cecile.co.jp/detail/1/BDCL1F000054/)
(ウ)「西川チェーン ふとんタウン」のウェブサイトにおいて、商品名「蒸し暑い夏の夜もこれで解決!冷却
ジェル
で
ひんやり
ナイスな寝心地! 西川・
ひんやり
クール
ジェル
敷きパッド&枕パッドの2点セット!<日本製>」が掲載(写真付き)されており、当該商品の説明の項において「西川2009夏の新商品『クール
ジェル
敷きパッド&枕パッド』の2点セット!新商品は、防カビ対策に工夫が魅力!冷却
ジェル
が体の熱を吸収し、
ひんやり
快適な寝心地♪エアコン代も節約できます♪」との記載がある。(http://www.futontown.co.jp/list3/makura/pillow_case/pillow_cover/3357.html)
(エ)ナガイ商店.comの「冷却ジェルパッド販売 ひんやり快眠館」のウェブサイトにおいて、「ひんやり快眠館は、
ジェルマット
の専門店。夏の快適寝『涼感
ジェルマット
』と犬用クールマット『ひえひえ爽快
ジェルマット
』を販売しています。折たたんでコンパクトに収納できたり、カバー付きで洗濯ができたりと、『使いやすさ』にこだわった低反発
ジェルマット
で、寝苦しい暑い夏の快眠をサポートします。」との記載があり、また、「スタッフおすすめ!」の項には、「冷蔵庫で
ジェル
を冷やして
ひんやり
感をさらにアップ! うだるような暑さでも、冷蔵庫で冷やした
ジェル
に横たわるとスーっと涼しくなることうけあいです。冷蔵庫に入れる時間によって
ジェル
の冷たさを調整できるので、ご自分にぴったりの
ひんやり
感になるよう調整してください。お昼寝や休憩時にもオススメです。」との記載がある。(http://cool-jelmat.com/)
(オ)株式会社千趣会の「BELLE MAISON interior」のウェブサイトにおいて、「今年はエアコンなしでもいける!?
ひんやり
クール寝具」のタイトルページに、「冷感ジェルピローパッド&マット」の項の下、「
ひんやり
ポイント1 冷感
ジェル
が
ひんやり
感をキープ」との記載に続き、表面温度の比較に関することとして、「ふとんのみの場合と、
ジェルマット
とふとんを合わせた場合の温度の比較です。」との記載が、また、「
ひんやり
ポイント2
ジェル
が心地よく頭と体にフィット」との記載に続き、「心地よく頭と身体にフィットした
ジェル
が体から熱を奪います。また、身体に触れていない部分の
ジェル
が熱を空気中に放散するので、
ひんやり
クールな状態が持続します。」との記載がある。(http://www.bellemaison.jp/category/interior/cool/cool_index.html)
(カ)株式会社もしもの「快眠グッズShop 【夏】特集」のウェブサイトにおいて、「クール
ジェル
パッド クール眠」に関するページに、「体に良くないことを承知で、クーラーをつけて眠るか、それともクール眠で、
ひんやり
と眠るか・・・・。」との記載があり、また、「Q 冷たくなりすぎる心配はないの??」との質問に対し、「使用時間に伴い、
ジェル
が体温に近づきますので、安心してご使用いただけます。」と記載している。(http://natsukaimingoods.okoshi-yasu.com/cooljelpadcoolmin.html)
(キ)有限会社アテーネシステムの「アテーネ・ビューティー・ストア ざっか館」のウェブサイトにおいて、「スペースアイスシート ひえひえ ≪冷却
ジェルマット
≫で、夏の簡単エコ♪」のタイトルページにて、「ご使用方法」の項の下、「お使いの枕や布団の上に『スペースアイスシートひえひえ冷却
ジェルマット
』を敷いてお使い下さい。冷却
ジェル
を入れる場所を変えることで、冷やしたい場所を自分で選ぶことができます。」との記載がある。(http://www.athenesys.com/shop/sis_sn/)
(ク)有限会社通販王国のウェブサイトにおいて、「サラッと
ひんやり
クールマット ベッド用」に関するページの商品説明の項に、「エアコンなしでも、涼しい! 【低反発 冷却
ジェル
の特徴】 ●
ジェル
が熱を吸収してひんやり ●低反発
ジェル
が体にフィット ●吸収した熱を解放し、ひんやり感を持続 ●ベッドや布団の上に敷くだけ ●電気も不要、冷やす必要もありません」との記載がある。(http://0120666350.com/products/detail.php?product_id=381)
以上によれば、本願商標をその指定商品「布団用・ベッド用又はマットレス用敷きパッド,布団」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、全体として「ひんやりとするジェルのマット(冷たい感触のゼリー状のものを用いた敷物)」程の意味合いを容易に想起し、単に該商品の品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものとは認識しないというべきである。
請求人は、「ひんやりジェルマット」の文字が、請求人(出願人)の造語であって、商品の品質、原材料を表示するものとして受け取られるような虞は全くなく、市場で未だかつて全く使用されたことがないものであるから、商標法第3条第1項第3号には該当しない旨主張し、また、原査定で示したインターネットにおける「ひんやり」、「ジェル」、「マット」の使用例は、商標としての使用例ではなく、文章中又は標語の類の一語としての使用にすぎないものである旨述べている。
しかしながら、本願指定商品の分野において、ひんやりとするジェルを使用したマットが、商品として複数実在する上、「ひんやり」、「ジェル」、「マット」の語のほか、「ひんやり」と「ジェル」を結合した「ひんやりジェル」、「ジェル」と「マット」を結合した「ジェルマット」の語が、商品の特徴、品質を表す際に実際に使用されていることよりすれば、これらの語を一連に書したにすぎない本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質等を表示するものとして受け取られるような虞は全くないとは言い難く、むしろ、「ひんやりとするジェルのマット(冷たい感触のゼリー状のものを用いた敷物)」程の意味合いを容易に理解し得るというべきであり、また、商標法3条1項3号の適用にあたっては、該表示が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないものと解されていることからすれば、請求人の前記主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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