結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2007−890177(T2007−890177/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4625741号商標(以下「本件商標」という。)は、「闘茶」の文字を標準文字で表してなり、平成13年9月7日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,かるた,歌がるた,トランプ,花札,昆虫採集用具,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、同14年11月29日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証(枝番を含む。)を提出した。
請求人は、表千家茶道講師ならびに黄檗東本流煎茶道教授であり、請求人の教場「横浜文化教室」において茶道ならびに煎茶道を教授し、かつ本件商標「闘茶」の体験教室を実施している。
請求人は、「屋号:横濱茶館(合資会社横浜茶館)」の代表であり、営業の一部としてまた闘茶イベントを設営・運営などの営業を行っている。
請求人は、古典遊戯学会会員であり、日本伝統文化に関して研究をしており、研究題材として「闘茶」を研究している。
本来であれば、誰もが自由に本件商標を使用することができるにも関わらず、被請求人は、伝統文化および同文化によって生まれる産業の発展を妨げ、かつ請求人の営業とその活動に法によって制限が発生しており、弊害を生んでいる。
よって、本件審判請求をするについて利害関係を有する。
本件商標は、商標法第3条第1項第2号、同第4号、同第5号、同第6号、同法第4条第1項第15号及び同第16号の一つ(以上)に該当し、かつ、同法第3条第2項を理由として登録を受けることはできない商標である。
(1)以下その理由を示す。
(ア)被請求人は、株式会社松田商店(販売部の屋号「真茶園」)の代表取締役であって(甲第1号証)茶業を営業にしており、同分野においては知識を有しており、茶においてはありふれた名称であることを知り得て上記の無効理由に該当する標章を使用して本件商標登録出願を図った。
(イ)本件商標「闘茶」は、南北朝時代以前に今の中華人民共和国の地から発した単語で、日本においては南北朝時代から室町時代に盛んで、その後も継続的、断続的に同伝統文化が継承されており、茶の歴史的事実から外せない標章であり、茶から波及する関連商品ならびに役務(印刷物、写真、書画、放送、道具、茶道、煎茶道、イベント、大会、ほか)おいて慣用に使用されている。また、それは本件商標の指定商品「印刷物、書画、写真」内に表記されているものが数多く過去に存在する(甲第3号証及び甲第5号証の「闘茶」の文字を含む書名の出版物。甲第4号証、甲第7号証、甲第11号証、甲第12号証などの標章(闘茶)が解説されている印刷物。甲第6号証及び甲第10号証の公開情報による写真。甲第12号証に引用される写真と書画)。
よって、指定商品について慣用されている商標であるから、商標法第3条第1項第2号に該当する。
(ウ)上記(イ)同様、他の指定商品ならびに役務にも慣用的に使用されている標章である。
NHK教育放送(2005年11月23日放映、12月13日再放送「天才てれびくんMAX」)、日本テレビ(2006年2月11日放映「ぶらり途中下車」)ならびに関東地域TV放送局TVK神奈川(2005年11月7日放映「ハマランチョ」)によって本件商標の標章の内容にて放送があった(請求人が出演したので請求人が証人である。)。
茶道関係歴史には必ずといってよく本件商標が記載されており(甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第12号証)、道具として江戸期・明治期に販売されていた道具が存在したこと及び「闘茶」について、煎茶に関する書物から引用したとして解説されている(甲第10号証)。本年においても甲第11号証の示すとおり、標章を使用した「第2回小学生闘茶キング選手権」があり、日本の伝統文化として日本国内および世界に発信された。
被請求人は、被請求人が代表する企業において、本件商標が慣用的に使用されるものであることを自ら認める様な標章の説明を発表をしている(甲第2号証)。
表千家茶道不審庵公認の公開文化講座の配布資料(甲第3号証)が現在においても配布され、また、歴史資料集(甲第4号証)にも過去から現在においても茶の歴史上で慣用に使用されている標章であることが記載されている。
本件商標は、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標、ないしは、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であることは、日本においてインターネット2大検索エンジンgoogleとYahooにおいて、「闘茶」で検索すると、それぞれ24,900ページ(甲第8号証)と45,100ページ(甲第9号証)が対象となり明白である。
前記(イ)及び上記のとおりであるから、本件商標は、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する、あるいは極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第4号及び同第5号に該当する。
(エ)本件商標は、甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第12号証の資料が示すとおり、「茶道」全流派共通の「茶の湯」「茶道」においてその歴史的慣用語であり、同歴史を教示するときは本来の意味を教授するのであるから、他人の業務(茶道、煎茶道)に係る役務と混同を生ずるおそれがある標章である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(オ)本件商標は、甲第2号証ないし甲第12号証が示す歴史的事実から示されるとおり確立した意味がもっており、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある標章である。
遊戯史学会(昭和63年12月設立:現会員数約100名:事務局伊丹市安堂寺町)は、「闘茶」は日本において文化・芸能として確立した伝統文化の一つであると位置にある(同会理事が発表した資料である甲第7号証)との認識にある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(カ)被請求人は、本件商標の権利を有するのみで、指定商品のうち「印刷物」以外の指定商品は事実上業務を行っておらず、指定商品中「印刷物」であっても事実上発行していない。また、次に示すとおり事実誤認がある発表をしている。
被請求人は、甲第2号証で「闘茶セット」を販売予定としているが、登録期間中販売をしていない。よって、その中に含まれる印刷物「闘茶読本」は販売されていない。「闘茶読本」たる資料は、本日現在、国立国会図書館に存在していないし(国立国会図書館法第25条により出版物の場合、納入義務があるが被請求人はしていない。)、かつ、一般に販売したとする発行済み部数の販売の形跡はない。
また、闘茶専用本として「他にございません」としているが、甲第3号証ないし甲第5号証が示すとおり単独での資料は存在している。特に甲第5号証資料は本件商標を南北朝以降現在まで「茶の歴史」の中で「闘茶」を記載するときに参考資料として使用されるものである。
よって、本件商標の指定商品において、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できる余地は無いので、商標法第3条第1項第6号に該当し、かつ、商標法第3条第2項を理由にして本件商標を受けることはできない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第2号、同第4号、同第5号、同第6号あるいは同法第4条第1項第15号、同第16号の一つ(以上)に違反し、かつ、同法第3条第2項により登録を受けることはできないものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
(1)被請求人は、本件商標が「本件指定商品」「茶道等に対して」とするが商標法第3条第1項第1号から同第3号においては確かに「本件指定商品」とするが商標法第3条第1項第4号から同第6号並びに商標法第4条は、指定商品に限らず、当該条項に抵触するか否かである。本件商標が商標法第3条第1項第4号或いは同第5号該当する事は、本件指定商品や茶道に限らず、多数の分野において、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章、極めて簡単でかつありふれた標章、である事は述べ、さらに甲第12号証から甲第14号証において補充する。指定商品及びそれ以外の商品又は役務において多くの先人者においで慣用的に使用されていた標章である。
(2)被請求人は、本件商標が「ありふれた構成」では無いとするが、ありふれた漢字2文字「茶」「闘」から成る文字商標であり、字義に従っても「茶をもって闘う」の広義的意味であり、被請求人により創作された標章でも無く、南北朝時代・室町時代から現在も使用されている、ありふれた構成の標章である。
(3)被請求人は、「前述のように意味をもつこと自体が不登録事由となることはない」と理由しているが、本件事件は、商標法第3条と商標法第4条の「商標登録を受けることができない」標章であるか否かを争っているのであるから、一般的に使用されている意味を持つ慣用句や標章である事は不登録事由となる。
(4)被請求人は、「公共性が強いということもない」「公共性を害したり(中略)全くない」としているが、本件商標は、複数の国(日本、中華人民共和国、中華民国)に広く跨って使用され国内においても特定地域に限らず広い範囲において使用されている(甲第8号証、甲第8号証その2、甲第9号証、甲第14号証)。
また、中世(南北朝時代・室町時代)から現在まで600年以上(正確には国内で現存する書によると元弘二年[1332年]が闘茶の初見であり、中華人民共和国をみると、本件標記をもつ書が唐庚の「闘茶之記」や茫希文の「闘茶歌」が唐代(618−907年)、画家趙孟が民間の闘茶風景を描いた「闘茶図」が元代(1206−1368年))使用されており(甲第2号証、甲第12号証)、現在でも広く使用されている(甲第3号証から甲第14号証)。
かつ、日本(や他国)の文化で、博物館や図書館など公的機関が貴重に保存し、広く一般にも、過去から伝承されてきたものの一つである(甲第2号証から甲第7号証、甲第12号証から第13号証)。したがって公共性が強く、一個人に商標権利を有させる事は著しく公共性を害する。なお、中華人民共和国、中華民国において繁体字での同一標章は「鬪茶」と標章し、同標章でも多数使用されている(甲第8号証その2)。
(5)被請求人は、「他人の業務に関わる商品と出所混同を生じるおそれも全くない」を理由としているが、前項にも述べたとおり、複数国家と歴史的時代を跨って600年間にも渡り受け継がれ、先人達の多数によって(商品や役務として)使用されてきた標章であり、一個人に権利を持たせる事は出所混同を生じさせるものである。
甲第2号証中、「『闘茶』『闘茶会』は真茶園にて、商標と役務においての登録されております。(第4213129号,第4625741号,第4499758号,第4321752号)」は、まさに標章を出所混同させる目的で表示しているものである。そして、第4625741号の被請求人個人であり、被請求人が代表する企業(法人が有している訳では無く、なお同法人の責任者は代表者)があたかもなりすましで有している事を記載する事は、被請求人は法に反し事実と異なる事を公開しており、また、指定商品を同企業において何ら商品販売していない標章であって、有名標章を不正の目的(不正の利益を得る目的)での使用を示唆している。
(6)被請求人は、本件指定商品区分「印刷物」を「雑誌等の定期刊行物」「雑誌」「新聞」と限定しているが、「印刷物」の商品として当然「書物」「冊子」「カタログ」「(出展)目録」「パンフレット」「点数表」なども存在し、本件指定商品「印刷物」の内「雑誌」「新聞」以外の商品が発行されていた事、「書画」「写真」が発行されていた事は、争いがない。よって「雑誌」「新聞」に限定して論じるのは意味を持たない。過去に本件指定商品が他人により存在するのであるから自他商品識別力を有しない。
(7)被請求人は、「商標自体広く知られていても問題はない」と理由しているが、広く知られていれば、無効理由の一つ(以上)に抵触するのであるから、本件商標は無効である。例えば、「日本」という標章で指定商品(例えば「(外人向けに日本を表す文化を絵取った)かるた」)を何人も商品として販売し、他名称の同一商品と識別することはできても、「商標登録を受けることができない」標章の一つであるから登録商標にはならない。
(8)被請求人は、「公共性を有する範疇のものではない」と理由するが、本件商標が認められるという事は、現在において、400年以上の歴史を持つ茶道千家、中華人民共和国等の他国、公共テレビジョン放送機関、二国共同制作映画関連業者、(公共性が高い)博物館・図書館・市役所、(公共性が高い)茶関係の財団法人や社団法人などの団体、これらが法に違反した事になる(或いは一般に知られていない単語でもって不特定多数に役務の募集をし開催し印刷資料として販売・配布したことになり、公共性が高い諸団体が一般単語でない標章をもって一般に説明したことになる。)のであり、また、600年以上もの間、複数国家で何人も自由に使用して来た標章を指定商品で自由に使用できないのであるから、日本の伝統文化を阻害するものであり、これも著しく公共性に反する。
(9)さらに、商標法第3条第1項第6号に該当することについて、以下の理由を補充する。
本件商標は過去において幾多の個人及び法人が使用した標章であり、(被請求人)一個人の商品であることを認識できない、かつ、被請求人は実態上本件区分の商品として使用していない。よって、一個人が独占的に使用する事は有名標章を不正の目的(不正の利益を得る目的)で使用するに他ならず商標法の目的に反する。
(10)総論
以上のとおり、被請求人の答弁理由には一つ以上に無理があり、無効理由を覆す程の理由に無い。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。
請求人は、商標制度を十分に理解しておらず、単に「闘茶」の意味が広く知られていることが商標としての登録要件に違反しているかのような主張に終始している。
商標の文字自体の意味が知られていることをもって請求人の主張するように商標法第3条第1項第2号等に該当するものではない。
商標法第3条は、茶道等に対してではなく、本件指定商品に対して慣用語かどうかなどをもって判断されるものであり、もし指定商品に対してそのような慣用語であればいくら使用しても自他商品識別力や品質保障機能が発揮されず使用による業務上の活用は化体しないから保護すべきでなく、結果商標登録されず、だれもが自由に使用できるものであり、逆に指定商品に対して慣用語でなければ、商標機能を有し使用により保護すべき業務上の使用が化体するからこれを保護すべくその指定商品に対して独占権たる商標権が付与されるのである。
本件商標は、その指定商品において何ら慣用語でもないし、何らその商品に対する普通名称やまた商品との関係を抜きにしても何らありふれた構成でもない。
したがって、十分に自他商品識別力を発揮し、商標としての資質を有するから、商標法第3条第1項各号のいずれにも該当しない。
また、本件商標自体が極めて公共性が強いということもないし、この本件商標を使用することで公共性を害したり、品質の誤認が生じたり、決して他人の業務に係る商品と出所混同を生じるおそれも全くない。
したがって、本件商標は、商標法第3条の商標の資質に係る登録要件とは別の不登録事由である商標法第4条第1項各号のいずれにも該当してもいない。
近年その地域で特に著名な歴史物や偉人の名前などその地域で強い公共性がある言葉や元総理大臣などの公共性の強い歴史上の人物名については、商標登録について認めるべきでないとの審査例があることは知っているが、本件商標自体が、本件指定商品について商標登録を認められない程の公共性を有する範疇のものではない。
本件商標は、本件指定商品に対して十分に自他商品識別力を発揮する商標としての資質を備えた構成であって、不登録事由にも該当せず、商標登録を否定する無効理由は全くない。
当審は、平成21年1月13日付けで、被請求人に対し、本件商標の指定商品中「書籍」についての登録を無効とすべき旨の理由を通知した。その無効理由の要旨は、次のとおりである。
本件商標は、「闘茶」の文字を書してなるところ、請求人主張の理由及び提出に係る甲各号証によれば、「闘茶」は、「南北朝・室町時代、茶会で本茶・非茶などを判別し、茶の品質の優劣を競った遊戯。」(広辞苑)を意味する語であり、現在も一般的に使用されている事実が認められる。
また、「闘茶」に関する展示会・イベントなどが博物館・図書館・市役所などで開催された事実があるほか、「闘茶」に関する書籍が出版されている事実を認めることができる。
そうすると、本件商標は、前記のとおり「闘茶」の文字からなるものであるから、これをその指定商品中「闘茶に関する書籍」について使用するときには、単にその商品の内容(品質)を普通に用いられる方法で表示するものというべきであり、また、これをその指定商品中前記以外の「書籍」に使用した場合には、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「書籍」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。
被請求人は、要旨以下のように意見を述べるとともに、甲第12号証に「その118 「御茶講連名書」:群馬県中之条町」(審決注:請求人は「その119」と記載しているが、「その118」の誤記と認める。)の1行を追加するとし、追加の証拠として、甲第16号証ないし甲第18号証(枝番を含む。)を提出した。
また、闘茶専用の「道具(用具・動産)」が室町時代・南北朝時代・江戸時代・明治時代に売買された事実がある(甲第16号証、甲第12号証その66)。
グッズ(本件指定区分商品を含む、闘茶に使用する道具ではなく、「闘茶」を表現する動産)が販売された事実がある(甲第17号証その2)。当然、本標章を付した商品が販売されても、被請求人の出所でもなく(出所混同する恐れがある)、かつ商品の品質(内容)がそもそも被請求人おいて保証するものが存在しないし、甲第2号証で被請求人が広告(販売実績は無い。)しているものは、本件商標登録日より過去に売買された闘茶道具の模写であり、不当に他人の商品の登録商標を得ている。
「書籍」に限らず、「『闘茶』に関する『道具』『動産』が売買された事実がある。」ものである。
以上、無効理由通知書には、過去の事実に対し一部欠落がある。
2(1)無効理由通知は、「書籍」に限定しているが、「リナックス」(東京高裁平成13年(行ケ)第435号商標登録無効審決取消請求事件)の判例をみても、事実とは異なるが書籍だけが出版されたものであっても書籍と限定せずに「出版物」全てを登録無効としている。
(2)また、上記1のとおり、紙類、印刷物、書画、写真は、過去に売買が存在し、「闘茶」を用途・道具・表現する道具・動産も販売され、また慣用的に使用された事実がある。
そもそも「闘茶」と名称標記すると、本来の品質(内容・意味)である、茶の遊戯使用となるのであるから、例えば「紙コップ」だけでも「闘茶」と標記すると闘茶道具と成り得るものである。
補足するが、日本の歴史上、南北朝時・室町時代に、闘茶が盛んになるにつれて、a)闘茶を行うに量と種類が必要となり、茶の普及と改良と産地の拡大となった。b)闘茶を行う場所の確保が必要となり、これが後の茶室の始まりである。c)闘茶をするために道具が必要なり、これが茶道具の始まりである。d)闘茶を行うための方法・作法が次第に形成され、これが茶の作法の始まりである(以上、甲第12号証)。闘茶道具に限らず、闘茶を開催するに必要な動産が多くの区分の商品・役務においても製造され売買され、役務された標記である。
(3)「闘茶」を品質(内容・意味)とする(つまり「茶による遊戯」)動産は、本件指定商品から外す必要があるが、そうすると、本件指定商品は、「闘茶を用途とする道具、闘茶を表現とする動産、遊戯(ゲーム)用品」を指定する区分であることから実体上意味をなさない商標となる。
(4)本願指定商品以外においても、特定業種(茶に関する商品・役務)の取引者・需要者の間に本件出願以前に周知・著名となっており、過去に販売され、現在も販売され、また役務提供されている(甲第12号証、甲第18号証)。
(5)被請求人は茶業を営むものであって、取引者・需要者の間に広く認識されている標記である事は十分に知りえている者であり、それにも関わらず、同標記について権利を独占する事は、日本国内はもとより外国(中華民国、中華人民共和国)おいても、一般に使用され需要者の間に広く認識されており、今も被請求人以外の公官庁、同付属機関、教育機関、諸団体、民間企業、個人によって広く広報され周知されており、かつ他国においても使用されているものを、個人の権利独占の利益とその追求は悪意である。法は、先人の多くの方々(鎌倉・南北朝・室町・戦国時代・江戸時代・明治時代と続く、日本人の祖先)によって伝来し、創造し、工夫され変化し、進化し、売買され又役務され普及し、或いは周知し、著名になった標記、かつそれらにより一般的意味(本来の品質)を持つ標記(、ほか「闘茶」単独に限らず茶に関する商品・役務のルーツでもある。)、或いはありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標記、慣用的に使用されている標記、何れか一つ以上に該当するときについて、一人が権利を持つ事を排他するものである。
(6)取引者・需要者の間に浸透して、周知・著名となっていたものであり(かつ「闘茶」によって、多くの商品・役務が創造された。)、「闘茶」標記が一権利者が独占使用する事は、当該商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、また、その商品の品質に対して誤認を生じさせる恐れがあるものである。
本件商標の登録は、その指定商品「全部」について、商標法第3条第1頃第2号或いは第3号或いは第4号或いは第5号或いは第6号及び同法第4条第1項第15号或いは第16号或いは第19号(或いは同法第3条第1項・同法第4条第1項の内の別の一つ以上の各号)に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定より、本件商標について、その登録を全部無効とするべきものである。
被請求人は、上記第4の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。
(1)甲第1号証及び甲第2号証は、被請求人が代表者である株式会社松田商店の直売部「真茶園」のウェブサイトであり、「闘茶とは」の見出しの下に「古くて新しいお茶の飲み方・・・それが『闘茶』」、「元来は中国から伝わった『お茶の味を飲み分けて勝負を競う』遊技でしたが、そのギャンブル性のため幕府より禁止されてしまいました。真茶園は古くて新しい喫茶方法としてこの「闘茶」を広く普及させたく、・・・」の記載があり、「歴史」の見出しの下に闘茶の歴史についての記載があり、「闘茶を始めよう」の見出しの下に「闘茶とは、5種類のお茶を飲んで、茶の産地を当てる茶事です」、「真茶園の『闘茶セット』をご購入されると、オリジナル『闘茶読本』が付いています。ぜひ「闘茶」をお楽しみください。」の記載がある。また、「ただいま販売準備中(近日発売)」として、「闘茶セット」の紹介があり、セット内容として、急須、湯飲み、湯さまし急須、茶葉(3g×25袋)及び上記闘茶読本と題する書籍が紹介されている。
(2)甲第3号証は、平成19年7月6日付けの「表千家北山会館 公開文化講座の配付資料の表紙であり、そこに「第二回『闘茶の世界』」の記載がある。
(3)甲第4号証は、「史料による茶の湯の歴史(上)」(株式会社主婦の友社 平成6年7月26日発行)の雑誌の目次と奥付と認められるところ、「第一節 闘茶の遊び」等の記載がある。
(4)甲第5号証は、国立国会図書館の蔵書情報であり、歴史小説である「城賭けの闘茶」(宇能鴻一郎著 人物往来社 1967年出版)の書誌情報が示されている。
(5)甲第6号証は、表千家不審庵のウェブサイトであり、「喫茶のひろがり」の見出しの下、「その結果、茶の名産地や等級が生まれ、茶の味を飲みあてる『闘茶』というゲームが流行するようになります。」の記載がある。
(6)甲第7号証は、遊戯史学会の「ニユースレター第9号」(2007年5月15日付け)と認められるところ、「文化・芸能となっての定着」として「闘茶」の記載がある。
(7)甲第8号証及び甲第9号証は、Google及びYAHOOによる、いずれも2007年11月28日付けの「闘茶」をキーワードとするインターネット検索結果の1頁目である。
(8)甲第10号証は、「闘茶」と題するウェブサイトであり、「闘茶は、きき茶とかあて茶・歌舞伎茶などともいいお茶を使った遊びのひとつです。」などの闘茶の解説の記載があり、「闘茶の道具」として、急須、お茶、数字等が記載された札及び投票箱について記載があり、闘茶の方法についての記載がある。
(9)甲第11号証は、「世界お茶まつり2007」と題するイベントのチラシと認められるところ、その祭りのイベントの一つとして「第2回小学生闘茶キング選手権大会」の記載がある。
(10)甲第12号証は、請求人が作成した「本件標章『闘茶』が記載されている文献類(印刷物或いは書画)の目録」と認められるところ、甲第3号証ないし甲第5号証及び甲第7号証に示した書画文献を除くとして、118の各種事典、書籍等の題号、発行元等が記載されている。なお、その101から117は、江戸時代以前(一部江戸期)の古文書或いは書画であり、原本が示せない旨記載されている。
(11)甲第13号証は、請求人が作成した「博物館・図書館・準公共団体等で開催された『闘茶』(および『闘茶』が標章された)展示会・イベントなどの一覧」として、甲第11号証に示した資料を除くとして、11件の闘茶に関する展示会・イベントや博物館等の闘茶に関するウェブサイトが示された一覧及びその内容に関するウェブサイト、雑誌等である。
(12)甲第14号証は、映画「闘茶 TEA FIGHT」の製作発表会見に関するウェブサイト及び同映画の公式サイトと認められる。
(13)甲第15号証は、請求人が作成した「『闘茶』の狭義的意味』と題する文書であり、闘茶が茶の遊芸であること及びその歴史等が記載されている。
(14)甲第16号証は、請求人が所有する闘茶道具の写真及び入間市博物館展示の闘茶道具の写真と認められるところ、闘茶に急須、茶碗、茶筒、硯、墨、筆、収納箱など使用されることが窺えるが本件指定商品に関するものは、書籍様の冊子を除き見受けられない。
(15)甲第17号証は、映画「闘茶tea fight」及びそれに出演したヴィック・シュウの写真集の表紙及び「現代オンラインショップ」の商品一覧であり、同映画に関するテレフォンカードセット、クリアファイル、ポストカードセット、原画掛け軸が掲載されている。
(16)甲第18号証の「その1」は、商標登録第4484692号の特許庁IPDLの情報であり、「日本闘茶協会」の文字からなる商標が、「闘茶の興行の企画・運営又は開催」等を指定役務として登録されていることが認められる。
(17)甲第18号証の「その2」の1枚目は、前記映画の公式サイトの「闘茶〜TEA FIGHT〜セット」の販売広告のサイトと認められるところ、「『闘茶』の極意を楽しみましょう。」の宣伝文句の下に、2種類のお茶と2つの専用蓋椀をセットにした上記セットの宣伝広告がされていることが認められる。
また、同じく2枚目ないし4枚目は、「中国茶専門店 姫茶伝」の商品「闘茶セット」に関するウェブサイトであり、セット内容として10種類の茶葉が紹介されているほか、「闘茶とは」として、その説明についての記載がある。
(18)甲第18号証の「その3」は、Amazon.co.jpのオンラインショップで販売されている「闘茶〜Tea Fight〜ヴィック・チョウ プレミアムBOX [DVD] 」の商品写真である。
そうとすると、「闘茶」の語は、上記意味合いを有するものとして広く知られていることが認められるから、本件商標は、これをその指定商品中「闘茶に関する書籍」について使用しても、単にその商品の内容(品質)を表示するというべきであり、また、これを前記以外の「書籍」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
そして、前記「第4」の商標法第56条第1項で準用する特許法第153条第2項の無効理由の通知に対し、被請求人は、何らの意見を申し立てるところがなく、請求人も本件指定商品中の「書籍」に関する上記判断については、争っていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「書籍」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。
請求人は、甲第12号証に記載の「その101」から「その117」及び闘茶から伝承される遊戯記録があり、「その118」は、書画であり、写真が販売された事実がある(甲第17号証)ことを指摘し、紙類、印刷物、書画、写真は、売買が存在する旨主張し、また「闘茶」と名称標記すると、本来の品質(内容・意味)である、茶の遊戯使用となるのであるから、例えば、「紙コップ」だけでも「闘茶」と標記すると闘茶道具となり得るものである旨主張し、さらに闘茶専用の「道具(用具・動産)が室町時代・南北朝時代・江戸時代、明治時代に売買された事実があり(甲第16号証、甲第12号証に記載のその66)、グッズ(「闘茶を表現する動産)が販売された事実がある(甲第17号証)とし、「書籍」に限らず、「『闘茶に関する『道具』「動産』が売買された事実がある旨主張している。
しかしながら、請求人の指摘する甲第17号証は、映画「闘茶tea fight」及びそれに出演したヴィック・シュウの写真集の表紙であるから、これよりは、「闘茶」を内容とする写真が一般的であるというものとはいえないし、また、甲第12号証は、目録であって、具体的にどのような内容のものであるかは不明であるものの、請求人が江戸時代以前(一部江戸期)の古文書或いは書画であるというものであるから、取引上普通に流通している書籍、書画とはいえず、これらをもってしては、「闘茶」が直ちにその書画の内容を認識させるとまでは認めることはできない。
また、紙コップを含め、本件指定商品に係る商品の中には、闘茶に使用し得るものがあるとしても、本件指定商品に係る商品が闘茶に普通に使用されているとする事実もなく、闘茶用の商品があるとすべき事実もないから、「闘茶」が本件指定商品中、「書籍」以外の商品について、その品質等を表示するものとして認識されるとはいうことができない。
また、請求人は、「リナックス商標登録無効事件取消請求事件」において『出版物」全てを無効としている判決があることを指摘しているが、上記判決は、特定の者(開発者)等と出所の混同のおそれがあることを理由にしているものであるから、本件とは事案を異にするものである。
請求人は、本件商標が、茶から波及する関連商品ならびに役務(印刷物、写真、書画、放送、道具、茶道、煎茶道、イベント、大会、ほか)おいて慣用に使用されている旨主張しているが、商標法第3条第1項第2号は、指定商品について慣用されている標章(商標)をいうのであり、請求人の提出する証拠によっては、「闘茶」が本件指定商品に慣用されているとは認めることができない。
なお、例えば、本願指定商品中の書籍の内容として、「闘茶」の語が使用されているものがあるとしても、標章(しるしとする徽章または記号)の如く使用されている事実は認められない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第2号に該当しない。
請求人提出の証拠によっては、「闘茶」の文字が、ありふれた氏であるとか、法人、団体等の名称であるというような事実は認めることができないから、本件商標は、商標法第3条第1項第4号に該当しない。
本件商標を構成する「闘茶」は、漢字2字からなるものであるから、極めて簡単な商標ということはできないし、また、請求人提出の証拠によっても「闘茶」がありふれた標章とも認めることができないから、本件商標は、商標法第3条第1項第5号に該当しない。
本件商標を構成する「闘茶」は、前記2において述べたように前記遊戯を表すものとして、知られているものであるから、本件指定商品中「書籍」についてはその内容を表すものとして、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであるが、本件商標を「書籍」以外の指定商品に使用したとき、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないとする格別の事情を認めることはできないから、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
請求人提出の証拠によっては、「闘茶」が前記遊戯を表すものとして知られていることは言い得るものの、特定の者の業務に係る商品等の出所を表すものとして、取引者・需要者に広く知られているとは認めることはできないから、本件商標をその指定商品に使用しても他人の業務に係る商品又は役務と混同を生じさせるおそれはない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
本件商標は、前記2のとおり、その指定商品中「闘茶に関する書籍」以外の「書籍」については、その内容が闘茶に関するものであるかの如く、その品質について誤認を生ずるおそれがあるものの、書籍以外の本件指定商品については、請求人提出の証拠によっては、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるとすべき事実は認められない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「闘茶に関する書籍」以外の書籍については、商標法第4条第1項第16号に該当するが、それ以外の商品については、同号に該当するものではない。
請求人は、一般的に使用されている意味を持つ慣用句や標章である事は不当録事由になる旨主張している。
しかし、商標第3条第1項は各号列記以外の部分において、「自己の業務に係る商品又は、役務について使用する商標」としており、同法第4条第1項の各号列記以外の部分には、「前条の規定にかかわらず」と規定されているように、出願(又は登録)された商標が、指定商品に使用する商標として、不当録事由に該当するか否かであるから、意味を持つ語は、すべて商標の不当録事由に該当するということはできない。
なお、付言するに、請求人は、本件商標が認められるという事は、現在において、400年以上の歴史を持つ茶道千家、中華人民共和国等の他国、公共テレビジョン放送機関、二国共同制作映画関連業者、博物館・図書館・市役所、茶関係の財団法人や社団法人などの団体、これらが法に違反した事になる旨主張しているが、商標制度は、登録商標を他人がその指定商品又はそれと類似する商品に使用する行為等を排除するものであり、本件に関して、請求人が主張しているように、例えば、「闘茶」をテレビジョン放送機関が放送に使用したり、第三者が開催するイベント等に使用しても必ずしも法に違反するものではない。
また、請求人は、平成21年2月16日付け意見書において、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであると主張しているが、これは新たに無効理由を追加し、請求の理由の要旨を変更するものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第131条の2第1項により認められない。なお、商標法第4条第1項第19号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして広く認識されている」ことを要件の一つにしているが、「闘茶」が特定の者の業務に係る商品等の出所を表すものとして、取引者・需要者に広く知られているとは認めることはできないことは、既に認定したとおりである。
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「書籍」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とすべきものである。 しかしながら、本件商標の指定商品中、「書籍」以外の商品については、同法第3条第1項第2号、同第4号、同第5号、同第6号、同法第4条第1項第15号及び同第16号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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