Trademark Appeal Case
定冠詞と役務普通名称
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−14670(T2008−14670/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおり、肉太の「THE CLINIC」の欧文字及びその下段に欧文字部分よりかなり小さく書された「ザ・クリニック」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年5月11日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定役務については、原審における平成20年4月9日付け手続補正書により、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、特定の意味を持たない英語の定冠詞『THE』に『診療所』を表すものとして広く使用されている英語『CLINIC』を結合して『THE・CLINIC』と書し、その下段に小さく上段の表音を表記したものと認められる『ザ・クリニック』の片仮名文字を表してなるものであるから、これを本願指定役務について使用しても自他識別標識としての機能を果たし得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「THE CLINIC」の欧文字及びその表音を表したものと認められる「ザ・クリニック」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるものであって、その構成に照らして、「THE(ザ)」と「CLINIC(クリニック)」の2語からなるものと容易に認識され得るものである。
しかして、本願商標を構成する「THE(ザ)」の文字は、英語の定冠詞として知られている平易な単語であって、特定の事物、事象を意味する語ではなく、後に続く語を誇称するものとして用いられることも多いものである。また、「CLINIC(クリニック)」の文字は、「診療所」(「ジーニアス英和大辞典」2001−2002,「パーソナル カタカナ語辞典」株式会社学習研究社)等を意味する平易な英語及び片仮名語と認められる。
そして、本願指定役務中、医業、あん摩・マッサージ及び指圧、カイロプラクティック等を取り扱う業界においては、「CLINIC(クリニック)」の文字が、これら役務を提供する際の営業表示、すなわち、該役務の内容を表示するものとして、普通一般に採択・使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標は、「診療所」を意味する英語及び片仮名語の「CLINIC(クリニック)」に、英語の定冠詞「THE(ザ)」を付けたにすぎないものであって、その表示態様も普通に用いられる態様の域を脱しないものであり、全体として、「CLINIC(クリニック)」の語を誇称したものと理解されるにすぎないから、これをその指定役務中、「CLINIC(クリニック)」の意味合いに照応する役務、例えば、「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該役務が、診療及びそれに付随する役務であることを誇称したものとして理解・認識するにとどまるものであり、自他役務を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことができない。
なお、請求人は、登録例を挙げて主張しているが、そもそも、商標の識別性の判断は、各商標につき、それぞれの構成態様や取引の実情等をも勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく、請求人の主張している登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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