結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300005(T2009−300005/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1776078号商標(以下「本件商標」という。)は、「VINTAGE」の文字を書してなり、昭和57年5月29日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和60年6月25日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされるが、商標登録の取消し審判により、指定商品中「おもちゃ、人形(マネキン人形、洋服飾り型類を除く)、囲碁用具、将棋用具、骨ぱい類、手品用具、及びこれらに類似する商品」について取り消すべき旨の審決がされ、平成14年11月27日にその確定審決の登録がされたものである。
そして、指定商品については、平成18年2月15日に第6類「アイゼン,カラビナ,金属製飛び込み台,ハーケン,金属製あぶみ,拍車」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,メトロノーム,レコード」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第18類「乗馬用具」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第24類「ビリヤードクロス」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」、第27類「体操用マット」、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」及び第31類「釣り用餌」とする書換登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
本件商標は、その指定商品中、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がないので、商標法第50条第1項の規定により登録が取り消されるべきものである。
被請求人は、乙第1号証ないし乙第11号証を挙げて、本件商標が日本国内おいて継続して3年以上使用されているものと主張している。しかし、このような主張は失当である。
(1)まず、商標権者は、乙第2号証を挙げて、本件商標が、商標権者(旧名称「月星化成株式会社」)と株式会社フレックス(以下「フレックス社」という。)との間の契約の存在、ならびに乙第3号証を挙げて、前記乙第2号証の契約が平成17年4月27日から平成22年4月26日まで延長された結果、乙第1号証に示すように、現在も有効であると主張している。
しかし、乙第2号証の契約書第5条に「乙が本件商標の登録された態様と異なる態様の標章を使用し、それによって第三者に与えた損害に対しては、甲は一切責任を負わない。」と規定されているように、許諾された本件商標は、あくまでも商標登録された商標そのものである。しかるに、登録された商標は、甲第1号証から明らかなように、「VINTAGE」なる英文字の大文字を一段に角ゴシックで左横書きしてなるものである。
(2)これに対し、商標権者は、乙第4号証を挙げて本件商標が使用されていると主張している。しかし、乙第4号証は、2枚のカラーコピーよりなり、いずれも左上部に「Vintege」なる英文字を筆記体調で一段に横書きしてなり、他の大部分にギターをカラーコピーしてなるものであるから、前記乙第2号証の契約書の第5条で規定している角ゴシック調の「VINTAGE」とはその態様が異なるので、本件商標の使用とはいえない。また、乙第4号証のカラーコピーには、使用者の住所および名称が記載されておらず、単に「FLEX CORPORATION」とだけ記載されているにすぎないので、該FLEX CORPORATIONが通常使用権の受諾者である愛知県名古屋市東区藤香町25番地所在のフレックス社と同一であるかは全く不明である。何故ならば、日本国内には、甲第2号証及び甲第3号証から明らかなように、FLEX CORPORATIONなる名称の会社は沢山あるからである。
また、乙第4号証のカタログのカラーコピーは、和文でなく英文のみで説明が記載されているので、日本人向けではなく、外国人向けのものと推定せざるを得ない。したがって、日本で頒布されたものとは断じて思えない。
(3)商標権者は、乙第5号証及び乙第6号証を挙げて、乙第4号証の印刷がJEELLY氏より印刷の見積をとり、乙第5号証の宣誓書によりカタログが2008年10月7日にフレックス社に納品されたと主張している。
しかし、JEELLY氏が如何なる人物あるいはどのような会社の人かは全く不明であるばかりでなく、乙第5号証の宣誓書の宣誓者との関係も全く不明である。すなわち、乙第5号証には、惠州市惠○(こざとへんに日)区○(くさかんむりに乙)高印刷有限公司の○○○(字の表示不能)用章が捺印され、○(くさかんむりに乙)高戴(この字は判読不能)ネ案なる署はあるが、これが印刷見積提出のJEELLY氏との関係は全くないのである。さらに、付言すれば、該印刷見積書は、何の商品のカタログであるかは全く不明である。
また、仮りに、乙第5号証の宣誓書がJEELL氏の見積りを裏付けるものと仮定しても、同証には「ギターカタログ(.../Vinage/...)をフレックス社より注文を受け、...」と記載されているのであって、これは「Vinage」に関するものであって、断じて「Vintage」に関するものでないことは、明白である。したがって、乙第5号証は、本件商標を記載したカタログの使用を裏付けるものではない。
(4)さらに、乙第6号証によれば、Bの「目録封底封面」とは、商標権者が主張するように、「カタログ表紙と裏面」ということであるが、当然のことながら、乙第4号証がカタログそのものを表わすというのであれば、裏面もあるはずであるが、表面しかないのであるから、乙第4号証はカタログの単なるカラーコピーであることは明白である。このことは、乙第7号証のEの「目録外内」が「カタログの内と外」ということである点からも明白である。さらに、乙第7号証の送付状は、宛名はフレックス社であるとしても、その発行元については、全く不明であるから証拠にはならない。
(5)商標権者は、乙第8号証及び乙第9号証を挙げて、フレックス社が2006年3月24日、2007年12月20日および2008年10月20日に取引先の(株)フォルムへ商品を出荷したと主張している。しかし、同証には、出荷年月日として6年3月24日、7年12月20日および8年10月20日と記載されており、これらの6年、7年および8年がそれぞれ2006年、2007年および2008年であるという理由は、存在しない。むしろ、通常の常識にしたがえば、6年、7年および8年はそれぞれ平成6年、平成7年および平成8年である。仮りに、2006年、2007年および2008年というためには、06年、07年および08年と記載するのが常識であって、これらの西暦を6年、7年および8年と記載する慣習は存在しないのである。したがって、これらの発行年数は、はるかに過去のことである。
(6)乙第10号証及び乙第11号証には、「ヴィンテージ/VINTAGE/China,R.Korea(エレキギター...)・フレックス」とは記載されているが、これがムーンスター社の商標の通常使用権者の商品であるか否か、また、これが実際に販売されているか否かは全く不明である。
(7)したがって、本件商標が、日本国内において継続して3年以内に使用されているかどうかは全く不明である。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第37号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標について、審判請求の登録前3年以内において、通常使用権者により請求に係る指定商品中「楽器」について使用していることを証明する。
(2)使用を証明する証拠説明
ア 通常使用権者が存在する証拠説明
乙第1号証は、本件商標が請求に係る指定商品中の楽器(洋楽器「リード」を除く)についてフレックス社に通常使用権許諾契約が設定されていることを証明する宣誓書である。
乙第2号証は、本件商標が請求に係る指定商品中の楽器(洋楽器「リード」を除く)についてフレックス社に通常使用権許諾契約が設定されていることを証明する契約書である。
乙第3号証は、本件商標が請求に係る指定商品中の楽器(洋楽器「リード」を除く)についてフレックス社との通常使用権許諾契約が継続していることを証明する覚書である。
なお、弊社は平成18年7月1日に月星化成株式会社から株式会社ムーンスターに社名変更を行っている。
イ 通常使用権者による使用の証拠説明
(ア)カタログによる使用の証拠説明
乙第4号証は、通常使用権者であるフレックス社の商品である「ギター」商品カタログの写しであり、登録商標を商品に付して使用していることが明らかである。
また、乙第5号証は、中国の印刷業者が乙第4号証カタログを2008年10月7日にフレックス社に納品したことを証明する宣誓書であり、乙第4号証カタログが審判請求の登録前3年以内において、通常使用権者により請求に係る指定商品中「楽器」について使用していること明らかである。
上記を補足する資料として、乙第6号証は、中国の印刷業者JEELLY氏からフレックス社の林部長に出された乙第4号証カタログの見積もりが書かれたEメールの写しであり、A、B、Cの部分を日本語に訳すとA「カタログ単価」、B「カタログ表紙と裏面」、C「カタログ内のページ4種」と記載されており、乙第4号証カタログについて、2008年9月9日に見積もりが提示されたことを証明するものである。
また、乙第7号証は、2008年10月7日に中国の印刷業者からフレックス社に乙第4号証カタログを納品したことを証明する納品書の写しであり、D、Eを日本語に訳すとD「フレックス」E「カタログの内と外」と記載されている。
(イ)納品書による使用の証拠説明
乙第8号証は、フレックス社の商品である「ギター」を2006年3月24日,2007年12月20日,2008年10月20日に取引先の(株)フォルムへ出荷したことを証明する納品書の写しである。
乙第9号証は、フレックス社の商品である「ギター」を2006年2月6日,2007年7月19日,2008年10月16日に取引先の(株)トミー商会へ出荷したことを証明する納品書の写しである。
(ウ)書籍による使用の証拠説明
乙第10号証及び同第11号証は、(株)ミュージックトレード社発行の楽器年鑑(2007年版,2009年版)であり、ブランドから楽器の種類と社名を引用する書籍となっている。その書籍中に、いずれもヴィンテージ/VINTAGE(エレキギター&ベース、アコースティックギター、エレアコギター)フレックスと書かれており、フレックス社が本件商標を使用していることが明らかである。
以上の証拠により、本件商標が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品中「楽器」について使用されたことは明白である。
(1)弁駁に対する主張
ア まず、初めに請求人が、弁駁書1ページ20行に・・・左上部に「Vintege」なる英文字を・・・・と述べているが、提出した乙第4号証は「Vintage」と書かれていることを補足する。
イ 前記弁駁の(2)において、乙第4号証の「Vintege」なる英文字を筆記体で一段に横書きしたものと乙第2号証の契約書の第5条で規定している角ゴシック調の「VINTAGE」とはその態様が異なるので、本件商標の使用とは言えない、と述べている。
乙第12号証には、特許庁ホームページ−商標について−基準・便覧・ガイドライン審判便覧−53−01登録商標の不使用による取消審判の4ページには、e.登録商標の使用と認める範囲の拡大登録商標の使用と認める範囲を「社会通念上同一と認められる商標を含む。」と明記し、その例示として、1(囲み文字の丸1)書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、と書かれている。
このことより乙第4号証の「Vintage」は、甲第1号証「VINTAGE」商標の使用であることが証明される。
また、請求人は、乙第4号証のカラーコピーには、使用者の住所および名称が記載されておらず、単に「FLEX CORPORATION」とだけ記載されているにすぎないので、該FLEX CORPORATIONが商標権の通常使用権の受諾者である愛知県名古屋市東区藤香町25番地所在のフレックス社と同一であるかは全く不明である、と述べている。
そこで、被請求人は、商標登録第1776078号の通常使用権者である乙第13号証フレックス社の現在事項全部証明書の写しと乙第14号証 商品のカタログとそのファイルを提示する。乙第13号証フレックス社の現在事項全部証明書の写しには、フレックス社が、平成7年10月3日に愛知県名古屋市名東区藤香町25番地から現在の愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地に住所が登記変更している。そして、乙第14号証商品のカタログとそのファイルの裏面に、Head Office:3−171,Yashirodai,Meito−Ku,Nagoya,JAPANと記載されており、フレックス社の住所がそれぞれ一致することが確認できる。このことより、乙第4号証の商品カタログは、通常使用権者である愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地のフレックス社が発行していることが証明される。
さらに、乙第4号証のカタログのカラーコピーは、和文でなく英文のみで説明が記載されているので、日本で頒布されたものとは断じて思えない、と述べている。
しかし、この業界では英文で書かれたカタログを海外や日本国内に使用することは頻繁に行われていることであり、現に乙第14号証商品のカタログとそのファイルの裏面には、China Factoryと日本向けと中国向けであるにもかかわらず英文で書かれており、必ずしもその国の語を使用するものではなく、英文記載で各国に配布されていることが分かる。このことより、乙第4号証 商品カタログの写しは、日本国内で配布されていることが証明される。
そのほかにも、乙第15号証 2009年版楽器年鑑の中尾貿易(株)と乙第16号証 OVATIONカタログ、乙第17号証 HAMERカタログ、乙第18号証 TOCAカタログを提出する。乙第16号証 OVATIONカタログ、乙第17号証 HAMERカタログ、乙第18号証 TOCAカタログは、いずれも日本国内で楽器を取り扱っている中尾貿易(株)のブランドカタログであり、乙第15号証 2009年版楽器年鑑の中尾貿易(株)より、ブランドの取り扱いが確認できる。それぞれのカタログを見ると表紙、裏面、内面いずれも英文で書かれており日本国内において配布するカタログにおいても全て英文で書かれて使用されていることが良く分かる。
また、乙第19号証 フレックス社のカタログからも日本語の使用はごく僅かでページのほとんどが英文で書かれていることから、全てが英文からなる乙第4号証 商品のカタログの写しについて、日本国内で配布されていることを否定する理由は成り立たないことを主張する。
ウ 前記弁駁の(3)には、JEELLY氏が如何なる人物あるいはどのような会社の人かは全く不明であるばかりではなく、乙第5号証の宣誓書の宣誓者との関係も全く不明である。すなわち乙第5号証の捺印と印刷見積提出のJEELLY氏との関係は全くないのである。さらに付言すれば、該印刷見積書は、何の商品カタログであるかは全く不明である、と述べてある。
乙第20号証 提出資料補足書は、カタログを販売、購入した双方より提出いただき、請求人が述べている上記不明な点につき補足している。宣誓者の載志輝は、社長でありJEELLY氏が従業員であることを証明し、乙第6号証の印刷見積書はギターカタログ(Artex/Brighton/Triumph/Vintage/KALALAU)に関する書類であることを述べている。また、フレックス社においても同様に、林部長とフレックス社の関係、乙第6号証と乙第7号証はギターカタログ(Artex/Brighton/Triumph/Vintage/KALALAU)に関する書類であることを証明している。
なお、宣誓者の載志輝か社長であることを証明する乙第21号証 載志輝氏の名刺を提出する。なお、Fを日本語で訳すとF「社長」と記載されている。
また、仮に、乙第5号証の宣誓書がJEELL氏の見積りを裏付けるものと仮定しても、同証には「
Vintage
」と記載されているのであって、これは「Vinage」に関するものであって、断じて「Vin
t
age」に関するものでないことは明白である。したがって、乙第5号証は本件商標を記載したカタログを裏付けるもでない、と述べている。(上記記載の
Vintage
はVinageの誤りと想定し回答する。)
これに対して、乙第22号証 訂正した宣誓書と乙第23号証 訂正書を提出する。乙第22号 証訂正した宣誓書には、ギターカクログ(Artex/Brighton/Triumph/Vintage/KALALAU)をフレックス社より注文を受け、2008年10月7日に納品した事に相違ありません、と書かれている。
また、乙第23号証 訂正書には、2009年2月18日記載の宣誓書内、Vinageは、正しくはVintageであることに相違ありません、と書かれており、単なる誤記であったことを証明している。
よって、乙第5号証は、本件商標を記載したカタログを裏付けるものであることが分かる。
エ 前記弁駁の(4)では、乙第6号証によれば、Bの「目録封底封面」とは、商標権者が主張するように、「カタログ表紙と裏面」ということであるが、当然のことながら、乙第4号証がカタログそのものを表わすというのであれば、裏面もあるはずであるが、表面しかないのであるから、乙第4号証はカタログの単なるカラーコピーであることは明白である。このことは、乙第7号証のEの「目録外内」が「カタログの内と外」ということである点からも明白である、と述べている。
これに対して、乙第14号証ファイルを含む商品カタログを提出する。乙第6号証にB記載の「カタログ表紙と裏面」はファイル形式の表紙と裏面を表し、Cの「カタログ内のページ4種」は提出したVintage2枚とそれ以外の2枚のカタログからなるカタログ内のページ4種が結びつく。また、乙第7号証のE「カタログの内と外」についても、外はファイルであり内はカタログであることが納得できると思われる。
また、乙第7号証の送付状は、宛名はフレックス社であるとしても、その発行元については、全く不明であるから証拠にならない、と述べている。
乙第14号証ファイルを含む商品カタログのファイル裏面を見ると、Head Office:3−171,Yashirodai,Meito−Ku,Nagoya,JAPANと記載されており、フレックス社の住所と一致することが確認できる。
オ 前記弁駁の(5)において、乙第8号証及び乙第9号証記載の6年、7年および8年は、平成6年、平成7年および平成8年である、と述べている。
ここに、乙第13号証 フレックス社の現在事項全部証明書の写しを提出する。これによるとフレックス社は、平成7年10月3日に住所が愛知県名古屋市名東区藤香町25番地から現在の愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地に登記変更している。このことより、平成7年4月27日締結の契約書の通常使用権者フレックス社と平成17年3月24日合意の覚書記載のフレックス社は同一会社であることが確認できる。
また、乙第8号証及び乙第9号証の納品書に記載されたフレックス社の住所は、現在の愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地といずれも書かれている。
請求人が主張する、納品書に書かれた6年が平成6年であるには、フレックス社の住所が愛知県名古屋市名東区藤香町25番地でなければ立証できないが、住所が愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地と記載されていることから、乙第8号証、乙第9号証の納品書に書かれた6年は平成6年ではないことが分かる。
このことから平成6年の納品書ではない事がはっきりしたため、納品書は2006年であることが明らかである。
また、乙第9号証 7年7月19日トミー商会納品書においても、フレックス社が、平成7年10月3日に住所が愛知県名古屋市名東区藤香町25番地から現在の愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地に登記変更しているので、平成7年ではなく2007年7月19日であることが確認できる。
また、平成10年(1998年)2月より新郵便番号制の郵便番号7桁が導入されている。それを証明する資料乙第24号証 日本郵便ホームページの写しと乙第25号証 郵便事業(株)からの手紙を提出する。
乙第8号証及び乙第9号証の納品書には、フレックス社の郵便番号465−0092(納入先の郵便番号も7桁を含む)と7桁が記載されていることから、乙第24号証 日本郵便ホームページの写しと乙第25号証 郵便事業(株)からの手紙より、同納品書は平成10年(1998年)2月以降に使用されたことが確認できる。よって納品書に書かれた6年、7年、8年は平成6年、平成7年、平成8年ではなく、2006、2007、2008年で使用されたことが明らかである。
カ 前記弁駁の(6)には、乙第10号証及び乙第11号証には、「ヴィンテージ/VINTAGE/China,R.Koriea(エレキギター...)・フレックス」とは記載されているが、これがムーンスター社の商標の通常使用権者の商品であるか否か、またこれが実際に販売されているか否かは全く不明である、と述べている。
乙第10号証及び乙第11号証の楽器年鑑にはフレックス社の電話番号052−776−3351が記載されている。対する乙第8号証及び乙第9号証の納品書に記載されているフレックス社の電話番号は052−776−3351と記載されていることから、楽器年鑑記載のフレックス社と納品書記載のフレックス社は同一会社であることが立証される。
また、乙第8号証及び乙第9号証納品書記載のフレックス社の住所は、愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地と記載されており、乙第3号証 覚書に書かれた通常使用権者の住所、愛知県名古屋市名東区社台3丁目171番地と一致していることから乙第10号証及び乙第11号証の楽器年鑑に記載されたフレックス社は弊社登録商標の通常使用権者のフレックス社であることが明らかとなる。
(2)本件商標の使用を証明する証拠の説明
乙第26号証ないし乙第37号証を提出することで、商標「VINTAGE」を使用していたことを新たに証明する。
ア 乙第26号証 楽器年鑑(2007年版)の写しと乙第27号証 楽器年鑑(2009年版)の写しを提出する。
前回答弁書には提出していなかったが、乙第26号証の461ページ、乙第27号証の446ページには、いずれも(株)フレックス愛知県名古屋市名東区社台3−171と記載されており、自社ブランドのところには、ヴィンテージ(VINTAGE)エレキギター&ベース、アコースティツクギター、エレアコギターと書かれており、通常使用権者のフレックス社が楽器の分野においてVINTAGEを使用していることが確認できる。
イ 乙第28号証は、大和マーク株式会社発行の納品書で、平成20年1月22日(株)フレックスに納品した、乙第29号証スライドマークに関するものである。
乙第28号 大和マーク株式会社の納品書、品名の欄には「スライドマーク Vintage・・・in JAPAN金+黒枠」と記載されているように、乙第29号証スライドマークの色と文字が一致するため、同スライドマークの納品書であることは明らかと思われる。
ウ 乙第30号証 Vintageギターの写真には、乙第29号証 スライドマークが使用されており、登録商標Vintageがギターに使用されていることが確認できる。なお、乙第29号証にはスライドマーク現品を添付しており、該スライドマークは水に浸すと文字の部分だけが張り付く仕様となっている。
エ 乙第31号証 (株)帝国発明社(以下「帝国発明社」という。)発行の注文書には、平成20年9年12日Vintageをフレックス社宛てに注文した記載がされている。これに対応するフレックス社は乙第32号証 帝国発明社へ出荷した納品書を同日2008年9月12日に作成している。
乙第31号証と乙第32号証双方を比較すると、帝国発明社の住所、電話番号、ファックス番号、担当者名も乙第31号証にはハコザキ、乙第32号証の備考欄に箱崎様よりと一致している。このことより、乙第31号証帝国発明社発行の注文書と乙第32号証帝国発明社へ出荷した納品書は一連の書類であることが確認できる。その他に、乙第32号証帝国発明社へ出荷した納品書には、ギター用ソフトケースの記載があり、ギターを購入するとギターの購入数にあわせてギター用ソフトケースをサービス(サービスであるため単価の記載はありません)するシステムとなっている。このことより、乙第31号証と乙第32号証記載のvintageはギターであることが明らかである。
オ 乙第33号証 (株)ホットラインミュージックムライ(以下「ホットラインミュージック社」という。)発行の発注書には、平成20年8年31日ヴィンテージをフレックス社宛に注文した記載がされている。これに対応するフレックス社は、乙第34号証ホットラインミュージック社ヘ出荷した納品書を翌日2008年9月1日に作成している。
双方を比較すると、ホットラインミュージック社の電話番号、ファックス番号、担当者名も乙第33号証には柴田の印、乙第34号証の備考欄に8.31柴田様よりと記載されている。このことより、乙第33号証ホットラインミュージック社発行の発注書と乙第34号証ホットラインミュージック社ヘ出荷した納品書は、一連の書類であることが確認できる。その他に、乙第34号証ホットラインミュージック社ヘ出荷した納品書には、ギター用ソフトケースの記載があり、ギターを購入するとギターの購入数にあわせてギター用ソフトケースをサービス(サービスであるため単価の記載はありません)するシステムとなっている。Vintageとギター用ソフトケースの数量も一致する。このことより、乙第33号証記載のヴィンテージと乙第34号証記載のVintageはギターであることが明らかである。
カ 乙第35号証 インフィニティー発行の発注書と乙第36号証(株)インフィニティー向け納品書と仕入伝票についても、VINTAGEをフレックス社宛に注文した記載がされている。乙第35号証インフィニティー発行の発注書には、日付が2月/日14と書かれておりますが、ファックス送信記録から07年2月14日が読み取ることが可能である。乙第36号証インフィニティー向け納品書と仕入伝票の仕入伝票からは、その翌日の2007年2月15日に発注書と同じ数量の合計11本のVintageギターとVintageベースが仕入伝票2枚にわたって記載されており、ギター用ソフトケースとベース用ソフトケースも合計11枚と一致している。
なお、納品先は、乙第35号証インフィニティー発行の発注書には、手書きでハードオフ厚木戸室店御中と書かれており、乙第36号証(株)インフィニティー向け納品書と仕入伝票から仕入伝票の備考に書かれた2.14ご注文H.Off厚木戸室店へと一致することが明らかである。
キ 乙第37号証は、ギターVintageを取り扱っている株式会社フォルムの宣誓書であり、商標「vintage」をギターに使用している証明である。
以上の乙第1号証ないし乙第37号証の証拠により、本件商標が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国において、その指定商品「楽器」について使用されたことは明白である。
(3)結び
以上によって、本件商標が、通常使用権者であるフレックス社により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品中「楽器」について使用されたことは証明された。したがって、本件商標は、取消しを免れるものである。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 平成7年4月27日に、被請求人とフレックス社の間において、フレックス社に対して、本件商標の指定商品中「楽器(洋楽器リードを除く)」について、契約日から5年間通常使用権を許諾する旨の契約が締結された(乙第2号証)。そして、平成17年3月24日に、前記契約当事者間で、前記契約期間を平成22年4月26日まで延長するとの合意がなされたことが認められる(乙第3号証)。これによって、フレックス社は、「楽器(洋楽器リードを除く)」について、本件商標の通常使用権者であると認められる。
なお、前記契約書の第5条には、「乙が本件商標の登録された態様と異なる態様の標章を使用し、それによって第三者に与えた損害に対しては、甲は一切責任を負わない。」との定めがある。
イ FLEX CORPORATIONに係ると認められる「商品カタログ」(乙第4号証及び乙第14号証)には、筆記体で「Vintage」と表示があり、ギターの現物写真が掲載されている。
ウ フレックス社から株式会社フォルムに宛てた納品書3葉(乙第8号証)には、それぞれの納品物を示す「商品名/型番」の欄に、「ギター用ソフトケース」「ベース用ソフトケース」の記載等とともに、「ST−R(BK) Vintage」「ST−R(MBU) Vintage」「ST−R(MRD) Vintage」「TB−R(BK) Vintage」の記載のように、「Vintage」の商標の使用があり、それぞれの取引数量が記載されている。
また、納品書のいずれも、「(株)フレックス」の表示の下段に、平成10年2月以降に導入された7桁の郵便番号、住所と電話番号、FAX番号が記載されている。
そして、出荷年月日の欄に、年に該当する欄に「6」、月に該当する欄に「3」日に該当する欄に「24」というように、順次「6|3|24」、「7|12|20」、「8|10|20」との記載があり、それぞれ「2006年3月24日」「2007年12月20日」「2008年10月20日」の納品伝票と認められる。
また、フレックス社から株式会社トミー商会に宛てた納品書3葉(乙第9号証)にも、納品物を示す「商品名/型番」の欄に、前記8号証と同様に、「ST−R(BK) Vintage」などのように「Vintage」の商標の使用があり、それぞれの取引数量が記載されている。
そして、出荷年月日の欄に、年に該当する欄に「6」、月に該当する欄に「2」、日に該当する欄に「6」というように、順次「6|2|6」、「7|7|19」、「8|10|16」との記載があり、それぞれ「2006年2月6日」「2007年7月19日」「2008年10月16日」の納品伝票と認められる。
エ 帝国発明社からフレックス社に宛てた注文書(乙第31号証)には、「20年9月12日」の日付と注文に係る商品の「メーカー」「品番/品名」「数量」の欄に、「Vintage」「TE−CUSTOM」「1」の記載がある。
また、この注文に応じた商品の納品書と認められる乙第31号証は、宛先が「(株)帝国発明社」であり、納品場所の住所等の記載は、注文書の住所等と同じである。
そして、出荷年月日は、「8|9|12」と記載があり、「2008年9月12日」の出荷日と認められる。納品物を示す「商品名/型番」の欄には、「ギター用ソフトケース」の記載とともに、「TE−Custom M(BK) Vintage」の記載のように、「Vintage」の商標の使用があり、取引数量「1」、金額「7500」が記載されている。
なお、「株式会社フレックス」の表示の下段に、平成10年2月以降に導入された7桁の郵便番号、住所と電話番号、FAX番号が記載されている。
オ フレックス社に係ると認められるギターの「商品パンフレット」(乙19号証)には、乙第4号証及び乙第14号証と同様の筆記体で「Vintage」の商標が表示され、ギターの現物写真が掲載されている。そして、裏面の右下部分に「製造元(株)フレックス」の記載があり、これに続けて住所、電話番号等が記載されている。当該住所、電話番号等は、前記ウ及びエの納品書に表示されたフレックス社の住所、電話番号等と同一のものである。
また、発売元として、「(有)ファインカンパニー」の記載があり、これに続けて日本国内の住所「名古屋市熱田区桜田町15 5−102」、電話番号等が記載されている。
カ 2007年度版「楽器年鑑」(乙第10号証、乙第26号証)及び2009年度版「楽器年鑑」(乙第11号証、乙第27号証)には、「輸入・国産ブランド名索引」の項において、「ヴィンテージ/VINTAGE/China,R.Korea(エレキギター&ベース,アコースティックギター,エレアコギター)◆フレックス」の記載があり、これに続けて電話番号が記載されている。当該電話番号は、前記エの納品書に表示されたフレックス社の電話番号と同一のものであり、年鑑記載のフレックス社と納品書のフレックス社とが同一の者であると優に推認することができる。
また、「楽器業者名簿」の項において、「(株)フレックス」が掲載されており、「自社ブランド」として「ヴィンテージ(VINTAGE)エレキギター&ベース,アコースティックギター」等の記載がある。
(2)本件商標は、「VINTAGE」の文字をゴチック体で表したものである。これに対して、前記(1)において商品カタログや納品書に表示された商標は、本件商標と同じ欧文字綴りの「Vintage」を表したものであって、大小文字や書体の違いはあるとしても、本件商標とは社会通念上同一の商標と認めることができる。そして、使用に係る商品は、「楽器(ギター)」と認められる。
この使用に係る商標に関して、請求人は、乙第2号証の契約書第5条における規定を挙げ、使用に係る商標が前記契約書の第5条で規定している角ゴシック調の「VINTAGE」とはその態様が異なるので、本件商標の使用とはいえない旨の主張をしている。
しかしながら、当該契約条項(第5条)は、登録された態様と異なる態様での使用によって第三者に損害を与えた場合の責任が商標権者側にはないとする契約当事者間の合意に止まり、これにより、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得る標章の使用が、書体等の変更を伴うとして、当該通常使用権の埒外として排除されるとしたものとは認められない。また、当該契約条項によって、使用に係る商標が本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るとした上記判断は左右されず、上記主張は採用し得ない。
(3)上記した事実を総合してみれば、本件商標と社会通念上同一の商標が「楽器(ギター)」について使用をされたと認め得るところである。
そして、その使用の時期については、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)であることが商品の注文書及び納品書により認められるところである。
また、商品カタログ及び商品パンフレットには、使用時期等の頒布を明らかにするところがないとしても、商品の注文書、納品書及び楽器年鑑の記載をも考慮するならば、本件要証期間内の頒布があったと推認することができる。
してみると、通常使用権者による「楽器(ギター)」についての本件商標の使用が、本件要証期間内に行われたとみることができるものである。
(4)以上のとおり、被請求人の通常使用権者であるフレックス社によって、本件審判の請求の登録日である平成21年(2009年)1月20日前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品中「楽器」に包含される「ギター」に、本件商標と社会通念上同一と認められる態様の商標について、その使用を証明し得たということができる。
したがって、本件商標の指定商品中、「楽器,演奏補助品,音さ」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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