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Trademark Appeal Case

オークション直売の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−31917(T2008−31917/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「オークション直売店」の文字を書してなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品」及び第35類「経営の診断及び指導,商品の販売に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成19年3月23日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『オークション直売店』の文字を横書きしてなるところ、本願商標を構成する『オークション』及び『直売店』の文字は、それぞれ、『競売』及び『生産者が直接消費者に売る店』の意味合いを有する語と認められ、指定商品(指定役務)との関係においては、全体として『オークションで落札した直売店の商品』あるいは『当該直売店又はその商品に関連する役務』程の意味合いを理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品(指定役務)中、『前記に照応する商品(役務)』に使用されたときは、単に、商品(役務)の品質(質)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知(要旨)

当審において、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当することについての事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成21年6月5日付けで、証拠調べの結果を通知し、意見を求めた。

本願商標は、「オークション直売店」の文字を書してなるところ、該文字に関して証拠調べを行った結果、以下の事実が認められる。

1 「オークション」の文字について

(1)「オークション」の項に、「競売,せり売り」との記載がある(「コンサイスカタカナ語辞典」第3版2005年10月20日発行 株式会社三省堂)。

(2)「オークション」の項に、「【auction】競売.せり売り.公開でせり合って落札価格を決める」との記載がある(「imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典」2006年4月30日発行 株式会社集英社)。

2 「直売」の文字について

(1)「直売」の項に、「生産者が問屋・小売店などの中間者の手を経ないで、直接に消費者に売ること。」との記載がある(「広辞苑」第6版2008年1月11日発行 株式会社岩波書店)。

(2)「直売」の項に、「1 生産者が問屋・小売店などの仲介を経ずに、直接消費者に売ること。」との記載がある(「大辞林」第3版2006年10月27日発行 株式会社三省堂)。

3 「オークション直売」の文字について

インターネットのホームページにおける記載について(平成21年5月20日検索)

(1)「RUN−DREAM」のWebページにおいて、「Direct Car Auctionのメリット」の見出しのもと、「オークション直接購入はこんなにお得」の項に、図とともに「在庫を持たないオークション直売なので、車を展示する地代がかからない。展示中に車検切れバッテリーあがりなど在庫維持費がかからない。展示品を綺麗に保つには洗車は欠かせない作業ですが、20台も30台も展示していたら洗車業の人件費も大変な経費になります。オークション直売ならばこの様な経費を車両に乗せることなく販売できるので、店頭展示している中古車販売店よりも30万円から40万円お得です。その分カーナビ・カーオディオ・ETCなど快適アイテムを導入することが出来ます。」との記載がある。

(http://www.run-dream.com/direct)

(2)「株式会社Recto」のWebサイトにおいて、「オークション直売システム 5%の手数料で直売いたします(200万円以下10万円)」の見出しのもと、「Round1:」の項に、「お問い合わせ 車種、走行距離、色 年式等でご希望のお車の全予算を決めます。」また、「Round3:」の項に、「落札価格+弊社手数料+税金+諸費用+保険等の合計から見積もりを出します。」との記載がある。

(http://www.e-recto.co.jp/cgi-bin/e-recto/sitemaker.cgi?mode=page&page=page2&category=3)

(3)「u−car.market.cx」のWebページにおいて、「中古車オークション代行のメリットとデメリット」の見出しものと、「中古車オークション代行サービスではオークション直売となり、人権費、賃貸料、光熱費、宣伝費、ボディー補修費、車両整備費、保証費用、損益分などの中間マージンが掛かりません。」との記載がある。

(http://u-car.market.cx/)

(4)「彩オートサービス」のWebページにおいて、「車を買いたい方」の見出しのもと、「オート・オークション直売の当社なら市価の2割〜4割もお得です!☆諸費用込みの、総額をぜひご比較ください!☆車両価格が安くても、必要のない諸費用、??な諸費用がいろいろ付いて、結局高くなってしまっては、意味がありません。当社と他社との見積書を、ぜひご比較ください!(中略)クルマの現状、程度が保障され、店頭展示の中間コストを省いた、今までない低価格でのご提供が可能なのです。」との記載がある。

(http://www16.plala.or.jp/saiauto/newpage238.html)

(5)「クルマ市場」のWebサイトにおいて、「よくあるご質問」の見出しのもと、「ラングローブは信用できるの?」の項に「ご安心ください。ラングローブはサービス拠点となる店舗を持つオークション直売・直買会社です。全国のオークション会場とネットワークを持ち入場許可を与えられた専門会社です。」との記載がある。(http://www.runglobe.jp/qa/)

(6)「EZAKI GROUP」のWebサイトにおいて、「プラザ亀首店」の見出しのもと、「★具体的に安心で安い理由★・お客様のお探しのお車をオークション落札価格(仕入れ)そのままで販売致します。(車両価格に一切の利益無し) オークション直売!」との記載がある。

(http://ezaki-web.jp/store/10/cat5/12.php)

(7)「carview」のWebサイトにおいて、「愛車無料査定」の見出しのもと、「この依頼への入札内容」の項に、「物件のポイント」の欄に、「■オークション直売でお買得♪・当店は、全国各地の業者専用自動車卸売会場(カーオークション会場)からの直売専門店です。・注文販売をメインに過剰在庫を持たず、1台当りの販売利益(手数料)を一律固定化して、仕入れ(落札)価格を公開する安心・公正明瞭な販売スタイルです。」との記載がある。

(http://www.carview.co.jp/service/providerserviceinfo/offerdetail.aspx?cID=2229709&p=7500)

(8)「トータルカーライフサポート」の見出しのもと、「一般中古車販売店との比較」の項に、「一般中古車店で130万円だった車が100万円で!オートオークション直売なら20万〜30万もお得です!」また、「■お車をお探しするのは一切無料です。■年間430万台の出品車両からお探ししますので、どんな車でもお探しできます。■お車の内装の状態やキズ・ヘコミまで明確に記載されていますので安心です。■全車両、走行距離管理システムを通っている為メーター改ざんなど一切ないので安心です。■オークション落札前に落札予定額の5%(100万円以下は一律5万円)の預かり金が必要です。■落札できなかった場合、預かり金はお返し致します。」との記載がある。

(http://www.jj7153.com/hikaku1/hikaku1.html)

第4 証拠調べ通知に対する意見(要旨)

請求人は、前記第3の「証拠調べ通知」に対して、平成21年7月17日受付の意見書において、以下のように意見を述べた。

本願商標「オークション直売店」は、外観が一体不可分であるから、これを「オークション」、「直売」及び「オークション直売」などのように各文字に分断して意味合いを看取すべきでなく、また、取引の実情からも、普通に使用されている事実もなく、さらに、分離観察された「オークション直売」の文字は、業務範囲・内容若しくはサービス内容を表現するために用いられているのではなく、宣伝広告のために用いられているのであって、役務の質を表現するものとして、取引上普通に使用さている事実もないことは明らかである。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、前記第1のとおり、「オークション直売店」の文字を書してなるところ、前記第3の1及び2のとおり、「オークション」の文字は、「競売,せり売り」の意味を有する語であり、また、「直売」の文字は、「生産者が問屋・小売店などの中間者の手を経ないで、直接に消費者に売ること。」の意味を有する語である。そして、前記第3の3によれば、「オークション直売」の文字は、自動車の販売において、「在庫を持たず、オークション会場で競売したものを問屋などの中間業者の手を経ないで消費者に直接販売する」程の意味合いを表す語として使用されている実情が認められる。

そうすると、かかる意味合いを認識させる「オークション直売」の文字の後に、「商品を販売する所」を意味する「店」の文字を付けたにすぎない「オークション直売店」の文字全体からは、「在庫を持たず、オークション会場で競売したものを問屋などの中間業者の手を経ないで消費者に直接販売する所」であることが認識され、商品の販売場所を表示するにすぎないから、本願商標をその指定商品中「自動車」に使用しても、自他識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、本願商標は外観が一体不可分であるから、これを「オークション」、「直売」及び「オークション直売」などのように各文字に分断して意味合いを看取すべきでない旨主張するが、本願商標を構成する「オークション直売店」の各文字が、たとえ、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、外観上まとまりよく一体的に表してなるとしても、本願商標は、「オークション」の部分が片仮名文字で表されているのに対し、「直売店」の部分は漢字で表されているものであり、このように、文字の種類の相違により視覚上分離して認識される構成となっているから、「オークション」と「直売店」の2語により構成されてなるものと容易に認識し得るものであるし、さらに、「直売店」の漢字部分についても、これが「直売」と「店」との2語からなる熟語であることも容易に理解できるのであるから、そうである以上、本願商標に接した取引者、需要者に、「オークション」、「直売」及び「店」の各文字に着目した観察と認識が生ずるのは、何か特別な事情がない限り、むしろ当然というべきであり、このような観察と認識が生じないとするためには、それを根拠付ける特別の事情が認められなければならないというべきである。しかし、提出に係る全証拠によってもそのような事情を認めることはできない。

そうすると、本願商標を「オークション」、「直売」及び「店」の各文字に分離して観察した結果、自動車の販売分野における前記実情の下では、その取引者、需要者が「オークション」と「直売」とを結合した「オークション直売」という語をひとまとまりの意味を有する語として認識し、本願商標を全体として「在庫を持たず、オークション会場で競売したものを問屋などの中間業者の手を経ないで消費者に直接販売する所」といった意味合いで理解、認識する蓋然性は極めて高いものといわなければならない。

したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。

(2)請求人は、本願商標「オークション直売店」は、取引の実情からも、普通に使用されている事実もない旨主張するが、商品の品質や販売場所等を表示した商標は、商品取引の過程において必要なものであり、取引業者は皆その使用を欲するものであるから、必ずしも、現実の使用を要件とするものではないものと解される。そして、このことは、以下の判決においても判示されているところである。「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡)」。

したがって、「オークション直売店」の文字が、たとえその指定商品を取り扱う業界において、商品の販売場所を表示するものとして使用されている事実が存在しないとしても、本願商標が商品の販売場所を表示するものであるとすることの認定の妨げにはならない。

(3)さらに、請求人は、「オークション直売」の文字が役務の質を表現するものとして、取引上普通に使用さている事実もないことは明らかである旨主張するが、当審判体は、本願商標「オークション直売店」を、証拠調べ通知及び前記1のとおり、商品の販売場所を表示するものと認定したのであって、これを役務の質を表示するものと認定したのではない。

したがって、請求人の上記主張は、失当である。

3 むすび

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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