Trademark Appeal Case
価格と商品名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−31129(T2007−31129/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「250円弁当」の文字を書してなり、第30類「弁当の製造販売」を指定商品として、平成18年8月29日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における平成19年5月23日付けの手続補正書により、第30類「べんとう」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『250円弁当』の文字を普通に用いられる方法により表示する標章のみからなるが、この商標の構成文字全体としては『価格が250円の弁当』の意味を認識させるものと認められる。したがって、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接した需要者は単に商品の価格を表示するものと認識し、自他商品の識別標識としての商標とは認識しないものと認められるため、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。なお、出願人は、平成19年5月23日付け提出の手続補正書において指定商品を補正し、同日付け提出の意見書において本願商標が商標法第3条第2項に該当する旨述べ、証拠方法として新聞、雑誌、業界誌のコピー、出願人の主催によるセミナー案内のコピー及びTBSラジオ、東海ラジオ、ニッポン放送の番組において出願人が取り上げられた放送部分を録音又は録画した媒体を提出しているが、出願人の業務は事業者、経営者に対して指導や助言を与える役務を提供する、いわゆる経営コンサルタントであって、本願に係る指定商品である『べんとう』を、自己の業務として製造、販売しているものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲1に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年6月22日付けで証拠調べの結果を通知した。
第4 当審における審尋
当審において、請求人が原審において主張する本願商標である「250円弁当」の文字が商標法第3条第2項に該当する旨の主張について、当該主張を裏付ける証拠等の書面を提出されたいとして、請求人に対し、平成21年6月22日付けで別掲2に示すとおり審尋を行った。
第5 職権証拠調べ及び審尋に対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」及び「審尋」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会及び回答書面を提出する機会を与えたが、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記第1のとおり「250円弁当」の文字を普通に用いられる方法により書してなるものである。
そこで、本願商標の構成・態様について考察するに、本願商標は価格を表示する「250円」の文字と、その指定商品の一般的な名称と認められる「弁当」の文字とをあわせてなるものであるところ、前記第3に係る証拠調べ通知中1ないし3の事実より、価格を表示する「○○○円」の文字と、「弁当」の文字とをあわせてなる「○○○円弁当」の語は、べんとうを取り扱う業界においては、弁当の値段を端的に表示する語として採用されている事実が認められる。
そして、前記第3に係る証拠調べ通知中1(1)、(4)、(7)、(9)、(10)、2及び3によれば、最近では、低価格競争の傾向が強まり、取引者、需要者の関心は弁当にも及び200円台の価格を表示することによって、弁当の安さを強調する語として普通に採択、使用される事実が認められる。
そうとすると、本願商標を構成する「250円弁当」の語は、それに接する取引者、需要者により「低価格の250円の弁当」との意味合いを容易に認識させるものと判断する。
そして、前記第3に係る証拠調べ通知中2の事実により「250円弁当」の語は、「価格が250円の弁当」であることを取引者、需要者間に認識させるための語として一般的に使用されていることが認められる。特に、前記職権に基づく証拠調べの中には、請求人が提出に係る審判請求書及び意見書において主張している、請求人による経営の指導、助言等を受けた事業者等が当該標章を使用している事実も見受けられるが、それらの使用に係る標章の構成・態様からは「価格が250円である弁当」との意味合いを取引者、需要者に認識させる程度にすぎず、新聞・インターネットによる当該標章の使用に関する紹介のされ方等を勘案しても、当審においては商品の価格又は品質を表示するものと判断するものである。
また、前記第3に係る証拠調べ通知中3の事実より、「250円」という価格の弁当が一般に取引・流通されている事実が認められるため、「250円弁当」の語が請求人の創作による造語であると認めることもできない。
以上の事実よりすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして「低価格の250円の弁当」程の意味合いを容易に認識されるものであるから、単に商品の価格又は品質を(誇称)表示したものと認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認められる。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるといわなければならない。
2 商標法第3条第2項について
請求人は、原審における平成19年5月23日付けの意見書において、本願商標である「250円弁当」の文字が商標法第3条第2項に該当する旨を主張し、証拠方法を提出しているが、提出に係る各証拠によると、請求人の業務は、事業者、経営者に対し、事業の経営に関する指導及び助言等を与えるものであるため、請求人が本願の指定商品である「べんとう」を自己の業務として製造、販売しているものと認めるに足りる証拠はなかったものと判断される。
さらに、提出に係る証拠中にある「250円弁当」の文字の構成・態様は、本願商標とはその構成・態様が異なるものや、本願商標の文字に他の文字とを組み合わせたものであるため、本願商標と同一の標章を使用しているものとは認めることはできないものと判断される。
そして、提出に係る証拠によると、当該使用に係る標章の使用者は、請求人より事業の経営に関する指導及び助言等を受けた者であって請求人とは異なる者であると判断されるため、当該標章の使用が請求人によるものと認めることはできない。
この点について、審判請求人は、審判請求書において「自己の業務として製造、販売している事業者、販売者は出願人の会員である。よって出願人は指導や助言を与えると共に、『べんとう』を、自己の業務として製造、販売する代表者である」旨を述べているが、その主張を裏付ける証拠等の書面は何ら提出はされていないものと認められる。
そうとすると、請求人は、本願商標が商標法第3条第2項に該当する旨を主張するが、原審で提出の証拠のみでは取引者、需要者に広く認識されるに至ったものであるとは認めることはできず、当審における審尋において当該書面の提出を求めたところ、前記第5のとおり何らの応答もなかったものである。
よって、本願商標は、使用により自他商品の識別力を有するに至った商標であるものとは認めることができない。
3 まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。