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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−25741(T2008−25741/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「御用聞きドットコム」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年5月16日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における平成20年11月26日付手続補正書により、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,商品の受注・発送業務の代行・媒介又は取次ぎ及びこれらに関する情報の提供,職業のあっせん,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、本願商標は、以下の拒絶理由(1)ないし(3)に該当する旨、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「得意先などに商品の注文を聞きにまわること」を意味する「御用聞き」の文字と、インターネットドメインの「.com」に通ずる「ドットコム」の文字を連綴し、「御用聞きドットコム」と表してなるところ、電話やファックス、ネットを利用して受注・配達を行うサービスを「御用聞きサービス」と称している実情が見られることから、本願商標をその指定役務に使用するときは、前記サービスに関連する役務であることを理解するに止まり、単に役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願の指定役務中「公告」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。また、政令で定める商品及び役務の区分に従って本願指定役務の当該区分の役務を指定したものとも認めることができない。したがって、本願商標は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。

(3)本願商標は、登録第4494192号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似であって同一又は類似の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第6条第1項及び第2項について

本願について、前記1のとおり補正された結果、本願指定役務の内容及び範囲は明確なものになり、その結果、商標法第6条第1項及び第2項を具備するものとなった。

したがって、本願商標が、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとした原査定の拒絶の理由は解消した。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、前記1のとおり、「御用聞きドットコム」の文字を表してなるところ、その構成中の「ドットコム」の文字部分は、インターネットのドメイン名の末尾に付けられる組織形態別コードの一つであって、企業のサイトであることを示す「.com」の読みとして一般に広く使用されている語であり、さらに、近時、わが国におけるインターネットの普及により、インターネットを介して行う電子商取引が、幅広い分野において行われている実情にあることからすれば、該「ドットコム」の文字は、本願の指定役務との関係では、自他役務の識別力を有しないか、極めて弱いものというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「御用聞き」の文字部分が主たる要部と認識し、当該部分に着目して取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

そうとすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ゴヨウキキドットコム」の一連の称呼を生ずるほか、「御用聞き」の文字部分に相応して、単に「ゴヨウキキ」の称呼及び「得意先などに注文を聞きまわること」(広辞苑 第六版)の観念を生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、別掲に示すとおり、天秤棒にぶら下げた2個の桶に魚を入れて担ぎ、縦書きの白抜き文字で「御用聞き」と書された前掛けをしている人物の図形とその人物の下に「株式会社 御用聞き」の文字を配してなるところ、かかる構成にあっては、該図形部分と「株式会社 御用聞き」の文字部分とは、視覚上、分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情を見出せないものであるから、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。

そして、該図形部分中、人物がしている前掛けに「御用聞き」の文字が中央部に顕著に書されていることから、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、当該文字部分に着目して取引に資する場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、引用商標は、前掛け内の「御用聞き」の文字部分に相応して、「ゴヨウキキ」の称呼及び「得意先などに注文を聞きまわること」の観念をも生ずるものといわなければならない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違する点があることを考慮してもなお、商標中の要部と認識される「御用聞き」の文字より生ずる「ゴヨウキキ」の称呼及び「得意先などに注文を聞きまわること」の観念を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似の役務を包含するものである。

したがって、上記2の拒絶理由(1)について判断するまでもなく、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人は、構成中に「ドットコム」の文字を含む他の登録例を挙げ、「本願商標も登録されるべきである」旨主張するが、請求人の挙げた登録例は、対比する商標の具体的構成態様において本願とは事案を異にするものであり、また、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、本件の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるから、上記登録例等をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当ではなく、上記登録例等の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の主張を採用することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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