Trademark Appeal Case
カリカリクッキーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−1281(T2009−1281/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「カリカリクッキー」の文字を標準文字で表してなり、第30類「小麦全粒粉・脱脂大豆繊維・卵白を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,茶を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,食酢・黒酢を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,ブドウ糖・オリゴ糖・乳糖・麦芽糖を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品 ,プロポリス・ローヤルゼリー・蜂蜜を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,穀物を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品 ,酵母・麹を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,酒かすを主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,食用粉類を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品,麦芽・胚芽を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状・固形状・クッキー状の加工食品」を指定商品として平成20年2月4日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同年10月3日付け提出の手続補正書により、第30類「小麦全粒粉・脱脂大豆繊維・卵白を主原料とするクッキー状の加工食品,茶を主原料とするクッキー状の加工食品,食酢・黒酢を主原料とするクッキー状の加工食品,ブドウ糖・オリゴ糖・乳糖・麦芽糖を主原料とするクッキー状の加工食品,プロポリス・ローヤルゼリー・蜂蜜を主原料とするクッキー状の加工食品,穀物を主原料とするクッキー状の加工食品,酵母・麹を主原料とするクッキー状の加工食品,酒かすを主原料とするクッキー状の加工食品,食用粉類を主原料とするクッキー状の加工食品,麦芽・胚芽を主原料とするクッキー状の加工食品」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『カリカリクッキー』の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中『カリカリ』の文字部分は、『水分を失って堅くなったさま』の意味を有する語である。そして、食品業界においては、『カリカリとした食感の商品』に『カリカリ○○』の文字を使用することが一般的に行われており、また、実際に『カリカリとした食感のクッキー』が製造、販売されている事実も考慮すると、本願商標を『クッキー状の商品』に使用しても、これに接する需要者は、該商品が『カリカリとした食感の堅く焼いたクッキー状の加工食品』であると認識するに止まり、商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり「カリカリクッキー」の文字を標準文字で表してなるところ、「カリカリ(かりかり)」の文字は、「水分を失って堅くなったさま。」(広辞苑第六版)の意味を有し、また、「カリカリ(かりかり)」の文字が、食品を取り扱う業界において使用されていることは、原審において提示した証拠に加えて、次の記事からも裏付けられるものである。(ア)「私たちのクッキー『商品』に ホテルシェフ指導 障害者施設『しびらき』/埼玉県」の見出しのもと、「『もっと本格的にやりたい』と、4月から利用者6人でクッキー班を作った。(中略)今では、チョコ、オレンジ、レーズン、クルミ、紅茶、コーヒーの6種類に増え、食感もカリカリしたものと、やわらかいものを作り分けている。」との記事(2009.01.31 朝日新聞東京地方版/埼玉 30頁)。
(イ)「<エコノみっくす>新商品」の見出しのもと、「菓子製造販売の柳月(帯広)は10日、菓子職人が『まかない用』として作ったクッキー『十勝トカッチ』を発売する。(中略)原材料には北海道産のバターや卵、ビート糖を使用。通常より砂糖やバターの量を増やして高温で焼き上げることで、風味が強く味も濃厚になり、カリカリした食感が楽しめる。」との記事(2009.10.08 北海道新聞朝刊全道 9頁)
(ウ)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「カリカリかりんとう全5種類」の項に、「カリカリとした歯ごたえ、口の中でかりんとうが歌っています。」との記載(http://www.rakuten.co.jp/magimaguu/457203/489539/)。
(エ)「有限会社 シェレンバウム」のウェブサイトにおいて、「NASUのラスク屋さんのおいしさたち」の項に、「一口サイズで焦がしバター風味がたまらない人気No1カリカリラスク」との記載(http://www.e-baum.co.jp/)。)
(オ)「にっぽんe物産市」と称するウェブサイトにおいて、「季節のセット」の項に、 ぽっちり堂『季節のセット』。ヨモギと小豆のパウンドケーキ、ユズとリンゴのパウンドケーキ、よもぎのほろほろクッキー、しょうがのかりかりクッキーの組み合わせ。」との記載(https://ebussan.jp/pg/profile3/?uid=12253530397627)。
(カ)「Teto」と称するウェブサイトにおいて、「2006年5月11日」の項に、「新商品、カリカリクッキー150円 薄くカリカリに焼いた食感は、やめられないとまらない美味しさです。」との記載(http://teto05.exblog.jp/i7/)。
(キ)「Jimmys」と称するウェブサイトにおいて、「クッキー」の項に、「ブランデークッキー<2枚入×15袋>450g ブランデーの香味を生かしたカリカリクッキー!」との記載(http://jimmys.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=323599&csid=0)。
以上の事実よりすれば、食品業界において、「カリカリ(かりかり)」の文字が食感を表す文字として一般に広く使用されており、また、当該食感を有する商品が「カリカリ(かりかり)○○○(商品名)」と表示されていることが認められる。
さらに、本願の指定商品であるいわゆる健康食品を取り扱う業界において、菓子と同様に「クッキー状」の商品が取引、販売されていることは、請求人が本願指定商品を、前記1のように「クッキー状の加工食品」と補正したことからも明らかである。
そうとすれば、本願商標「カリカリクッキー」の文字は、本願指定商品との関係において「カリカリとした食感のクッキー状の加工商品」程の意味合いを認識させるに止まるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「カリカリとした食感のクッキー状の加工商品」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該文字を、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願の指定商品とは非類似の商品である、菓子、食品を取り扱う業界の実状をもって、本願商標は普通に使用されているとする原査定の判断は、連想に連想を重ねた結果導き出されたものである。『カリカリクッキー』の文字は、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして取引上普通に使用されている実状は見当たらない。」旨主張し、当審において甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
ところで、本願の指定商品であるいわゆる健康食品を取り扱う業界において、菓子と同様に食感を商品の特徴としていることは、例えば次のとおりである。
(ア)「アサヒフードアンドヘルスケア株式会社」のウェブサイトにおいて、 「ダイエットサポート食品」の項に、「豆乳チーズケーキスティック しっとりとした食感で、1本に食物せんい3000mgと、9種のビタミン(V.A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.D、V.E、ナイアシン、パントテン酸)を配合しています。」との記載(http://www.asahi-fh.com/hc/products/pdt08-04-1.html)。
(イ)「YAHOO!JAPANショッピング」と称するウェブサイトにおいて、「プロテイン・バー」の項に、「サクサクの食感が人気 ISS OhYeah! プロテインウェハース 9個入り」との記載(http://store.shopping.yahoo.co.jp/bodybox/is-00004.html)。
(ウ)「サニーヘルス株式会社」のウェブサイトにおいて、「MDサポートシリーズ」の項に、「メレンゲクッキーアーモンドココア サクサクした食感に、ふわりと口に広がる甘さ。」との記載(http://mymd.microdiet.jp/shopping/?m=pc_shop&a=page_s_itemDetailC&item_no=06103)。
(エ)「オルビス株式会社」のウェブサイトにおいて、「ダイエット・美容サプリ」の項に、「大豆おからクッキーごま味レギュラー(15枚) ごまの食感とコクのある風味が特長。」との記載(http://www.orbis.co.jp/small/2101030/)。
また、いわゆる健康食品を取り扱う業界において、菓子のような「クッキー状」の商品が取引、販売されていることは、前記(1)のとおりであり、さらに、菓子をはじめ食品業界においても、食感を商品の特徴とする傾向にあることは前記(1)(ア)ないし(キ)の事実からも確認できるところである。
そうとすれば、いわゆる健康食品は、菓子とは非類似の商品ではあるものの、食感を商品の特徴とすることや、その名称が前記(ア)ないし(エ)のとおり、ケーキ、ウェハース、クッキーのように菓子のそれと似ていることなど、菓子と共通する点があることからすれば、原査定が、いわゆる健康食品と共通点を有する、菓子、食品を取り扱う業界の実状をもって、前記2のように判断したことが連想に連想を重ねた結果導き出されたものということはできない。
また、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)旨、判示されているところであるから、たとえ、「カリカリクッキー」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の者による使用が見当たらないとしても、それを理由に本願商標が同号の適用を免れるということにはならない。
さらに、請求人は、「本願商標を自己の商品名として使用し、需要者、取引者の間に広く認識されるに至っている。」旨主張しているが、請求人が提出した前記証拠からは、例えば、本願商標を付した商品の使用開始時期、使用期間、使用地域、生産量、売上高、広告宣伝の方法、回数及び内容等を確認し得ないものであるから、本願商標が、請求人の出所表示として、需要者、取引者の間に広く認識されるに至っていると認めることはできない。
加えて、請求人は「カリカリ」の文字からなる登録商標を挙げて、本願商
標もそれと同様に登録されるべきである旨主張しているが、請求人が挙げる登録例は、商標の具体的構成において、本願商標と事案を異にするばかりか、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、出願された商標の構成態様と指定商品との関係において、個別具体的に判断されるべきものであるから、その登録例の存在によって、本願商標が直ちに自他商品を識別する機能を果し得るとは認められず、前記判断は何ら左右されないというべきである。
よって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
(3)むすび
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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