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Trademark Appeal Case

不使用取消と指定商品

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300423(T2009−300423/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1464470号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1464470号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」を指定商品として、昭和52年9月30日に登録出願、同56年6月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらに、平成21年4月24日に第14類「貴金属製靴飾り」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第22類「靴用ろう引き縫糸」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その全ての指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁書に対する弁駁

(1)被請求人は、乙第1号証ないし乙第13号証を提出して、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内にその指定商品の一部である「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について、被請求人の子会社であり実質的な通常使用権者である株式会社キョーレ(以下「キョーレ」という。)により使用されたことは明らかである、旨主張している。

しかしながら、この被請求人の主張は、全くの誤りであり、本件指定商品とは非類似の商品である「人工皮革」について、キョーレが使用している証拠が提出されているにすぎず、これら証拠からは、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について、株式会社キョーレが使用した事実は全く認められない。以下、その理由を詳述する。

(2)使用する商標

乙第2号証から明らかなように、別掲(2)のとおりの構成よりなる本件商標に類似の「Daphne(右肩上に小さく「ダフネ」と表示)」)(以下「Daphne」という。)が、本件指定商品とは非類似の商品である人工皮革に使用されている。

乙第2号証には、タグに、人工皮革「Daphne」と記載され、他のタグには、「Daphne」は確かな技術と、確かな品質で開発・製造された共和レザー(株)の人工皮革です。発売元 株式会社キョーレと記載されている。

この記載から、本件商標に類似の「Daphne」を、共和レザー(株)及びキョーレが本件指定商品とは、非類似の第18類の商品である人工皮革について使用していること明らかである。

(3)被請求人は、乙第7号証ないし乙第10号証を提出して、本件商標が「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について、使用されたことは明白と主張しているが、これは全くの誤りである。

ア キョーレが、本件商標を「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について使用したというためには、本件商標を付した「履物用甲革」及び「履物用つま先革」をキョーレが販売した証拠が提出されていなければならない。

しかしながら、乙第7号証には、シークカーフ300を数量3.5で(有)マルト製靴が受領したこと、乙第8号証には、ジャックライム108,798,300をそれぞれ数量3.0で金田テープが受領したこと、乙第9号証には、フォーレエナメル108,589,946をそれぞれ数量0.5で(株)シューズ・セーラーが受領したこと、乙第10号証には、リーフハバナ173,ジャックカリナ108をそれぞれ数量0.5でシューオフィス テイトレが受領したことが示されているにすぎない。

シークカーフ等については、乙第2号証、乙第12号証及び乙第13号証に、皮革の見本として示されているように、皮革であって、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」ではない。乙第2号証には、長方形の見本が示されているにすぎず、形状から見ても「履物用甲革」及び「履物用つま先革」ではないこと明らかである。

このことは、数量が3.5、3.0、0.5となっていることからも明らかである。「履物用甲革」及び「履物用つま先革」であれば、個数が記載されている筈であるからである。この数量は、単位の記載が無いが、多分メートルであると思われる。

イ しかも受領書に記載の商標は、シークカーフ等であって、「Daphne」ではない。「Daphne」というのは、人工皮革全体を表示するものであり、個々の人工皮革見本は、シークカーフ等の名前で表すものであるから、この見本の商標は、シークカーフ等であって「Daphne」ではない。したがって、受領書に記載の商品は、人工皮革であるが、この特定の人工皮革に「Daphne」が使用されていることを示すものでもない。

ウ キョーレのホームページでコピーした商品案内を甲第1号証として、WEB見本帳(被請求人の提出した乙第2号証と同じ)を甲第2号証として提出する。

甲第1号証には、人工皮革商品として「Daphne」、合成皮革商品としてRobert(ロベール)、機能性裏中敷用合成皮革として、Klune(クルーネ)が記載されている。この記載から、WEB見本帳の合成皮革全体は、「Daphne」ではなく、Robertであると認められる。

甲第2号証3ページには、「人工皮革・合成皮革の企画販売 靴・バッグ雑貨小物用素材」と記載されている。この記載から、この見本帳の人工皮革・合成皮革は、靴・バッグ雑貨小物用の材料として使用されることがわかる。したがって、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」としてのみ使用されるものではないこと明らかである。しかも、この人工皮革・合成皮革の総称も「Daphne」ではなく、Robertであること、個々の人工皮革・合成皮革には、全く別の名前が付されていることから、この見本に「Daphne」を使用しているということもできない。

(4)被請求人は、乙第3号証および乙第4号証を提出して、「キョーレは、被請求人による100%出資の子会社であって、被請求人から仕入れた靴用の人工皮革をシューズメーカーヘ販売することを主な業務とするものであり、このことからキョーレは、被請求人と密接な関係があり、事実上本件商標についての通常使用権が許諾されていることがわかる、と主張している。

ア 乙第4号証には、主要販売先として、シューズメーカー、鞄袋物メーカー各社と記載されていることから明らかなように、被請求人から仕入れた人工皮革をシューズメーカー、鞄袋物メーカー各社に販売していることを示すにすぎず、靴用の人工皮革を販売するものとは認められない。仮に、靴用の人工皮革を販売することが主な業務であってとしても、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」を販売するものではないから、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について使用されたことにはならない。

イ キョーレが本件商標を使用するのを被請求人が黙認していることから、事実上本件商標についての通常使用権が許諾されていると被請求人は主張しているものと思われる。

しかしながら、上記したように、キョーレは、本件商標の指定商品とは、全く別異の人工皮革について使用するにすぎず、本件商標を使用しているものではないから、事実上本件商標についての通常使用権が許諾されているということはできない。その必要性が全くないからである。

(5)被請求人は、乙第5号証及び乙第6号証を提出して。キョーレの取り扱い商品は、専ら「履物用甲革」及び「履物用つま先革」であることがわかると主張しているが、これは誤りである。

乙第5号証及び乙第6号証には、商品としての「履物用甲革」及び「履物用つま先革」は、全く認めることができないからである。

乙第5号証には、人工皮革と靴が写っているにすぎず、これから上記のようにキョーレの取り扱い商品は、専ら「履物用甲革」及び「履物用つま先革」といえないこと明らかである。

乙第6号証は、21年4月21日と記載した21日を、20日に直したように見える。この写真は、靴に「Daphne」の表示をしているようにも見えるが、キョーレが靴を販売しているとは認められないので、これが何を意味するのか明らかではない。いずれにしても、乙第6号証からキョーレの取り扱い商品が、専ら「履物用甲革」及び「履物用つま先革」であることは、到底認められない。

本件請求人の従業員は、4月8日に審判を請求した後、商標法第50条第1項の審判を請求したことを被請求人の従業員に話しているので、急きょ乙第6号証を作成したのかもしれない。

(6)以上述べた如く、乙第1号証ないし乙第13号証は、被請求人及びキョーレが、人工皮革について「Daphne」を使用していることを示すにすぎず、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」を含んだ全ての指定商品について「Daphne」を使用していることは、全く認められないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。

1 本件商標の使用の事実について

(1)使用する商標について

乙第2号証は、被請求人が製造しキョーレが販売する靴用の人工皮革の2008年/2009年用の見本帳の表紙、表紙の裏面、2ページないし9ページ及び裏表紙の写しである。乙第2号証の各ページにおいて、別掲(2)のとおりの構成よりなる「Daphne」が多数使用されている。

(2)通常使用権者について

キョーレは、被請求人による100%出資の子会社であって、被請求人から仕入れた靴用の人工皮革をシューズメーカーヘ販売することを主な業務とするものである(乙第3号証及び乙第4号証)。このことから、キョーレは被請求人と業務上密接な関係にあり、事実上本件商標についての通常使用権が許諾されていることがわかる。このことは、乙第2号証の裏表紙に被請求人の表示とともにキョーレの名称及び所在地の表示があることからも明らかである。

なお、乙第5号証は最近撮影されたキョーレの社内ショールームの写真であるが、これらの写真にはショールーム内にキョーレの取り扱い商品の見本とともに、見本として展示されている人工皮革を使用して製作された靴の完成品も展示されている様子が写されている。また、乙第6号証には、平成21年4月20日に撮影されたキョーレの社内ショールームの一部に展示されていたキョーレが取り扱う商品の見本帳と完成品の靴が写されている。これらの事実から、キョーレの取り扱い商品は、専ら「履物用甲革」及び「履物用つま先革」であることがわかる。

(3)使用する商標「Daphne」と本件商標との社会通念上の同一性について

本件商標は、別掲(1)のとおり欧文字「DAPHNE」及び片仮名「ダフネ」を上下二段に横書きにしてなるものであり、観念及び称呼を共通にする欧文字による表示と片仮名による表示とを二段書きにした商標であるのに対し、使用する商標「Daphne」は本件商標の欧文字部分の「D」以外の文字を小文字で表示し、さらに欧文字部分の右肩の上に片仮名「ダフネ」を小さく表示した点においては相違があるものの、使用する商標「Daphne」と本件商標とは観念及び称呼を共通にするものである。

したがって、本件商標と使用する商標「Daphne」とが社会通念上同一であることは明らかである。

(4)本件商標の具体的使用の事実

乙第7号証ないし乙第10号証は、キョーレが得意先に商品を納品した際の受領書の写しである。

ア 乙第7号証は、伝票日付の欄に「09.01.29」と記載されており、2009年1月29日に納品された商品の受領書であることが推測できる。そして、商品名の欄の「シークカーフ300」は、乙第2号証の「SEEK CALF #711」中の「No.300」の見本を示すものである。また、得意先名は「(有)マルト製靴」であるから、納品された商品「シークカーフ300」は靴の製造のために使用される商品であることがわかる。そして、乙第2号証の8ページ上段の「SEEK CALF #711」の記載の上部には「Daphne」が記載されている。

以上から、本件商標が靴を製作するための人工皮革、すなわち本件指定商品中の第25類「履物」のうちの「履物用甲革」及び「履物用つま先革」(乙第11号証)について使用されたことは明白である。

イ 乙第8号証は、伝票日付の欄に「09.01.29」と記載されており、2009年1月30日に納品が完了した商品の受領書であることがわかる。そして、商品名の欄の「ジャックライム108」、「ジャックライム798」及び「ジャックライム300」は、いずれも乙第2号証の「JACK LIME #733」中の「No.108」、「No.798」及び「No.300」の見本を示すものである。また、得意先名は「ミヤビシューズ」であるから、納品された商品「ジャックライム108」、「ジャックライム798」及び「ジャックライム300」は靴の製造のために使用される商品であることがわかる。そして、乙第2号証の「JACK LIME #733」の記載の上部には「Daphne」が記載されている。

ウ 乙第9号証は、伝票日付の欄に「09.01.29」と記載されており、受領印はないものの受領印の欄に受領のサインと思われるものが記載されているので、2009年1月29日頃に納品された商品の受領書であることがわかる。そして、商品名の欄の「フォーレエナメル108」、「フォーレエナメル589」及び「フォーレエナメル946」は、キョーレのホームページ中の2009年版「WEB見本帳」(http://www.kyowle.co.jp/sample/catalog/default0.htm)中の「FOREENAMEL #771」中の「No.108」、「No.589」及び「No.946」の見本を意味するものである(乙第12号証)。また得意先名は「(株)シューズセーラー」であるから、納品された商品「フォーレエナメル108」、「フォーレエナメル589」及び「フォーレエナメル946」は靴の製造のために使用される商品であることがわかる。そして、乙第12号証の上段の「FOREENAMEL #771」の表示の上部には使用商標「Daphne」が記載されている。

エ 乙第10号証は、伝票日付の欄に「09.01.29」と記載されており、受領印はないものの受領印の欄に受領印と思われる不鮮明な印影と思われるものが見えるので、2009年1月29日頃に納品された商品の受領書であることがわかる。そして、商品名のうちの「ジャックカリナ108」は、キョーレのホームページ中の2009年版「WEB見本帳」(http://www.kyowle.co.jp/sample/catalog/defaut0.htm)中の「JACK CARINA #786」中の「No.108」の見本を意味するものである(乙第13号証)。また、得意先名は「シューオフィス ティトレ」であるから、納品された商品「ジャックカリナ108」は靴の製造のために使用される商品であることがわかる。そして、乙第13号証の上段の「JACK CARINA #786」の表示の上部には「Daphne」が記載されている。

オ 以上のことから、本件商標が本件審判の請求の予告登録日である平成21年4月22日(審決注:本件審判の請求の予告登録日は、平成21年4月24日である。)より前に靴用の人工皮革、すなわち本件指定商品中の第25類「履物」のうちの「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について使用されたことは明らかである。

(5)このように、本件商標は、被請求人の子会社であり実質的な通常使用権者であるキョーレにより、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品中の第25類「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について使用されたことは明白である。

2 よって上述のとおり、本件商標は、商標法第50条第1項の規定には該当しない。

第4 当審の判断

1 被請求人は、同人の100%子会社で、事実上通常使用権が許諾されているキョーレが本件商標をその指定商品の第25類「履物」のうちの「履物用甲革」及び「履物用つま先革」について使用していた旨主張し、乙第1号証ないし乙第13号証を提出しているので、以下検討する。

2 乙各号証について

(1)乙第2号証は、表紙の左上に筆記体の欧文字「Robert」とその「b」と「t」の文字の間の上に小さく片仮名文字の「ロベール」と記載され、中央部に「2008/2009」、右下隅に「KYOWLE」「CO.,LTD.」と記載された見本帳の写しで、裏表紙の中央部に「製造元 共和レザー株式会社」、「発売元 株式会社キョーレ」と記載されている。

そして、乙第2号証の2枚目(表紙の裏面の写し)には、その左下に「合成皮革」「ロベール/Robert」「共和レザー株式会社」と表記されたタグがあり、その下には、「『ロベールRobert』は、最新の技術と、・・・共和レザー(株)の合成皮革です。」「販売元」「株式会社 キョ−レ」の記載がある。また、右下には、「人工皮革」「Daphne」「共和レザー株式会社」と記載されたタグがあり、その下には、「『Daphne』は確かな技術と、・・・共和レザー(株)の人工皮革です。」「販売元 株式会社 キョ−レ」の記載がある。

また、乙第2号証の2ページには、上段の左上に「超ソフト人工皮革」の表示があり、その右横に「Daphne」「LEAF FIELDER #789」「リーフフィルダー」「規格(1.2mm×137cm×25m乱)」の記載があり、その下に「No.660」等の番号が付された横長四角形の複数の商品見本が貼付されている。下段には、左に「超ソフト人工皮革」の表示があり、その右横に「Daphne」「LEAF ENAMEL #780」「リーフエナメル」「規格(1.2mm×137cm×25m乱)」の記載があり、その下に上段と同様に商品見本が貼付されている。3ページないし9ページには「超ソフト人工皮革」の表示はないが、「Daphne」や規格等の記載の下に同様に商品見本が貼付されている。

(2)乙第3号証は、被請求人のホームページの写しで、関係会社の項に、「国内」「株式会社キョーレ」「資本金:50百万円 出資比率:100%」「事業内容:各種合成樹脂製品および繊維製品の販売」と記載されている。

(3)乙第4号証は、キョーレのホームページの写しで、概要の「取扱品目」の欄には「人工皮革、合成皮革、ビニールレザーなどの各種合成樹脂製品および各種繊維製品」と記載され、「主要販売先」の欄には「シューズメーカー、鞄袋物メーカー各社、輸出など」と記載されている。

(4)乙第5号証は、「人工皮革」あるいは「合成皮革」の商品の見本と、その下にブーツ、婦人用靴が展示されている店舗内の写真である。

(5)乙第6号証は、平成21年6月17日付けの特許庁長官宛の「証明書」で、静岡県在住の○○○(個人名)の記載と押印があり、乙第2号証と同様の商品見本と推認される「人工皮革」の部分が見開き状態にされ、その前方に婦人靴が置かれた写真が表示され、その上に「私は、下記の写真を兵庫県神戸市長田区大橋1丁目1番8号の株式会社キョーレの社内ショールームにおいて、平成21年4月20日に撮影したことを証明いたします。」と記載されている。

なお、撮影年月日と証明者の住所氏名は自筆で記載されている。

(6)乙第7号証は、伝票日付が「09.01.29」となっているキョーレから「(有)マルト製靴」宛の受領書で、商品名の欄の1に「711300 2959/シークカーフ300」と記載されている。

(7)乙第8号証は、伝票日付が「09.01.29」となっているキョーレから「ミヤビシューズ」宛の受領書で、商品名の欄の1に「733108 9306/ジャックライム108」、2に「733798 〃/ジャックライム798」、3に「733300 〃/ジャックライム300」、及び備考欄に「4.5mm2折ミシン芯ナシ」と記載されている。

(8)乙第9号証は、伝票日付が「09.01.29」となっているキョーレから「(株)シューズ.セーラー」宛の受領書で、商品名の欄の1に「771108/フォーレエナメル108」、2に「771589/フォーレエナメル589」、3に「771946/フォーレエナメル946」と記載されている。

(9)乙第10号証は、伝票日付が「09.01.29」となっているキョーレから「シューオフィス ティトレ」宛の受領書で、商品名の欄の1に「799173/リーフハバナ173」、2に「786108/ジャックカリナ108」と記載されている。

(10)乙第11号証は、類似商品・役務審査基準【国際分類第9版対応】の第25類中の「履物」の部分を含む118ページの写しである。

(11)乙第12号証は、キョーレのホームページ中のWEB見本帳の5ページの写しであり、その上部中央に「Daphne」「FORE ENAMEL #771」「フォーレエナメル」「規格(0.6mm×125cm×30m乱)」と記載され、その下に「人工皮革」又は「合成皮革」と推認される商品見本が表示されている。下段の左には「Daphne」「JACK GOAT #745」「ジャックゴード」「規格(1.0mm×137cm×30m乱)」と記載され、右には、「Daphne」「JACK META #738」「ジャックメタ」「規格(1.0mm×137cm×30m乱)」と記載され、それぞれの記載の下に上段と同様に商品見本が表示されている。

(12)乙第13号証は、キョーレのホームページ中のWEB見本帳の3ページの写しであり、その上部中央に、「Daphne」「JACK CARINA #786」「ジャックカリナ」「規格(1.0mm×137cm×30m乱)」と記載され、下段の左には「Daphne」「JACK BELTA #773」「ジャックベルタ」「規格(1.0mm×137cm×30m乱)」と記載され、右には「Daphne」「JACK BELTA META#781」「ジャックベルタメタ」「規格(1.0mm×137cm×30m乱)」と記載され、それぞれの記載の下に上段と同様に商品見本が表示されている。

3 以上の乙各号証よりすると、以下の事実が認められる。

(1)通常使用権者について

被請求人である商標権者とキョーレとの間で、本件商標に関する使用許諾契約が書面でなされていないとしても、キョーレは、被請求人の資本金の出資比率が100%であること、被請求人が主要仕入先の一つで商品「人工皮革、合成皮革」を取り扱っていること(乙第3号証及び乙第4号証)を勘案すれば、本件商標に関し、商標権者(被請求人)とキョーレとの間で、黙示の使用許諾があったものと推認して差し支えないものである。

(2)本件商標と被請求人の使用する商標「Daphne」との社会通念上の同一性について

本件商標は、別掲(1)のとおり、「DAPHNE」の欧文字と「ダフネ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるものである。

これに対し、被請求人の使用する商標「Daphne」は、別掲(2)のとおり、「Daphne」の欧文字とその右肩上に小さく「ダフネ」の片仮名文字を配した構成よりなるものである。

そこで、両者を比較すると、両者は欧文字部分において、大文字と小文字の差異を、片仮名部分においては、その配置に差異を有するが、欧文字も片仮名文字もいずれも同一の綴り字よりなるものであり、両者は社会通念上の同一商標であるというのが相当である。

(3)被請求人の使用している商品について

先ず、本件商標の指定商品についてみるに、本件商標の指定商品は、平成21年4月24日に第14類「貴金属製靴飾り」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第22類「靴用ろう引き縫糸」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」を指定商品とする書換登録がなされものである。

被請求人が本件商標を使用していると主張する商品「履物用甲革」及び「履物用つま先革」は、被請求人提出の乙第11号証に明示されているように第25類の「履物」に含まれる靴類に属する商品である。

そして、この「履物用甲革」及び「履物用つま先革」は、同号証にこれらの商品と並列に記載されている「内底 かかと 靴中敷」等の商品からみれば、これらは、靴専用に加工された商品であって、いわゆる靴の部品及び附属品とみるのが相当である。

他方、キョーレが本件商標を使用している商品は、乙第2号証が人工皮革、合成皮革の商品見本帳と認められること及び乙第4号証のキョーレの概要に取扱品目として「人工皮革、合成皮革、ビニールレザーなどの各種合成樹脂製品および各種繊維製品」と、主要販売先として「シューズメーカー、鞄袋物メーカー各社、輸出など」と記載されていることから、靴専用に加工された靴の部品及び附属品ではなく、汎用性のある「人工皮革」又は「合成皮革」とみるのが相当である。

なお、この判断は、請求人提出の甲第1号証及び甲第2号証のキューレのホームページの左上に「人工皮革・合成皮革の企画販売 靴・バック雑貨小物用素材」と記載されていることとも合致している。

そして、この汎用性のある「人工皮革」又は「合成皮革」は第18類の「皮革」に含まれる商品と認められるものである(「商品及び役務の区分解説[国際分類第9版対応]特許庁商標課編」参照)。

また、被請求人提出の乙各号証には、「履物用甲革」及び「履物用つま先革」と認められる商品は見い出せない。

そうとすれば、キョーレが本件商標を使用しているとする商品は、第25類の「履物」に含まれる商品「履物用甲革」及び「履物用つま先革」ではなく、第18類の「皮革」に含まれる「人工皮革」又は「合成皮革」といわざるを得ない。

なお、乙第5号証及び乙第6号証には完成品の靴が写されているが、キョーレが靴を製造し販売したと認め得る証拠はない。

以上を総合すると、被請求人の提出に係る乙各号証をもってしては、取消請求に係る商品についての使用を証明したものとは認められない。

そして、他に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む)が、その指定商品について使用されていた事実を認めるに足る証拠は提出されていない。

4 むすび

以上のとおりであるから、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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