結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300021(T2009−300021/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1533093号商標(以下「本件商標」という。)は、「AIR」の欧文字と「エアー」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、昭和53年1月20日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和57年8月27日に設定登録され、その後、平成5年1月28日及び平成14年8月20日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成14年9月4日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料」とする書換登録がされているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。
請求人の調査したところによれば、商標権者である被請求人が本件商標をその指定商品中の「化粧品」について使用している事実は発見できなかった。また、本件商標に係る登録原簿上、専用使用権及び通常使用権の登録もないところである。
したがって、継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが上記指定商品について本件商標の使用をしていないと推認されるものであるから、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第18号証を提出している。
(1)通常使用権者である株式会社資生堂(以下「資生堂」という。)又はその連結子会社である資生堂アメニティグッズ株式会社(以下「資生堂アメニティグッズ」という。)若しくは株式会社エフティ資生堂(以下「エフティ資生堂」という。)は、その「肌水」シリーズのアイテムとして、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品「化粧水」を2種(150g:800円と300g:1,200円)製造、販売している。
(2)被請求人は、平成12年(2000年)4月5日に、資生堂との間で、本件商標に関連する登録第1811865号商標「エア」の使用許諾契約を締結しており(乙第1号証)、その後、平成17年(2005年)1月17日に再契約をした(乙第2号証)。その契約は現在有効に成立している。資生堂アメニティグッズ及びエフティ資生堂は、資生堂の連結子会社である(乙第3号証)。
(3)乙第4号証は、エフティ資生堂の「売上伝票」であり、年月日の欄には「060704」の表示があり、それが平成18年(2006年)7月4日に発行されたものであることは明らかである。また、その品名の欄1段目には「商品コード」として「4901872869206」の数字と、「品名」として「1200ハダスイ エアL」が記載されている。
(4)乙第5号証及び乙第6号証は、資生堂アメニティグッズの「納品書」であり、右上の「売上年月日」の欄には「06/07/26」の表示があり、それが平成18年(2006年)7月26日に発行されたものであることがわかる。また、商品コード・品名の欄には、ともに「800ハダスイ エア」の表示がある。
(5)乙第7号証は、商品写真(正面図及び裏面図)であり、正面上部には「hadasui」の欧文字と、その下段に筆記体で「Air」の欧文字が表され、正面下段には「肌水」と「エア」が二段に表されている。また、その裏面には、「イオンサプライミスト」の表示、「肌水エア L」の表示、「<化粧水>」の表示が3段に表され、中央やや下部には「1,200円(税抜)300g」の表示と「株式会社エフティ資生堂」の表示が住所とともに表示されている。なお、最下方右側にバーコードとともに「4901872869206」の数字が表されている。この数字は、上記乙第4号証の数字と同一である。
即ち、商品「化粧水」の包装容器正面には、筆記体で表された欧文字「Air」と、片仮名文字「エア」が表されており、乙第4号証は、かかる商品が予告登録前3年以内に取引された事実を示している。
(6)通常使用権者であるケンゾー パルファンは、商品「香水」又は「オーデトワレ」について、本件商標を使用している。被請求人は、ケンゾー パルファンとの間で、2003年4月4日、本件商標及び登録第1811865号商標について、通常使用権許諾契約を締結している(乙第8号証)。
(7)乙第9号証は、2008年4月8日のインボイスであり、その品目欄に「KAIR−EDT INTENSE SPRAY 50 ML」が100個と記載されている。乙第10号証は、日本国内における取引書類であり、2008年5月7日に、ケンゾー パルファンがエス・アンド・エス株式会社に対し、他の商品とともに「ケンゾー エア インテンス」が20個納品された事実を示している。
なお、ケンゾー パルファンは、「AIR」または「エア」を付した商品を2種製造、販売している。その一つは、上記した「ケンゾー エア インテンス」(KENZO AIR INTENSE)であり、この商品は「オーデトワレ」である。他の一つは、「ケンゾー エア」(KENZO AIR)であり、商品は「香水」である。後者の商品及び商品の包装箱の写真は、乙第11〜14号証である。商品の包装箱には欧文字「AIR」が、また商品(瓶)の底には片仮名文字「エア」が表されている。
(8)「KENZO AIR INTENSE」について、平成18(2006)年7月7日に発売を開始する際のプロモーション資料を添付する(乙第15号証)。その説明文中5行目に「KENZOAIRがうまれてから1年。」の記載がある。さらに、七洋株式会社が開設するホームページにおいて、ケンゾー パルファンの製造、販売に係る「KENZO AIR」に関する紹介記事が掲載されている(http://openers.jp/interior_exterior/kenzo_parfums/about_kenzoair.html 乙第16号証)。これにより、平成18(2006)年7月7日現在、上記「ケンゾー エア」(KENZO AIR)が販売されていることがわかる。また、乙第16号証の末尾には価格が示されており、「KENZOAIR」は、20mlが4725円、50m1が7350円、90m1が9450円で、また「KENZO AIR EAU DE TOILETTE INTENSE」50m1が7350円で販売されていた事実がわかる。
(9)ケンゾー パルファンは、これらの香水及びオーデトワレのみを製造、販売していたのではなく、多種の香水及びオーデトワレを製造、販売している。この事実を示すために、有限会社山口設計の開設に係る通販ショップ「クロノス」のウェブサイトを添付する(乙第17号証)。特に、3ページから4ページにかけて、本商品を「エア」及び「KENZO エア」と表示している事実がある。
(10)本件商標は、欧文字「AIR」と片仮名文字「エアー」を上下二段に併記してなるものである。乙第11号証には欧文字「AIR」が正面左上部に表されているが、乙第7号証の商品写真の正面上部に表れる欧文字は、「Air」と、2文字目以降が小文字で且つ筆記体で表されている。
かかる登録商標と使用商標の相違は、審判便覧53−01「登録商標の不使用による取消審判」における、3.(2)登録商標の使用の認定に関する運用の事例 a.登録商標の使用と認められる事例ア(囲み文字の丸ア)の例3「活字体による書体と筆記体による書体の相互間の使用」、及び、例5「ローマ字の大文字と小文字の相互間の使用」に該当するものである。
また、登録商標における片仮名文字「エアー」と実際の使用態様「エア」では、末尾の長音記号の有無において相違するが、この相違点についても、「片仮名の表記においては、(中略)長音の有無が両商標にさほど強い印象の差を与えるものとは、いい難い」と判断された審決がある(取消2002−30159:乙第18号証)。実際、「エア」「エアー」の他、「ドア」「ドアー」、「ヘア」「ヘアー」、「ファイア」「ファイアー」、「ウェア」「ウェアー」等、併用されている例は多々ある。
したがって、使用商標は本件商標と社会通念上同一の範囲内にあるものである。
(11)本件審判の請求に係る指定商品は第3類「化粧品」である。これに対し、本件商標を使用する商品は、乙第5号証に示した「化粧水」、及び、乙第9〜14号証に示した「香水」又は「オーデトワレ」であって、ともに第3類「化粧品」に属することは明らかである。
また、本件商標が商品「化粧水」または「香水」若しくは「オーデトワレ」について使用された証拠(乙第4〜6号証及び乙第10号証)は、予告登録日前3年以内に日本国内における事実に関するものである。
したがって、予告登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品「化粧品」に包含される「化粧水」、「香水」及び「オーデトワレ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しているものである。
よって、本件審判の請求は成り立たない。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第8号証は、被請求人と「ケンゾー パルファン」との「通常使用権許諾契約書」であり、これによれば、被請求人は、本件商標について、2003年4月4日から2008年4月3日までケンゾー パルファンに通常使用権を許諾している。
(イ)乙第9号証は、FAXによる送信票のうち「P.5/9」に該当する1枚の送信票である。これは、被請求人が2008年4月8日のインボイスとするものであるが、これには取引相手の名称についての記載はないものの、「KENZO/PARFUMS」の表示があり、その品目欄に「K86072000」、「KAIR−EDT INTENSE SPRAY 50 ML」及び数量欄に「100」等の記載がある。
(ウ)乙第10号証は、通常使用権者であるケンゾー パルファンの取引関係書類である。そこには、発注者名「(株)カトレア/エス・アンド・エス(株)」、発注日「5月1日」、納品日「5月7日」、Refの欄に「86072000」、商品名の欄に「ケンゾー エア」「ケンゾー エア インテンス 50ML」、上代の欄に「¥7,000」、数量の欄に「20」、納品先として、住所、電話番号等とともに「エス・アンド・エス株式会社」の記載があり、頁右下部に「2008/5/1」の記載がある。
(エ)乙第11号証は、商品の外箱の写真である。そこには、「KENZOAIR」の文字の記載がある。そして、「AIR」の文字部分は、「KENZO」の文字部分に比して、やや小さく書され文字の濃淡に違いが認められる。
(オ)乙第12号証は、乙第11号証の商品の外箱に記載された商品名等の拡大写真である。そこには、「ケンゾー エア オーデトワレ」「フレーシュ」「<ナチュラル スプレイ>」「50ml」「フランス製」「輸入元:エル・シーエス株式会社」等の記載がある。
(カ)乙第13号証は、商品の外観写真であり、乙第14号証は、商品に記載された商品名等の表示を拡大した写真である。そこには、「ケンゾー エア オーデトワレ」「フレーシュ」「<ナチュラル スプレイ>」「50ml」「フランス製」「輸入元:エル・シーエス株式会社」等の記載がある。
(キ)乙第15号証は、「KENZO AIR INTENSE」について、被請求人が平成18(2006)年7月7日に発売を開始する際のプロモーション資料とするものであるが、これには「KENZO」「AIR」「INTENSE」「2006.7.7」「ON AIR」「KENZOAIR INTENSE」「ケンゾー エア オーデトワレ インテンス」等の文字が記載されるとともに、商品及びその外箱の写真と「容量:50ml」「価格:50ml ¥7,350(税込)」「発売日:2006年7月7日」の記載がある。
(ク)乙第17号証は、(有)山口設計による通販ショップ「クロノス」のホームページであるところ、その右下に記載された「2009/03/10」の日付から、2009年3月10日に印刷されたものである。そして、当該ホームページによって、「KENZO/ケンゾー」ブランドに係るオーデコロン、コロン、オードトワレ等の商品が販売されており、その4頁及び5頁に、商品写真とともに「エア」「KENZO AIR」「商品番号54−1137」「KENZO エア20ml(EDT SP20ml)」「税込み¥4725売切れ」の文字の記載がある。
(2)上記(1)の認定事実によれば、「ケンゾー パルファン」は、本件商標に係る通常使用権者である。
そして、乙第11号証ないし乙第14号証に示された写真の商品は、「化粧水」を意味する「オーデトワレ」であって、そこで使用されている「ケンゾー エア オーデトワレ」の文字と乙第10号証の取引関係書類の商品名に記載された「ケンゾー エア」「ケンゾー エア インテンス 50ML」の文字にあっては、「ケンゾー エア」の文字が一致している。そして、乙第15号証によって、乙第11号証ないし乙第14号証に示された商品が、乙第10号証に記載された商品名「ケンゾー エア インテンス 50ML」を指すものとみて差し支えないから、本件審判の請求の登録(平成21年1月23日)前3年の期間内である2008年5月に、「ケンゾー パルファン」によって上記商品が「エス・アンド・エス株式会社」に販売されたものというべきである。
また、上記商品「オーデトワレ」は、本件取消請求に係る「化粧品」の範疇に属する商品といえるものであり、それには、本件商標と社会通念上同一といえる商標「AIR」及び「エア」が商品及びその外箱に付されて使用されている。
そして、「KENZO」又は「ケンゾー」の文字とともに表示されている「AIR」及び「エア」の文字も独立して商品の自他識別標識として機能するものである。
なお、請求人は、上記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(3)以上を総合すると、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品「化粧品」の範疇に属する商品「オーデトワレ」について、通常使用権者によって使用されていたものと判断するのが相当であるから、商標法第50条第1項の規定により、上記指定商品についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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