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Trademark Appeal Case

SPEEDYの機能表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−650061(T2007−650061/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「SPEEDY」の欧文字を横書きしてなり、第16類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として、2005年8月8日にフランス国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2006年(平成18年)1月27日に国際登録されたものである。

そして、指定商品については、平成19年4月23日付けの手続補正書により、第16類「Correcting products namely correcting tapes for stationery,correcting fluids,correcting pens,rubber erasers.」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、『SPEEDY』の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該語は『速い、即時の、迅速な』の意味を有する語で、本願の指定商品との関係においては、速く、即時に修正できるという商品の効果を表示したものであって、本願商標をその指定商品に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて職権に基づく証拠調べをした結果、次のとおりの事実を発見し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年9月25日付けで証拠調べの結果を通知した。

本願商標は「SPEEDY」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、該文字の読みである「スピーディー」の文字が指定商品との関係において商品の機能、効能等を表すものとして使用されている以下のような事実が認められる。

1「SPEEDY」及び「スピーディー」の文字(語)の有する意味として、辞書によれば以下の記載がある。

(1)「speedy」の項に、「速い。迅速な。たちまちの。即時の。」との記載がある。(小学館プログレッシブ英和中辞典 第3版 1998年1月1日 株式会社小学館発行 1774頁)

(2)「スピーディー」の項に、「滞らず、軽快に何かが行われる様子。」との記載がある。(新明解国語辞典 第6版 2006年2月10日 株式会社三省堂発行 786頁)

(3)「スピーディー」の項に、「てきぱきと手早くものごとを進めていくさま。敏速なさま。」との記載がある。(大辞林 第2版 2005年6月10日 株式会社三省堂発行13566頁)

(4)「スピーディー【speedy】」の項に、「手早い。能率的な。」との記載がある。(イミダス編集部編 imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典 2006年4月30日 株式会社集英社発行 276頁)

2 本願の指定商品「correcting tapes for stationery、correcting fluids」の機能、効能を表すものとして「スピーディー」の文字が使用されているインターネット情報

(1)「ぺんてる ノック式修正テープZT200つめかえタイプ テープ」の見出しの下、「てきぱきスピーディーに修正したい学生さんにピッタリの修正テープです。」との記載がある。(http://www.rakuten.co.jp/topculture/691401/723835/704596/)

(2)「コクヨ修正液(水性・油性共用)[TW−40]【0922PUP10】」の見出しの下、「●誤字訂正がスピーディーにできる水性・油性共用タイプ。」との記載がある。(http://itern.rakuten.co.jp/kokuyo/4901480480183/)

(3)「KWHG(修正テープはがし付き修正テープ)」の見出しの下、「スピーディーに消せる!」との記載がある。(http://www.officedream.jp/seed.htm)

3 以上の事実を総合的に勘案すると、本願商標「SPEEDY」は、その指定商品との関係においては、「誤字の訂正等が素早く、迅速にできること」を容易に認識させ、単に商品の機能・効能等を表示するものと認める。

第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)

本願商標の「SPEEDY」の語は、「動作の早い」を意味する英語で、また「動作が早いさま」を表す外来語の「スピーディー」として日本語に定着しているものであるところ、前記証拠調べ通知で引用した辞書の記載は、いずれも「動作の早い」「動作の早いさま」を意味するものであり、同じく「スピーディー」の使用例は、いずれも「修正という動作ないし作業が早く、短時間で出来る」という意味で用いられている用例である。

そして、該「修正という動作ないし作業が早く短期間でできる」の属性は、本願の指定商品の効能を直接的に表すものではないから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。

第5 当審の判断

1 本願商標は、前記のとおり、「SPEEDY」の欧文字よりなるところ、前記第3の証拠調べで通知したとおり、該文字は「速い、迅速な、たちまち、即時の」の意味を有する平易な英単語であり、かつ、その読みを片仮名文字で表した「スピーディー」の語は「滞らず、軽快に何かが行われる様子。」「てきぱきと手早くものごとを進めていくさま。敏速なさま。」「手早い。能率的な。」の意味を有する外来語として一般に親しまれているものである。

そして、「SPEEDY」及び「スピーディ−」は、前記のとおり一般にも親しまれた平易な語であるといえるところ、本願の指定商品中、例えば「correcting tapes for stationery,correcting fluids」に関して、「スピーディー」の文字が該商品の品質もしくは効果を表示するものとして用いられている実情のあること前記第3の証拠調べにおいて提示した証拠のとおりであり、さらに「スピーディ」の文字も「修正テープ、修正液」等の商品の品質もしくは効果を表示するものとして用いられていることが、例えば以下のインターネット情報からもうかがい知ることができる。

(1)「プラス株式会社」のホームページにおいて「PLUS ニュースリリース」として「プラス(文具) 修正テープ『ホワイパーパル』ノック式ペンタイプ発売・・・主な製品特徴・・・片手でスピーディに修正可能なノック式。・・・」との記載がある。(http://www.plus.co.jp/news/080313.html)

(2)「株式会社パイロットコーポレーション」のホームページにおいて「修正テープ・・・ホワイトラインノックR・・・スピーディに修正」との記載がある。(http://www.pilot.co.jp/products/stationary/revision/index.html)

(3)「CHIKUHO」のホームページにおいて「・・・書くように消す『ノック式修正ボールペン パワコレ・・・先端を紙に当てるだけで液がスムーズに出て、まさに書く感覚で修正できます。ノック式でスピーディにペン先を出し入れでき、握りやすさ、携帯性に優れたスマートな形状で、パーソナル用としても、オフィス用としてもご活用頂けます。・・・」との記載がある。(http://www.chikuho.com/new/2006/08/post_3.html)

以上のとおり「スピーディー」又は「スピーディ」の語は、商品「修正テープ、修正液」等を取り扱う取引業者においては、該商品を利用して、誤字等を素早く迅速に修正できるということを表示するために用いられており、商品の品質もしくは効果を表示するものとして普通に使用されている。

そうとすると「SPEEDY」が一般によく知られた平易な英語であり、これに由来する外来語である「スピーディー」「スピーディ」が前記のとおり、本願指定商品との関係で、商品の品質を表す語として普通に使用されている事情を総合して考慮すれば、「SPEEDY」の文字からなる本願商標を、その指定商品「correcting tapes for stationery,correcting fluids」について使用した場合、看者をして、前記同様の意味合いを容易に理解、認識するというのが相当であり、結局、商品の品質もしくは効果を表示するにすぎないというのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用をしても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質もしくは効果を表示するものと理解するに止まるものであって、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。

2 請求人の意見について

(1)請求人(出願人)は、「SPEEDY」及び「スピーディー」の語は、動作が早いことを表す言葉であって、静止した物、即ち本願指定商品「修正用品、特に事務用修正用テープ、修正液、修正ペン、消しゴム」の品質や効能を表すことには用いられない。したがって、取引者、需要者は、商品の品質、効能を直接に表したものとは理解せず、商品の出所表示機能を有する商標として理解される旨主張する。

しかしながら、前記のとおり、「スピーディ(ー)」の文字が商品「修正テープ、修正液」に関し、商品の品質もしくは効果を表示するものとして採択・使用されていて、かつ、看者をして、商品の品質もしくは効果を表示するものとして容易に理解、認識されるものというべきものであるから、「SPEEDY」の文字からなる本願商標も同様に商品の品質もしくは効果を表示するものとして容易に理解、認識されるものというのが相当であり、請求人の主張は採用できない。

(2)また、請求人は、「SPEEDY」の語と同様の意味を有する形容詞の英単語が登録がされているから、本願商標も自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであって、かつ、本願商標がフランス国をはじめとして他の国において登録がされているから、本願も登録されるべきである。さらに「SPEEDY」の商標を付した請求人の商品が2006年6月より世界各地で発売され、日本においても2007年1月から請求人の子会社によって輸入開始されていて本願商標は我が国において広く知られている旨主張する。

しかしながら、請求人が挙げる過去の登録例は、対比する商標の構成態様又は指定商品が本願とは異なるものであるところ、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に当たるものかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時及び審決時において、当該商標の構成態様と指定商品とを考慮し、過去の登録例、審決例の判断に拘束されることなく、個別具体的に判断されるべきものであることからすれば、請求人が例示する過去の登録例が存在することによって、本願商標が同号に該当することを否定することはできない。

さらに、外国の登録例についても、我が国と外国とでは法制度及び商取引の実情を異にするものであるから、外国の登録例があるからといって、そのことから我が国においても直ちに本願商標を登録すべきものとはいえない。

そして、請求人の提出した甲第15号証ないし甲第17号証(枝番を含む。)を検討しても、本願商標がその指定商品に使用をされた結果、我が国において需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至ったものと認め得るに足りる証左は見あたらない。

したがって、上記の請求人の主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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